Vimeoがサブスクリプションビデオサービスを開始

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Vimeoは独自の消費者向けサブスクリプションサービスの立ち上げで、Netflix,、Amazon、YouTube、その他の業者に挑戦しようとしている。このIAC所有の企業は、水曜日に収益レポートの一部としてこの発表を行った。 株主向けレターの中で、IACのCEO兼Vimeo暫定CEOのJoey Levinは、既存のサービスとの違いを強調しながら、この領域におけるVimeoの幅広い計画に関して詳述した。

この分野への同社の参入は、今年の初めにプレミアム、OTT(over-the-top)サブスクリプションビデオを提供するVHXを買収したときに、図らずも予想されていた。

この市場におけるVimeoの利点は、ゼロからスタートする必要はないということだ、とLevinは言った。今日このビデオネットワークは、1億1500万本のビデオを持ち、2億4000万人の月間視聴者から月に10億以上のビューを重ねている。そのうちの2400万人の視聴者は特に熱心で、月に3本以上のビデオを視聴している。そして、何百万人もがすでにVimeoのクリエイターからコンテンツを購入している、と彼は言った。

これまでは、消費者はVimeoの提供する様々な方法でクリエイターに対して支払いを行うことができた – 例えばクリエイターの選択によって、ビデオに対して直接払ったり、サブスクリプションを行ったり、という具合だ。クリエーターはまた、より多くの聴衆を獲得する努力の一環として、ビデオを無料で配布することが可能だった。

Vimeoに組み込まれた収益化ツールは、サイト上でコンテンツを共有する新興映画制作者、編集者およびディレクターたちを引き寄せてきた。そしてこれは、徐々に、Vimeo自身に、数十億ドルではなく数百万ドル程度のコンテンツ制作投資で、より大きな事業者、たとえばNetflix、などに対抗できるのではないかという考えを固めさせた、とLevinは語った。

Vimeoの、オリジナル

映像コンテンツへの投資の面では、これまでのVimeoは、Vimeo Originals構想の一部として、選ばれた番組、映画、コンサート、特別作品などに資金を提供することによってそのネットワークへの種まきをより戦略的に行ってきた。そのウェブシリーズの一つ「High Maintenance」はHBOによっても取り上げられ、短編映画のオスカーノミネートの4本のうちの3本はVimeoのディレクターの手によるものだった。また、Originalsの一本「Garfunkel and Oates: Trying to be Special」は本年のエミー賞に、いち早くノミネートされた。

Vimeoが独自のサブスクリプションサービスを実験し始めれば、当然多くの競争に直面することになる。これは消費者サイドでは、Netflix、Amazon、Hulu、YouTube、その他の消費者向けの、より巨大な事業者との競争を意味する、とLevin。しかしSaaSサイドでもMLBのストリーミングテクノロジープラットフォームであるBAMTech(ディズニーが現在、33%の株式を所有している)などとの競争が考えられる。

特にVimeoは、多くの場合YouTubeのライバルと目されることが多い。どちらのネットワークも無料のビデオ共有を可能にしており、クリエイターのコミュニティの期待に応えているからだ。

YouTubeも同様に、ここ数カ月の間に、サブスクリプションサービスへの進出をしようとしている。しかしThe Vergeの最近のレポートによれば、YouTube Redサブスクリプションサービスは、有料顧客の確保に苦労しているようだ。レポートによれば、その150万の加入者のうち、100万はまだトライアルの段階である。

しかし、Vimeoは同じような困難には直面しないだろう。なぜならそれは既にコンテンツを有料で楽しむ場所としての地位を確保しているからだ。

Vimeoの-のRoku

Levinは、Vimeoのより大きなビジネスモデルならびに、今日の主要なプレーヤーと比べたときの財務的な話題には触れなかった。その代わりに、彼はその収益性の高いコアのSaaSツール事業が7500万ドル以上の収益を生み出していることには触れたが、Vimeo全体のビジネスは赤字であり、直近の黒字化は優先していないと述べた。

ゴールは「数百万の直接取り引き顧客」のサブスクライブベースの成長を進めながら「クリエイターたちのための、数百万ものサブスクリプションと取引」を促進することである、とLevinは述べた。

「Vimeoは既に、貴重なコンテンツを生産し、観客を大規模に集め、財布を開いてくれる消費者を手に入れて、コミュニティとマーケットプレイスを手に入れています」と、Levinは株主へのレターに書いている。「今、私たちは、5000億ドルのテレビと映画マーケットの一部を切り取るために、マーケティング、プログラミング、プロダクトのイノベーション、そして破壊的な始まりの生のエネルギーと奔放な野心で、このシステムに燃料を注ぐ必要があるのです」と、彼は付け加えた。

そのサブスクリプションビデオ計画のニュースとともに、Levinは、Vimeoはサービスのカスタマーエクスペリエンスをリデザインしている最中であると述べた。それによってVimeo Originals、これまでのライブラリ、そしてクリエイターズマーケットプレイスがより包括的なサービスとなる筈だ。

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(翻訳:Sako)