LGがマスク型空気清浄機を発表、H13グレードHEPAフィルターを搭載

率直に言ってLGのPuriCareで一番意外なのは、最近の数カ月で他のテクノロジー企業がどこも類似製品を出さなかったことだ。LGは近くドイツ・ベルリンで開催されるIFAの記者発表の一部としてこれを披露したのだが、同社自身は今年のショーはバーチャル出展を選んだ。

この「ウェアラブルの空気清浄機」の記者発表は、話題も豊富だ。同社によると「LGのウェアラブル空気清浄機であるPuriCareは、手作りのマスクの品質が均一でないことと、使い捨てマスクの品不足というジレンマを解決する。ウェアラブル空気清浄機のPuriCare(LGプレスリリース)はH13グレードのHEPAフィルターを採用しており、それはLGの家庭用空気清浄機で使われているフィルターと同じである」と説明している。

同社は、あえて新型コロナウイルスには言及しなかったようだ。具体的な疾病や健康問題を取り上げると、具体的な規制の問題にも触れざるを得ない。しかしもちろん、このパンデミックではマスクが各所で入手不足になった。LGがこのアイデアの実装に本気になったのも、そのせいに違いない。

しかしマスクは、その世界のプロが作ったものでもウイルスの遮断性能にはバラツキがある。そしてLGのこのフィルターに関しても同様の疑問がある。まず、着用者とそのまわりの人々とでは、ウイルスの出入りに対する遮断性能は同じなのか?特に、まわりにいる人を保護できないのならいい製品とは言えない。

新型コロナウイルスに関連した質問へのLGの回答は今後の承認の問題にすり替わった。「今後さらなる試験を重ねたうえで、詳細を話したい」とのこと。「一部の市場では第4四半期に発売する」そうだが、それまでに具体的な回答を聞きたい。ただしマスクを着用する動機は新型コロナウイルスだけではない。空気の汚染など、環境汚染もマスクを着ける重要な動機だ。

LGにもう1つ聞きたいのは「電池が消耗したらどうなるのか」。この空気清浄機マスクは820mAhのバッテリーを内蔵しており、「低」で8時間、「高」で2時間動くという仕様だ。しかしそれでも、長時間使って電池切れとか、家を出るとき充電を忘れたなど、現実のさまざまな問題がある。

H13のHEPAフィルターが2つ使われている。それは同社が家庭用空気濾過システムで使っているのと同じ種類だ。細菌を殺すための紫外線LEDライトも備える。これももちろん、ユーザーを保護するだろう。LGは家庭用空気濾過システムに加えて、消毒用に紫外線照射棒も作っている。同社はこちらも開発に熱心だったから、マスク製品に添えるという発想も自然だ。

実装の技術、かなり凝っている。着用者の呼吸に合わせて空気濾過の速度を変えるなど、やりすぎなところもあるかもしれないが、全体的にもっとすっきりしたデザインにすべきではないか。それに、価格が未定という問題もある。

画像クレジット:LG

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

LGのWingはデュアルスクリーンの新形態を提示するスマホ

スマホのデザインが、みんな同じようなものになってしまったと文句を言っていたのは、つい昨日のことのようだ。そんな中、ここ2、3年の間に、いくつかのスマホメーカーが、デュアルスクリーンのデバイスを提示してきた。折りたたみ式や、その他の実験的な形状のものなど、いろいろある。それでも、市場を牽引してきたと言えるようなものはほとんどない。

今のところWingというコード名で呼ばれるLGのデバイスは、画面の面積を増やす方法として、ちょっと奇妙なカタチを提案している。Korean HeraldET Newsの記事によると、そのコンセプトモデルは、6.8インチ(約17cm)のメイン画面が水平に回転して、4インチ(約10cm)四方の正方形のサブ画面を露出させるという。

これはまだ、コンセプト段階のものがリークされただけだが、LG製品としては前例がないわけではない。10年以上前、まだ電話機にボタンが付いていた時代に、同社は画面が回転する端末を何種類か製造していた。

サブ画面は、キーボードとして機能するようになっているが、何しろディスプレイなので、用途はそれに限ったものではない。たとえば、編集機能を実現したり、補助的な内容を表示することもできるだろう。また上の記事によれば、このデバイスは、Snapdragon 7ファミリのプロセッサーを搭載し、カメラはトリプル構成だという。

確かに、LGが何か新しいことを試す可能性はない、などということはあり得ない。同社は過去にも、いろいろ実験的なものを出している。とはいえ、実際にアプリのデベロッパーに、こうした新方式に対応してもらうのは、まったくの別問題だ。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

GMが電気自動車戦略のコアとなるモジュラー式アーキテクチャー「Ultium」を公開

GMは米国時間3月4日、新しい電気自動車用アーキテクチャーを公開した。これは、GMの将来のEV計画の基盤となるもので、コンパクトカーから業務用トラック、大型の高級SUV、高性能車、さらにこの夏に発売が予定されている新型Bolt EUV Clossover(ボルトEUVクロスオーバー)に至る、同社の車種に幅広く採用される。

Ultium(アルティウム)と呼ばれるこのモジュラー式アーキテクチャーは、19種類のバッテリーと駆動系の組み合わせに対応する。400V(ボルト)と800Vトのバッテリーパックが使用でき、充電容量は50kW/h(キロワット毎時)から200kW/h。前輪駆動、後輪駆動、4輪駆動の設定ができる。

EVアーキテクチャーのモジュール化にこだわった背景には、Cruise Origin(クルーズ・オリジン)自動運転タクシー、コンパクトなChevrolet Bolt EUV(シボレー・ボルトEUV)、GMC Hummer(GMCハマー電動トラック兼SUV、それに先日発表されたCadillac Lyriq SUV(キャデラック・リリックSUV)など、同社の製品を全般的に電動化するというGMの意欲がある。3月4日にGMはこれまで一般公開されず姿を見せることがなかった数々の新型EVも発表し、モジュラー方式にしたことで同社の車種に幅広く対応できることを示していた。そこにはキャデラックのフラッグシップとなる大型セダンであるCelestiq(セレスティーク)も含まれていた。

Celestiqは、将来キャデラックのシリーズに加わる大型電動SUVとともにデトロイト地区で手作りされると、GMのMark Reuss(マーク・ルース)社長は話していた。同社のBUICK(ビュイック)ブランドの将来のクロスオーバー2車種のスタイルは、明らかにTesla(テスラ)を意識している。シボレーの中型クロスオーバーは、その他のGMの(今後の)EVラインアップがみな高級志向なのに対して、手の届きやすい価格帯に設定されている。

