SyncThink、スポーツ現場などでの脳震盪判定にOculus Riftを活用

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ここ十年ほど、激しいコンタクトスポーツの最中に発生する脳震盪に対して注目が集まっている。脳に繰り返し衝撃を受けることにより、長期に及ぶ影響が発生することが明らかになってきたからだ。

そうした中、スポーツの現場で役立つソリューションを生み出したいと誕生したのがSyncThinkだ。設立したのはStanford Concussion and Brain Performance CenterのDr. Jamshid Ghajarだ。VRを使って脳震盪の診断をスピーディーかつ正確に行うソリューションを提供する。

開発したシステムはEYE-SYNCと呼ばれるもので、非常にコンパクトでどこにでも持ち運べるようにもなっている。現在の脳震盪チェックでは、プレイヤーが試合にとどまることができるように、周りの選手たちが「助ける」ような行動をすることもある。SyncThinkではヘッドセットを使って外部環境から切り離したテストを行うことで、プレイヤーの状態をより正確に判定できるようになっているのだ。

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システムで利用したのはDK2 Oculus Riftで、これにアイトラッキング・センサーを加えて、脳に受けた衝撃が脳震盪を引き起こしているかどうかを素早く判定できるようになっているのだ。

このシステムは既にスタンフォード大学のスポーツ授業の現場などで利用されている。試合が行われるフィールド上での利用をまず第一に考えているわけだが、コンパクトさゆえに軍隊などでの活用可能性もあるはずだと考えているそうだ。

そしてこのたび、ボストンに拠点をおいているSyncThinkは、インディアナ大学が脳震盪の研究にEYE-SYNCを用いることになったと発表した。

「脳震盪はさまざまな兆候から経験的な判断も加えて判定していました。ここに科学分析的なシステムを加えることで、より正確な判定ができるようになると思うのです」と、インディアナ大学で運動生理学のAssistant Professorを務めるKawata Keisuke氏は述べている。「脳に受けた障害の程度を迅速に判定する仕組みを確立し、兵士やアスリートたちが最高のパフォーマンスを安全に発揮できるようにしていくのが私の務めなのです」とのことだ。

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(翻訳:Maeda, H

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TechCrunch Japan

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