Twitterがインド最大与党のアカウントを停止

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Twitterは、インドの最大野党であるIndian National Congressが同社が定めたルールに違反したとして同政党のアカウントを停止した。

Indian National CongressはFacebookのポストでこの件についてコメントした。

「リーダーが投獄されても、我々は臆することがなかった。Twitterのアカウントが停止されたところで、なぜ恐れる必要があるだろうか。我々はIndian National Congressである。これこそが国民に対するメッセージであり、我々は戦い続ける。レイプの被害にあった少女を擁護する声を上げることが犯罪なのであれば、我々はその罪を何百回と犯すことだろう。Jai Hind… Satyamev Jayate(翻訳者注:それぞれインドへの敬礼、真実のみが勝つの意)」。

Congressのソーシャルメディア部門長であるRohan Gupta氏は、今回の件によってTwitterはインド人民党(現在の与党)による統治の容認に傾いたと話した。また、Congressのリーダーたちの中にもTwitterのアカウントが停止された者がいるとも付け加えた。

Twitterは声明を発表し、同社のルールは賢明な判断に基づき、すべてのユーザーに対して平等に適用されているとしている。

Twitterのスポークスパーソンは、「我々が定めたルールに抵触する画像を含んだ数百のツイートに対して、積極的な行動を起こしました。今後もルールに則り同様の対応を行っていきます。プライベートな情報の中には、他者のリスクにつながりかねないものもあります。私たちの目標は、個人のプライバシーや安全を保障することです。私たちはすべてのユーザーに対して、Twitterのルールに精通していただき、それに抵触するものを報告していただくことを強く推奨しています」と話している。

Indian National Congressのアカウント停止によって、米国企業に対する批判が高まった。インドの政党の1つ、全インド草の根会議派のDrerek O’Brien氏は「我々はIndian National Congressやそのリーダーたちのアカウント停止について、強く非難する」とコメントした。

2021年8月にも、TwitterはIndian National Congressの前党首であるRahul Gandhi氏のアカウントを停止した。レイプされ殺害されたとされる9歳の女の子が家族と写した写真をツイートしたためだ。同社はインド法定機関であるNational Commission for Protection of Child Rightsから、同ツイートは被害者のプライバシー侵害にあたるとの指摘を受け、上記の対応を行ったとされる。

多くの米国企業がビジネスを行うインドでのこの一件はTwitterにとって頭痛の種となっている。

インド政府との数か月間に及ぶ協議の末、Twitterは2021年5月から施行されたインドの新しいIT関連法に準拠するとされる

Twitterは新しい法律を遵守するための準備期間として数か月間の猶予を持たせることをインド政府に要求している。この問題に対処するための人員を確保するためだ。インド政府は、500万人以上のユーザーを抱えるすべてのWebサービスに同法律の遵守を求めている。

これにより、これまであったインド政府とTwitter間の緊張は和らぐと考えられている。Twitterは2021年5月、インド与党に所属するSambit Patra氏のツイートを「操作されたメディア」とラベル付けを行った。それに対し、インド警察の対テロ部隊がTwitterがインドに構える2つの拠点を調査し、Patra氏のツイートが「操作された」ものであると結論づけた同社の情報を調査した。当時Twitterは、「インドにいる従業員の安全を危惧するとともに、これが表現の自由を侵害する事象になりうると危惧している」と話していた。

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TechCrunch Japan

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