Y Combinatorが傘下の女性ファウンダーたちのセクハラ被害を調査、被害者が強く立ち直れるための道筋を試行

Y Combinatorが、同社のポートフォリオ企業Callistoと一緒に行った調査は、ベンチャーキャピタルとテクノロジー系スタートアップにおいて、セクシャルハラスメントが相当蔓延していることを浮き彫りにしている。

Callistoは、性的不正行為を報告するソフトウェアで、それを被害者が利用する。同社は、YCの2018冬季クラスを卒業した。そして今回は、YC出身の384名の女性ファウンダーのうち125名にアンケートを送り、彼女らが“エンジェルやVCの投資家から襲われたり強要されたことがあるか”、と質問した。

アンケートには、88名の女性ファウンダーが応じた。内19名は、何らかのハラスメントを経験した、と主張している。

より具体的には、18名が、“望まざる性的申し出”から成る不適切な経験を述べている。15名はそれが“性的強要”だったと述べ、4名は“望まざる性的接触”だった、と言っている。

調査結果のリリースと並行してYCは、ファウンダーが自分が受けたハラスメントや暴行を報告するための公式のプロセスを発表した。それは、ファウンダーのためのプライベートなデジタルポータルBookfaceにおける報告だ。

YCはブログ記事にこう書いている: “報告は、いつでもできる。事件があってから何年経っていてもよい。報告は、その秘密が保たれる。ほかの投資家にも、同様の報告システムをセットアップすることを、強力にお勧めしたい”。

First Round Capitalも最近、傘下のファウンダーたちに対して性的不正行為に関する調査を行った。このアーリーステージ投資家もやはり、調査対象の869名のファウンダーの半数が、自分がハラスメントを受けたり、職場でハラスメントに遭った被害者を知っている、と回答した。

結成から7年になる非営利団体Callistoは、これらの被害者を支援するためにファウンダーたち専用のCallistoを立ち上げる、と言っている。そのCallistoを使ってファウンダーは、テクノロジーおよびVC業界の加害者の実名を記録できる。同団体は情報を収集して、無料で相談に乗ってくれる弁護士を被害者に紹介したり、同じ加害者の別の被害者と情報を共有できるようにする。その後被害者は、加害者を告訴することもできる。

テクノロジー業界に蔓延しているセクシャルハラスメントの問題は、決して新しい問題ではないが、近年では#MeToo運動などに勇気づけられて、多くの女性やハラスメントの被害者が自分たちの被害を言挙げするようになっている。元Binary CapitalのJustin Caldbeckと、元SoFiのCEO Mike Cagneyは、今の#MeTooの時代において、性的不正行為の申し立てにより業界を追放されたシリコンバレーのエリートの例だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

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TechCrunch Japan

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