VMwareが仮想デスクトップ製品の現代化のために多様なアップデート、低コスト化と顧客の自由度向上

E-COMMERCE, COMPUTERS AND CITY SKYLINE

VMwareが今日(米国時間8/29)、ラスベガスで行われたVMworldで、同社の仮想デスクトップ(virtual desktop, VDI)製品群の一連のアップデートを発表した。

その発表は、同社の仮想デスクトップの現代化のために、顧客にクラウドやオンプレミスやハイブリッドの環境で、さまざまなオプションを提供することをねらっている。また、HPやDell、それに超低コストのRaspberry Piさえも含めた、さまざまなハードウェアベンダとのパートナーシップによって、費用を下げようとしている。さらにIBMとのパートナーシップにより、仮想デスクトップのクラウドバージョンをIBMのインフラストラクチャサービスSoftlayerからも提供する。

同社によると、今回のアップデートでデプロイのスピードの問題が解決し、そのためにより効率的なリソースプールを仮想デスクトップに供給できることになった。これによりデプロイメントがより迅速になり、安定感のあるデスクトップが提供され、朝の最初のタスクのようなピーク時にも安定的な利用ができるようになった。

VMwareはさらに、システムをタブレットでも十分使えるようにチューンナップした。これにより社員たちは、iPadなどから仮想シェル上の自分の仕事にアクセスできる。

仮想デスクトップは前から、容易な管理と強力なセキュリティが売りだったが、その謳い文句に対する市場の乗りは、未だにいまいちである。それは、社員たちにリソース満載のPCを与えることをやめて、安価なダムターミナルを与え、仕事に必要なツールとリソースだけをそこに載せる、という考え方だ。

それはメインフレームとダムターミナルという構造の再来だが、ただし高価なメインフレームではなく、一般市販の安価な、そして使いやすい、PCのネットワークにリソースのプールを設ける。

しかしこの方式では、朝の8時半に全社員がコンピューターの電源を入れると、ネットワークとリソースプールの負荷が急増する。身軽なPCをエンドユーザーが使うという点ではクラウドも仮想デスクトップの同じ利点を提供するが、クラウドの方がVDIsのコントロールとセキュリティが強化される、という説がある。デスクトップはシフトが替わる夜になると空になり、社員はもはやオープンなインターネット上にいない(会社のクラウドにアクセスしていない)からだ。

仮想デスクトップはエンタープライズのPCデプロイメントの8%に達している、という数字がある。5年前に言われた30%より、ずっと低い。今仮想デスクトップは、金融や教育など、コンピューティング環境に対するより堅固なコントロールを求める分野で、ニッチ的に利用されている。

この市場に最初に参入したのが、VMwareとCitrix(およびその他)だ。ほかに、Microsoft, HP, Dell, Red Hatや、そのほかの伝統的なエンタープライズコンピューティング企業も主要な選手たちだ。AWSもネイティブのクラウドバージョンAmazon WorkSpacesを提供しており、最近はその、時間制の課金方式を発表した

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。