Vine風ビデオをプライベートチャットに活用するConvies登場

Vineがプライベートなビデオメッセージを送ることができるようにしたその直後ではあるが、新たなビデオチャット用アプリケーションのConviesがリリースされた。友人(ないし複数の友人)にビデオメッセージを送ることを主目的にするものだ。プライベートなビデオチャットが第一義のサービスだが、FacebookやTwitterで共有することもできるようになっている。

ConviesはLerer VenturesのSoho Tech Labsのインキュベーションを受けて誕生したものだ。友人の間で利用するためのVine風アプリケーションを生み出そうとしてきたのだが、サービスのリリース直前に、Vineがプライベートメッセージ機能を実装して発表してしまった。

しかしファウンダーのMichel Loenngrenは、Convies独自の魅力があり、マーケットでも受け入れられるはずだと考えているのだそうだ。さらに、VineやInstagramなどはそもそもパブリックな写真/ビデオ共有ツールであり、一定の認知が行われたあとにダイレクトメッセージング機能などを追加してもあまりうまくいかないのが一般的だと感じてもいるとのこと。

「Vineはそもそもソーシャルアプリケーションで、そこにダイレクトメッセージの機能を追加しようとしています」とLoenngrenは述べる。「ConviesはWhatsAppやLineのように、まずチャットを指向したアプリケーションなのです。プライベートなチャットツールの中でのビデオの扱いについて、深く考えた設計となっています」。

Loenngrenは、このConvies以前にTimeFreezeというモバイル向けビデオアプリケーションを作った経験を持つ。日本の投資銀行で働く傍ら、サイドプロジェクトとして生み出したアプリケーションだ。Loenngren曰く、これがモバイルメッセージング分野の人材を探していたLerer Venturesの目に止まったのだそうだ。

Lerer Venturesとの交渉の末、Loenngrenは日本での職を辞し、ニューヨークに居を移した。そこでConviesのアイデアを生み出されることとなった。

Loenngrenはエンジニアリングおよび物理関係のバックグラウンドをもっており、それもあってTimeFreezeではビデオの再生速度をいろいろといじる仕組みを実装していた。ConviesでもTimeFreezeにて実装した機能をいろいろと再利用しているようだ。たとえばメッセージの送信前に、アプリケーションでスライダーバーを操作することによりビデオメッセージの再生速度をスローにしたり、あるいは逆に高速化することができる。

ともかくビデオありきのメッセージングアプリケーションということも、汎用的なメッセージングアプリケーションとは異なる魅力を備える要因となっている。ビデオのやり取りが自在の行えるように設計され、また複数ビデオの連続再生機能なども備えている。

ビデオの撮影はVineと同様の方法で行い、収録時間は6秒となっている。やり取りされるビデオメッセージは外部サイトで共有することもできるが、「locked」指定をすることで、あくまでもプライベートなものとしておくこともできる。尚、Vineのビデオフィードのような形で、特定の人に向けてではなく、公開ビデオとすることもできるようになっている。Conviesの中で公開しておくこともできるし、またFacebook、Twitter、WhatsApp上で公開したり、あるいはリンクをシェアすることもできるようになっている。

Lerer Venturesは40%の持ち分と引き替えにかなりの額を出資していて、またオフィスおよび各種リソースの提供も行っている。Conviesの運営に携わるメンバーは現在のところ4名で、Vineに似たところも多いアプリケーションを通じて、独自の使用感などもアピールしつつ、利用者を開拓しつつあるところだ。

VineというのはTwitterを使う場合と同様に、パブリックな意味合いを強くもつものだと言える。そしてVineについてはそれが魅力となり、いろいろな人が面白いビデオを作ろうとしている。Conviesの方はメッセージングに注力することで、よりパーソナルな魅力をアピールしようとするものだ。

モバイルメッセージング全般と同様、ビデオメッセージングの分野も非常に多くのサービスが競合しているエリアだ。ビデオ共有アプリケーションはもちろん、SMSツールとして親しまれてきたものも、ビデオなどのマルチメディアに対応するようになっている。そのような中、Cinviesがどのような動きを示していくのか興味深いところだ。

Conviesは現在iOS版が提供されており、Android版も開発中だとのことだ。

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(翻訳:Maeda, H