WikiLeaksがデータベースと検索エンジンを開発–70年代中期の200万点近い外交公電を研究できる

[今やWikiLeaksは検索エンジンだ。]

何でも流行語で言いたい人は、これを“ピヴォット(pivot, 方向転換)”と呼びたいかもしれない。悪名高き機密文書公開サイトWikiLeaksが、特定の文書を対象とする検索エンジンを開発した。これがもっぱら検索するのは、“キッシンジャーケーブル(Kissinger Cables)”と呼ばれる170万点の歴史的外交公電だ。時期は1973〜76年、その一部は当時の国務長官Henry Kissinger(ヘンリー・キッシンジャー)が関与しているとされる問題多き電信だ。つまりそれらは、“合衆国がファシストの独裁者たちと関係を持っていたことを暴露している…とりわけ、ラテンアメリカ各国、フランコ時代のスペイン(+スペイン王族)、そして軍事政権時代のギリシャだ”、日曜日の夜のプレスリリースでWikiLeaksはそう主張している

“政府の公文書館は信用できない”、とWikiLeaksの広報Kristinn Hrafnssonが説明する。それが、今の同時代の公電のリークではなく、機密扱いが解除された(しかし知る人の少ない)歴史的ドキュメントを、特製の検索エンジンを介して公開する理由だ、と。“複雑さを装った秘密もある。だからうちでは、これらのファイルをうちにある既存の公電と合体させて、多大な努力により、ユーザフレンドリで分かりやすいデータベースを構築することにした”。

WikiLeaksの主張によると、政府は一部の文書をこれまでに何度も再機密化しようとした。それらは国立公文書記録管理局(National Archives and Records Administration< NARA)から得られたものである。WikiLeaksはそのデータベースをPublic Library of United States Diplomacy, 略称"Plus D"(合衆国の外交の公開ライブラリ)と名付けている。Twitterのハッシュタグは後者だ。

WikiLeaksには2010年以降、匿名のおいしい提出物がない。財政難と、リーダーJulian Assangeの法的トラブルの中で、なんとか生き残りを図る必要がある。Assangeは現在、ロンドンのエクアドル大使館に身を隠している。

おそらくこの検索エンジンは、良い結果をもたらすだろう。それがだめなら、ファッショナブルなWikiLeaksグッズを買って、彼らの財政を支えてあげるのはどうだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


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TechCrunch Japan

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