これほど多様な車種を単一のアーキテクチャーで賄うことにより、これまでは少量生産で収益性に課題があったEV市場に、必要に応じてスケールできる可能性と資本効率性がもたらされる。GMは、このスケール性でバッテリーパックのコスト削減と機構の単純化を果たした。バッテリーパックの配線の量は、現在のシボレー・ボルトの場合と比較して80%少なくなり、バッテリーパックのコストも1kW/hあたり100ドルを切った。

この新型モジュラー・アーキテクチャーの心臓部には、大容量のパウチ型バッテリーセルが使われる予定だ。これは、韓国のLG化学とGMとの合弁製造事業の一環として製造される。両社は2019年12月、オハイオ州ローズタウンの工場でGMの電気自動車向けバッテリーセルを大量生産すると発表した。

GMは、リチウムイオンと電子製品のサプライヤーであるLG化学とは10年来の取り引きがある。この合弁事業はGMにとって、電気自動車分野での躍進力を高める転換点となるだろう。

GMとLG化学は、新しいニッケル・コバルト・マンガン・アルミニウム(NCMA)バッテリーセルを共同開発した。どの大容量パウチ型バッテリーよりもコバルトの含有量が少ないとGMは話している。平坦な形状の充電式パウチ型セルは縦に重ねることができるため、テスラやRivian(リビアン)などが好む円筒型セルと比べてパッケージングの柔軟性が高く、室内空間も広くとれる。

GMとLG化学の合弁事業は、23億ドル(約2470億円)規模の工場を春に着工する。そこでは、年間30GW/h(ギガワット毎時)ぶんのセルを、余裕をもって生産できる。両社は、ゆくゆくはセルの化学成分からコバルトとニッケルを完全に排除できるよう共同研究を進め、劣化したセルを修復する電極内添加物の開発、固体電池の可能性も探っていく。

GMからの電気自動車の第一波は、今年後半に発売される新型シボレー・ボルトから始まる。来年の夏にはボルトEUVクロスオーバーが続くが、これはキャデラック以外で、手放しで自動運転ができるSuperCruise(スーパークルーズ)運転補助システムが搭載される最初の車になる。また今年後半、GMは新型高級電動SUVを2車種発表する予定もある。ひとつは2021年に生産を開始するGMCハマーEV
、もうひとつは2022年に発売されるキャデラック・リリックだ。

GMの新しいEVアーキテクチャーは、充電能力がレベル2、10分間の充電で最大100マイル(160キロメートル)走行できる高速直流充電に対応する。だがGMは、高速充電ネットワークを自社で整備することはない。Chargepoint(チャージポイント)やEVgo(イーブイゴー)などの公共充電ネットワークをmyChevrolet(マイシボレー)モバイルアプリでまとめて利用できるようにし、EVgoの充電器ではアプリ内で精算できるようにする。またGMは、Qmerit(キューメリット)と提携して認定充電器を家庭に設置する事業も進める。EVオーナーの80%は家で充電しているからだと同社は話していた。

【編集部注】筆者のEd Niedermeyerは、作家・コラムニストでポッドキャスト「The Autonocast」の共同主宰者。今年8月に「The Unvarnished Story of Tesla Motors」を出版した。

画像クレジット:GM/ Photo by Steve Fecht

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(翻訳:金井哲夫)

LG最新5Gスマホにはイヤフォンジャックがあり、別売セカンドスクリーンもある

2020年のスマートフォン市場についていえることは、選択肢はいくらでもあるということだ。ただしその売上はここ数年落ち込んでいるため、多くのメーカーが製品に創造性を持たせている。そして、LGも間違いなくその波に乗っている。同社のスマートフォンはここ数年は華々しくはなかったが、それは努力不足のためではない。

ここではLG V60 ThinQ 5G(より正確には、LG V60 ThinQ 5G with LG Dual Screen)を紹介しよう。冗長な名前が示すように、このデバイスには5G接続が可能で極めて高価ではない可能性が高い。具体的な価格はまだ明らかにされていないが、Samsung(サムスン)のフラッグシップモデルであるGalaxy S20よりは安く、さらに昨年のフラッグシップ機に近い価格800ドル(約8万8000円)程度になるだろうとLGは伝えている。

このスマートフォンで最も興味深い点は、セカンドスクリーンケースが復活したことだ。LGは昨年、標準的なスマートフォンをオプションの追加ケースでデュアルスクリーンにすることで、折り畳みスマートフォンに対抗した。従来品は「薄い」という名称にもかかわらず、折りたたんだ状態ではかさばり厚みがありすぎた。

LGは今回、「新しいデュアルスクリーンは、より薄い有機ELディスプレイのおかげで、前機種と比べて持ち運びのしやすさと重量が大幅に改善された」と伝えている。ただ、その見た目は依然として分厚いが、これは外付け式のセカンドスクリーンの欠点であり続けるだろう。もう1つの欠点は、2つのスクリーンの間にある目立つベゼルとヒンジだ。

つまり、2個の巨大な6.8インチスクリーンが、実際には1つの連続したディスプレイに統合されていない問題だ。2番目の画面はマルチタスク処理や、いずれかの画面をゲームコントローラとして使用する場合に効果的だ。近く発売される 「Surface Duo」 のような製品でも、同様の機能が搭載される予定だ。

しかしここで最も注目すべきなのは、LGがヘッドホンジャックを搭載してきたことだろう。ヘッドホンジャックは、2020年に入ってもずっと(一部の人たちから)待望されている。なお、LG V60 ThinQ 5Gは今後数週間のうちに発売される予定だ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Apple TVアプリとApple TV+がLG製テレビで利用可能に

「Apple TV」アプリが、LGのスマートテレビで使えるようになった。もちろん、Apple(アップル)の新しいストリーミングサービスApple TV+へのアクセスも可能だ。LGは今週、米国および世界80以上の国々で、LG製スマートテレビの2019年モデルで、Apple TVアプリが利用可能になったと発表した。今年後半には2018年モデルでも使えるようになり、2020年モデルでは最初から使えるという。

ユーザーはLG Home Launcherから新しいアプリにアクセスし、Apple TV+の番組をストリーミングしたり、Apple TVのチャンネルを購読できる。iTunesビデオライブラリにアクセスしてiTunesにある10万本以上の映画やテレビ番組を購入したり、レンタルしたりすることも可能だ。

さらにLGは、ほとんどのApple TV+コンテンツと同様、アップルの幅広いタイトルはドルビービジョンとして提供され、LGの最新テレビがサポートしていることを強調している。アップル製品のユーザーが、iPhone、iPad、あるいはMacからコンテンツをミラーリングするAirPlay 2も利用可能だ。またvのHomeKitにも対応しており、ホームアプリやSiriを使ってテレビをコントロールできる。

