WordPressホスティングサービスのMedia TempleがAWS上でサービスのエンタープライズバージョンを展開

2016-05-16_1807

Media Templeが今日(米国時間5/17)、新たにエンタープライズクラスのWordPressホスティングサービスを立ち上げる。ここで興味深いのは、この今やGoDaddyがオーナーである企業が、AWSの上でサービスをホストすることだ。

つまりこのプロダクトには、同社の(mt) Oneによるきめ細やかなWordPress運用サービスと、サポートサービスのCloudTech Premier、およびAmazonのクラウドコンピューティングサービスのスケーラビリティが組み合わされている。

Media Templeのようなホスティング企業が自前のサーバーではなくAmazonのプラットホームからサービスを提供するのは奇妙に思えるかもしれないが、実は同社はすでに、AWS上の管理サービスを伴うクラウドホスティングを、前から提供している

Enterprise WordPress by MT

MediaTempleのプロダクトマネージメント担当シニアディレクターBrendan Fortuneによると、“Media Templeのサーバーも悪くはないけど、仮想プライベートサーバーではできないことがAmazonの技術ならできる、という場合もある”、という。たとえばAmazonのサーバーレスコンピューティングサービスLambdaとか、EC2 Container Serviceによるロバストなコンテナサポートなどだ。Fortuneによれば、Amazonのコンテナ管理サービスを利用した方がMedia TempleもWordPressのデプロイを、ニーズに応じて迅速にスケールアップ/ダウンできる。

そしてそれは同時に、ユーザーに安心感を与える、ということでもある。たとえばユーザーは専用のアカウントマネージャーを持ち、いろんな問題を解決できるとともに、ユーザーとMTが共にプロアクティブに仕事ができる。WordPressのインストールそのものはMedia TempleのCloudTechのチームが行うが、そのときモニタリングシステムを使ってインストールの過程を見守ることもできる。

セキュリティ問題の監視やWordPressインストールのパッチの自動化などはMedia Templeが本来的に提供するが、同時にAmazonのDDoS防御システムCloudFrontの利用もできる。

ただしユーザーへの課金に、AWSの料金が直接現れることはない。Media Templeとしてのプランは2つあり、ひとつは月額2500ドルのエンタープライズ標準プランで、サイトは5つ、クラウドストレージは1TB、月間最大1.5TBまでのCDN利用、コンテナを使用するEC2インスタンスは最大10まで、AmazonのRDSデータベースの利用、などがセットとなる。

もうひとつの、“最大パフォーマンスプラン”は、カスタムメイドのプランなので、料金はその構成によって異なる。

料金を見てもこの新しいエンタープライズホスティングサービスが、巨大企業までは行かない中〜大企業をねらっていることが分かる。一見高い料金のようだが、従来の同社の、管理サービス付きWordPressホスティングサービスPagelyも、ハイエンドのプランではこれぐらいの料金になる。

Fortuneによると、AWS以外にAzureやGoogle Cloud Platformなども検討したが、チームが比較的よく知っている技術であることと、AWSのコンテナサービスを使いたい、というところからAmazonに決まった。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。