Uber Blackが「寡黙な運転手モード」を開始

お喋りな運転手にうんざりしていないだろうか?とうとうUberは、ユーザーたちに最も要求されてきた機能を提供する。乗車中に必要最小限の会話しか行わないように、アプリ内で要求する機能だ。この「Quiet Mode」(静寂モード)機能は無料で、米国時間5月16日から米国内で利用できるようになるが、利用できるのはUber BlackとUber Black SUVのプレミアム乗車のみであ。Uber Blackは、資格を持ったプロ運転手がやって来るサービスだ。

ユーザーは「Quiet preferred」(静寂を優先)または「Happy to chat」(お喋り歓迎)を選択するか、もしくは「No preference」(指定なし)のままにしておくことができる。こうした静寂への欲求は、仕事をしたり、昼寝をしたり、電話をかけたり、あるいはただ車の中でリラックスできることを求める、より多くの人たちに、より高いUberのタイプを選ばせる動機となるかもしれない。

Quiet Modeは、ユーザーがUber BlackやSUVを配車する前に指定できるRider Preferences(乗車時お好み設定)機能の一部である。ただし既に配車を待っている最中や乗車中には設定することはできない。またBags(荷物)オプションを使うと、利用者は荷物を持っていることを知らせることができるので、運転手は荷物をトランクに積み込むことを手助けできる場所に車を停めることができる。Temperature(温度)は室内の温度の寒暖をリクエストすることができる。これを使って運転手は、エアコンを操作すべきかどうかを知ることができる。

これからUber Blackの運転手は到着後ユーザーを15分まで待つことになる(乗車がなければその後キャンセル)。これはプライベートカーサービスとしては標準的なものだ。ただし到着と同時に課金は始まり、5分以上経った時点から実際の支払い義務が発生する。また技術的には、必要ならいつでもUber側から待機を中止しキャンセルすることができる。

Uber Blackユーザーは、Uber Rewardsの最高グレードであるDiamondメンバーのように、プレミアム電話サポートを受けることができる。そしてUberは、この先運転手たちがUber Blackに登録するためには、より良いそして新しい車を要求するようになる。「より多くの乗車を促進するために、私たちはプレミアムサービスと普通のサービスの間の差別化を図りたいと考えています」と筆者に語るのは、Uberプロダクトマネージャーのアイディーン・ファジャール(Aydin Ghajar)氏だ。特にQuiet Modeは「人々が長い間求めていたもの」であり、お喋りな運転手は多くのジョークのネタにされてきた。

私はQuiet Modeはおそらくヒットすると思う。なぜなら私はこの機能を昨年7月にも提案したし、昨年末のウィッシュリストの中でも、「Quiet Ride Mode」(静寂乗車モード)をUberが提供してくれるように要求していたからだ。多くの男性読者から寄せられたフィードバックには、フレンドリーな運転手とお喋りするよりも酷い状況はあること、そして彼らに沈黙せよと要求するのは、乱暴もしくは非人間的な扱いだというものがあった。

しかしその意見は、男性の運転手がひっきりなしに話しかけてくるときに女性客がしばしば感じている不快な気持ちを無視したものだ。そして運転手がハンドルを握っていることを考えると、もしそれが望まない馴れ馴れしいアプローチへと変わるようなら、恐ろしいことになる可能性もある。多くの場合乗客は、その場で会話を拒否したり、静かにするように大声で制することを、失礼だと思ったり、恐ろしく感じたりするだろう。だからこそ、私はUberがこれを、UberXだけでなく国際マーケットにも拡大を計画してくれることを期待しているのだが、同社はそのことについては何も語っていない。

Uberのファジャール氏は次のような話も明かした、「Uber Blackの運転手の方々からの反応は、圧倒的に前向きなものでした。皆お客様に素晴らしい体験を提供したいと願っているのに、お客様が望んでいることを必ずしも知ることができなかったからです。彼らは、顧客サービス担当者として何をできるのかに対して、大いなる誇りを抱いているのです」。

Uberは、この機能を開発するのにかかった3カ月の間に、運転手たちの認識について詳細な調査を行った。しかし、雇用法の定めるところによれば、実際には運転手たちをユーザーのリクエストに応えさせるように沈黙させておくことはできない(とは言え、もしリクエストを無視したならば良くない評価はつくだろう)。ファジャール氏は以下のように強調した「これは強制ではありません。運転手は独立した請負業者だからです。私たちは単に乗客の好みを伝えているだけです。運転手はその情報を手にした上で、望む行動をとることができます」。

多くの場合UberX(通常のUber)の2倍、そしてUberPool(乗り合いUber)の3倍を超えるUber Blackのプレミアム配車の価格を考えると、Uberは乗客にアップグレードを促すことで、よりたくさんの収益を得ることができるようになる。先週のぱっとしないIPOが株価の下落を招いているこのタイミングでは、必死に利益率を改善し損失を抑えることがとても重要である。世界中には非常に多くの競合する乗物サービスがあるため、Uberにとっては、より多くの自動車を集め、より安い価格を提供し、そしてより精密なアルゴリズムを生み出すというコストの掛かる努力をするばかりではなく、顧客サービスの差別化に取り組むことが賢明だ。

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(翻訳:sako)

投稿者:

TechCrunch Japan

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