Terminalは海外オフィスを開きたい会社の負担を軽くする

半島に閉じ込められたサンフランシスコ市内での、求人フラストレーションから、Terminalは誕生した。これは海外の人材を活用したい企業のためのプラットフォームだ。まずはカナダのキッチナー、モントリオール、そしてバンクーバーのキャンパスを皮切りに、このスタートアップはこの先世界のグローバル人材が集まる都市に、物理的な旗をできるだけ多く掲げることを目指している。

Terminalは、8VCのJoe Lonsdale、AtomicのJack Abraham、そして元EventbriteのDylan Serotaによって運営されている。そのビジョンは、海外進出のためのターンキーソリューションの提供であり、業務内容としては、技術者の募集と採用から、オフィススペースの提供、書類仕事、そして給与の支払いまでが含まれている。

意図的に、Terminalは対象を、プラットフォームの利点を享受できる会社と、Terminalの用意するオフィスで働くことができるエンジニアだけに限定している。そうした参加の制限を行なう中で、最高の会社と最高のエンジニアを集めることで、Terminalはそのブランド価値を最大化しようとしている。

米国の現在窒息している移民ポリシーを背景に、Terminalはタレントの橋渡しを狙っている。例えば、カナダのエンジニアたちは、ベイエリアでは必要な6桁(10万ドル以上)を上回る給与は要求していない。そしてウォータールーやモントリオールといった町は、有力な大学を擁しており、わざわざベイエリアに引っ越さずともシリコンバレーのスタートアップの経験を積むことを欲している、健康なエンジニアたちも大勢抱えている。

現在多くの企業たちが、最高の国際的才能を確保しようと、カナダでのオフィス開設を行っている。中でもUberFacebookは、不足しているAIと機械学習の人材獲得を狙って、新しいオフィスを最近カナダに開設したばかりだ。Terminalはスタートアップたちを支援するために、有名ハイテク企業から、こうしたリクルーターたちを引き抜いている。

世界には豊富なリソースがあると言っても、小さな会社の文化にとって、国際展開はストレスである。意図をもって成長し、管理できないほど分散したチームは作らないことが肝心だ。

「最初期のころには、会社は1箇所にまとまっているべきです。そして2箇所になり、さらに大きくなって行きます」とLonsdaleは断言する。 「私はスタートアップが、それぞれ少人数しかいないオフィスを、3箇所以上持つべきだとは思いません」。

Terminalの共同創業者たちは、次にオフィスを開く新しい都市について積極的に検討している最中だ。これは資本集約的な活動である。Abrahamは特定のファンディングについては言及しなかったが、同時にグループが十分な資金を手元に持っていることを指摘した。

「私たちは現段階ではイグジットの計画は持っていません」とLonsdaleが付け加えた。「長期的には、そうしたことが必要になるでしょう。そこで私たちはこれを資産として構築しています。会社がどのような投資家たちを迎え入れるかに依存しますが、私たちは投資家たちに通常の流動資産を取得して貰えるようにできます」。

Terminalの15人のフルタイム従業員たちは、これまでに100人のエンジニアのリクルートに成功している。これは従来のリクルーティングファームの3倍の速度だ。Terminalは採用成功人数1人あたりの請求を行い、さらに従業員の給与額に応じて一定の割合で手数料を受け取る。これは業界の標準的なビジネスモデルではあるが、Terminalの請求する割合は高めに設定されている。これはそのサービスアプローチが、物理的なオフィススペースの提供と、バックオフィスサポートを含んでいるためだ。

Terminalの初期顧客は、8VCとAtomicのポートフォリオから選ばれた顧客たちだ。Sequoia、Lightspeed、そしてNEAといった投資ファームたちが、そのポートフォリオの中で国際的な存在感の獲得に興味のある会社たちのために、Terminalと共同でリクルート作業を進めている。最終的にはこれらのVCたちは、Terminalを活用したいスタートアップたちの取捨選択を助けることになるだろう。

原文へ
(翻訳:sako)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。