Y Combinatorの2018冬季デモデー2日目に発表した64のスタートアップたち

微生物叢治療薬、拡張現実のためのPhotoshop、および癌治療などが、スタートアップアクセラレータY Combinatorが主催した2018年冬季デモデーの2日目(米国時間3月21日)に発表されたものだった。YCは、危険性の高いフロンティア技術や超野心的なバイオテクノロジーに資金を提供するために、ますます大規模なクラス(現在は141ほどのスタートアップ)を採用しており、一方ではより予測可能なエンタープライズ向けの企業でそのポートフォリオのバランスをとっている。

投資家たちによれば、デモデー後の評価額の上昇は、最近激しいものになっているという。暗号通貨で一山当てた人たちが、その収益を何処かへ向けようとして、YCスタートアップへの需要が高まっているのだろうと、考えている者もいる。

アクセラレーターは、米国の成功を真似る国際的コピーキャットの存在を認めており、YC自身でも多少繰り返しが見られる。例えばThe Podcast Appは、丁度1年前にYCでデビューしたBreakerと全く同じような製品と戦略を発表した。しかし、今日マウンテンビューのコンピュータ歴史博物館のステージでは、数多くの野心的でユニークなビジネスが発表された。そして会場は、いつものように、本当に多くの投資家たちで埋められていた。

昨日(米国時間3月20日)発表された64のスタートアップについてはこちら。私たちが選んだ昨日のベスト7企業に関してはこちらを参照して欲しい(本日分から選んだベスト8に関してはこちらを参照)。

ではご紹介しよう。以下にご紹介するのがYC2018冬季デモデー2日目で発表された60以上のスタートアップだ。

Callisto

Callistoは、性的違法行為の犠牲者のために開発された、報告用ソフトウェアである。

同社の製品は、加害者の報告を行おうとする人に、LinkedInのプロフィールや電話番号などの、特定の一意の識別子を与えるよう求める。もし2人の犠牲者が同じ加害者を報告した場合、会社はそれぞれの被害者と連絡をとって、その状況をどのように扱うかに関するオプションを提示できる「オプションカウンセラー」を紹介する。同社によれば、Callistoのウェブサイトにアクセスした被害者たちは、5倍の確率で行動を起こすという。彼らは大学キャンパスで製品の展開を始めており、スタートアップコミュニティへのサービスを展開するための寄付を投資家から募っている。

Bump

Bumpは、ピアツーピアのストリートウェア市場である。

それは「Z世代のためのeBay」だ。彼らは迅速にオンラインコミュニティを構築していて、3月には既に43万ドル分のGMV(Gross Merchandise Value:流通総額)から2万5000ドルの収益を達成している。彼らは利益が出せていることと、強固なコミュニティの存在を主張している。Bumpによれば、毎週60万件のメッセージがユーザーに送られているということだ。彼らは最終的にはストリートウェア以外にも進出できると考えている。

TechCrunchによるBumpの記事はこちらを参照。

The One Health Company

One Healthは、犬のがん治療を改善したいと考えている。ゲノム検査と遺伝子シーケンス解析を使用することで、診断の改善と治療の有効性を改善するのだ。

現在2件の試験運用を行っており、約2週間で3万9000ドルを売り上げた。

Onederful

Onederfulは歯科保険のためのAPIである。

Onederfulによれば、歯科医院は保険クレームの問題によって、毎年収益の中から60億ドルを失っていて、さらには難しいクレームの検証のために毎年30億ドルを失っているという。OnederfulのAPIは、240の保険プロバイダーと統合されており、患者の保険を迅速かつ確実に確認し、歯科医が支払いを確実に受けられることを保証する。

Onererfulは個別の歯科医に対して販売する必要はない、その代わりに主要な歯科用ソフトウェアへの組み込みを介してパートナシップを開拓し、普及を狙っている。現在120の歯科医院に導入されている。

Anjuna

Anjunaは、パブリッククラウドの中で実行されているアプリケーションを保護する。

同社によればは、現在仕事の約30%がパブリッククラウド中にあるが、他の70%の移行を支援することが同社の目標だと語っている。スタートアップはメモリ暗号化技術を使用して、使用中、待機中、および移動中のアプリケーションを保護している。同社は、たとえ悪意のある人がホストシステムへのルートアクセス権を奪っても、保護が続くと主張している。

BioRender.io

BioRender.ioは、「生物学のための視覚言語とそれと編集するソフトウェア」を標準化したいと考えている。

彼らは、「醜い科学イラスト」を排除するところに110億ドルの市場機会があると考えているのだ。これまでのところ、彼らはライフサイエンス業界向けのSaaSビジネスを含む、300の機関と協力して来ている。彼らの製品は、科学雑誌でも特集されている。

