US注目記事まとめ:ダースベーダー型360°カメラ大人気、スター起業家CEOがバカッターで炎上、詰め腹

ガジェット:

Giropticの360°全天球HD動画カメラがKickstarterで人気沸騰(Giroptic 360-Degree Camera Smashes Past Half A Million Raised On Kickstarter)

日本のリコーが天地前後左右の全天球が撮影できるカメラ、THETAをヒットさせたのがきっかけとなったらしく、全周パノラマ・カメラの開発が活発になっている。TechCrunch JapanではCENTR Camという360°パノラマカメラを紹介した。CENTR Camが水平の全周パノラマなのに対して、ダースベーダーのヘルメットみたいなこの360°Camはほぼ全天球がHDで動画撮影できる。Kickstarterプロジェクトで15万ドルの目標に対してすでに84万ドルが集まっている。

THETAが真上から真下まで写せるのに対してGiropticの360°Camは天地の画角が150°なので真上は写るが真下は写らない。しかし実際には真下は撮影者の手が大きく写り込むのでかえって写らない方がよい。こちらにギャラリーがある。

GiropticのセールスポイントはHD動画が撮影できる点だ。GPS内蔵で10mまでの防水機能があり、水中用レンズアダプターが付属する。カメラの底部の取り付けるスティックも付属しており、頭上に差し上げたり、吸盤で車の屋根に固定したりできるなど使い勝手がよく考えられている。

Lomo’InstantインスタントカメラがKickstarterで70万ドルを集める(The Lomo’Instant Blows Through Crowdfunding Goal To Bring Artistic Instant Photography To The Masses)

ポラロイドがいわゆる「ポラ」の製造を止めて以降、その場で紙にカラー写真が現像されるインスタントカメラは富士フィルムのチェキがほとんど唯一の製品となっていた。それがここに来て富士のInstaxインスタントフィルムを使ったカメラのプロジェクトが意外な人気だ。こちらもKickstarterプロジェクトだが、10万ドルの目標に対して70万ドル以上を集めている。

モバイル・キーボード・アプリ:

5-Tilesは非QWERTYキーボードという見果てぬ夢を追う新たな挑戦者(5-Tiles Keyboard Targets WearablesTo Hunt The Post-Qwerty Holy Grail

ウェアラブル・デバイスのユーザー体験の大きなハードルの一つは小さな画面でのテキスト入力だ。音声入力は周囲に人がいる状態では使いにくい。この5-Tilesはその名のとおり色違いのタイルが横に5個並べてあり、これを指でタップしたりなぞったりするパターンで文字や記号が選択される。一つのキーに複数の文字が割り当てられジェスチャーで選択するところはフリック入力の変種ともいえる。しかしフリック入力に比べてあまり直感的とはいえない。なるほど一つのアイディアではあるが、かなりの練習が必要だろう。

QWERTYキーボードの配列は機械式タイプライターの時代にキーが絡まないことを考慮して決定されたと言われており、合理性は低い。しかし一度確立した標準が法外に強い拘束力を持つことをQWERTY現象というぐらいで、キー入力の改良は一度も成功していない。

パーソナル・コンピューティングの初期に日本でも富士通の親指シフトやNECのM式(森田式)などいろいろな改良型キーボードが考案されたが、すべてメインストリームからは消えた。いかに優れた入力方式であっても世間の大部分のデバイスがQWERTYである以上、QWERTY方式も習得しなければならない。つまり2つのキー配列を覚えなければならないというハンディキャップを背負う。

どうせ練習が必要ならモールス符号の復活を考えた方がいいかもしれない。これならキーはわずか1個ですむ。

炎上:

Y Combinatorからデビューした問題児ファウンダー、自サイトで大炎上、詰め腹(Rap Genius Drops Co-FounderFollowing Elliot Rodger Manifesto Annotations)

コンビニやファーストフードのアルバイト店員が食品のケースの中に寝転がった写真をTwitterに投稿して大問題となる例が日本で相次ぎ、「バカッター」と命名されている。シリコンバレーでは最近、有名起業家が相次いでバカッター的に炎上している。TechCrunch JapanではSnapchatのEvan Spiegelはやはり本物のバカだったを紹介した。Spiegelの場合は暴露されたのがスタンフォードの学生時代の私的なメールということもあり、イメージを大きく落としただけで済みそうだ。しかしそれで済まなかったのがRap Geniusの共同ファウンダーのMahbod Moghadamの場合だった。

Rap Geniusはラップやロックその他あらゆるテキストの注釈を共有するソーシャル・サービスで、共同ファウンダーのMahbod Moghadamは『Yコンビネーター シリコンバレー最強のスタートアップ養成スクール』(ランダル・ストロス)にも主役級で登場する有名起業家だ。ところがMahbodは、マーク・ザッカーバーグについてsuck my d*ckと下品きわまる罵倒をしたり、スパムで不正にトラフィックをかき集めたことでGoogleから表示ランクを下げる制裁を受けたりしてきた。また覚せい剤を使ったことを認めるような発言もあった。しかし大口投資家としてAndreessen Horowitzが支援していることなどもあり、これまでなんとか穏便に収まっていた。

カリフォルニア大学サンタバーバラ校で学生6人を無差別殺害した後で自殺したエリオット・ロジャー(Elliot Rodger)がインターネットに公開した文書をRap Geniusが公開した。するとMahbodはこの文書を「すばらしくよく書けている」と賛美しただけでなく、「(ロジャーの)妹はすげー美人だろうな」などという不適切きわまる注釈を書きこんでいた。取締役会はただちに謝罪し、翌日MahbodはCEOを「辞任」した。TechCrunchのEtherington記者のつかんだ情報によると実質的な「解任」だったという。この決断は少々遅すぎたかもしれない。Rap Geniusのユーザー層はファウンダーが覚せい剤や無差別大量殺人犯を賛美しても気にしないだろうが、投資家は気にするだろう。

Beats Electronicsの共同ファウンダーのDr. Dreは買収が公式発表される前にクラブで酔っぱらい「オレはラッパーで初のビリオネアになったぞ」と自慢しているところがYouTubeに流れ、Appleを激怒させた。そのうちまた何か起こしそうな気がする。Appleもやっかいな時限爆弾を抱え込んだものだ。

位置情報サービス:

Foursquareから分離したチェックイン・サービスをニューヨークっ子が使ってみた(A New Yorker’s Take On Swarm)

収益化に悩むFoursquareは本体をレストランや店舗の評価、推薦を主とするソーシャルネットワーク化し、チェックイン機能をSwarmという新アプリに移すという思い切った改革を行った。Jordan Crook記者がこの記事でSwarmのユーザー体験を詳しくレポートして「有望だ」としている。

Foursquareはニューヨークを代表するテクノロジー系スタートアップなので生粋のニューヨーカーであるCrook記者にはだいぶ地元ひいきがあるのでそれを割り引く必要はあるが、なるほど思わせる点も多い。簡単にまとめると、「いちいちチェックインしなくても近所の店のクーポンやセールの情報がプッシュ配信されるのは便利」「ゲーム化はチェックインを稼ぐための手段だったのですでに膨大な位置情報を得た現在では廃止するのは順当」「友だちが近くにいることがわかるのは楽しい」など。

一方でCrook記者は位置情報ベースのソーシャル・ネットワークには「誰もが使い始めると意味がなくなる(まわり中友だちだらけ)」という「逆ネットワーク効果」がある点を指摘している。Facebookのニュースフィードの表示のように、友だち関係を解析して適切な友だちの情報だけを表示する「友だちランク」アルゴリズムが必要になってくるのかもしれない。

滑川海彦 Facebook Google+


投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。