Apple TVアプリ、AirPlay 2、そしてHomeKitは、今のところLGの2019年モデルのOLED TVと、NanoCell TVのSM9XおよびSM8Xシリーズで動作する。今月後半には、UHD TVの一部(UM7XとUM6Xシリーズ)でも利用可能となる。そして今年後半には、無線によるファームウェアのアップグレードにより、LGの2018年モデルのテレビでもサポートされる予定だ。同社によれば、2020年モデルのLG製テレビは、すべて最初からApple TVアプリに対応するという。

昨年11月にApple TV+が登場して以来、現代の人がテレビを観るさまざまな方法に対応するため、Appleは広範囲のエコシステムをサポートするしかなかった。現在Apple TVアプリは、すべてのアップルデバイスとウェブ上で動作し、Fire TVやRokuといったストリーミングメディアプレーヤーでも利用できる。これまでのところ、広範囲のスマートテレビでApple TVアプリを利用可能にしていたのはサムスンだけだった。アップルのウェブサイトによると、ソニーやVIZIOなど、他のテレビメーカーは、現時点ではAirPlay 2のサポートのみを提供している。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

自動運転OS開発のティアフォーと韓国LGが自動運転のクラウドシミュレーターで戦略的提携

オープンソースの自動運転ソフトウェア「Autoware」を開発・提供しているティアフォー(Tier IV)は1月8日、韓国LGエレクトロニクスとの戦略的提携を締結した。LGが自動運転向けに開発したLGSVLシミュレータを利用して、Autowareの各種実証実験をさらに進めていく。

ティアフォーの創業者でCTO、Autoware Foundationの理事長を務める加藤真平氏。2019年11月に開催したTechCrunch Tokyo 2019では、JapanTaxiとの協業で自動運転タクシーの実証実験を進めることを発表した

LGSVLシミュレーターは、LGが3Dゲーム開発環境として知られるUnityで開発したソフトウェアだ。シミュレータ上に構築した仮想マップ上で多数のNPC車両を走らせ、その中で自動運転のアルゴリズムを検証できる。ティアフォーでは2019年2月にLGSVLシミュレータを利用した自動運転の実証実験についてブログ記事で触れており、今回の戦略的提携によって自動運転技術の精度がさらに増すことが期待される。また同社は、LGSVLシミュレーターとAutowareを使った自動運転チュートリアルも公開している。

ティアフォーの創業者でCTO、そしてAutoware Foundationの理事長を務める加藤真平氏はリリースの中で「ティアフォーは、今回の戦略的パートナーシップ、そしてLGSVLシミュレーターとAutowareの統合により、自動運転のシミュレーション環境を誰でも簡単に使えるソフトウェアとして提供する予定です。この環境を使うことで、Autowareベースの自動運転車で効率的で費用対効果の高いテストと検証を実現できるでしょう」と語る。

シリコンバレーにあるLGのAdvanced Platform Labでエンジニアリング担当副社長を務めるSeonman Kim(キム・ソンマン)氏は「高性能シミュレーションエンジン、広範なデータおよびコンテンツ生成パイプライン、シームレスなローカルおよびクラウドシミュレーションの統合機能により、LGはさまざまなユースケースをシミュレーションの力で解き放つことができる独自のポジションにいます。LGSVLシミュレータとAutowareを組み合わせることにより、両社は共同で自動運転開発のパイプラインを有効にし、より安全でより信頼性の高い製品とサービスを短期間で作成できます」と語る。

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LGのセパレート型デュアル画面スマホは米国で11月1日に約7.6万円で発売

今年の夏、ベルリンのIFAで発表されたLGのG8X ThinQは、折り畳み式やデュアルスクリーンの流行に、ひと味違った一石を投じる。Samsung(サムスン)のGalaxy Foldのような完全に折り畳み可能なディスプレイや、まもなく登場するMicrosoft(マイクロソフト)のSurface Duoのようなデュアルスクリーン方式ではなく、このデバイスではアクセサリを使ってもう1つの画面を追加し、表示領域を拡張する。

G8X ThinQは、米国では11月1日に発売される。LG Dual Screenというアクセサリとセットで、非常にリーズナブルな699ドル(約7万5700円)という価格を実現している。このセットは、USB-Cコネクタを利用して、さまざまなタイプのデュアルスクリーンを実現する。つまり、標準的な2画面表示だけでなく、片方をゲームパッドやキーボードとして利用したり、小型のノートパソコンのように使うこともできる。

初期のレビューや使用レポートには賛否両論もあった。セパレート型であるだけに、2つの画面の間にはかなり大きな隙間が空いてしまう。そのため、折り畳み式が得意とする映画の視聴のような用途には使えない。正直なところ、この方式は折り畳み式という形態そのものにコミットしているわけではないが、折り畳み式という言葉への関心の高まりに応えようとしただけのものではないかという気もしてくる。

LGともなれば、折り畳み式に本気で取り組むためのリソースも持っているだろう。しかしこのカテゴリは、それ自体の存在意義を証明するのに、まだまだ時間がかかる。実際問題として、Galaxy Foldが当初あれこれと問題を起こしたり、Huawei Mate Xの発売が延期されたりしているため、他社も二の足を踏んでいるのだろう。

とはいえ、その日のニーズやユースケースに応じて、1画面だけ持って出かけるか、2画面セットで持ち歩くかを選べるという能力については、評価すべき点も多い。Galaxy Foldの場合、閉じた状態で使うには問題がある。画面が小さくなってしまう割に、本体は分厚い。それと比べると、G8X ThinQはずっとフレキシブルだ。また、Snapdragon 855、6GBメモリー、4000mAhバッテリーなど価格に対して立派なスペックを実現している。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

LGのQ2スマホ売上高は前年同期比21%減、家電部門は好調

いいニュースから始めよう。LGの第2四半期決算は電化製品の売上が寄与して好調だった。LGのHome Appliance & Air Solution部門のQ2の売上高は52億3000万ドル(約5700億円)。過去数年間、LGの業績をフォローしていた人なら、悪いニュースがどの部門によるものか想像がつくだろう。

スマートフォンの売上高は前年同期比21.3%減だ。原因はご想像のとおり、スマホ市場の全体的な減速と中国メーカーの押しの強い攻勢だ。中国勢の先頭をいくのはHuawei(ファーウェイ)で、外部要因が重なったにもかかわらず同社のスマホ売上高は大幅増となった。

LGのスマホ部門の売上高は、前四半期から6.8%増だったが2億6840万ドル(約290億円)の赤字となった。その原因としてLGは新モデルの積極的な販促と、長期的コスト削減を目的に4月にスマホ生産拠点をソウルからベトナムに移したことを挙げている。