Airship

Airshioは、小規模のスタートアップが巨大なテクノロジー企業と同じやりかたで製品を展開することができるようにする、機能切り替えフレームワーク(feature flagging framework)を開発している。

通常A/Bテストスタートアップが提供するのは、例えばヘッダの違いなどの小さなコンテンツの変更などだが、Airshipの場合は顧客が完全に違う機能群を一部のユーザー群に対して提供することを支援する。このことで企業は、エンドユーザーがリデザインやアップデートに対してどのように反応するかに関する情報を、より多く集めることができる。

TechCrunchによるAirshipの記事はこちらを参照。

Gainful

Gainfulはパーソナライズされたプロテインシェイク(タンパク質を効果的に摂取するための飲み物)を作る。

ほとんどのプロテインシェイクは、男性の運動選手やボディビルダーを相手にデザインされ、マーケティングされている。Gainfulは顧客に5分間の健康クイズを受けさせてから、パーソナライズされたシェイクを出荷する。事前に8万人がクイズに参加し、スタートアップのための膨大な健康データアーカイブが構築された。現在2700人の顧客がいて、その半数以上がボトルを購入している。Gainfulは2月に4万ドルを売上、月に85%の成長を遂げており、顧客1回目の購入から利益が出ている。最終的には、Gainfulは競合他社が収集していないデータを利用して、スポーツドリンク、代替食品、そしてパーソナライズされたフィットネスプランに拡大することができるだろう。

Quantierra

Quantierraは、開発者向けの不動産投資を提供している。

独自のデータベースとアルゴリズムを使用して、何が建設可能なのか、その価値はどれほどか、そして販売可能性がどれくらいあるかを判断する。販売を助けた物件の1.5%を徴収し、彼らは3ヶ月で14万1000ドルの収益を挙げた。そして31万ドル分の契約書を獲得したと語っている。

BloomJoy

BloomJoyは、「ライフスタイルコンテンツ関連のプレス」になりたいと考えている。

彼らは、ほんの数週間で500万人の週刊読者を得た(と彼らが主張している)コンテンツの制作と配信を行っている。これまでのところ、1万9000の出版社と協力しており、週間で2万5千ドルの広告収入を得ている。彼らはこれが50億ドルの市場機会だと考えている。チームはメディア経験を持ち、以前に1800万ドルでスタートアップを売却したこともある。

YouTeam

YouTeamは、コンサルティング会社で働いているが、現在手の空いているエンジニアを「賃貸」することができる。

同社は、それぞれの仕事の20%を報酬として受け取る。現在、月額総純収益が5万5000ドルになっているそうだ。

Substack

Substackはサブスクリプション型出版プラットフォームである。

サブスクリプション型の支払いは、ジャーナリストたちを、クリックと広告ビューを稼ぐためのクリックベイトやセンセーショナリズムから自由にする。Substackは、出版社や個人が簡単にサブスクリプションプロダクトを始められるようにする。Substackには7000人のサブスクライバーがいて、平均年間70ドルを支払っている。Substackの取り分は10%である。そのトップライターは現在30万ドルを稼いでいる。最終的にはSubstackはサブスクライバーベースをコミュニティに変えて、ポッドキャストやビデオに拡大して行きたいと考えている。KikのCTOと元ジャーナリストを創業者チームに擁し、Substackはソーシャルネットワークに逃げ去ってしまったジャーナリズムの収益を取り戻したいと考えている。

SubstackについてはTechCrunchの記事も参照のこと。

HelloVerify

HelloVerifyは、最近政府が、すべての個人記録の電子化を開始すると発表したインドで、即時のバックグラウンドチェックを行っている。

スタートアップは、この法律を最初に活用する者たちの中に入っている。同社は現在、年間売上高が300万ドルであり、過去60日間には100万ドル分の受注を完了している。同社の初期の顧客にはAccenture、Infosys、そしてCognizantが含まれている。

Look After My Bills

Look After My Billsは「苦労せずに月々の請求額を減らしたい」と願うひとたちのためのものだ。

英国を拠点とするこのスタートアップは、電力会社、携帯電話、ブロードバンドの精査を手伝い、節約のためのプロバイダの切り替えと最適化を支援することで、利用者は年間320ドルを節約できると主張している。ユーザーが企業を切り替えるたびに60ドルを手数料として徴収し、4000人のユーザーから今月は8万4000ドルを得ている。

