URL1つで簡単カレンダー共有、「TimeTree」のJUBILEE WORKSが2.1億円を調達

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カレンダー共有アプリ「TimeTree」を提供するJUBILEE WORKSは、韓国Kakao Corp.の子会社であるK CUBE VENTURES Co.,Ltd.、西武しんきんキャピタル株式会社、東映アニメーション株式会社、SMBCベンチャーキャピタル株式会社ほか、国内外の投資家から総額2.1億円を調達したと本日発表した。これが同社にとって初の外部調達となる。

家族、恋人、同僚とかんたんにカレンダーを共有

JUBILEE WORKSが提供するカレンダーアプリのTimeTreeでは、家族や恋人、サークルの仲間などと簡単にスケジュールを共有することができる。アカウントの登録は不要で、チャットやメールを通してURLを送るだけでスケジュールの共有ができるのが特徴だ。また、1つのアプリで複数のカレンダーを持つことができるため、家族と共有するプライベート用カレンダー、同僚と共有する仕事用のカレンダーという形で使い分けることができる。アプリにはコメントや写真の投稿機能もあり、チャットアプリやメールを使わずに「この日はどこに行こうか?」などの予定の相談をすることも可能だ。

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JUBILEE WORKSの代表取締役である深川 泰斗氏に、Googleカレンダーなど他の予定管理アプリと比べたTimeTreeの独自性は何かと聞いたところ、「TimeTreeは開発段階から「共有すること」を前提に考えており、共有メンバーが予定を作成するとPUSH通知が届いたり、誰がいつ、そしてどの予定を更新したのかという履歴が残るなど、共有することに適した機能が整っています。また、Googleカレンダーではブラウザで複雑な設定をしないと共有ができないが、TimeTreeではURLをLINEやメールで送るだけで共有ができるという点も違いの一つ」だと話している。

海外メディアからも注目を集める

TimeTreeは2015年3月24日にサービスを公開後、2016年2月に100万ユーザーを獲得、同年8月には200万ユーザーを獲得するなど順調に成長を続けている。また、日本語や英語だけではなく、韓国語やロシア語など計13ヵ国語に対応しており、海外でもユーザー数を順調に伸ばしている。深川氏によれば、各国のアクティブユーザー数の割合は、日本が65%、台湾が10%、アメリカと韓国がそれぞれ5%、ドイツが4%、残りが中国、カナダ、香港、イギリス、フランスなどの国々だ。(「日本では家族や同僚とスゲジュール共有が多く、台湾やドイツでは恋人と共有する例が多い」と深川氏は話す)。

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「Fred」こと、代表取締役の深川氏

TimeTreeは海外のメディアからも注目を集めている。アメリカのスタートアップ系メディア、Product Hunt、LifeHackerロシア版などで同サービスが取り上げられ、フロリダ州の州議会議員から「便利に使っている」とメッセージを受け取ることもあったようだ。このような海外からの高い評価により、国内だけでなく、韓国やアメリカなど海外の投資家からの資金調達が可能になった。「我々が選んだ「時間」というテーマは、ある程度文化を問わず普遍性のあるものだと思っています」と深川氏は語る。

国際豊かなメンバーとユニークな企業文化

2014年に創業のJUBILEE WORKSのチームは現在18名で、韓国やシンガポール出身のメンバーもいる国際性豊なメンバーだ。また、同社では「ニックネーム制」を採用しており、代表取締役の深川氏は「Fred」、共同創業メンバーも「Frod」、「Stud」などと呼ばれ、社内では「社長」や「Fredさん」のように役職や敬称つきで呼ばれることはないという。このような企業カルチャーもJUBILEE WORKSの特徴の1つだろう。

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深川氏には保育園に通う子どもがおり、家族のあいだで「お迎えの交代を聞いてない」などのトラブルがあった。また、家族で週末どこに出かけるか考えているうちに、結局無駄に時間を過ごしてしまうこともあった。「必要な相手とあいだで必要な予定情報が見えるようになれば、このようなトラブルを解決できるのではないか」というアイデアから生まれたのがTimeTreeだ。

「Fred」率いるJUBILEE WORKSでは、今回調達した資金によってサービス強化のための人材確保とサービス拡大のための組織的実験を続けていくとしている。

投稿者:

TechCrunch Japan

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