Wotchがクリエイターに優しいビデオプラットフォームを構築中

Wotchのチームが、新しいソーシャルビデオプラットフォームを構築した。おっと、呆れるのはちょっと待ってほしい。

「明らかに、新しいインターネットビデオ共有プラットフォームを作ったという人は世の中にあふれています」と言うのは、共同CEOのScott Willson(スコット・ウィルソン)氏だ。「それを聞かされると、だれでもうんざりするに違いありません」。

それでもとにかく、ウィルソン氏と彼の共同創業者で共同CEOのJames Sadler(ジェームズ・サドラー)氏はそれを試みて米国時間12月11日、Disrupt BerlinのStartup Battlefieldに参加して競っているのだ。彼らはわずか22歳だが、サドラー氏によれば、彼らはeラーニングプラットフォームの開発を含むプロジェクトで、過去数年間協力してきたのだと言う。

彼らがWotchの作成を触発されたのは、最近多くのYouTuberたちが広告を通じて動画を収益化することができなくなったデマネタイゼーション問題や、作者確認システムの再構築をはじめとするその他の論争などがきっかけだった。

ウィルソン氏は、YouTubeは「コミュニケーションの観点からみて、クリエイターたちを置き去りにしてきたのです」と語り、やがて論争が拡大するにつれて、2人は「もっと良い方法が必要だ」と考えた。

サドラー氏が付け加えたのは、大事な点はその過程で、ビデオクリエーターたちに、より大きな発言の機会を与えていることだ。「私たちはクリエイターの皆さんと、緊密に仕事を進めています。自動メールを送信するだけではありません」。

実際、彼らはクリエーターたちにWotchの株式を購入して会社の成功に出資できる機会を与えている。彼らはまた、会社の方針についての意見を聞くための、クリエイターボードを任命している。

Wotchクリエイターは、サブスクリプション、商品、広告を販売することで収益を上げることができる。またよく見られるようなプレロール広告やミッドロール広告(ウィルソンは「いらつかせるもの」と表現していた)ではなく、ブランド製品やメッセージをビデオに組み込むパートナーシップを提供する。

これが広告主とクリエイターの間に、YouTubeが苦労しているものと同様の緊張を引き起こす可能性があるかと質問されたウィルソン氏は、「広告主とクリエイターを正しくマッチングさせることになるでしょう」と主張した。「限界に挑戦する」ビデオ作成者に協力することに特に関心がない広告主もいる。彼らは自分たちが関わろうとしているものがどんなものかを知りたいだけだ。

サドラー氏はまた、Wotchはクリエイターたちに対して、最も忠実なファン、最も熱心なファン、そして最初の「Wotchers」(視聴者を意味するWatcherと、プロダクトのWotcherをかけたもの。英単語の「Wotcher」は「やあ」といった挨拶のスラングでもある)を特定するなどの、より多くのデータを提供すると語った。

また、このサイトは、コンテンツモデレーションに他とは異なるアプローチを採用する。コミュニティによるモデレーションはもちろん、ビデオフレーム分析などの技術を使用して「危険な」コンテンツを特定するのだ。サドラー氏は、他のプラットフォームような「独裁」アプローチではなく、「コンセンサス」アプローチになると語った。「私たちは、これらのプラットフォームをきれいに保つ作業を助けてくれるユーザーに報奨します」と彼は付け加えた。

Wotchはサインアップしたと言っている大物クリエイターの名を挙げてはいないが、サドラー氏によれば、同社は主に新興市場に焦点を合わせていて、ブラジル(YouTubeが巨大なユーザーを抱えていて時々有害な問題が起きている)と南米全域ですでに25人のトップクリエイターを確保したと言う。これらのクリエイターたちはWotchだけに投稿するというわけではないが、Wotch専用の動画を作成する。

サドラー氏は、視聴者を惹きつけるのはクリエイター自身だと語る。「消費者はプラットフォームではなくクリエイターに忠実なのです」。そして、彼らが引き付けられると彼らはまた「よりソーシャルなプラットフォームの体験することになります。あなたの友人が『wotchしている』ものを見て、あなたのお気に入りのクリエイターが『wotchしている』ものを見ることになるからです」。

スタートアップは、インフルエンサーマーケティング会社であるGleam FuturesのCEOであるDominic Smales(ドミニク・スメルス)氏、Bidstackの共同創業者であるSimon Mitchell(サイモン・ミッチェル)氏。Melody VRの創業者兼COOのSteve Hancock(スティーブ・ハンコック)氏らから資金を調達した。スメルス氏は、クリエイターボードの議長も務めている。

Wotchのベータ版はすでに公開されているが、サドラー氏とウィルソン氏は来年初めにサービスの改良版を公開する予定だ。プロモーションコード「TECHCRUNCH」を使えば、早期プレビュー版にアクセスできる。

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(翻訳:sako)

投稿者:

TechCrunch Japan

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