Stuartはeコマースの「最後の1マイル」問題を解決するフレキシブルな配送サービス

2016-04-20-stuart-delivery

今日(米国時間4/18)正式に運営をスタートさせたStuartはオンデマンド配送サービスだ。パリでの半年間に渡る実験で「何万回もの配送に成功」したと発表している。Stuartはパリより小規模だがロンドンでもプライベート・テストを行ってきた。スペインのバルセロナでもスタートの予定だ。

StuartはClement Benoit(レストランのデリバリーサービスのResto-Inのファウンダーで最近までCEOを務めていた)とBenjamin Chemla (Citycake.frの共同ファウンダー、元CEO。同社はResto-Inが2014年に買収)が2015年に創立した。

このスタートアップはeコマースの「最後の1マイル」というロジスティクス上の難問に画期的な解決法を与えるのが目的だ。同社では優れたテクノロジーと優秀な自転車クーリエの部隊の活用により、カバーする地域での即日配達を実現するという。

ユーザーはStuartをウェブとモバイルアプリで利用できる。これは小規模ビジネスやレストランなどのカジュアルな利用を急速に増加させるために理想的だ。StuartはAPIも公開しており、eコマース・ビジネスの運営者は独自の無印版の即日配送サービスを公開できる。

オンラインとオフラインのコマースの間に存在するギャップを埋めようとするオンデマンド配送サービスは世界中の大都市でありとあらゆる新しいスタートアップと激しい競争を生んでいる。ロンドンのJinnやアメリカのPostmatesなどはi消費者向けアプリで、「オンラインで注文した商品がすぐに届く」ことを目標にしている。レストランの出前など分野を絞ったスタートアップも多い。

StuartはAmazon Primeの配送システムの小規模ビジネスをターゲットにしたローカル版というのが近いだろう。Amazonの場合、商品は郊外のフルフィルメント・センターのようなロジスティクス拠点から配送しなければならないが、Stuartは「最後の1マイル」問題だけに特化しており、活動も特定の年に絞っている。.またStuartはを自転車、手押し車、バンなど多様な配送手段を用意しており、荷物のサイズや重量についての柔軟性が高い。【略】

共同ファウンダーのBenjamin Chemlaは「熱い料理の配送はきわめて限られたピークタイム(つまりランチとディナー)があり、十分な数の配送要員と安定した契約を結ぶのが特に困難な分野だ」と言う。

Stuartは他の種類の配送と同時に料理の配送という課題にも取り組んでおり、パリのピザハット、ロンドンの寿司ショップと共同で実験を行っている。料理、食品の配送サービスでは、Delivery HeroやValk Fleetや Delivery Cubeが運営を停止しているので、Stuartはこれによって生じた真空を利用できるかもしれない。

Stuartのビジネスモデルは他のライバルより堅実で、単に配達の件数をカウントするのではなく、配達ごとに距離、重量、配達手段などによる独自の方式で料金が計算される。これによりそれぞれの配送でコストを回収できるのだという(マーケットのサイズについてはJinnの最近の統計が参考になるだろう)。

Stuartの投資者リストは印象的だ。昨年11月、運営を開始する前に私はStuartが2200万ユーロを調達したことを報じている。このラウンドはフランス大手配送サービスのLe Groupe La Posteの子会社、GeoPostがリードしたもので、他の投資家にはJ.D. Blanc(Allociné)、 J.A. Granjon(Vente-privee.com)、O. Mathiot(PriceMinister)などが含まれる。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。