Uberがインドのフードデリバリーからの撤退が近いと伝えられる

Uberは、中国ロシア東南アジアからの3連続の撤退の後、決してインド(に限らずいかなる市場からも)からは撤退しないと断言したが、その対象には同社のフードデリバリービジネスも含まれているのだろうか?

雲行きは怪しい。もしメディアの報道が正しければ、Uberはインドのフードデリバリー業界からの撤退の瀬戸際にいる。

インドのEconomic Timesが伝えるところによれば、最近10億ドルを調達し一般配送にも拡大したフードデリバリーサービスのSwiggyが、その株式の10%をUberに与えることでUber Eatsを吸収する交渉の最終段階にあるという。Swiggyはごく最近の10億ドルの調達ラウンドのあと、33億ドルの価値があると言われていた。このラウンドはNaspersが主導し、新しい後援者TencentやUberの投資家のCoatueなども参加した。

Uber Eatsは同社の主要な収益源であることが喧伝されている。The Informationはかつて、2018年第1四半期だけで15億ドルの売り上げを上げていると報じていて、同社はアジアでの拡大を急いできた。Uber Eatsは2年近く前にインドに上陸したが、昨年3度の資金調達を行ったSwiggyと、Alibabaの支援を受けたZomatoとの間の、戦いの真っ只中にいる。

すでに、2017年末にUberのライバルのOlaが買収したサービスである FoodPandaなどを含む周囲に、この争いの影響が出ている。OlaはFoodPandaによってコストを削減し、より持続可能なクラウドキッチン戦略に焦点を移したと報じられている 。それでもZomatoとSwiggyは攻撃的である。

その背景と、今後予定されているUberのIPOを考えると、コストを集約しながら、市場への関与を続けることには意味がある。Uberはまさに、東南アジアにおいてGrabとの間でその取引を行った。顧客輸送とフードデリバリービジネスをGtabの27.5%の株式と交換で譲ったのだ。

私が、Uberにとっては敗戦ではなく勝利であったと主張したそのGrabとの取引は、赤字の消耗戦から会社を救い出して、成長しているビジネスへの掛け金にしたのだ。それはUberがインドのフードデリバリー事業のために、再び繰り返すレシピなのかもしれない。

注:CoatueはUberとSwiggy両方の投資家である。

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(翻訳:sako)

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TechCrunch Japan

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