YouTuberと動画プロモーションをしたい企業をマッチングするBizcastの「BitStar」

ogimage

昨年から今年のスタートアップのトレンドの1つは間違いなく「動画」だろう。動画広告に動画配信サービスをはじめ、スタートアップ各社がしのぎを削る領域となっている。今回紹介するBizcastもそんな動画領域のスタートアップの1社だ。同社は9月1日、YouTuberと企業のマッチングプラットフォーム「BitStar」ベータ版をを公開した。

BitStarは動画広告での収益化を図りたいYouTuberと、費用対効果の高い動画広告を出したい企業をマッチングするサービス。MCN(マルチチャンネルネットワーク:YouTubeチャンネル運営者と提携してコンテンツ作成やプロモーション、権利管理などを行う組織)やタレント事務所に所属していないYouTuberの場合、YouTube広告だけで収益化することが難しく、タイアップ案件などを探しているケースが多いのだという。BitStarではそんな「事務所無所属」のYouTuberを中心にプラットフォームへの参加を呼びかけており、クローズドベータ版の段階から現在までに参加したYouTuberののべ視聴者数(チャンネル登録者数)は600万人だという(参加YouTuber数は非公開)。

BitStarコンセプト図

BitStarでは、これらのYouTuberに対して、企業が「○○に関する動画の作成」といった形でスポンサード案件を提示、プラットフォーム上でのマッチングを行う。なおスポンサード動画については、基本的にはYouTubeの動画説明欄、場合によっては動画内でもその旨を記載するルールだという。

YouTuberが案件にエントリーする際には、あらかじめ登録したプロフィールやYouTubeの再生回数実績などを組み合わせて、自動で企業提出用のプロフィールシートを作成する。案件の単価については、YouTuberごとの再生実績などをもとに算定している。

動画配信が遅延したり、説明欄にスポンサード案件である旨の記載が漏れていたりといったトラブルに対応するため、運営側が動画の公開や説明コメントの編集などを行う管理機能を持つのも特徴だという。なお、BitStarはあくまでマッチングのプラットフォームのみを運営しており、YouTuberのマネジメント業務などは行わないのだという。

2015年6月まで数カ月の間クローズドでサービスを提供してきたが、すでに飲食、家電、美容、ゲーム、イベント、おもちゃと幅広い領域での実績があり、1社で40件、150万再生の実績のある企業もいるのだという。

Bizcastは2014年7月の設立。シードマネーをEast Venturesから調達し(金額非公開)、ビジネス特化の動画配信サービスを提供する中でBitStarを企画した。同社では2016年4月までにプラットフォーム経由で動画500本の配信を目指す。

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。