UberとLyft、条例をめぐり今日からオースチンでの事業を「中断」

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今日(米国時間5/9)、UberとLyftはテキサス州オースチンでの乗り合いサービスを中断し、残されたドライバーたちは別の収入源を求めてさまよい、乗客は立ち往生するか別の輸送手段を求めることになる。

なぜか。今週、オースチンの有権者は、Uber、Lyftをはじめとする同市の輸送ネットワーク企業に対して、ドライバーの指紋による犯罪歴チェックを必要とする規則を支持した。

Uber Austinのジェネラルマネージャー、Chris Nakutisは投票の後声明を発表した。

「オースチンでの営業を中止することを遺慣に思う…市議会は本条例を見直し、オースチンの道を誰にとっても安全な場所にするべく、みんなで協力できるようにしてほしい。

彼の言う条例は、他にもUber、Lyftおよび他のドライバーに対して、車に企業ロゴを明示することを要求し、特定の市内車線での客の乗降を禁止している。

Lyftの広報担当者も同様の声明を発表している。

「…市議会が通した規則の下で、真の乗り合い事業を不可能だ。Lyftのピアツーピアモデルの中心をなすパートタイムのドライバーによる運転も、乗客の利用も困難にするものだ。このため当社は立場を守らなくてはならない…5月9日、月曜日にオースチンでの運営を中断する。

Uber、Lyft共にオースチンで強力なロビー活動を行い、そのために800万ドル以上を費した。しかし、それでも有権者を動かすことはできなかった。

オースチンに住み、働く起業家で、定期購読コマーススタートアップSock Clubの共同ファウンダー、Dane JenseとNoah Leeは、UberとLyftがなくなって飲酒運転が増えることを懸念している。

彼らは、住民や訪問者に便利な移動手段がなくなることも心配している。特に自転車を使いにくい雨の日には。

Sock ClubのCTO Jeneseは、「指紋が消費者の安全向上の何に役立つのか私にはよくわからないが、地域の人々がこうした企業の運営方法について発言できるのはよいことだと思う」と言った。

別の乗り合い会社が、指紋ベースの履歴検査を行って、UberとLyftの領域に参入してくるのかもしれない。従来からのタクシー会社は、既にドライバーの指紋による履歴検査を実施している。

ちなみにLyftには、オースチン拠点のドライバーが1万人いて、この、いわゆる「中断」の間に収入を得る新たな方法を探すことになる。Uberはオースチンで同アプリを使っているドライバーの人数を公表していない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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