だが同社は、Q3のスマホ販売については強気だ。「競争力のある大衆向けスマホの投入と、5Gプロダクトに対する需要により第3四半期は業績改善が見込まれる」と決算発表に書いている。

もちろんLGはV50 ThinQでもって5G端末を販売する最初のメーカーの1社だ。次世代ワイヤレス技術は、停滞している世界のスマホ販売を増やすと期待されているが、それは通信キャリアが展開できるスピードによるところが大きい。5G端末や5Gそのものは、この苦戦しているカテゴリーの即座の、そして長期的な特効薬になるとは思えない。

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(翻訳:Mizoguchi)

LGのスマートテレビが来週AirPlay 2とHomeKitに対応

サムスン、Vizio、LGは今年はじめに自社のテレビのオペレーティングシステムをアップルのエコシステムに対応させることを発表していた。LGオーストラリアのツイートによれば、HomeKitとAirPlay 2に対応したwebOSのアップデートが来週リリースされる予定だという。

iPhone、iPad、Macのいずれかを持っていれば、お気に入りのビデオ再生アプリのAirPlayアイコンからビデオコンテンツをテレビにストリーミングすることができる。ただし残念ながらAirPlayに対応していないアプリもある。例えばYouTubeやAmazonプライムビデオのコンテンツはストリーミングできるが、Netflixの番組はできない

写真を大画面で見たい場合にもAirPlayは便利だ。また、PowerPointのプレゼンテーションを会社にあるLGのテレビで再生したいなら、画面をテレビにミラーリングすることもできる。

LGのテレビはAirPlayのオーディオにも対応する予定であるため、オーディオをLGのテレビも含めて複数のAirPlay 2デバイスに同時に送り、iOSデバイスで複数のスピーカーの設定を管理することもできるはずだ。

HomeKitに対応すれば、ホームアプリにテレビを追加して電源のオン/オフができる。オートメーション化すれば、出かけるときにテレビをオフにし、iPadでHuluアプリを開いたときにテレビをオンにすることもできるようになる。

HomeKitに対応すると、カスタムアクションも作れる。例えば「Hey Siri、テレビをつけて」と言えば、SiriがテレビをオンにしPhilips Hueの照明を暗くする。アップルのデバイスからのHDMI入力をコントロールすることもできる。

残念ながら、LGはAirPlay 2とHomeKitに対応するのは2019年のスマートテレビのみとしている。ソフトウェアのアップデートでこの制限が解除されるかどうか、注目したい。

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(翻訳:Kaori Koyama)

LG G8 ThinQは「手のひら静脈認証」でロック解除可能なスマホ

G8 ThinQについては数ヶ月前からわかっていた。そして数週間前、LGはカメラ機能の全貌を公開し、前面カメラにToF画像センサーを採用し、高度な顔認識アンロック機能を導入したことを発表した。

しかし製品発表までにいくつか隠していたものがあった。その一つがちょっと変わった生体認証だ。LGによると、同機のHand ID技術は、初めて「手のひら静脈認証」を使う。十分正確なのだろうが、まだ主流の機能ではない。

Hand IDとは、最近のスマートフォン機能のなかでも気味悪く聞こえる機能のひとつである「手のひら静脈認証ロック解除」と比べてまたずいぶんと人目を引く名前だ。しかし、それを支えている技術は、名前に隠されたとっつきにくさを克服すれば実にクールだ。

報道資料によると、「LGのHand IDは手のひらの静脈の形、太さ、その他の個別の特徴を認識して本人を識別する」。つまり、顔や指紋と同じく、誰もが独自の静脈パターンをもっているので、一度登録しておけば、青い血管を端末にかざすだけで簡単にロック解除できる。」

Zカメラも奥行きを検知して顔認識を行うことで、他のAndrioid携帯よりで使われているものよりも騙されにくい。LGは、Air Motionジェスチャーにもカメラの新機能を使っている。カメラ(セルフィー)や音楽(音量調節)などのアプリでハンズフリー操作に利用できる。

使ってみた感想として、正直なところかなり慣れが必要だ。正しく操作するためには練習しなければならないので、タップで簡単にできることを時間をかけて覚えるようユーザーを説得するのは難しそうだ。

ほかに目立った機能としては、6.1 QHD+ OLEDディスプレイと「ボケ」をリアルタイムで調整できる新しいビデオポートレートモードがある。

米国内での発売は「数週間以内」。価格は未発表だが、おそらく以前のLGフラグシップ機と同じくらいだろうと予想している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

LGの5Gフラグシップ機は、機種名世界最長を更新

名前が2文字のLGという会社にとって、面倒な商品名をつけることは大きな楽しみだ。過大補償の一形態なのかもしれない? それはともかく、LG携帯の名前が長くなるのはこの世界では稀な不変の出来事であり、同社初の5G端末もトレンドを守ってLG V50 ThinQ 5G と名付けられたことに驚きはない。

新製品はVerizonとSprintから「今年夏」に発売される。価格に関しては、「一般的LG携帯より高価」とだけ言っておこう。

デザインには高級感があり、6.4インチOLEDディスプレイ、Snapdragon 855、大容量4000 mAhバッテリーを備える。5Gがバッテリー消費に与える影響について同社は何も言っていないが、影響があることはほぼ間違いない。もっとも、2019年に5G端末を手にする人の大部分は、ほとんどの時間LTEのレールを走り続けるであろうことは明るい話題だ。。

対応する米国キャリアはいずれ追加される見込み。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

LGの次期旗艦機はフロントカメラを3D化してバイオメトリクスの精度をアップ

LGは、ビッグな見本市を待たずに新製品を発表することが多い。Mobile World Congressはまだ何週間も先だが、それでも同社は近く出る旗艦機G8 ThinQを、人びとにちらっと見せずにはいられない。

ネーミングはごたついているが、でもこのハンドセットは再度、LGの画像技術への注力に目を向けさせる。そのキモは、フロントカメラに組み込まれた飛行時間センサー(上図)だ。LGの説明を読んでみよう:

そのほかの3D技術は複雑なアルゴリズムでカメラのレンズからオブジェクトまでの距離を計算している。しかしToFイメージセンサーチップは、物からの赤外線の反射光を捉えて、より正確な計測を行なう。その結果、ToFは環境光の中でより高速かつより効果的であり、アプリケーションのプロセッサーの負荷を減らす。したがって、電力消費も少ない。

エンドユーザーにとってこのことは、今のAndroidハンドセットが提供しているものよりもずっと有能な顔認識技術が使えることを意味し、奥行き(z軸方向)感知が加わることにより、今のiPhoneに近いような、高度なバイオメトリクス認証が可能になる。この前のリーク写真では大きなノッチがあったが、それもToFで説明がつくだろう。

