Uber Eatsのインド事業を同業のZomatoへ売却か

Uber(ウーバー)がUberEats(ウーバーイーツ)のインド事業を現地の競争相手であるZomato(ゾマト)に売却する交渉がかなり進んでいると、3人の情報筋がTechCrunchに語った。Uberは会社全体で支出削減に取り組んでいる。

情報筋の1人によるとこの取引で、Uber Eatsのインド事業は約4億ドル(約440億円)と評価されているという。売却取引の一環として、Uberは創業11年目のZomatoに1億5000万〜2億ドル(約160〜220億円)を投資し、同社にかなり大きな出資を行う可能性があるとの情報もある。

Uberの広報は12月14日にコメントを断わっており、先週半ばにUberの幹部に会ったZomatoの創業者兼最高経営責任者であるDeepinder Goyal(ディーピンダー・ゴヤル)氏にメッセージを送ったが未回答のままだ。

UberとZomatoは条件交渉中だが、年末までに契約が完了する可能性があるとの情報がある。インドの新聞であるTimes of Indiaが先月、ZomatoとUberの交渉について初めて報じた。

交渉は、ちょうどZomatoが6億ドル(約650億円)の資金調達ラウンドを完了する時期と重なったとゴヤル氏は今月初めに通信社のPTIに語った。TechCrunchは以前、中国のAnt Financial(アント・ファイナンシャル)がリードするZomatoの最大6億ドル(約650億円)の資金調達ラウンドの完了が近いと報じた。評価は30億ドル(約3300億円)とのことだ。

売却契約が成立すれば、Uberが1年間苦闘したZomatoとProsus Ventures(プロサス・ベンチャーズ)傘下であるSwiggy(スイギー)両社とのUberEats売却交渉が終わることになる。

Uberはインドで2017年半ばにフードデリバリーサービスを始めた。だが、UberEatsが顧客獲得のため大幅に値引きしても、毎日100万件以上の注文を受けるZomatoとSwiggyの脅威にはならなかった。

UberEatsの1日の注文量はピークでも60万件に留まった。最近はトラブル続きで、主要幹部が2人辞めた。UberEatsのインドおよび東南アジアの責任者だったBhavik Rathod(バビク・ラソド)氏とインドにおけるUberEatsのオペレーション責任者だったDeepak Reddy(ディーパク・レディ)氏だ。

Uberの最高経営責任者であるDara Khosrowshahi(ダラ・コスロシャヒ)氏は今年10月のインド訪問中、同社は引き続きインドにコミットすると述べたが、インドでのUberEatsの見通しについてはコメントを控えた。

コスロシャヒ氏は直近の決算報告で、UberEatsがインドで厳しい競争に直面していることを認めたが、インドのフードデリバリー業界については事業継続を示唆した。

「現在、競争が非常に激しくなっている。強力な競合他社が数社ある。通常、当社はすべての市場で1位か2位を狙う。インドにおいて当社は3位だ。超えるべきハードルは高いが、当社はまだゲームに残っている」と同氏は8月に語った。

コスロシャヒ氏は先月のニューヨーク・タイムズのカンファレンスで「当社の戦略は明確だ。今後18か月でUberEats事業を展開するすべての国で1位か2位になる。実現できなければ撤退する」と話した。

同社は、今年8月〜12月の5カ月間におけるインドでのUberEatsビジネスの純売上高が1億750万ドル(約120億円)のマイナスになるとの見通しを示した。

昨年東南アジアから撤退したUberによるUberEats Indiaの売却は、会社全体の損失削減に貢献するはずだ。今年数百人の従業員を削減した同社は、11月四半期でなお10億ドル(約1090億円)以上の損失を計上。その前の四半期には、約52億ドル(約5700億円)の損失を計上した。Uberは、2021年までに黒字化を目指すと述べた。

Zomatoでも、バーンレート(毎月の支出額)を削減している。Zomatoの投資家であるInfo Edge(インフォ・エッジ)は先月の決算報告でアナリストに、昨年時点で同社の毎月の損失額は4000万ドル(約44億円)に上っていたが、2000万ドル(約22億円)にまで削減したと語った。

一方、Swiggyは新しい都市への進出を続け、フードカテゴリー以外の配達を模索中だ。Prosus Venturesの幹部は最近行ったTechCrunchのインタビューで、Swiggyの戦略における長期的な重点項目は正しいと考えており、昨年末の10億ドル(約1090億円)のラウンドでProsus単独で7億1600万ドル(約780億円)を出資したことは間違っていないと語った。このラウンドで調達した資金で、3年前は1ダース未満だった進出先都市が500以上に拡大した。

ZomatoやUberEatsと同様、Swiggyの収益性はいいものではない。

画像クレジット:CHANDAN KHANNA / AFP / Getty Images

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。