VRゲームのSurviosがMGM、電通ベンチャーズなどから5000万ドルを調達

raw-data-vr-reality-shooter

ハリウッドとVRの恋愛関係が続いている。

VRゲームのSurviosは現地時間13日、合計2回のラウンドを通して総額5000万ドルを調達したと発表した。2回のうち1回のラウンドでリード投資家を務めたMGMがその大部分を出資している。もう片方のラウンドにおけるリード投資家はLux Capitalだ。その他にも、Shasta Ventures、Danhua Capital、Shanda Holdings、Felicis Ventures、電通ベンチャーズも本ラウンドに参加している。

Surviosは今回のラウンドについて多くを語っていない。特にMGMの資本参加に関連する情報については口を閉ざしている。その中でSurviosは、このパートナーシップによって同社は「バーチャルリアリティのコンテンツ製作業界で主導権を得るという目標に、私たちを近づけてくれる」とコメントしている。本ラウンドにより、MGM CEOのGary Barberが同社の取締役に就任している。

2015年、MGMはインタラクティブな動画製作を手掛けるInterludeにも出資している。Interludeが製作する動画のエンディングは、ユーザーの行動によって変わるようになっている。

オンデマンドの動画サービスやストリーミングビデオが人気を集め、以前よりも映画館に行って映画を観るという人が少なくなった今、ハリウッド業界はバーチャルリアリティの出現をチャンスと捉えている。映画館ならではのプレミアムでアーケード型の映画鑑賞体験を復活させるためだ。

現在、ハイエンドのVRシステムは約1000ドル以上で販売されている。Surviosが発売するVRゲームの「Raw Data」はHTC Viveでプレイすることができるゲームだ。HTC Viveの販売価格は799ドルで、ハイエンドなゲームPC環境を必要とするシステムだ。コンシューマー向けヘッドセットの普及はアナリストの予想よりも遅れている。知名度の高いヘッドセットの販売価格は、まだ高いままだ。

Survios CEOのNathan Burbaは「ローケーション・ベースのエンターテイメントがもっと普及してほしいと思います」とTechCrunchとの取材の中で話す。「(ロケーション・ベースのエンターテイメントは)人々を媒体に誘い込むには欠かせない方法です。それが普及することで、私たちがリリースする作品の上に追加的な収益構造を築くことが可能になるのです」。

Surviosの「Raw Data」は、現存する様々なゲームタイトルの中でも、素晴らしい販売記録を最速で樹立したタイトルの1つだ。同タイトルはSteamストアのHTC Viveコーナーにリリースされてから1ヶ月あまりで100万ドル以上の収益をあげている。

今回調達した資金の用途は様々ある中で、同社はこの資金を利用してゲームタイトルの追加やゲームジャンルの拡充を目指すと話している。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。