そのほかの詳細は、MWC用に取っておくつもりだな、たぶん。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

2019年に注目すべきスマートフォンのトップトレンド

今年は、スマートフォンにとって良い年ではなかった。なにしろ、とどまるところを知らないと見られていた成長に、初めて陰りが見られたのだ。

まず2月には、Gartnerの調査がこのカテゴリを扱うようになってから初めて、前年比での減少を記録するという、幸先の悪いスタートとなった。強大なAppleでさえ、そのトレンドから逃れられなかった。そして先週には、影響力の強いアナリストMing-Chi Kuoが2019年の売上予想を引き下げたため、株価も打撃を受けた。

人々は、以前ほど頻繁には買い替えたがらなくなっただけだ。これは、フラグシップモデルのできが、どのメーカーのものを見ても、かなり良くなっていることと無関係ではない。多くのメーカーがしのぎを削って戦い続けてきた結果、自分で自分の首を締めることになったとも言える。継続的に買い換えなければならないような差し迫った理由は、もはやなくなってしまった。

もちろん、だからと言って、メーカーは戦いを止めるわけにはいかない。来年には、カメラのような、いわば通常のアップグレードに加えて、スマートフォンの「形状」に対する根本的な発想の転換、さらには5Gへの最初の試みも、いくらかは期待できそうだ。

もし運が良ければ、さらにいくつかの驚きもあるかもしれないが、以下に挙げるトレンドは、2019年の既定路線と考えていいだろう。

5G

中国広州−12月6日:2018年12月6日に、中国は広東省広州のPoly Worldトレードセンター展示ホールで開催されたChina Mobile Global Partner Conference 2018のQualcommのブースで、5G携帯電話を注視する参加者。3日間のカンファレンスは、5Gネットワークをテーマにして、木曜日に始まった。(写真は、Getty Images上のVCG/VCGによるもの)

これについては、しばらく放って置く方がいいかもしれない。ちょっと変な話ではあるが、多くの出版物が、2019年は「5Gの年」であると言いたがっている。しかしそれらはみんなフライングだ。とはいえ、来年には5G携帯電話の最初の波を見ることになるのは確かだ。

OnePlusとLGは、5G携帯電話を約束した。Samsungは、やはりSamsungらしく、その後その2社に追従することを発表した。さらにVerizonも5GのMiFiを確約し、HTCとSprintも、何だこれは、というものを発表した。

他社は、特に目立つのはAppleだが、それらの列に加わっていない。この会社は、2020年までに5G携帯電話を発売することはないと見られている。それでは、進化から取り残されてしまうと思われるかもしれないが、実は5Gというのは、マーケティング上の戦略としてこの世に登場したのだ。5Gが完全に機能するようになれば、スマートフォンや、それに続くものに対して、革新的な素晴らしい技術となる潜在能力を持っている。そして、いくつかのキャリアは、来年初めにも米国内で5Gのサービスを開始すると発表しているものの(AT&Tでさえ、フライングしている)、実際にユーザーが使う携帯電話は、より多くの時間、4Gで接続されることになりそうだ。

つまり、5Gのカバーエリアが広がるまでは、ほとんど利用しない機能ために、高額の利用料金を支払うことになる。もちろん、だからといって、ハードウェアメーカー、コンポーネントの製造会社、それと手を組むキャリアが、そうしたデバイスをできるだけ早く市場に投入するのを止めようとするはずはない。余計な出費をする前に、自分のキャリアのカバーエリアの地図を確認した方がいいだろう。

折りたたみ式


これまでに、2機種が発表された。しかし実際には1つ半といったところだろう。スマートフォンメーカーは、次の目玉を見つけ出そうと躍起になっているので、さらに何機種かを見ることになるのは間違いない。何年も待たされたあげく、これまでに登場した折りたたみ式の携帯電話は、がっかりさせられるようなものだった。

Royoleは魅力的だが、その実用化にはまだ足りないものがある。Samsungのプロトタイプは、当分の間、やはりプロトタイプに過ぎない。同社は、それを最近の開発者会議の中心に据えていたが、具体的な製品化を明らかにすることはできなかった。なぜなら、まだ完成した製品を発表するための準備ができていないからだ。

長年期待を集めてきた技術が、ようやく消費者向けとしての準備を整えた今、いくつかの会社が、さまざまな形状の製品を模索していることに期待してもいいだろう。状況から考えて、GoogleがSamsungと協力して、その形状に合わせたAndroidのバージョンを開発したことは間違いない。ちょうどAndroid Pieがディスプレイ上部のノッチに対応したのと同様だ。

もちろん、5Gと同じように、こうした折りたたみ式の製品にも特別高い価格が付けられるだろう。しかし初期の目新しさがなくなったとき、そうした製品が人生に不可欠であると消費者に納得させることは、かなり難しい課題となる。

ピンホール


ベゼルは忌み嫌われている。良かれ悪しかれ、ノッチはフラグシップのスマートフォンの主流となっている。実際に誰もが(Samsungを除いて)、エッジ・トゥ・エッジを実現するために、その切り欠きを採用している。Googleでさえ、それをAndroidに取り込んだ(世の中にノッチを普及させておきながら、Pixel 3 XLは一段と高いところから見下ろしているようだが)。

Oppoのポップアップカメラのような、巧妙な代替策も登場しているし、さらにいくつかが続くだろう。Huawei Nova 4のように、ディスプレイにピンホールを開けたデザインは、大多数のカメラメーカーにとって、より合理的な選択肢のように見える。

埋め込み指紋認証


全面ディスプレイへの競争の側面には、指紋認証をどうするかという問題もある。いくつかの会社は、それを背面に移動した。また別の会社、たとえばAppleは、顔認証を採用することで、指紋認証は廃止した。もちろん、そうした技術は、顔の完全な3Dデータを登録できない限り、かなり簡単にごまかすことができる。そのため、指紋認識がすぐに廃れてしまうことはない。

OnePlusの6Tは、ディスプレイ内蔵の指紋認証を市場に投入した最初の製品となった。それは非常にうまく機能している。その技術の仕組みは以下の通りだ(数ヶ月前の私自身の記事から引用)。

画面がロックされると、どこを押すべきかを示す指紋アイコンがポップアップ表示される。指が正しい位置に置かれると、AMOLEDディスプレイが強く発光し、指の表面からの反射光によってスキャンする。メーカーは、0.3秒ほどでスキャンが完了するとしているが、私自身のテストでは1秒近くかかった。親指を適切な位置まで動かす時間を含めれば、もっとかかることもあった。

