BlackBerryが5GのAndroid端末として2021年復活、高セキュリティと物理キーボードをウリに無名企業が挑む

いいブランドはしぶとい。ここ数年、スマートフォンの世界では、かつては強大だったモバイルブランドがさまざまな成功を収めて復活を遂げている。HMD Globalのノキアの携帯電話は、おそらく最高で最も成功した例だ。Palmの復活も少しだけ注目された。

そして、BlackBerryが5GのAndroid端末として復活する。TCLは、BlackBerryの特徴の1つであるQWERTYキーボードを採用したAndroid端末でブランドを復活させることによって、モバイルの世界を驚かせた。もちろんそれだけではない。TCLには高品質のハードウェアを提供する能力があり、BlackBerry KeyOneでは確かにそれを実現した。数年前のCESで初めて実際にKeyOneを見たときは驚いたものだ。

しかし今年の初め、TCLはパートナーシップの終了を発表し、「2020年8月31日をもって、TCLコミュニケーションはBlackBerryのモバイルデバイスの販売を終了することを残念に思います」と述べた。その言い回しからすると、この取引は友好的ではない終わり方のように思えた。現在TCLは、長年の子会社とブランド契約により、独自のブランド名でデバイスを生産するようになっている。

そして今週。OnwardMobilityという聞いたこともないような会社が、北米とヨーロッパのハードウェアにBlackBerryの名前を導入することが発表された(なお、ほかの市場では他のブランド提携が行われている)。まず第一に、OnwardMobilityがほとんど存在を知られていないという事実からして、これは奇妙な取引である。同社は米国テキサス州オースティンに拠点を置く、昨年3月に設立された従業員数が50人にも満たない企業だ。おそらく今回のようなブランドとのパートナーシップを念頭に置いていたのだろう。

結局のところ、ブランディング契約は成功を保証するものではないが、少なくとも最初の一歩を踏み出すための方法ではある。BlackBerryの名前を再び復活させるという約束がなければ、今ごろTechCrunchはOnwardMobilityについて何かの記事を書いているとは思えない。ということは、それは何かあるということだ。同社のスタッフには、元TCLの社員やBlackBerryのソフトウェア開発の関係者も含まれている。もう1つよく出てくる名前Sonim Technologies。こちらもオースティンに拠点を置くもう1つの会社で、中国・深圳に拠点を置く同名のブランドの子会社だ。同社は、主に救急隊員向けの頑丈なデバイスの開発を専門としている。

OnwardMobilityのCEOであるPeter Franklin(ピーター・フランクリン)氏は、マイクロソフトとZynga(ジンガ)での経歴を持っており、同社のミッションを説明するために以下のようなかなりローファイなYouTubeビデオを制作した。

OnwardMobilityによると、同社は独立したスタートアップとのこと。投資家や投資家についてはまだ何も発表されていないが、BlackBerryの名前を再び意味あるものにしようとするこの最新の動きを、誰があと押ししているのかを知るのは興味深い。特筆すべきは、同社はまだレンダリング画像を公開していないが、2021年には物理キーボードを備えた5Gデバイスを市場に投入し、長らくBlackBerryブランドの主要な差別化要因であったセキュリティに注力すると述べている。

ソフトウェア会社のBlackBerryは、この新しいパートナーに賛同しているようだ。最高経営責任者(CEO)のJohn Chen(ジョン・チェン)氏は今回の契約について「BlackBerryは、OnwardMobilityが当社のブランドの代名詞である信頼とセキュリティの高い基準を活用して、物理キーボードを搭載したBlackBerry 5Gスマートフォンデバイスを提供すること、そして新しいBlackBerry 5Gスマートフォンが提供する企業や政府機関レベルのセキュリティとモバイルの生産性をお客様に体験していただけることに興奮しています」と述べている。

多かれ少なかれ、その点では期待されていることだろう。今のところ、このニュースは基本的にOnwardMobilityの登場とBlackBerryのライセンス契約の発表のみだ。正直言って、2020年にBlackBerryの名前がどの程度の影響力を持っているのかはわからないし、物理キーボードへの回帰を求める消費者がそれほど多いとも思えない。そのためOnwardMobilityは、競争の激しいモバイル市場で証明すべきことがたくさんある。来年には何を提供するのかを見てみたいと思う。期待したいところだ。