Station

Stationは、仕事中に人びとが利用するウェブブラウザになることによって、SaaS(サービスとしてのソフトウェア)のアプリケーションストアになりたいと考えている。

それは仕事用アプリをブラウザのサイドバーに焼き込んで、無数のタブの中で迷わずに済むようにするものだ。これは500種類のSaaSアプリケーションを統合している。なおユーザーの平均ダウンロード数は12である。Stationには一日の4.5時間以上をアプリに費やすアクティブユーザーが、毎週1万1000人存在している。最終的には、大きなSaaS企業へのより深い統合と、そのアプリの積極的な発見のための機会を売りたいと考えている。

Torch

Torchは、全ての企業に、エグゼクティブコーチングを届けたいと考えている。

スタートアップは、ビデオベースの会議ソフトウェアを使用して、マネージャーたちに対して改善したいスキルのコーチを支援する。マネージャたちは、Torchの分析ダッシュボードでログインし、目標を設定し、進捗状況を追跡することができる。Torchは元エグゼクティブコーチとデータサイエンティストによって設立された。同チームによれば、スタートアップの収益は毎月45%ずつ増えているとのことだ。

Edwin

Edwinは、AIを使って英語を教える。

彼らはこれまでの3分の1の時間、3分の1のコストで英語を教えることができると言っている。Facebook Messengerあるいは音声アシスタントを介してEdwinと通信する。例えば、Facebookでは、すでに75万7000人のユーザーを獲得している。

Meitre

Meitreが目指すのは、「世界のトップレストランのためのOpentable」だ(Opentableはレストラン予約サイト)。

Meitreは、予約に困らない「トップ3%」のレストランに焦点を当てている。55軒のレストランがOpentableではなく、彼らに支払うことを選び、ノーショーを減らし、より多くの試食メニューを売り、そしてオフピークへの顧客の誘導を実現している。これにより、毎年「何十万ドルもの収入が得られる」と彼らは主張している。これまでのところ、彼らは顧客の離脱を招いておらず、このようなサービスを必要としているであろう世界中の約5万軒のレストランへと拡大するつもりだ。

Pathrise

Pathriseは、将来得る給与の一部を支払う契約と交換に、学生がより良い就職を行えるように訓練を施すことを助ける。

大学のキャリアカウンセラーは、平均して2900人の学生に対して1人しかおらず、そのオフィスは時代遅れなものだ。まず始めに、学生のことを知り、データを使って関連する求人情報を発見する。そのトレーニングは、学生の募集者へのメール、履歴書、面接スキル、給与交渉などを改善することができる。雇用される学生1人につき5000ドルの収入が期待されている。75万人のソフトウェアエンジニアリングの学生から始めて、Pathriseは37億5000万ドルの市場を期待している。最終的には他の種類の仕事にも拡大する予定だ。学生は教育に大金を費やしていて、ローンを返済するために仕事を得ることに必死だ。Pathriseは、学生たちが学んだことを活用し、自分にとって良い仕事を見つけるための手助けをする。

TrapFi

TrapFiでは月締めの小切手を待つのではなく、プルリクエストが承認されると即座に、プロジェクトへの貢献に対してフリーランス開発者へ支払いが行われる

彼らはプラットフォーム上で得られた収入の1.5%を請求する。2週間で500人のユーザーを集めて2万5千ドルのトランザクションが発生したということだ。

Sixfold Bioscience

Sixfoldは、癌やその他の疾患を治療するためのナノ粒子をデザインする。

CRISPRで開発された遺伝子編集薬を、健康な細胞に影響を与えずに、病変細胞を標的とする方法で送り込むことができると主張している。彼らは現在、マウスを用いてナノ粒子のテストを行っている。

Jido Maps

Jido Mapsは、永続性の問題に取り組んでいるARスタートアップである、または検知センサーが存在しない場合でも、デジタルオブジェクトを実際の環境に貼り付けることを可能にする。

同社は自身をARのための「保存ボタン」と呼んでいて、ユーザーがオブジェクトを置き、それを保存して、その情報を他のユーザーと共有することを可能にしている。1ヵ月間のベータ版の後、59社の企業がスタートアップのAPIを使用しており、間もなく月間の合計アクティブユーザー数は30万人に達する。

Atrium

かつてJustin.TVならびにTwitchを立ち上げたJustin Kanは、Atriumという名の「スタートアップのための、技術に明るい法律事務所」の立ち上げを発表した。

