Squareが3.19兆円で「今買って、後で支払う」後払いサービス大手Afterpayを買収

フィンテック界を揺るがす超大型案件として、Square(スクエア)は米国時間8月1日、オーストラリアの「後払い決済(BNPL、Buy Now, Pay Later)」サービスの大手Afterpay(アフターペイ)を290億ドル(3兆1900億円)で、すべて株式を対価として買収すると発表した。

買収価格は、7月30日のSquareの普通株式の終値247.26ドル(約2万7200円)をベースとしている。この買収は、一定の条件を満たすことを前提に、2022年第1四半期中に完了する見通しだ。Afterpayの直近終値96.66豪ドル(約7800円)に対し30%以上のプレミアムがついたことになる。

Squareの共同創業者でCEOのJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏は、2社のフィンテック企業が「共通の目的を持っている」と声明で述べた。

「私たちは、金融システムをより公平で、利用しやすく、包括的なものにするためにビジネスを構築します。Afterpayはその原則に従い、信頼できるブランドを構築しました」と同氏は声明で述べた。「力を合わせ、Cash AppとSellerのエコシステムを上手く結びつけ、店舗と消費者にさらに魅力的な製品とサービスを提供し、パワーを彼らの手に取り戻すことができます」。

両社の結合により、他に類を見ない巨大な決済企業が誕生する。この1年半の間に「後払い」サービスは爆発的に普及し、特に若い世代を中心に、クレジットカードを使わず、利息も払わず、オンラインや小売店でどこにでもあるような分割払いのローンを利用するという考えが広まっている。

6月30日時点でAfterpayはファッション、家庭用品、美容、スポーツ用品などの業界の大手小売業者を含め、全世界で1600万人以上の消費者と約10万の加盟店にサービスを提供している。

両社の声明には、AfterpayのSquareグループへの加入により、SellerおよびCash Appのエコシステムに関するSquareの戦略的優先事項が加速することになる、とある。Squareは、Afterpayを今のSellerおよびCash Appのビジネスユニットに統合する計画だ。それにより「小規模な加盟店」であっても、精算時に今すぐ購入して後で支払うという選択肢を提供できるようになる。また、この統合により、Afterpayの利用者は、Cash Appで直接分割払いを管理できるようになる。Cash Appの利用者は、アプリ内で直接、加盟店やBNPLが選べる。

Afterpayの共同創業者で共同CEOでもあるAnthony Eisen(アンソニー・アイゼン)氏とNick Molnar(ニック・モルナー)氏は、取引終了後にSquareに合流し、Afterpayのマーチャント事業とコンシューマー事業をそれぞれ統括する。Squareは、Afterpayの取締役 1名を同社の取締役として任命する予定だ。

Afterpayの株主は、保有する株式1株につき、SquareのクラスA株式0.375株を取得する。これは、Squareの7月30日の終値ベースで、Afterpayの株価が1株あたり約126.21豪ドル(約1万200円)だったことを意味する。

この分野での統合がさらに進むのだろうか。それはまだわからないが、Twitter(ツイッター)上では、次にどんな取引が行われるかが話題になっている。米国では、2021年初めにライバル企業のAffirm(PayPalの共同創業者であるMax Levchin[マックス・レヴチン]氏が創業)が上場した。7月30日の終値は56.32ドル(約6200円)で、初値や直近52週間の高値である146.90ドル(約1万6200円)を大きく下回った。一方、米国で急成長を遂げている欧州の競合企業Klarnaは、6月にさらに6億3900万ドル(約703億円)を調達し、資金調達後のバリュエーションは456億ドル(5兆160億円)という驚異的な数字になっている。

米国の消費者をめぐるBNPLの戦いは、今回の取引でますますヒートアップすることは間違いない。

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カテゴリー:フィンテック
タグ:SquareAfterpay買収BNPL決済オーストラリア

画像クレジット:Smith Collection / Gado / Getty Images

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(文: Mary Ann Azevedo、翻訳:Nariko Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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