画像クレジット:GLENN CHAPMAN/AFP / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

BlackBerryとTCLが端末の製造・販売提携を2020年8月で解消

スマートフォンマーケットの成長鈍化が続く中で、BlackBerry(ブラックベリー)とTCLの行く先に大きな変化が待ち構えている。両社は米国時間2月3日、4年間のブランドライセンスとテックサポートの提携を2020年8月に終了すると発表した。つまり、2020年8月以降はTCLはBlackBerry携帯の新モデル製造は行わない。スマホマーケット全体の1%のシェアしか持たないTCLは、マーケットに出回っているモデルのサポートを2022年8月31日まで続ける。

BlackBerryのTwitterアカウントには「残念なお知らせだが、2020年8月31日をもってTCL CommunicationはBlackBerryブランドの携帯端末の取り扱いを終了する」と投稿されている。「TCLは今後、新たなBlackBerryモバイル端末をデザイン、製造、販売する権利を有さない」ともある。

TCLとの提携解消が新たなBlackBerryモバイル端末にとって何を意味するのか、BlackBerryはまだ何も詳細情報は出していない。なお、TechCrunchは直接問い合わせているがまだ返事がない。Twitter上での一般からの質問にも反応はない。

今回の発表は、両社にとってタフだった4年間を締めくくるものだ。

独自のオペレーティングシステムを使ったデバイスを展開してきたBlackBerryは、かつてスマホ業界のマーケットリーダーであり先駆者だった。小さいながらもフルQWERTYキーボードはプロフェッショナルのユーザーやセミプロ、そのほかアーリーアダプターの間で人気があった。BlackBerryはカナダで創業したが、ピーク時には米国のスマホマーケットの50%を、グローバルマーケットの20%を占めた。

しかしそれはタッチスクリーンが登場する前のことだ。Apple(アップル)のiPhoneや一連のAndroid端末が登場してからは、Research In Motion(BlackBerryの旧社名)は消費者の嗜好の変化に対応する十分に競争力を持つ端末の生産に失敗し、次第にマーケットシェアを失った。

RIM/BlackBerryは、TCLと提携するまではセキュリティや企業向けサービス、コネクテッドカーのようなハードウェアのためのシステムにフォーカスするために、スマホマーケットを去る準備ができているように見えた。

TCLは2016年12月にBlackBerry端末生産を引き継ぐと発表した。BlackBerryがセキュリティとアプリを提供したが、OSは含まれなかった。その数カ月前には、かつて人気を博した端末ブランドNokia(ノキア)がAndroidスマホの生産でHMDと提携していた。しかしTCLとBlackBerryの提携はBlackBerryブランドを存続させるための新たなリースのようなものだった。

BlackBerryの変化はわずかで遅すぎたのかもしれない。多くの国でスマホが浸透し、この数年間はスマホ市場の成長は鈍化していた。デバイスの買い替えも以前ほどない。その上、アジアで新たなAndroidスマホメーカーが出現し、売上を占有した。Huawei(ファーウェイ)やXiaomi(シャオミ)、Oppo(オッポ)の躍進でBlackBerryの販売はさらに厳しいものになった。

TCLとBlackBerryは目覚ましい売上を上げるのに苦戦したというのが最終結果だ。メジャーなスマホメーカーになれず、スマホマーケットシェアのレポートでは「その他」に分類された。

Strategy Analyticsによると、BlackBerryとAlcatel(アルカテル)の両ブランドをカバーするグローバルスマホマーケットで、TCLのシェアはわずか1%とのこと。ちなみに、AlcatelもTCLが蘇らせたレガシー携帯だ。

直近では、TCLはBlackBerry、そしてAlcatelとともに自前ブランドのデバイスも投入してマーケットを開拓していた。なのでBlackBerryとの提携の解消はだいぶ前からおそらく決まっていたのだろう。

端末に関する今後の計画について何か情報があるのか、それともこれで本当におしまいなのか、我々はBlackBerryに問い合わせている。BlackBerryが以前インドネシアでライセンスパートナーシップを結んで端末生産を合弁会社に委託したように、特定のマーケットで今後動きがあるかもしれない。

画像クレジット:GLENN CHAPMAN/AFP / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

さよならBlackBerry Messenger

わずか1カ月前、Emtekは一般向けのBlackBerry Messengerの終了を発表した。かつて強力だったこのメッセージングサービスは、名前の由来となったハードウェアの人気を上回っていたのだ。

2005年にローンチされたこのサービスのライセンス権は、11年後にインドネシアを拠点とするテクノロジーコングロマリットのEmtekに買収された。長い間、BBMはBlackBerry(当時はリサーチ・イン・モーション)の最も強力なプロダクトで、2013年にこれらのサービスが最終的に移植されるまで、熱心な支持者はiOSやAndroidデバイスを避けていた。

