Yahoo、多様性の高い大学にサーバーを寄付。人材パイプラインの拡大に期待

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Yahooは最近、サーバー200台を歴史的な黒人大学であるハワード大学、および学生の大半がメキシコ系アメリカ人であるテキサス大学エルパソ校に寄付した。Yahooがテキサス大エルパソ校にサーバーを寄付したのはこれが初めてでハワード大には2度目だ ― 1度目は2013年でサーバー125台を寄付してハワードYahooデータセンターを作った。

目標は両大学の学生、研究者および教員に「高度なコンピューター環境および分散・クラウドコンピューティングによる新たな学習コースと本格的な大量データ型研究を可能にする処理能力」を与えることである、とYahooのキャンパス広報責任者Don McGillenがYahooブログに書いている。具体的には、ハワード大はこのサーバーを同学の計算機科学・工学校で「プライベートクラウド」を構築するために使用する計画だ。さらにハワード大は、機械学習および「ビッグデータ分析」と呼ばれる新たなコースにもサーバーを活用する。

おそらくもっと重要なのは、Yahooがこうした寄付によって、少数民族の学生がコンピュータ科学やテクノロジーの職業に就くのを手助けすると共に、「学生たちの間でYahoo!でキャリア形成することへの関心が高まる」のを望んでいることだ。つまりYahooは、IT業界 ― そしてもちろんYahoo ― への人材パイプラインを太くしたがっている。

Yahooは最新の多様性レポートを7月に発表し、同社の全世界従業員の62%が男性で、米国従業員の47%が白人であることを明らかにした。Yahooに他の主要IT企業と同じく大いに改善の余地があることは明白であり、多様な学生にYahooでの雇用機会を知らせることは良い第一歩だ。なお、人材供給源の多様化に取り組む大企業はYahooだけではないことにも注目されたい。例えばAppleは、伝統的黒人大学に通う学生を支援する非営利団体であるThurgood Marshall Fundと協力して、黒人学生がIT業界で機会を見つける手助けをしている。

人材供給源拡大への努力は素晴らしいが、IT業界における多様性の欠如は、IT企業に適した多様な求職者が不足しているという人材供給だけの問題ではないことを忘れてはならない。企業カルチャーや無意識による偏見と従業員維持などの問題も、IT業界の女性や少数派欠如に寄与している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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