Vue Liteスマートグラスは約1万9000円で音楽や通話、音声アシスタント用スピーカーをテンプルに内蔵

それほど遠くない将来、私たちはみんなスマートグラスをかけるようになるだろう。もっと奇異なことが現実に起きている。ほら、スマートウォッチの出始めのころ、大抵の人は懐疑的に感じていたではないか。Apple Watch(アップリウォッチ)のように、スマートグラスの一般化を加速するにはApple(アップル)の力が必要だとはいわないが、その可能性を排除するのは、あまりにも短絡的だ。

Vue(ビュー)が179ドル(約1万9000円)のLiteを発表した今、この分野は奇妙な待機状態になっている。最初のGoogl Glass(グーグルグラス)は、時代遅れと感じさせるに十分なほどバックミラーのはるか彼方に行ってしまったが、本当に革新的なモデルの登場はまだまだ先に思える。Intel(インテル)は、Vaunt(バント)プロジェクトを断念し、North(ノース)はその第2世代のFocals(フォーカルズ)をGoogle(グーグル)にさらわれる前に潰してしまった。Bose(ボーズ)独自のプロジェクトは、2020年6月にAR部門が閉鎖された後は危機にさらされている。

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2016年10月に、Vueの最初のスマートグラスを初めて試す機会を得たとき(たしかに、ずいぶん昔だが)、私は大変に興味をそそられた。クラウドファンディングの世界では珍しいことではないのだが、同社は特に遅延に悩まされていた。「遅れについてはお詫びします。もっと予定通りに進められるよう願っています。遅れたことは心苦しく思っていますが、新製品開発においては仕方のないことなのです」と、先日同社はブログ記事に書いていた。

画像クレジット:Brian Heater

どんなに少なく見積もっても、ハードウェア系スタートアップにとって、最初のプロジェクトが最大の難関となるのは必定だ。私がVue Lite(ビュー・ライト)を入手してから1週間ほどになるが、しょっちゅう使っていることも、お伝えしておくべきだろう。少なくともその限りにおいて、この製品は本物だ。以前のモデルよりもシンプルで、そこがありがたい。

スマートグラスに何を求めるかという点においては、少々例外を認めることも必要だ。メインの機能は、直接音を鳴らす左右の低出力スピーカーだ。これは、Vue Pro(ビュー・プロ)に搭載されている高度な骨伝導システムに置き換わるものだ。音量はとても小さいので、ご注意を。しかし耳を覆わないデザインのため、常に周囲の環境に自分を馴染ませることができる。

両側のテンプルには簡単なタッチコントローラーがあり、音楽の再生、電話の応答、音声アシスタントの起動ができる。スピーカー同様にマイクも非力ではあるが、仕事はきちんとしてくれる。私は、メインの音楽デバイスとしてVue Liteを使いたいとは思わない。重要な電話が引っ切りなしにかかってくるような状況を、これで対処しようとも思わない。だが、移動中はこれで十分だ。

画像クレジット:Brian Heater

同社は、クールな充電ケースの代わりに、両方のテンプルに充電用の接点を設けた。バッテリーはそれぞれのテンプルに搭載されているので、個別に充電する必要があるのだ。1回の充電で音楽が聴ける時間は3時間半とされている。Proよりも1時間短い。また、My Glasses(マイ・グラセズ)にあるようなフィットネス用のモニター機能など、いくつかの重要な機能は搭載されなかった。

デザインに関していえば、私にはちょっと四角すぎる感じだが(スタイルは3種類から選べる)、その軽さには納得がいく。処方箋を送ってレンズを入れてもらうこともできる。

カテゴリー:ハードウェア

タグ:スマートグラス レビュー

画像クレジット:Brian Heater

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(翻訳:金井哲夫)

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TechCrunch Japan

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