rinnaとデジタルヒューマンは5月31日、rinnaの自由に雑談するAIチャットエンジンと、デジタルヒューマンの顔と音声で感情を表現するAIアバターを統合し、感情的につながるデジタルコミュニケーションが可能なAIキャラクターの開発で協業すると発表した。
今回の協業により、rinnaのAIチャットボット開発プラットフォーム製品「Rinna Character Platform」のユーザーインタフェースとして、デジタルヒューマンのAIアバター「デジタルヒューマン」が利用できるようになった。自由に会話する能力、顔と表情、音声、視覚、聴覚を備えたAIキャラクターの開発が可能としている。
また両社は、Rinna Character Platformとデジタルヒューマンを組み合わせたAIキャラクターの開発で協力する。Rinna Character Platformとデジタルヒューマンの組み合わせを、自社タスク指向型チャットボット製品に組み込んで顧客に販売するパートナーやAIキャラクターを企画するパートナーの開拓でも協力するという。
rinnaは、MicrosoftのAI&リサーチ部門でAIチャットボットの研究を行っていたチームがスピンアウトして2020年6月に設立したAI開発企業。ディープラーニング技術を活用し、AIが文脈に応じた会話文を自動生成して人間と自然に会話する「共感チャットモデル」、AIが話し声や歌声で豊かに感情を表現できるようにする「音声合成システム」などの技術を発表してきた。これら最新技術は、会話内容や音声表現をカスタマイズしてキャラクター性を持たせたAIキャラクターを開発できる法人向けプラットフォーム製品「Rinna Character Platform」に応用されている。
デジタルヒューマンは、UneeQ(ユニーク)が開発するリアルAIアバター「デジタルヒューマン」のディストリビューターで、UneeQに代わり日本における事業を展開。デジタルヒューマンは、会話の内容に合わせて、顔の表情、声のトーン、唇の動き(セリフと同期するリップシンク)、ヘッドモーション、ボディモーション、マイクロアイモーション(眼球運動)が変化するスピーチアニメーション画像をリアルタイムに生成するというもの。
日本語に対応した音声認識機能を備え、新たな機能としてグループ会話において適切な人に個別対応する話者認識機能、コンピュータービジョンAPIを用いて、相手の個人特定、感情分析、年齢や性別などの分析や、相手が手にした物体(薬のパッケージなど)認識をリリースする予定。
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