Webサイト作成のWixがプロのWebデザイナー(そして小企業の経営者)を育てる教育事業WixEdを開始

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DIYでWebサイトを作れるサービスWixが、今度は、ユーザに本職のWebデザイナーになってもらうための教育訓練サービスを始めることになった。

今日(米国時間7/10)同社が立ち上げたWixEdは、無料のオンライン教育事業で、これまでWixを使うこと==既製のテンプレートを使うことだったユーザに、自分でWebサイトデザインビジネスを立ち上げるまでに必要な知識と技能の一から十までを教える。

コースは三部分から成り、(1)Wix WebmasterクラスではWixが提供するツールを使って行うWebデザインを教える。(2)(3)そしてビジネスクラスとマーケティングクラスでは、小さなネットビジネスを経営するために必要な、あらゆる知識を教える。それには、SEO入門、eコマース、会計経理、そして写真術まで含まれる。

Wixのインストラクタ集団がいつでも質問に答え、宿題の結果を評価する。宿題には、本物のネットビジネスのためのWebサイトの構築、もある。

WixでWixEd事業を担当するYuval Finkelsteinによると、“Webサイトの作り方を学ぶだけではなくて、小企業のオンラインプレゼンスを完全に統括できる人物を育てる”、という。“オンラインのマーケティングは2年前ぐらいから強力になっているが、それを今では小企業も利用できる。必要なのは、それを使いこなせるプロになることだ”。

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WixはWixEdを3年がかりで秘かに作ってきたが、1か月かけて行った小規模なベータでは、ユーザの80%が少なくとも2本のビデオを見ており、またすべてのビデオの30%が、最後まで視られたことがわかった。

ビデオ教材は、著作権の法律なら専門の弁護士、Google AnalyticsならGoogleの社員というように、それぞれその道の専門家を起用した。

Finkelsteinの見通しでは、全コースの終了に要する時間は平均で2〜3週間だが、ベータ期間中には全コースを週末の3日で終了した強者(つわもの)もいた。

Webデザインや小企業の経営について学べるコースは、オンライン教育の先輩格CourseraやUdemyなどにもある。そんな中でトップのユーザ評価を得たいと欲張っているWixは、WixEdの差別化要因として人間インストラクタによるサポートを導入し、また教材コンテンツも細心のキュレーションにより、効率的な学習過程の構成を心がけた。

“理論は、実用知識を理解するための必要最小限にとどめた”、とFinkelsteinは語る。“Webサイトを作って運営するために、Webの歴史や初期のSEOテクニックについて知る必要はないからね”。

合衆国には小企業のオーナーが数百万もいるが、WixEdを卒業した者のクライアントベースとしてとくにFinkelsteinが想定しているのは、6800万もいるWixのユーザの一部だ。彼らの中には、本物のビジネスのためのWebサイトを作ることになったら、自作よりも有資格のWixプロフェッショナルを起用する人が多いだろう、と彼は構想している。

Finkelsteinによると、Wixは、この事業の今後の急速な拡大にあらかじめ備えており、また、今後も永久に無料だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

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TechCrunch Japan

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