同氏は、スタートアップの共同創業ならびに投資の経験を通じて、「止むを得ず企業法務サービスのパワーユーザーとなった」と述べた。外部の法律事務所に費用がつぎ込まれるマーケット規模を1580億ドルと見積もる中で、KanはAtriumのソフトウェアが法的文書をデータ化するのに役立つと考えている。彼によれば、彼のサービスは、契約、M&A、その他の書類作成に対して時間請求される料金から、顧客たちを救うために使われているのだと言う。Atriumは「法的サービスを、速く、明朗会計で行う」のだ。

LUS Brands

LUSはカーリーヘア用のヘアケア製品を製造している。

何十年にもわたってメディアが人びとに髪をまっすぐにするべきというプレッシャーを与えてきたが、人びとはカーリーヘアを愛するようになった。しかし、それをケアするためには、高価な製品や時間を沢山投入する必要がある。LUSは、さまざまな民族性毎に異なる、特定のカールレベル向けの製品を製造していいる。17ドルの製品を売る同社は、ゼロから始めて今や年商100万ドルに迫るほどになった。売上総利益は70%で、同社は銀行に40万ドルの現金を持っている。そして今、年間500億ドルに達するカーリーヘア製品市場で、彼らのブランドLUS(”Love Ur Self”:自分を愛して)の存在感を増すために、増資を計画している。

TechCrunchによるLUSブランドの記事はこちら。

ZBiotics

ZBioticsは遺伝子工学を使った飲み物を製造しているが、それは二日酔いを防ぐ効果があるのだという。

スタートアップが製造したプロバイオティクス(人に良い影響を与える細菌やそうした細菌を含む食品/飲料)は、アルコール代謝の主な副生成物の1つであるアセトアルデヒドを分解する。アセトアルデヒドは二日酔いの原因と考えられているZbioticsによれば、その製品が1単位あたり5ドルで販売され始めたら、それは世界で初めて遺伝子工学利用のプロバイオティクスが市場に出ることになるのだという。

Shogun

Shogunは、企業がすばやく店舗サイトを立ち上げることを支援する。

ビジネスを立ち上げオンラインで製品を売ろうと考える小企業は、購買ボタンを表示する前に行うべき膨大な仕事の量に、途方に暮れてしまうかもしれない。Shogunは、Shopifyのようなプラットフォーム上で、オンラインストアを設定するページエディタのための、より簡単なワークフローを作成することを狙っている。このサービスは、特に技術者以外の人を念頭に置いてデザインされている。

TechCrunchによるShogunの記事はこちらを参照。

DearBrightly

DearBrightlyは、パーソナライズされたスキンケア製品をオンラインで提供する。

彼らの主力製品は「レチノイド」であり、これは、にきび、乾癬、および他の炎症性皮膚疾患の治療に役立つ。パートナー登録をした皮膚科医師に、肌の写真を送り、スキンケア療法を決定し、必要な処方箋を得る。

TechCrunchによるDearBrightlyの記事はこちらを参照。

Sketchbox

Sketchboxは、ARとVRのためのPhotoshopである。

彼らはいつか、今日のウェブならびにグラフィックデザイナーと同じだけの数の、AR/VRデザイナーが登場すると信じている。これまでのところ、彼らは2000人以上のデザイナーたちと仕事をしており、「パワーユーザー」たちは週に平均3.5時間をプラットフォームで過ごしている。Microsoft、Oculus、Eon Realityなどの企業がSketchboxをテストしている。それは60億ドルの市場機会になるとSketchboxは信じている。

TechCrunchによるSketchboxの記事はこちらを参照。

EnvKey

EnvKeyはAPIキーのLastPassになることを狙っている

企業がますます大きくなるにつれて、アクセスしなければならないツールやAPIの複雑なネットワークは、本当にすぐに手に負えなくなって行くだろう。EnvKeyは、それらのすべてのキーとパスワードを追跡し、それらが正しく更新されるようにしている。EnvKeyには、適切な人だけが内部でアクセスできるようにするためのツールも用意されている。

TechCrunchによるEnvKeyの記事はこちらを参照。

Tradewind Bioscience

Tradewind Bioscienceは、癌の転移を阻止する薬剤の開発に取り組んでいる。

その2人の創業者たちは、それぞれ独自に癌の転移中に生まれる癌タンパク質を同定し、この問題に取り組むためにチームを組むことを選んだ。彼らは、彼らの治療法が「ほとんどの」癌に有効だと言っているが、まずは卵巣癌に焦点を当てている。