2月ごろに発売される予定のSamsungのS10も、その技術を採用すると言われている。そして、他の多くのメーカーがそれに追従したとしても、まったく驚くには値しない。

カメラ、カメラ、カメラ(そして、カメラ)


背面カメラの合理的な最大数はいくつだろうか? 2つ? 3つ? 数ヶ月前にリークされたNokiaのモデルが搭載する5台のカメラというのはどうだろう? 電話機が脇役になって、カメラが主役になるのはいつなのだろうか? このまま多くのメーカーが写真で差別化しようとし続ければ、やがて存続の危機に対処しなければならないような事態にもなりかねない。

最近のスマートフォンのカメラは、どこを見渡しても非常に優れているので、シンプルな解決策は、単純に数を増やす、ということになる。LGの最新モデルは、数を増やすことがどれだけ効果的であるかを示す、好例となっている。そのV40 ThinQは、前面カメラを2つ、背面カメラを3つ備えている。背面の3つは、標準、超広角、そして2倍の光学ズームレンズとなっている。スマートフォンは薄いので、1種類のカメラでは十分な光学ズーム性能を実現し難いが、3種類用意して、それぞれ異なるなるタイプの画像を撮影しようというわけだ。

それとは反対に、既存の部品を使いながら、よりよい写真が撮れるようなソフトウェアの開発に、それなりの投資をしている会社もある。AppleとGoogleは、ちょっとしたAIと機械学習の採用でも、写真撮影をどれほど向上させられるかを、いずれも最新のモデルで実証した。そうした技術は、特に非常に暗い場所での撮影と、ズーム機能に大きな効果を発揮する。

画像クレジット:Otto Steininger/Getty Images

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

LGの奇妙なハイブリッドスマートウォッチはWear OSに命を吹き込めるか?

新しいV40 ThinQの発表に加えて、LGはこの一風変わった新製品を披露した。ハイブリッドスマートウォッチはもはや目新しくないのは確かだが、Watch W7は奇妙なアプローチでこの分野に参入した。

実際、同社が今週この製品について最初に語ったとき、多くの疑問が寄せられた——そしてスマートフォンとは異なり、現物に触ることができなかったため謎はいっそう深まった。

要するにこういうことだ。これは機械式針のついたWear OSスマートウォッチである。つまり、標準的スマートウォッチ画面の上に物理的な時計の針が2本置かれて自分の仕事をしている。タッチで操作できるが、実際には表面のガラスを通じて行われる。一方時針と分針は画面のテキストが見やすいように振るまう。

側面のボタンを押すと針が180度に広がる。その下のテキストは上にずれるので物理的部品に邪魔されることはない。さらに、針が戻る際ガラスがわずかに持ち上がるように見える。LGによると、この機能はLGのFrankensteinウォッチに対応するために最新版Wear OSに組み込まれているという。

これは素晴らしいアイデアか、落第アイデアのどちらかだ。私はレビュー用ユニットが届くまで、定を保留しておくが、最近の主流ウェアラブルの中では、ほかの何もよりこれを試してみたいというのが本心だ。つまりは、革新的であることだけが取りえだ。

LGは概要説明の中で、「腕につけてもらうために努力している」と言った。これはWear OSにとって最近の大きな課題だ。とにかくAppleがこのカテゴリーを支配しており、Android陣営ではFitbitとSamsungがリードしているが、どちらもGoogleのウェアラブルOSでは動いていない。

機械式針についても何か言うべきことはある——時間を見るために画面をオンにしなくてすむのでバッテリーの節約には大いに役立っている。さらには、ふつうの時計として見栄えもよい。純粋な目新しさのためにスマートウォッチを着ける時代は終わりつつあるのだろう。

W7の価格は450ドルと高額だ。奇妙な一品の予約受け付けは今週の日曜日から。店頭には10月14日に並ぶ予定。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

LGの最新スマートフォン、V40 ThinQはカメラが5台――Cine Shotが面白い

つまりフロント2台、リアに3台だという。韓国のスマートフォンメーカー、LGが今日発表したフラグシップモデルについて同社はこれまでも大いに宣伝に努めてきた。これは理解できることだ。スマートフォン市場ではどこを見てもAppleとSamsungの製品が溢れており、LGのようなメーカーの立場は苦しい。そこでカメラ5台という思い切った手を打ってきたのだろう。

LGは過去にも新しい試みを積極的に取り入れてきた。 今では普通になった機能もLGが採用した当時はイノベーションだったものが多い。もっとも、複数カメラの採用でいえば、3台のカメラを並列に装備したのはLGが最初ではない。HuaweiがP20で数ヶ月前に同じことをしている。

LGはThinQの公式写真を以前から流していたが、実際に作動しているのを見たのは今日が最初だ。これまではそれぞれのカメラの役割も不明だった(少なくとも公式には)。3台のカメラの内訳は標準、超広角、2倍光学ズームだった。

一回クリックするだけで同時に3台のカメラが作動する。ユーザーはプレビューモードで3枚の写真から好みの1枚を選択する。これがいちばんわかりやすい使い方だと思うが、トリプルショット・モードの場合は3枚の写真が切り替わるスライドショーとなる。面白いモードだが、現実にどんな場合に効果的なのかは使ってみないとわかりそうにない。

もっと面白い(実際に使えそうな)のは動画と静止画のハイブリッド・モードだ。 Cine Shotについてはすでに報じているが、静止画と動画が同時に撮影され、ユーザーはプレビューで動かしたい対象を指定する。すると静止画中でその部分がGIFアニメのスタイルで動き、ループする。リアカメラのどれでもCine Mode撮影は可能だ。

われわれのAnthony Haがカラオケで奮闘するところをリアリティーをもって伝えるという長年の野望を満たすには絶好だ。ギミックといえばギミックだが、ともかくこのモードを使いたくなる場面はあるだろう。実際、テクノロジーの進歩は驚くべきものだ。われわれはイカロスのように太陽に近づき過ぎて墜落する運命でなければよいが。

2台のフロントカメラは8メガピクセル(標準)、5メガピクセル(広角)だ。バルセロナで開催されたMWCカンファレンスで発表されたAI撮影機能が搭載されており、撮影シーンを認識して自動的に最適化を図る。

V40は 6.4インチのQuadHDディスプレイ、6GBのRAM、64GBのストレージ、microSDスロットを備える。チップはSnapdragon 845だ。それと、ヘッドホン用ジャックがちゃんとある。

