Tesla、OracleのLarry Ellisonらを取締役に指名ーーSECの条件に対応

Teslaは独立取締役を役員会に加えた。Oracleの創業者で会長、CTOのLarry Ellisonと、WalgreensのエグゼクティブKathleen Wilson-Thompsonだ。これは、TeslaのCEO、Elon Muskの会社を非公開化するというツイートをめぐっての米国証券取引委員会(SEC)との和解条件の一つだった。

この2人は12月27日に役員会に加わった、とTeslaは金曜日早朝の声明文で明らかにした。Kathleen Wilson-Thompsonは現在Walgreens Boots Allianceで執行副社長兼グローバル人事責任者を務めている。彼女はまた、米国拠点の製造企業の公共委員会のメンバーの役も担っている。

指名およびコーポレート・ガバナンス委員会が率いるTeslaの取締役会は、再生可能エネルギーへの移行を加速させるというTeslaのミッションに強い個人的信条を有していて、なおかつ“幅広いスキル”を持つ世界中の候補を検討した、としている。

Ellisonは単なるTeslaの“信者”ではなく、Muskの友人であり、盟友である。Ellisonは10月のアナリスト会議でMuskの防衛の側に立ち、Teslaは彼にとって二番目に大きな投資先であることも明らかにしていた。Ellisonは今年初め、300万ものTesla株を購入した。

このOracle創業者はまた、2017年にTeslaのラナイ島における温室栽培プロジェクトのためのマイクログリッドエネルギーシステムに、190万ドルを費やしている。この栽培プロジェクトはSenseiと呼ばれる Ellisonの会社の一部でもある。Senseiは著作業・南カリフォルニア大学教授であり、Ellisonの友人でもあるDavid Agusと共同で設立された。

Senseiは、水耕農場の開発に注力している、L.A.を拠点とする新しいウェルネス・ブランドだ。最初のプロジェクトにはサイズ不明の水耕農場をハワイのラナイ島につくるというものが含まれている。これはEllisonが2012年に3億ドルで買収したものだ。Senseiの代表Dan GrunebergはTechCrunchに対し、この農場は1エーカーあたりの栄養にフォーカスし、セールスポイントはSensei農場ブランドでレストランや小売に販売される予定の果物や野菜だ。

「過去数カ月、幅広く検討し、我々は現在の取締役会を補足するようなスキルを持った独立取締役を追加することを模索した。 LarryとKathleenを指名することで、抜群の起業家と人事リーダーを取締役会に加えた。両名とも持続可能なエネルギーに情熱を持っている」とTeslaの取締役会は声明文で述べた。

この指名は、TeslaとMuskにとってドラマティックだった今年を締めくくるものだ。Muskは9月にSECと和解で合意し、和解の条件にはMuskが会長職を退くことと、罰金2000万ドルを払うことが含まれていた。SECは、Muskが1株あたり420ドルで株式を買い取って会社を非上場化するための“資金を確保した”と8月7日にツイートしたとき、Muskが詐欺を行なったとして提訴していた。

MuskはCEOにとどまり、まだ役員会のメンバーではある。Teslaもまた、この2人の独立取締役を役員会に指名することに同意した。

Teslaは、Muskとは別に2000万ドルの罰金を払った。Teslaに対する容疑と罰金は、情報開示義務とMuskのツイートに関する手続きの不履行に関するもの、SECはと述べていた。

TeslaのSECとの合意は、Teslaにとってコーポレート・ガバナンスの新時代の始まりを刻むものとなっている。これまで株主の一部はMuskによってあまりにもタイトにコントロールされ過ぎていると主張し、またMuskの弟のKimbal Muskのように別の株主はMuskの肩を持っていた。

2017年、Teslaは役員会メンバーの幅を広げ、21世紀フォックスのCEO、James Rupert MurdochやJohnson Publishingの会長でありCEOでもあるLinda Johnson Riceを加えた。

他の役員会メンバーは次の通りだ:Robyn Denholm、2014年就任;Brad W. Buss、2009年就任;Antonio Gracias;Ira Ehrenpreis、最も長く務めているメンバーで2007年就任。Denholmは10月にTeslaの会長職に指名された。

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(翻訳:Mizoguchi)

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TechCrunch Japan

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