VCのCRVがTrump反対キャンペーンを開始、移民の国で移民を締め出す矛盾を突く

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アメリカの大統領選挙が急速に近づきつつある。そして今回は、誰を支援するかを明言しないことが常であったVC業界においても、ツイート記者たちへの談話ブログなどで、支持する候補とその理由を公表する者が、ますます多くなっている。初期段階のスタートアップを対象とするベンチャー企業CRV(元Charles River Ventures)は、それをさらに一歩進めて、共和党候補Donald Trumpの“反移民声明”に対する同社の拒絶の姿勢を明らかにするための、穏やかで短いブログ記事“F*ck Trump”をポストした。

なぜそこまでするのか、CRVのゼネラルパートナーGeorge Zacharyに今朝(米国時間8/24)インタビューしてみた。

TC: 世論調査では民主党候補のHillary ClintonがTrumpを大きくリードしている。なぜ今さら、こんな声明を発表するのか?

GZ: 世論調査の結果は彼を変えない。この問題(移民問題)はとても重要だ、とわれわれは感じている。数週間前のオフサイトで、Trump対策を話し合い、選挙について議論した。集まった者の誰もが、Trumpに立腹しており、とくに彼が移民について言っていることに怒っていた。あなた(Connie Loizos)の祖父母はギリシア人だし、私の父もギリシア出身だ。この国を創ったのは移民たちだ。今、そのことを声を大にして言うべきだ。

TC: 彼の言うことはころころ変わりますね。

GZ: これからも変わるだろう。しかしわれわれは一貫した姿勢を持つべきであり、この国に来てこの国を創った人たちのために言葉を発するべきだ。うちが投資したスタートアップの半分はファウンダーが移民だ。うちは今パートナーが9人いるが、彼らは7つの国からの移民たちだ。

TC: この前、クリーヴランドへ行ったんですけど、あそこはベイエリアと違ってTrumpの支持者が多いですね。企業の経営者として、敵を作るのは損ではありませんか?

GZ: 今の主な問題は、それではないし、気にもならない。元々難民の国であるこの国にやってくる移民を脅すことは、たいへんおそろしいことだ。それは結果的に、新しい経済や産業を作り出す能力を遮断することにつながる。Trumpが何を言おうと彼の自由だが、いやしくも大統領候補が彼のようなことを言うのは、前代未聞だ。

TC: あなたが今回記事をポストしたMediumは、エリートのためのメディアだと思われていますが、移民のファウンダーたちをもっと積極的にヘルプするために、ほかに何かしていますか?

GZ: ビザの費用など、移民たちの渡航費用を出してあげる事業がある。始まったばかりだから、まだ対象者は一人だが、ここからもっと、手を広げていきたい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

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TechCrunch Japan

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