TechCrunchによるTradewind Bioscienceに記事はこちらを参照。

Arrow

Arrowは拡張現実のためのInstagramを開発することを狙っている。

そのアプリは、ユーザーが、実世界のオブジェクトにテキストと絵文字を貼り付けることを可能にし、作成したARビデオを共有することを可能にする。そのAutoemoji(自動絵文字)機能は、一般的なオブジェクトと表情を識別し、関連する絵文字で画面を埋める。スタートアップは、2019年にはAR対応した最新携帯電話の数が5億台に達し、潜在的なユーザー基盤を拡大することを期待している。Arrowのパブリックベータ版では、2ヶ月で2万5000本の動画が共有されている。InstagramとSnapchatに対抗する新しいソーシャルコンテンツフィードを開発することは非常に困難だが、Autoemoji機能は革新的だ。

Wing It

Wing Itは、週末の旅行にあなたを誘う、Facebookメッセンジャーのボットである。

Airbnbや、地元のハイキング、その他のアクティビティを、あなたの嗜好(自宅からの距離、一人当たりの費用など)に基づいて推薦してくれる。既存ユーザーからの毎週のリピート率は70%である。

TechCrunchによるWing Itの記事はこちらを参照。

Tipe

Tipeは、無駄なテキスト編集を人生から取り除いてくれる、開発者のためのツールだ。

スタートアップが提供するのは、開発者以外に人間がコンテンツを素早く簡単に編集できるようにすることで、開発者がマーケティング目的のコンテンツ編集を絶えず行う必要をなくし、ただコードの開発に専念できるようにする仕組みだ。

Swayable

私たちの記者の1人であるJon Shieberが書いているように「Swayableは3人の元物理学者たちによって創業され、単なる扇動や宣伝を行うのではなく、実際に情報を伝え説得するための、政治的メッセージの作成を助けるもの」である。

彼らは、政治グループたちが自身のメッセージに対してA/Bテストを行い、どのメッセージが最も効果的かを判断する手助けをする。また同時に正確な情報のみが共有されるようにする。彼らは現在、毎月の売上が10万ドルに達しており、顧客にはDNC(民主党全国委員会)やACLU(アメリカ自由人権協会)が含まれている。

TechCrunchによるSwayableの記事はこちらを参照。

Quantstamp

Quantstampは、スマートコントラクトのセキュリティを自動的にチェックする。

ブロックチェーンに対する新たな人気によって、スマートコントラクトを使用する企業が増えている。しかし、そのセキュリティを手動でチェックすることには時間がかかり、コストがかかる。昨年は、スマートコントラクトがハッキングされたために、3億ドルが失われた。Quantstampは、スマートコントラクトの脆弱性を調べる自動化プロセスを開発した。

既に6回のエンタープライズ・スマートコントラクト監査で240万ドルの収益を挙げており、監査1件あたり50万ドルを支払う顧客が、50件待ち状態である。Quantstampが、企業にスマートコントラクトが乗っ取られることがないと安心させることで、スマートコントラクトを主流にすることができるだろう。

Glimpse K12

Glimpseは、学校における効果の低い支出を削減しようとしている。

教育機関の会計システムに学生の成績データを織り込むことで、生徒の成績を上げるためには、どこにお金をかければ良いかを教育機関が理解できるようにする。チームの究極の目標は、「教育に毎年費やされている8000億ドルの使われ方を根本的に変える」ことだ。

ClearBrain

ClearBrain は、サブスクリプションにサインアップしたり、製品を購入したり、アカウントをキャンセルしたりする可能性が高いユーザーたちに、的を絞って広告を出すことを支援する。

企業がすでに使用しているツール(Segment、Optimizely、Heapなど)からデータを抽出して、人工知能を適用し、特定のアクションを実行する可能性に基づいてユーザーを分析しグループ分けする。CEOのBilal Mahmoodによると、最終的な目標は「マーケティング担当者のためのAIの大衆化」である。

TechCrunchによるClearBrainの記事はこちらを参照。

Players’ Lounge

Players’ Loungeは、ゲーマーが現金の獲得で競争できるオンラインプラットフォームである。

プレイヤーは自分のアカウントに資金を入金し、FIFAまたはFortniteのゲームで数ドルを投じようという他のプレイヤーを検索することができる。スタートアップのレーティングシステムにより、ゲーマーたちは、相手が同様のスキルセットを持っているか、リーグ外かどうかを知ることができる。同社は賭け金の10%を徴収する。現在は毎週25%ずつ成長しているということだ。

Memora Health

Memora Health は、「患者のフォローアップを行う仮想看護師」を開発している。

医院を訪れた患者を、看護師が有料で治療についてフォローするということがある。Memoraは、人工知能を使ってそのやりとりを自動化することを目指している。これまでのところ、彼らは月々7万ドルを売り上げており、LOI(基本合意書)で380万ドルを確保している。彼らは「米国内の全患者をフォローアップするための基盤を構築した」と述べている。

