WaymoのクライスラーPacificaで、本当の意味の無人運転を体験した

今日(米国時間10月30日)が私にとって初めての体験の日となった:初めて運転席に誰も乗っていない完全自動運転車に乗って道を走ったのだ。走ったのは公道ではなかったが、そこは交差点があり、他の車両や歩行者、そして自転車などが行き交う場所だった。乗った車はかなり長い距離人間の介入なしに走行することができた――そして私は何の懸念も感じることはなかった。

これまで私は、Waymo自身による前世代のLexusテスト車両をはじめとして、多くの自動運転車のデモを体験して来た。そのためWaymoのクライスラーPacificaミニバンに乗せられることには不安を感じてはいなかった。しかしそれでもこの経験は、私にとっては驚きだった。車が様々な操作を自分できちんと処理できて、周囲で何が起こっていようとも安全な走行が続くということが明らかになって、それが如何に自由なものかが分かったのだ。

CastleにあるWaymoのテストコースには、信号機のある複数の交差点、ラウンドアバウト交差点、路肩に駐車された車、行き交う自転車などが用意されている(なおCastleの中にはそれ以外の設備もある)。例えこれらが事前に準備されていたものだとしても、毎回正確に同じことを再現することは難しい。なので、この場所ではWaymoが現実の世界よりも環境をコントロールする力を持っているにせよ、それでもドライブ体験は印象的なものだった。

特に、ある出来事が私の印象に残った。1匹のリス(のようにみえる小さなげっ歯類だった。私は北カリフォルニアの動物相の専門家ではないので)が急に車の前に飛び出して来て、また路上から走り去って行ったのだ――しかし車はそれを避ける必要がある場合に備えて、はっきりと減速したのだ。信じられないほどリアルな動物ロボットであったというならともかく、この出来事はWaymoが事前に仕込んでおけたものではない。

実際にどのように動作しているかはともかく、ともあれ乗客が車に乗ってシートベルトを締めて、走行を開始するためのボタンを押せば、フロントシートの背に取り付けられたディスプレイの上には、車のセンサーが何を見ているかがビジュアライズされる。しかし乗客が重要だと思うものに対して焦点を当てるように、選択的に単純化され再構成されており、システムが路上にある重要な変化を見逃さない能力を持っていることに関して乗客に安心感を与えてくれる。

これは現在フェニックスのチャンドラー周辺で、Waymoが運用しているものと本質的には同じものだ。それはプレミアムアップグレードされた量産型のパシフィカバンだが、車内には例えば沢山の充電用USBポートがあり、上で述べたディスプレイはシートの背に2台備えられており、そして後部座席のエアコンは乗客第一のタスクに相応しい仕事をしている。

私はまたPacificaが、私が親しみを感じるようなやり方をすることで、乗客としてより心地よくなるように運転していることにも気が付いた。交差点には慎重に侵入し、例え優先側であっても、道を渡る歩行者が居たならゆっくりと進んだ。それ以外の沢山のこともこなし、コンピューターシステムがやっているとは想像できないレベルでのドライブ感覚を得ることができた。

Waymoの自動運転車は私の最後の体験になるわけではないし、もちろん最初の体験でもない。しかし多くの人が一般人向けの公道上でのレベル4の自動運転車の運転に対して抱いているイメージに、初めて近付いているように思えた。WaymoのCEOであるJohn Krafcikに対して、公共サービス開始のタイムラインを直接質問してみたところ、特定の年を答えることはしなかったものの、多くの人たちが考えているよりは早く実現するだろうと答えた。

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(翻訳:Sako)