WWDC:Apple WatchのネイティブSDKが公開され、ウィジェットの作成やセンサーへのアクセスが可能に

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今朝のWWDCで、Apple WatchのネイティブSDKとwatchOS 2が公表され、Apple Watchの開発プラットフォームが更に魅力的になった。

AppleのヴァイスプレジデントであるKevin Lynchはステージに登壇し、サードパーティーの開発者が利用できるようになる新機能のデモンストレーションを行った。まず「Complications(コンプリケーション)」機能だ。開発者は、Apple Watchの多様な時計画面に合わせたウィジェットを作成することができ、ユーザーは一日を通してアプリが提供する細かい情報を簡単に素早く確認することができるようになる。

「Time Travel(タイム・トラベル)」という新機能では、ユーザーはデジタルクラウンを回すことで、コンプリケーションで表示された情報の履歴を辿ることができる。この機能を使うことで、例えばMLBの試合がどのように進んだか、獲得得点の履歴を時計画面から直接遡って確認することができる。

新しいネイティブSDKでサードパーティアプリに提供されるAPIは具体的に、Apple Watchでの動画再生、内蔵マイクの幅広い活用、スピーカーへのアクセス、さらに心拍数データのストリーミングといったHealthKitへのアクセスもできるようになるとLynchは説明した。

また、Watchの加速度計とタプティックエンジンにアクセスすることで、モーションコントロールやタッチでのアウトプットも可能となる。開発者はApple WatchのWi-Fiラジオも利用できるようになり、iPhoneを傍において常時ペアリングをする必要も少なくなる。

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これまでApple Watchにアプリを提供したいと考えていた開発者は、WatchKitというSDKを使用していた。開発者が製作したアプリは腕に着けた端末専用であるにも関わらず、このツールキットで製作したソフトウェアは実際には、ペアリングされたiPhoneの中で動いていた。Bluetooth LE経由でデータとインターフェイスの要素をWatchに転送する仕組みだった。

転送にかかる時間は、Apple Watchのアプリのユーザー体験を著しく限定的にするものだった。アプリを起動するのに何秒もかかる場合もある。

Appleのオペレーションのシニアヴァイスプレジデントを務める Jeff Williamsは、先日行われたCode Conferenceで、今日のカンファレンスにはApple WatchのネイティブSDKが盛り込まれること、そしてアプリはApple Watchのセンサーから直接データを読み取ることができるようになると発表されると、ヒントを出していた。

開発者は今日からwatchOS 2 のベータ版を使用することができる。メインストリームのユーザーは、秋頃になる公開リリースを待つことになる。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

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TechCrunch Japan

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