Treasury Prime

Treasury Primeは、銀行向けのAPIを開発している。

ほとんどの銀行は今でも古いメインフレームのコンピュータと手動による変更を実行しており、銀行サービスの遅れにつながっている。Treasury Primeは、銀行口座開設の手続きを3日から3分に短縮できると語っている。スタートアップは、残高と取引履歴の確認、ACHと電信送金による送金や入金などのためのAPIを構築している。

今ではTreasury PrimeのAPIを使用して実際の銀行口座を開設しているとある銀行と、リアルタイムの統合が行われている。Silicon Valley BankとStripeのAPIを開発し、以前の会社を2億ドルで売却したチームと共に、Treasury Primeは銀行を近代化したいと考えている。

Hunter2

Hunter2は、大規模な漏洩の発生に備えて、エンジニアたちに模擬的なオンライン訓練を施すことを狙っている。

Hunter2は、エンジニアたちに対して、ウェブアプリのセキュリティのよりよい扱いをソフトに促し続けるものだ。半定期的に従業員たちに対してどのようなスキルが必要かを思い出すように促し、実際におきたEquifaxのような事例を元に作られた練習を課す。

TechCrunchによるHunter2の記事はこちらを参照。

Slite

Sliteは、チームのためのコラボレーティブツールを再考しようとしている。

もしGoogle DocsがSlackの誰かによって開発されていたらと想像して欲しい。Google Docsそれ自身も、既にかなりシンプルなものだが、Sliteは従来のノート型アプリケーションを中心にして、一連のコラボレーションツールを作成することを目指している。目標は、チームメンバーがやってきて様々なノートを書き込んで行けるようなハブを作り出すことだ。最終的には内部的なWikiに似たようなものになるだろう。

TechCrunchによるSliteの記事はこちらを参照。

The Podcast App

The Podcast Appは、ポッドキャストのためのNetflixになることを狙っている。

50万の番組と3000万話にエピソードが登録されている。 The Podcast Appは音声コンテンツの再生を行うが、最終的には独占的なコンテンツサブスクリプションの提供に移行したいと考えている。同社はこれからの5年で毎月5億人のポッドキャストリスナーを抱えて、トップクリエイターたちへの独占アクセスのために課金される月額10ドルのうちの10%を徴収したいと望んでいる。The Podcast Appは、この1年間で毎月50%成長し、今や毎日4万人のアクティブユーザーを抱えている。しかしそれは他にある無数のポッドキャストアプリたちの上を行く必要がある。その中には同様の戦略をとるYCスタートアップのBreakerも含まれている。

The TechCrunchによるThe Podcast Appの詳細記事はこちら。

Groww

Growwは、インドのRobinhood(株式売買サービス)になることを狙っている。

同社によれば、インド中産階級の数は2億5000万人だが、そのうちの約1000万人だけがオンラインで投資をしているという。スタートアップは、ミューチュアルファンドへの取り組みを開始しており、1取引について1%の手数料を徴収している。次に狙っているのは、株式、債券、そして暗号通貨だ。

Persephone Biome

Persephone Biomeは、腸内微生物の再調整を通して、癌治療薬の働きを助けようとしている。彼らは腸内細菌を含む薬剤を作っている。

2019年には臨床試験に入る予定だ。

Biobot Analytics

Biobot Analytics は「オピオイド(モルヒネに類似した合成麻薬)の消費量を推定するために」都市の下水を分析する。

現在得られる「最良のデータは、死ぬ人を数えること」であり、これは市当局が予測を行うのには不十分である。MIT出身の創業者は、「米国の歴史における最大の薬物危機に取り組むために、私たちのスキルを使用することに情熱を注いでいます」と述べている。これまでのところ、彼らは17通の基本合意書(LOI)を受取っており、米国とカナダだけで年間15億ドルの市場機会であると考えている。同社は薬物使用に加えて、医薬品、感染症、食物消費量も測定することも望んでいる。これは「企業が何十億ドルも支払うデータ」だということだ。

Nectome

Nectomeは、いつか科学者たちがあなたの記憶をコンピュータにアップロードする方法を発明する日に備えて、人間の脳を保存することを目指している。

問題点は(同社の共同創業者であるRober McIntyreの説明によれば)この手法は「致死率100%である」ということだ。同社の計画では臨終期の病人を麻酔下に置き、心肺装置を繋いで動脈に防腐剤を送り込むのだと言う。

