TC Tokyo卒業生のAIヘッドハンティングサービス「scouty」が3億円調達、2019年春には新機能の導入も

AIを活用したエンジニア向けヘッドハンティングサービス「scouty」を提供するscoutyは12月21日、ウィルグループ、X Capital、ヘイ代表取締役の佐藤裕介氏、インフィニティ・ベンチャーズから3億円の資金調達を実施した。

scoutyはTechCrunch Tokyo2017のファイナリストだ。同社が提供するscoutyでは、SNSや個人ブログなどインターネット上に公開されているエンジニアのオープンデータを収集。技術力、影響力、ビジネスとう3つのスコアを算出し、個人のスキルや志向性、活動内容などを含めた“履歴書”をAIが自動生成する。採用を検討する企業側は、このデータベースから要件に合った人材を検索し、ヘッドハンティングをかけることが可能だ。同サービスの累計導入企業は現在のところ約100社程度となっている。

Scoutyは2017年5月にオープンベータ版をリリースし、続いて2018年8月に正式版をリリースした。正式版ではあらたに「タレントプール機能」などが追加されている。scouty代表取締役の島田寛基氏はこれについて、「正式リリース以前のサービスは、転職活動をしていないが良いところがあったら話を聞いてみたいと思う『転職潜在層』を対象にしていたのですが、企業側からみると、優秀だけど転職がすぐに決まりにくいという課題があった。そこで、今回の正式リリースでは、潜在層をSNS上からソーシングできるうえ、自社の人材プールを作ってナーチャリングも行っていけるというタレントプール機能も合わせて提供することにした」と話す。

2019年春頃には、転職者自身が自分のscoutyページ(履歴書)やスコアを閲覧した上で希望条件を入れたり、逆に「自分をタレントプールに入れている企業」を閲覧したりできる、転職者側に焦点を当てた新機能を提供していく予定だ。

scoutyは今回調達した資金を利用して、scoutyの開発に必要な人材の獲得と顧客獲得のためのマーケティングに注力していく。具体的には、SNSや個人ブログだけでなくデザイナーのポートフォリオや論文までクローリングの範囲を広げるためのクローラー開発者、そして、収集したデータからデモグラフィック推定をしたり、転職に関係ありそうな投稿を自動検知するなどの機械学習を利用したシステムを構築できる人材などを探しているという。

投稿者:

TechCrunch Japan

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