Y Combinatorに支援を受けたVIDAはデザイナーのアートワークをファッション、アクセサリ、その他に変身させる

VIDAは、デザイナーたちが、ファブリックや、革、そして金属などの実素材に、アップロードしたデザインを印刷し、ユニークな製品として売ることができるようにするeコマーススタートアップだ。数年前の立ち上げ以来そのアーティストのコミュニティは10万人を超える規模に拡大している。同社は最近行ったシェール、スティーブ・マデン、ワーナー・ブラザースなどの大物とのコラボレーションに続き、現在スタートアップアクセラレーターのY Combinatorに参加している。

VIDAのアイデアは、創業者のUmaimah Mendhroによるものだ。彼女はパキスタン出身で、ハーバードビジネススクールの卒業生で、Microsoftとサンフランシスコに本社を置くマーケティング会社Westで働いた経験を持つ。

Mendhroはかつて、アーティストを目指していたこともあり、彼女自身も裁断、スケッチ、縫製、刺繍、スクリーン印刷、ペイントなどを教えていたことがある。しかし、彼女は芸術だけで生計を立てることに不安を抱き、その結果別の道を歩むことになった。

VIDAの起業によって、Mendhroはアートとテクノロジーに対する彼女自身の関心を組み合わせることができた。ここではアーティストたちが自身のデザインを提出し、VIDAの直接布地印刷デジタルプリントを使って服にすることが可能で、また最近はより硬い素材へのプリント手段も提供されるようになってきた。

デジタルプリント技術を使用すると、従来の方法よりも布地にデザインを転写するプロセスが高速になる。これによって、VIDAは在庫を保持する代わりに、必要に応じてアイテムを印刷することができる。また、3Dプリンターを使用して宝石コレクションのための金型をデザインし、3Dニットやレーザーカッティングなどの他の分野にも程なく参入する予定だ。

1度プリントされると、VIDAは、アーティストのためにその着用姿を宣伝するためのブランドページを作成する。VIDAがアイテムの製造販売に関連したデザイン以外のすべてのプロセスを引き受けて、アーティストは総売上の中から10%を受け取ることになる。

最初の立ち上げ時には、VIDAが扱っているものは、わずか2、3種類のものしかなかった – シルクトップと何種類かのスタイルのスカーフだ。

今では同社は、トップス、ボトムス、ラップ、バッグ、スカーフ、そして枕やタペストリー、ポケットスクエア、バッグ、ジュエリーなどの家庭用アイテムなど、数多くの分野を扱うようになっている。また、世界150カ国以上に広がる10万人以上のアーティストやクリエイターへとコミュニティを広げている。このサイトには200万件以上のSKU(商品最小管理単位)が登録されていて、毎日約5000件が追加されている。

VIDAは顧客数や販売実績を公表していないが、今年はHSNとのコラボレーションの下で女優のシェールと仕事を行った。また同社はワーナー・ブラザースともワンダー・ウーマンにインスピレーションを受けたアイテムの扱いも行った(これもまたHSNとのコラボレーションだ)。

VIDAの大きなビジョンは、アイデアを製品にするプラットフォームを構築することだが、Mendhroは新しいタイプの消費者にもアピールすると語る。

「私たちは、小売業界を支配してきた標準化された大量生産品を拒み始めているのです。私たちは、ユニークで、物語を伝え、そこに私たちの個性の一部が反映された、真の本物だと感じることのできるものを求めているのです」と彼女は語る。

カスタムメイドの性質を持つものであるにも関わらず、プロダクトの多くは驚くほど手頃な価格だ。例えば、カスタムバッグは40ドルから50ドルの価格帯だ – 新しいNine Westの財布や他の大衆ブランドよりも安い。

また同社は、パキスタン、インド、トルコでの識字学習プログラムや女性のエンパワーメントプログラムなどの組織を通じて、工場でプロダクトを製造する人々に還元を行うことで、社会的な意識の高い買い物客層にも訴求している。

やっと12人を超えたばかりの、このサンフランシスコを拠点とするチームは、Y Combinatorのデモデーの終了後、布地を超えた対応を増やしビジネスを拡大するために、追加資金を調達する予定だ。

現在スタートアップは、Google Ventures、Azure Capital、Slow Venturesから、550万ドルの資金提供を受けている。これは、VIDAがまだ初期段階にあった2014年に、TechCrunchが既に報告していた、130万ドルのシードラウンドに続くものだ。

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(翻訳:Sako)