TechCrunchによるNetcomeの記事はこちらを参照。

Promise

Promiseは、「保釈」を改革するスタートアップだ。郡や地方自治体に対して、単に保釈金を払うことができないという理由だけで拘束されている、危険性の少ない人びとに対して代替手段を提供する。

保釈者ごとに、Promiseは郡に対して包括的な受け入れ手続きを提供し、対象者毎に特定のケアプランを設定する。Promiseは保釈者の監視とサポートを行う。例えばいつ裁判所に出頭するのかを確認し、麻薬検査や薬物乱用治療などを受ける義務を思い出させる。アプリはまた保釈者に、職業訓練、住宅提供、カウンセリング、身元保証を提供する。

TechCrunchによるPromiseの記事はこちらを参照。

Beanstalk

Beanstalkは、屋外農業のコストで作物を育てることのできる、屋内農業のスタートアップだ。

同社は作業を簡素化しつつ、屋外農業でコストの嵩む部分を独自のカスタム機械を用いることでコストを削減する。Beanstalkにはいくつかの有利な点がある。特に天候を気にせず、農薬を必要としない点だ。彼らはまず、昔ながらのほうれん草のような価値ある野菜の栽培に力を入れ、栽培場所から100マイル(約160キロ)以内の顧客に焦点を当てる。

Nutrigene

Nutrigeneは、あなた自身の健康データに基づいてパーソナライズされたサプリメントを作る。

ユーザーが23andMe(または同等の)のデータをアップロードすると、それに応じてNutrigeneがカスタマイズされたサプリメントを作成する。最終的には、彼らは個人化された医療を手がけるつもりだ。2.5か月前に開始され、1万7328ドルの収益を挙げたという。なお1注文あたりのマージンは50%であるという。

TechCrunchによるNutrigeneの記事はこちらを参照。

Precious

Preciousは、AIを使って赤ちゃんの写真を厳選してくれるiPhoneアプリだ。

それは「雑多な写真をスキャンして、意味のある瞬間を見つけ出します」と、彼らはステージ上で語った。これまでのところ、彼らは5万4000人の月極有料会員を獲得し、「全ての子供の成長に合わせて、完璧なアルバムを作成し更新」している。特化したAIを使用して、最良の写真だと思われるものを判断し、顧客に定期的に送信する。これまでのところ、彼らは毎月の18万ドルを売り上げて、利益も出しているという。彼らはこれが200億ドルの市場機会だと信じている。

Zyper

Zyperは、「ブランドのソーシャルネットワークを再構築する」ことを狙っている。

ブランドにとって最も魅力的なユーザーを特定し、そのブランドに関するコンテンツの投稿と引き換えに、ブランドの製品に関連した報酬(お金ではない)を提供する。同社は、9ヶ月前に開始して以来、1億ドルの収益を上げたと述べている。

Cognition IP

Cognition IPは、テクノロジーを活用した特許法律事務所で、仕事をより迅速かつ安価に行うことに重点を置いている。

同スタートアップは、従来の法律事務所の半額の報酬を請求し、大きな事務所が30日かかる出願を、14日間で行うと言っている。同社はこれを、特許申請を読み込み類似のものを探すスマート検索エンジンなどの自動化ツールを開発することで達成した。また、自動的に文書整形を行い、ユーザーのために一連の記入用紙を埋めるソフトウェアも開発した。同社は3ヶ月前に立ち上げられれ、収益は20万ドルで、利益も上げている。

Mirror AI

Mirror AIは写真を撮り、あなたに似た何千もの絵文字を作成する。発表されて数週間たち、アプリは30万回以上インストールされている。

Tarjimly

Tarjimlyは、難民や移民をその言語のネイティブスピーカーたちと結びつけ、書類作成から災害対応までの難しい状況の手助けを行う。

これは匿名かつ無料で、Facebook Messenger内で完全に機能する。より多くのプラットフォーム対してもこの先対応が進む予定だ。

TechCrunchによるTarjimlyの記事はこちら。

OurMenu

OurMenuは、ウェイターからの注文をウェブサイトからの注文へと置き換える。

レストランの人件費は巨額である。OurMenuは、レストランの客が、ウェイターに話すのではなく、テーブルから携帯電話で、アプリをダウンロードすること無く注文を行えるようにする。客はテーブル上のQRコードをスキャンし、食べ物を選んで、注文し、支払いを行う。すると食べ物が運ばれてくるというわけだ。OurMenuは、技術利用料として月額300ドルをレストランに請求する予定だ。希望すれば有償で選ばれたメニューに関する情報も集計して提供する。

