WhatsAppの2014年上半期の売上は1500万ドル。純損失2.3億ドルの殆どは株式発行による


Facebookは今日(米国時間10/28)、WhatsAppの財務状況を初めて公表し、ユーザー数6億人のメッセージングアプリの売上は未だに小さいようだ。2014年6月30日までの6ヵ月間で、WhatsAppは1592万ドルを売上げ、2.3億ドルの損失を出した。しかし、損失のうち2.065億ドルは株式ベースの補償および適正価格以下で発行した通常株式によるものだ。2014年上半期の営業経費は1350万ドルであり、こちらはずっと健全に見える。

要するに、WhatsAppの企業価値が急上昇したために、トップクラスの人材集めに株式ベースの報酬を利用したということだ。結局、Facebookによる220億ドル買収によって、その株式発行の「費用」は殆ど空論となった。これはWhatsAppが実際に払った現金ではなく、同社が配った架空の金だ。

2013年12月31日までの1年間に、WhatsAppは売上1020万ドル、純損失1.38億ドルを計上した。この間に使った営業経費はわずか990万ドルだったが、株式ベース報酬は9880万ドルに上った。この株式ベース報酬は、2012年の3820万ドルから大きく増えている。2012年の純損失は5467万ドル、営業経費350万ドルで、売上はわずか382万ドルだった。

FacebookはWhatsAppのために払った金額を、ユーザーベースに20.26億ドル、ブランドに4.48億ドル、テクノロジーに2.88億ドル、その他が2100万ドルと分類している。残る153.14億ドルの差額は、「のれん代」別名「将来の成長、潜在的収益機会、および当社のモバイルメッセージング機能を拡大することによって得られるモバイルエコシステムにおける戦略的優位性」の価値ということになる。

WhatsAppのゴールは今も成長であり、収益化ではない。Mark ZuckerbergとWhatsApp CEOのJan Koumは、今年2月に買収が決定した時、広告はメッセージングで儲ける正しい手段ではないと指摘し、以前徴収していた年間1ドルの定期利用料を積極的に推し進めるつもりがないとも言った。代わりに両CEOは、まずWhatsAppを最高の国際メッセージングアプリにして、ライバルを追いやり、地位を確立してから金を稼ぐことを望んでいる。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook


投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。