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滑川海彦@Facebook Google+

CES2018:LGがテレビの映像改善にAIを興味深いやりかたで適用

一般的に、CESでもどこでも、ある会社が製品に「AI搭載」と謳(うた)うときは、一種の大言壮語だと思ったほうが良い。そして、今朝行われた、あまりぱっとしなかったLGのプレスカンファレンスでも、確かに大言壮語は行われていた。LGは、AIをこれまでになくスマートなやり方で適用することを発表したのだ。すなわちコンピュータービジョンを用いたインテリジェントな映像の改善である。

誇大広告に騙されやがってと非難される前に言わせて貰うなら、この機能は全く不要な代物で、多くの場合、よろしくないアイデアだ。高品質で正確に較正されたディスプレイパネルは、それだけで素晴らしい画像を見せてくれる。これに対してモーション補間やインテリジェントな細部の改善を加えてもおそらくそれを悪化させるだけのものだからだ。しかし、私はそれはクールなアイデアだと思った。

基本的な課題は以下のものだ:画面上の画像を眺めたとき、それを良く見せるためには様々なことを行わなければならない。例えば、色ムラは目立たないようにスムースにすることができるが、もしその操作がスクリーン全体に適用されてしまうと、重要な詳細が不明瞭になってしまうかもしれない。なので、スムースにするのはスクリーンの一部だけにしたくなるだろう。一方高コントラストの部分は、更に鮮明化したくなるかもしれない。

これは多くの手段によって達成することができるが、その1つの手段は画像の縁(ふち)をインテリジェントに検出するやりかたである。そうしたら、次にそれを断片に分割したり、強調のためにそれらの縁を鮮明化することができる。しかしそのやり方は、例えば建物が地平線と重なっているような場合などには、変な結果になる可能性がある。建物が地面の一部であるかのように、両者に同じ改善処理が施されてしまうからだ。基本的には、画像の異なる部分は異なる操作を必要としていて、それは必ずしも明らかではないのだ。

こうした改善を行わなくても、映像をきれいに見ることはおそらくできるだろう。しかし、画像の魅力をより高めたい場合には、個別に識別したい、別々の操作が必要となるのだ。

LGの最新のTVが実現していること、あるいは彼らが実現していると主張していることは、この問題に対して、実際の物体認識AIを適用することである。これは、特殊な形式ではあるものの、画像の中の顔を識別したり、何かが犬なのかそれとも猫なのかを区別してくれたりするものと、同じようなものだ。

この場合、基本的なオブジェクト認識でさえ、場面をより知的に解析するために使うことができる。例えば地形を建物から区別し、人びとと車を建物から区別し、テーブルの上のものたちをテーブル自身と区別する、といったことだ。

もちろん、全てが一度に手に入るわけではないだろう。LGの、この機能に対するステージ上での軽い扱いや、実際の詳細については言及がなかったことを思えば、この適用プロセスはまだ始まったばかりだということが想像できる。おそらくは現時点では全く機能していない可能性もある。

しかし、これは楽しいアイデアであると同時に、スマートなやりかただ。こうしたものをCESで目にすることは珍しい。このアイデアを賢く適用できたならば、例えばTV画面の中で激しく動く一部のオブジェクトを識別して、そこだけにフレーム補間を行ったり、どの種類の画像や物体に対して、鮮明化、色修正などを適用すべきかをユーザーに選ばせたりすることが可能になる。

私は数年のうちには、オブジェクト識別型の画像改善が、テレビの標準機能になることを期待している(もし今週中に解決しないとすればだが。何しろこれはCESなのだ)。とはいえ、勿論、真に有用で想像力豊かなアプリケーションの登場にはもう少し時間がかかるだろう。

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(翻訳:sako)

LGがヨーロッパ最大のEV用電池工場を来年ポーランドにオープン

LGは、電気自動車用のリチウムイオン電池を生産するヨーロッパ最大の工場を建設する、と発表した。Reuters(ロイター)によると、そのLG Chem事業は2019年に、ポーランドのヴロツワフ近郊で生産を開始し、その翌年にはEV用バッテリーの年間生産能力10万に達する、とされている。

比較としては、Panasonicが中国に作った最新の電池工場は、年間20万台ぶんの電池を生産できる。またGigafactoryの最終目標は、年間の生産能力50万台ぶんだ。Gigafactoryの現在の生産能力はそこまで達していないが、それでも世界でもっとも多くの電池を生産している、とElon Muskは言っている。

自動車メーカー各社はこのところEVやハイブリッド車の生産に力を入れて、自動車の電動化を進めようとしているが、その足を引っ張りかねないのが電池の供給能力だ、と言われる。工場が増えることは歓迎だが、しかし長期的には原料の供給がさらに大きな阻害要因になるかもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Google Pixel 2 XLのディスプレイ側写真がリーク――今週の発表イベントは期待できそう

GoogleのPixel 2発表イベントは今週、10月4日〔日本時間10/5〕に迫っており、関心も一段と高くなってきた。Googleがイベントで正式に発表するはずの新モデルのものとみられる写真がリークし、ハイプも最高潮だ。連続リーク(ほとんどが本物だった)で知られるEvan Blassが投稿した写真によれば、新しいGoogle Pixel 2 XLは、われわれが予想してきたとおり、大型でベゼルの幅は最小限のスマートフォンのようだ。

Blassが公開した写真はデバイスを正面から撮ったもので、どちらもベゼルは黒だ。こちらはケースに入った状態、こちらはケースから出した状態。 2枚の写真から判断するとディスプレイはSamsung Galaxy S8に似ており、コーナーは丸められている。左右両側のベゼルは非常に細く、天地のベゼルはとやや厚みがある。本体のディスプレイ上部にはスピーカーと裏向きカメラが収められているようだ。下部にもグリルがあり、ここにもうひとつのスピーターと通話用マイクがあるのだろう。

ディスプレイに表示されているウォールペーパーは驚くほどリアルな立体感があり、色彩も派手だ。もしこれがGoogle自身がマーケティングのために用意した画像なら、表示できる色彩の鮮やかさや背面のメインカメラの描写能力をデモするためのものに違いない。スマートフォンカメラの画像としては異例な美しいボケ味を出している。

前回われわれが入手したPixel XL 2のリーク写真は背面を撮ったもので、白黒のツートンカラーは新しいが、本体デザインは現行モデルに似ていた。

FCC〔連邦通信委員会〕への提出書類その他の情報からするとPixel XLは韓国のLGのOEMだ。本体デザインはLG G6やもっと最近のV30に似ているように思える。いずれにせよこの写真が本物かどうかはすぐに分かる。私はおそらく本物だろうと思っているが、そうであればGoogleのAndroidスマートフォンのフラグシップモデルにふさわしいプロダクトだ。