Archform

Archformは、歯科矯正医が自らの医院の中で、アライナーをデザインし、3Dプリントすることを可能にする、アライナーソフトウェアスタートアップである。

このアイデアは、歯科矯正医たちに、いくつかアライナー直販スタートアップたちに対抗するための良い選択肢を与え、またインビザライン(歯列矯正法の1つ)にかかるコストを削減しようというものだ。

TechCrunchによるArchFormの記事はこちらを参照。

Ropeo

Ropeoは、ラテンアメリカのStitch Fix(好みを伝えるとスタイリストとAIが自分好みのアイテムを何点か送ってくれて気に入ったら購入するというもの)を目指している。

同社は、その特定市場向けに最適化された機能を備えた、月額衣料品サブスクリプションサービスを提供する。同社はユーザーに購入前に試着させ、商品回収時に現金の支払いを受け取る。何故ならラテンアメリカにおけるクレジットカードの普及率はとても低いからだ。同社は成長するに従ってパートナーたちと有利な条件で取引できるものと考えている。また服の後には異なるタイプの服飾品に対象を広げるだろう。

Pulse

Pulseは、ITエグゼクティブのコミュニティにアクセスすることで、クラウドソース型で調査を行いアドバイザリーレポートを集めようとしている。

彼らは現在、プラットフォーム上に3000人以上のITエグゼクティブを擁しているが、同社によれば毎週100社以上が増えているということだ。そのレポートは無料だが、代わりにITバイヤーとベンダーを結ぶことで、お金を稼ぐことを目指している。

TechCrunchによるPulseの記事はこちらを参照。

Playbook

Playbookは、遊び相手を探したい大学生のためのアプリだ。

これは、ハーバード大で240人のベータユーザーを持つアプリだが、30%の利用者が毎日それを使用している。3月には集まりのためのイベントも開催した。そして「それまでお互いに知らなかった人たちが、一緒に活動し、楽しく過ごすことができた」ということだ。アプリはiOSとAndroidの両方で利用できる。

TechCrunchによるPlaybookの記事はこちらを参照。

Dana Cita

Dana Citaは、インドネシアで学生ローンを提供する。

これまでは、この人口2億6000万人の国にはローンが存在せず、76%の人は銀行口座も持っていなかった。Dana Citaは、学生ローンが大人の金融生活の始まりとなり、その他の金融サービスへの長期的な顧客として誘う手段になると考えている。これまでに52の借り手に対して10万ドルの融資が行われている。問題は、アメリカの学生ローンによる債務危機を見たインドネシア人たちが、スタートアップからお金を借りたいかどうかだ。

Tributi

Tributiは、ラテンアメリカのためのTurboTaxを開発したいと考えている。

スタートアップによれば、ラテンアメリカの大部分の人びとは、ソフトウェア製品を使うのではなく、個々の会計士に税金を計算させていると言う。同社は、今後の南米大陸で行われる税制改革が、彼らのソリューションのようなものへの需要を高めるだろうと語る。スタートアップは、創立以来毎週25%成長しているとのことだ。

EasyEmail

EasyEmailは、あなたの電子メールを分析して、あなたが使う最も一般的なフレーズを見つけ、オートコンプリートを行ってくれるChromeプラグインだ。

私たちが送るメールの多くは、まるで自動操縦で書かれているように感じられる。もし本当にそうできるなら、なかなか素晴らしいことではないだろうか?繰り返し大量のセールスやPRメールを送っているユーザーにとって、このサービスはコピーペースト地獄に陥ること無く、インテリジェントにメールを送り続けることを可能にする。

TechCrunchによるEasyEmailの記事はこちらを参照。

Ben

Benは、暗号通貨について学習し、購入し、販売し、保管するための統一化されたプラットフォームを目指している。

ブロックチェーン空間の中には、何百ものウォレットや交換所が漂っているため、初心者がその中で迷子になることは簡単だ。Benのモバイルアプリが他のウォレットを使った交換と違っている点は、暗号通貨に関する教育も含まれていることだ。プラットフォームを使って通貨に関するニュースも配信され、暗号通貨投資に関連したQ&Aも提供される。

Medumo

Medumoは、医療検査の当日キャンセルを削減することを目指している。

直前のスケジュール変更は、患者と医療施設の双方にとって費用がかかることがある。

しかし、そうしたキャンセルの多くは意図的なものではなく、患者が検査前の絶食や、特定の食物を避けることを忘れてしまったために起きる。Medumoはショートメッセージと電子メールによるサポートを提供し、必要なときに患者側の準備が整っているように指示を出す。彼らの顧客の場合、ノーショーが30%減ったということだ。

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(翻訳:sako)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。