TIME誌「2020年のベスト100発明」の1つ、VirtiはVRでスキルを教え知識保持率を230%向上させる

パンデミックが発生したことで、トレーニングスタッフは「バーチャル化」を余儀なくされた。一般的には、それは私たちがよく知っていて「大好きな」既存の企業トレーニングソリューションに頼ることを意味していた。他の方法はないのだろうか?

2018年、外傷外科医のAlex Young(アレックス・ヤング)医学博士は、手術のようなストレスの多い場面で必要とされるトレーニングをVR環境に適用することにより、ラディカルで効果的なトレーニングアプローチを導き出したという。

彼のデジタルトレーニングプラットフォーム「Virti」は今回、IQ CapitalがリードするシリーズAラウンドで1000万ドル(約11億円)を調達した。LAのCedars-Sinai Medical Center(シダーズ・サイナイ医療センター)と、英国を拠点とする新しいEdTech系VCファンドDescenture Capitalも今ラウンドに参加した。さらに、Oracle(オラクル)からKurt Kratchman(カート・クラッチマン)氏がCROとして、Mark Ashworth(マーク・アシュワース)氏がCFO兼COOとしてVirtiに加わった。

英国ブリストルで設立されたVirtiプラットフォームは、モバイルやデスクトップデバイス、またはVR / ARヘッドセットで動作し、3つすべてのデータをキャプチャして、従業員のパフォーマンスを分析、測定、フィードバックし、主観的に評価されがちな多くのスキルを、より客観的で測定可能なデータに変える。Virtiはパンデミック中に最前線で働く人々の役に立ったとして、TIMEマガジンが選ぶ「2020年のベスト100発明」の1つにも選出された。

Virtiは、その深層学習技術によりトレーニングの成果を最大230%向上させ、同社によれば、収益を978%向上させたとしている。また、クラウドベースでノーコードのシミュレーション作成スイートを持っており、組織は独自のオーダーメイドのトレーニングモジュールを構築できるという。

Virtiの創業者兼CEOであるヤング博士は次のようにコメントしている。「Virtiの目標は、体験型学習を誰もが手頃に利用できるようにすることで、人間のパフォーマンスを最大化することです。対面式のトレーニングは常に高価で、eラーニングはユーザーをエンゲージするのに効果的ではない場合が多くあります。そして研究によると、従業員はそうした一時的なトレーニングの80%以上を忘れてしまうそうです」。

IQ CapitalのマネージングパートナーであるMax Bautin(マックス・バウティン)氏は次のように述べた。「eラーニングは過去5年間で大きな成長を遂げており、新型コロナウイルスによるリモートワークへの移行で需要はさらに何倍も膨れ上がりました。Virtiのディープテック体験学習プラットフォームは、世界でも断トツに優れています」。

Virtiは、通常のデスクトップベースのトレーニングソリューションとも競合している。しかしVRサイドでは、5100万ドル(約56億4000万円)を調達したStriVRや、3510万ドル(約38億8000万円)を調達したMursiunとの間で、より一層の競争が繰り広げられている。

筆者との電話でヤング博士はこう語ってくれた。「当社のシステムはアナリティクスに関する特許を取得しており、VRヘッドセットを装着した人が何を見ているか追跡することができます。そのため、マーケティングプラットフォームで見られるヒートマップデータのように、深いエンゲージメント指標を引き出すことができるのです。これらの環境下で人々がどのように交流し、意思決定などを行っているかを組み合わせることで、現実の環境でどのようにパフォーマンスを向上させることができるかを予測し、それをレポートダッシュボードで共有できます。また、練習をしていないと、学習内容の80%を忘れてしまうという側面もあります。当社のシステムはモバイルやVR、ARヘッドセットでアクセスできるので、最新の情報や学習を得ることができ、スキルアップや情報の記憶をより長く保持することが可能なのです」。

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カテゴリー:EdTech
タグ:VirtiVR資金調達eラーニング

画像クレジット:Virti

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(文:Mike Butcher、翻訳:Aya Nakazato)

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TechCrunch Japan

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