TikTokがShopifyとの提携を拡大、米英カナダで買い物機能のテストを実施

TikTok(ティクトック)がeコマースに進出している。同社は米国時間8月24日朝、eコマースプラットフォームのShopify(ショッピファイ)との提携拡大、並びに米国、英国、カナダの特定のShopify販売事業者と今後数週間で行うTikTokショッピングのパイロットテストを発表した

ソーシャルビデオプラットフォームであるTikTokは2020年10月、Shopifyの販売事業者がShopifyのダッシュボードから直接TikTokマーケティングキャンペーンを展開したり最適化したりできる新しいツールの導入や、TikTok For Business Ads Manager内での統合など、Shopifyと提携する計画を明らかにした

8月24日に詳細が発表された提携の拡大では、これまでよりもさらに踏み込む。間もなく、TikTok For Businessアカウントを持っているShopifyの販売事業者は新しい「ショッピング」タブをTikTokプロフィールに加え、プロフィールにミニ店舗を持ってくるために製品カタログを同期させることができるようになる。

この新たなサービスを真っ先に利用するユーザーの1人がKylie Jenner(カイリー・ジェンナー)氏で、同氏はこの機能を自身の化粧品ブランドで使い、TikTok上で直接商品を購入できるようにする。米国や英国の他の販売事業者ともテストが進行中で、今後数週間内にカナダの販売事業者とも展開される予定だ。販売事業者はShopifyのTikTokチャンネルを通じてテスト参加をリクエストできる、とTikTokは説明している。

新たな提携にはまた、Shopifyの販売事業者へのプロダクトリンクの提供が含まれる。これはTikTokビデオでプロダクトをタグ付けするのに使う。TikTokユーザーはタグの付いたプロダクトをクリックすれば販売事業者の店舗に案内され、精算できる。

画像クレジット:Shopify x TikTok

「クリエイターは新しい種の起業家精神への道を切り開いています。そこでは、コンテンツ、コミュニティ、そしてコマースが鍵を握ります」とShopifyの社長Harley Finkelstein(ハーレイ・フィンケルスタイン)氏は声明文で述べた。「新たなアプリ内買い物エクスペリエンスと、TikTok上でのプロダクト発見を初めて可能にすることで、Shopifyは世界で最も急成長しているソーシャルエンターテインメントプラットフォームの1つでクリエイター経済を後押ししています。次世代の起業家がさらに多くの方法でオーディエンスとつながるのを、先見の明あるパートナーのTikTokとサポートすることを楽しみにしています」と付け加えた。

Shopifyはまた、Shopifyのソーシャルコマースチャンネルのインストールが2020年2月から2021年2月にかけて76%増えたことを指摘し、販売事業者の間でTikTokとの提携に対する需要が増えつつあると述べた。

TikTokは着実にeコマース機能を開発していて、ここには2019年のHashtag Challenge Plus立ち上げも含まれる。この機能では、ハッシュタグに買い物ができる要素を加え、ビデオ視聴者をTikTok内のショップに誘導する。2020年にはLevi’sのようなブランドがTikTokの「Shop Now」ボタンを展開できるようにした。このボタンで消費者はTikTokに表示されるリンクを通じて購入できる。そして2020年秋に発表したShopifyとの提携に加えて、WalmartがライブストリームショッピングイベントでTikTokの活用を開始した。

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2021年初め、BloombergはTikTokが2021年に米国でのeコマース拡大を準備している、と報じた。ユーザーがプロダクトへのリンクをシェアできる他、手数料プログラムやライブストリームショッピングが含まれ、これらすべてはFacebookに対抗するためのものだ。後に、アプリ内ショッピングのテストが欧州のいくつかのブランドで始まった、とも報じた。

TikTokの買い物できるコンテンツでのさらなる大きな目標は、究極的にはFacebookとInstagramに対抗することかもしれない。FacebookとInstagramも近年、FacebookとInstagram ShopsInstagram内の専用ShopタブReelsでのショッピングなど、オンラインショッピングに投資している。

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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