YouTuberと企業をマッチングするルビー・マーケティングが8000万円の資金調達、今後はアジア展開も

ルビー・マーケティングのメンバー。手前中央が代表取締役の平良氏

ルビー・マーケティングのメンバー。手前中央が代表取締役の平良真人氏

 

YouTubeに動画をアップし、その広告収入で生計を立てる「YouTuber」。そんなYouTuberと、彼らに自社のプロダクトを紹介してもらいたい広告主をマッチングするプラットフォームが「iCON CAST」だ。このプラットフォームを提供するルビー・マーケティングが、11月24日、日本ベンチャーキャピタルおよびGenuine Startupsから第三者割当増資を実施。合計8000万円の資金調達を実施したことをあきらかにした。

ルビー・マーケティングは2014年1月の設立。ソーシャルメディアを活用したオンラインマーケティングのコンサルを行いつつ、自社プロダクトの開発を進めてきた。同社の代表取締役である平良真人氏はグーグルで日本の中小企業向けの広告営業部門を立ち上げた人物。社員は十数人だが、グーグル出身者が多い。

同社が提供するiCON CASTは、広告主が動画広告の案件を、YouTuberが自身の実績をそれぞれ公開し、案件への応募をしたりYouTuberの検索をしたりできるプラットフォームだ。日本にもYouTuberは数多くいるが、トップの数人を除いて、広告主から指名で仕事を受けるというのは難しい状況。だがiCON CASTでは、広告主がYouTuberを探すだけでなく、YouTuberの側からも案件を探せる仕組みを採用。そのため、ターゲットとするYouTuberも上位でなく中堅層が中心になっている。

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現在登録するYouTuberは約1000人。案件は当初ゲームやアプリの紹介が中心だったが、現在ではECや旅行、新作映画などその幅を広げている。また1人でなく、複数のYouTuberを起用するケースが増えてきた。人気YouTuberを1人利用すると圧倒的な数のユーザーにリーチすると考えがち。だが平良氏によると、「10万人のファンを持つ1人のYouTuber」よりも、「1万人のファンを持つ10人のYouTuber」で広告を展開する方がROIがよくなる事例もあるのだという。

「前職でGoogle AdWordsをやっていて学んだが、大手企業がビッグワードを購入してCPCを上げてでも戦う一方、中小企業は安価でコアなキーワードを買って効果を出していた。小さいが『原石』のYouTuberがいっぱいいるプラットフォーム」(平良氏)。もちろん紹介するプロダクトの性質にもよるのだろうが、ファンがそこまで多くなくとも自社のプロダクトと親和性の高いファンを持つYouTuberを複数起用すれば、より効果的なマーケティングができるという主張だ。

同社では今回の調達を契機に、YouTuberに加えて、VineやTwitter、Instagramなどで動画や写真を投稿するインフルエンサーの取り込みを進める。また、東南アジアを中心にして、海外展開を進める。実はiCON CASTに登録するYouTuberの2割は、日本以外のアジア圏で活動している人物だそうで、この人数拡大、クオリティの向上に注力する。

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。