TechCrunchではこのGoogleのイベントを現地で取材し、ライブで報告する予定だ。イベントは10月4日の太平洋時間午前9時にスタートする〔日本時間10/5 AM 1:00〕

画像: Evan Blass

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

スマートフォンのギミックとゲームチェンジャーの違い

近頃は明らかに出来の悪いスマートフォンのフラグシップ機を見つけるのは難しい。時としておかしなものもあるだろうが、総じてよくできている。画面、カメラ、そして内部。改善の余地は常にあるが(バッテリー、耐久性など)、良いものと悪いものとの隔たりはかつてとは比べ物にならないほど小さい。

そしてここ何世代か、ほとんどのフラグシップ機は見た目がほぼ変わらなくなった。指紋センサーやホームボタンはあちこちに移動しているが、一般人はおそらくiPhone/Galaxy以外を識別することはできないだろう。これは知的財産権のコピー問題なのかもしれないし、あるいは、画面がほとんどのポケットサイズ通信デバイスには、理想のフォームファクターというものが存在しているのかもしれない。

最大手以外のスマートフォン会社にとって、自らを差別化することは非常に困難だ。少なくとも米国では、SamsungとApple以外の会社すべてが当てはまる。トップ2社以外にとって(実際のところ、その2社でさえ)この混みあった業界がいかに厳しいかを踏まえると、多くのメーカーが差別化に走るのは当然だろう。

ギミック(ちょっとしたからくり)はそれ自体悪くない。主流になってしまえば、もはやギミックではない。標準機能だ。たとえば防水。いくつかのメーカーが展示会で水槽に自社製品を入れ始めたとき、注目を集めるためだと思われた。しかし、実は誰もが欲しがっていた機能だった。今やフラグシップ機にとって当たり前の機能になった。スノーケリングのためだけではなく、土砂降りにあったりうっかりトイレに落とした時のためだ。

袋一杯の乾燥した米では十分ではないこともある。

対称的なのがAlcatelのA5 LEDだ。これは90年代に流行ったスニーカーのL.A. Lightsに相当する。かかとが地面につくたびに光る靴だ。これは一か八かの神頼みのような製品であり、スマートフォンを高価なおもちゃだと思っている証拠だろう。

一方、良くできたギミックもある。LGの製品はつまづきもあったが、興味深いアイデアがないという意味ではない。この会社はデュアルレンズ・カメラの先駆者の一つであり(V20)、縦に長いフォームファクター(G6)も早期に採用した。いずれも今やフラグシップ機では標準になっている。

もちろんこうした端末は、良いギミックだけではスマートフォンとして成功できないことを示す好例でもある。さらに明白な例は、あのG5に見ることができる。この機種はモジュラー端末の期待を背負って登場した。しかし結果は破滅的であり、会社が経営難に陥った主要な原因ともいわれた。しかし、これはモジュラー方式が失敗の運命にあることを意味していない。G5から遠からず発表されたMotorrola/LenovoのMoto Zシリーズは会社に成功をもたらした。すでに数百万台を売ったと発表している ―― 発表当時多くの人たちが見限った製品としては大したものだ。

こうした端末の出来栄えの違いははっきりしている。まず、Moto Zはハードウェアとしてよくできている。ギミックだけに頼ってはいけないという現実的教訓だ。マグネット方式もこれまでで最高のモジュラー実装だ。Moto Zの発売時に有用なモジュールがいくつかあったことも大きい。ゲーム機にゲームが必要なのと同じく、モジュールのないモジュラーフォンはおよそ意味がない。

もちろん、Motoralaの単一の成功例は「ゲーム・チェンジャー」にはならない。ほかのメーカーもモジュール化に目を向けているようではあるが、かつて競ってモジュラー製品を出した時とは違う。

HTC U11の結論はまだ出ていない。そもそもこの製品はまだ市場に出ていない。それでも、現時点で Edge Senseはギミック以上に思える。しかし端末にもたらす現実的な機能はあったとしても限定的だ。会社は、スクイーズ可能な端末側面の使い方を増やしていくことを約束しているが、アプリを起動できるくらいでは、ユーザーがスマートフォンを買う動機にはなりそうもない。

ギミック自体に問題はない ―― ギミックだけにならなければ。成功するためにはデバイスに有用な機能を付加し、スマートフォン全体の利用体験を邪魔しない、意味のある機能でなくてはならない。目先にとらわれないことも重要だ。メーカーは現在の栄光に満足してほかのハードウェアやソフトウェアに対する努力を怠ってはならない。

そうでなければ、ライトのつくスニーカーを売る羽目になる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

やっと出たAndroid Wear 2.0はLGの実装機2機種をお供に連れている

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何か月も人を待たせたAndroid Wear 2.0がやっとご降臨した。しかも、大使を二人連れている。どちらもLG製だ。それらのウォッチStyle(スタイル)とSport(スポーツ)は、同じ硬貨の裏と表だが、お値段は100ドル違う。そして100ドルぶんの機能差と大きさの差がある。

Styleは、薄くて繊細な感じのデザイン。“スタイル”の名のとおり、ルックスが良くて、ディスプレイは1.2インチ、手首の細い人でも大丈夫だろう。電池は240mAh、1.1GHzのSnapdragon Wearプロセッサー、内部ストレージ4GB、RAM 512MBだ。防水防塵規格は1P67で、センサーは常識的なものが揃っている。

お値段を249ドルに抑え、そのぶん、プラス、薄さの維持のため、機能をやや省略している。心拍計やNFCによるワイヤレス決済がどうしても必要な人は、100ドル高いSportを買いましょう。

大きい方のSportはデータと電話用にLTEをサポート、スピーカーとマイクロフォンを内蔵している。お値段は349ドルで、内部はStyleに似ているが、電池は430mAhにアップ、ディスプレイは1.38インチで常時on、解像度は349ppiだ。防水防塵規格は1P678で、Styleよりやや上。

どちらのウォッチも、Android Wear 2.0の新しい機能をフルに利用している。とくに、改良されたナビは、ウォッチのダイヤルを使うから、使い心地はApple Watchに近い。

どちらもBest BuyとGoogle Storeで買えるが、SportはキャリアパートナーのAT&T とVerizonからも買える。

そのほかの実装機は: ASUS ZenWatch 2 & 3, Casio Smart Outdoor Watch, Casio PRO TREK Smart, Fossil Q Founder, Fossil Q Marshal, Fossil Q Wander, Huawei Watch, LG Watch R, LG Watch Urbane and 2nd Edition LTE, Michael Kors Access Smartwatches, Moto 360 2nd Gen, Moto 360 for Women, Moto 360 Sport, New Balance RunIQ, Nixon Mission, Polar M600, and TAG Heuer Connected〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))