Udacityがディープラーニングのナノ学位基礎コースを立ち上げ、399ドルで志願者全員入学

tc-09

コンピューターの計算能力と効率がこのところ大幅に向上したため、至るところでディープラーニング(deep learning, 深層学習, 多段ニューラルネットワーク)が利用されるようになった。ディープラーニングは今では、自動運転車やコンビニエンスストア、それに病院などでも使われている。しかしこの分野は技術者の人材がまだ豊富でないため、優秀な人材が希少財として奪い合いになり、そのことが、応用分野を広げ、難しい問題を解決していくためのボトルネックになっている。そこでオンライン学習サイトUdacityは、この前導入したAIコースに加え、このほどYouTubeのスターSiraj Ravalとパートナーして、ディープラーニングのナノ学位*を付与する基礎コースを開始する。〔*: ‘ナノ学位’の簡単な説明はこの記事の冒頭訳注に。基礎コースは、ナノ学位のさらに初等コースで、Udacityの新企画。〕

Udacityは今後、このような単科の基礎コース(Foundation Programs)を重視していく意向だ。これは完全なナノ学位コースの受講がまだ無理な段階の初学者の、階段の一段目をとにかく上がりたい、という学習ニーズに応える。この新しいコースは、17週で多くを学ぶが、時間は毎週3〜4時間程度で、とにかくディープラーニングを利用していろんな問題を解くために必要十分な知識を習得する。Ravelはそれを、技術というより、考え方の習得だ、と説明する。

Ravalには、短時間で大量の情報を人に伝えた経験が豊富にある。YouTubeのコースでは期間が最大で2か月だが、彼自身が感心するほど、生徒たちの達成度は高い。

“最後に生徒たちは自分のGitHubアカウント上に5つのプロジェクトを与えられるが、その最終プロジェクトはGenerative Adversarial Networks*、この分野の最先端の技術だ”、とRavalは語る。“基礎とは言っても相当本格的だから、雇う側も安心できるだろう”。〔*: Generative Adversarial Networks, 仮訳: 生成的対立的ネットワーク, 参考記事

Ravalが考える理想の生徒とは、Pythonができて代数の基礎が分かること。プログラミングをまったくやったことのない人は、対象外。むしろ、現役のプログラマーがディープラーニングのスキルを身につけることが目的だ。

多くの人に‘入学’してもらいたいUdacityは、この基礎コースの特典として卒業後「自動運転車」や「人工知能」ナノ学位コースに無条件で入学を認め、100ドルの助成金を進呈する。これらのナノ・コースは、入学志願者の数%(自動運転は16%、AIは4.5%)しか入れない、競争率の高い狭き門だ。

“これはUdacityにとっても新しい展開であり、今年はナノ学位基礎コース(Nanodegree Foundation programs)をもっと増やしていく、とUdacityのCMO(chief marketing officer)Shernaz Daverは語る。

ディープラーニング基礎コースの授業料は399ドル*、入学志願の受け付けは今日(米国時間1/13)から1月20日まで。授業は20日に始まり、6ヶ月のコースを完了した者が卒業資格を得る。〔*: 基礎コースは全員入学。志願書提出時に399ドルを払う。〕

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。