Uberが空飛ぶタクシー離発着施設スカイポートのデザインを公開

Uberの建築とエンジニアリングのパートナーが、スカイポートの新デザインをいくつか公開した。説明しておくと、スカイポートは人々が「Uber Air」の車両に乗り降りする場所だ。

今日開かれた会議Uber Elevateで8社が16のスカイポートの新デザインを発表した。下に、各社の代表コンセプトを紹介する。もしかすると、こうしたスカイポートがどこにできるのだろう、と考えている人もいるかもしれない。この点について、Uberは駐車場や未活用の構造物の上にスカイポートを設置するために不動産デベロッパーや行政と協力することを想定している。

「Uber Airのサービス開始は数年先に迫っていて、スカイポート・モビリティ・ハブのコンセプトのこのコレクションでは、我々がサービスを展開するコミュニティで必要とされるインフラのための現実的で持続可能なビジョンが示されている」とUber Elevateでデザイン部門トップを務めるJohn Badalamenti氏は発表文で述べている。「これらのデザインは、Uber Poolのような陸上の輸送と屋上のeVTOL機体のシームレスなトランジットを演出し、目的のシナジーを具現化している。まだ存在していない世界を想像し、現実のものにする責任が建築には伴う。だからこそ今年は、ロサンゼルス、ダラス、メルボルンの都市景観にいかにスカイポート・ハブを取り込むかを描くために革新的な建築会社を会議に招待した」。

Pickard Chilton and Arup’s retrofit Sky Loft design in Melbourne

上の写真にある「Sky Loft」は広さが3700平方メートルあり、離発着パッド、ラウンジ、JUMPの自転車とスクーター用の駐車場、小売店舗を有する。オーストラリア・メルボルンに設置することを想定してデザインされている。

優雅で高パフォーマンスの建物となっている一方で、Sky Loftのデザインは注目せずにはいられないもので、シームレスなユーザー体験を演出する、とPickard Chiltonの社長Jon Pickard氏は説明している。「デザインはセンシティブかつ意味合いを尊重している一方で、Sky Loftそのものは地球の限られた資源を大事に使っている。メルボルンにおける都市内交通のための現実的なビジョンであるSky Loftをつくるために、UberそしてArupと協業するのは刺激的だ」と述べている。

Corgan’s new concept called CONNECT | EVOLVED in Dallas

テキサス州ダラスに設置するスカイポートとしてCorganがデザインしたこのコンセプトでは、レストランや食品雑貨店、スポーツ用のコート、コワーキングスペースを有している。このデザインにはまた自転車やスクーターのシェアリングサービスのためのスペースも設けられている。

「可能性を優先するという点で、Corganはこの新出のサービスが広く受け入れられるためには連結性についての従来の考え方を発展させる必要があると考えた」とCorgan社長のJohn Trupiano氏は述べている「既存のインフラをシームレスに統合し、環境への影響を考慮したスケール展開できる我々のデザインは、幅のある予算やロケーションに合わせてカスタマイズできるパーツキットで構成されている。そして人気のアメニティを加え、空のモビリティのライフスタイルと連結性を生み出している」。

Mithun’s new SkyPark concept

ロサンゼルス向けのスカイポートでは、Mithunが回転盤式駐車場、そして自転車やスクーターのためのスペースを有したデザインを描いた。「SkyPark」は2エーカー以上の公共の公園スペースがあるなど、より地域社会に根ざしたものとなっている。

「Uber SkyParkは都市交通の体験を向上させ、個人や近所、コミュニティレベルで生活を豊かなものにする」とMithunのパートナーJason Steiner氏は語っている。「eVTOLの機能を上階にもってくることで、『Greenlight Hub』や電動自転車、そして電動スクーターのメンテナンス、充電スペース、景観を損なうことがない新しい都市型駐車場が地上レベルでつくられる。公園と木々が騒音を吸収して汚染を取り除き、ヒートアイランド現象を和らげ、その一方でコミュニティに賑やかなレクリエーションスペースや社交場を提供する」。

The Volary is a new concept in Dallas by Humphreys & Partners Architects

Humphreys & Partners Architectsは、空間に広がっているように見えるスカイポートをダラス用としてデザインした。9500平方メートル超の敷地にeVTOLやマイクロモビリティ、小売店を配置している。

「オンデマンドの空のライドシェアターミナルのデザインにおいて、我々のアプローチは、余計なものはない方がいいというものだ」とHumphrey & Partners社CIOのWalter Hughes氏は説明している。「この考え方により、乗客にとってかなり直観的な体験となり、また建築や運営がシンプルに行える構造になった。その一方でUberのブランドアイデンティティを増強するものにもなっている。デザインした『Volary』には新たなテクノロジーが活用され、環境に負荷をかけない持続可能な建物となるよう自然でオーガニックな素材でつくられている」。

The Beck Group’s retrofit concept Dallas Skyport

既存の7階建ての駐車場の屋上につくられているこのスカイポートは、離陸、着陸、そして自転車やスクーター、電動の乗り物のためのスペースという基本的な要素にフォーカスしている。

「『Factory Blue』で建築部品の製造を手がけているデザイン・建設会社として、既存の駐車場の建物にいかに手を加えるかという難題に挑むという、我々はユニークな立ち位置にいる」と Beck Groupの共同経営者Timothy Shippey氏は語っている。「ダラスのスカイポートのデザインとモジュール部品の製造は、Uberの革新的なビジョンや予算にそぐうコンセプトだ」。

Uberの全ての乗り物をつなげるこのコンセプトでは、eVTOL、自転車、スクーターのためのスペース備えている。

BOKA Powell ArchitectsがイメージしたUberスカイポート・モビリティ・ハブは、空の旅の再イメージ過程に流動性や透明性を取り込むことで革新的な体験ができる社会を世に知らせている、とBOKA Powellmの社長、R. Andrew Bennett氏は述べている。「全Uberブランドの統合は、最初と最後の移動が、都市交通に革命を起こすUber Airにとって主要なサポート要素であることを示している。モビリティ・ハブは単なるものではなく、ダイナミックなエネルギーの場所であり、大事な場所にすぐにアクセスするためのフライトの精神と自由を備えた統合された連結性を有する場所だ」と語っている。

イメージクレジット:Uber Elevate

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。