しかし、最終的には競合が多すぎた。テクノロジーと世界は、BBMとBlackBerryから大きく離れてしまったのだ。

Emtekは先月のブログへの投稿にて、「我々はBBMに注力し、これまで築き上げてきたものを誇りに思います」と伝えている。「テクノロジー業界は非常に流動的で、われわれの努力にもかかわらず、ユーザーは他のプラットフォームへと離れてしまい、新規ユーザーの獲得も困難だった」

BBMのユーザーは公式によって消去されるまでは、ファイルや写真、動画のダウンロードが可能だ。一方で、BBM Enterpriseはビジネスユーザー向けに提供が続けられるのだが、それでも一般向けサービスの終了は、スマートフォンにとって重要だった一時代が終わったとみなすべきだろう。

さようなら、そしてすべてのメッセージにありがとう。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

BlackBerryがTwitterを特許侵害で訴訟

かつてのスマートフォンメーカーBlackberryがTwitterを特許侵害の疑いで訴えた。聞き慣れた話のような気がするなら、BlackBerryは昨年Facebookも特許侵害で訴えている

Blackberryは訴状で、同社の特許6件をTwitterが侵害し現在も継続していると主張しており、その内容にはプッシュ通知、メッセージスレッドのサイレンス通知、モバイル広告技術などが含まれている。

Blackberryは自らモバイルメッセージングのパイオニアを名乗り、Twitterは「Blackberryのイノベーションを取り入れたメッセージング・アプリケーションを作り、Blackberry製品に決定的かつ商業的成功をもたらした特長を強化した革新的なユーザーインターフェースや機能を多数利用している」

先に書いたように、昨年BlackberryはFacebook も特許侵害で訴えている。当時同社は、セキュリティー、ユーザーインターフェース、高バッテリー効率近況アップデート、ゲーム内モバイルメッセージング、Twitterと同様のサイレンス通知など7件の特許を挙げた。数ヶ月後の昨年9月、Facebookは自らもBlackBerryを訴え、自社の特許5件の侵害を主張した。いずれも係争中。

Blackberryはかつてスマートフォンの巨人だったが、 2016年にハードウェアの自社製造を終了した。そして2017年、BlackBerryはスマートフォンの新機種KEYoneを発売した。ソフトウェアに専念するという同社の新たな戦略の下、TCLが製造した。

Twitter、BlackBerry両社ともコメントを拒んだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ボイスメッセージ技術侵害でFacebookがBlackBerryを逆提訴

Facebook は、インスタントメッセージアプリのボイスメッセージ技術を盗用したとしてBlackBerryを提訴した。

サンフランシスコで火曜日に提出した118ページに及ぶ告訴状で、FacebookはBlackBerry が5つの特許を侵害したと主張している。その特許とは、GPSデータのトラッキングと分析、ボイスメッセージ技術、アプリ内でのグラフィックス・ビデオ・オーディオの表示方法に関するものだ。

告訴状で、Facebookは同社のMessangerとWhataAppのメッセージアプリへの侵害が“すでに起こり、そしてダメージを引き起こし続ける”と主張している。

Facebookは考えられるダメージについての被害額は載せていないが、同様の内容で訴えられたときに出したコメントを考えると、裁判そのものはややうわべだけの様相だ。

もしこのニュースを読んでどこかで聞いたことがあるような、と思ったとしたら、それはBlackBerryが3月にFacebookに対し同じような裁判を起こしているからだ。

その際、Facebookの副法律顧問Paul Grewalは「BlackBerryの訴訟は残念ながらメッセージビジネスの最近の状況を反映している」「イノベーションの努力を放棄し、BlackBerryは今や他社のイノベーションに難をつけようとしている」と非難した。

Facebookはコメントを拒否し、BlackBerryはコメント要求にまだ応えていない。

アップデート:Facebookのコメント対応がアップデートされている

イメージクレジット: Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)

BlackBerryのハイエンドAndroid機 “Ghost” は、インド国内専用か

“BlickBerry” と聞いてカチカチ音のフルキーボードを思い浮かべるのは過去のことになりつつある…しかしブランドはまだ生きている。

著名なガジェット発掘者であるEvan Blassが、”Ghost” と呼ばれる噂のBlackBerry新機種の写真を発見した。

読者の中には「ちょっと待て、まだBlackBerry作っているの?」と言う人もいるだろう。答えは、ある意味でイエス。BlackBerry Limitedは、かつてResearch In Motionと呼ばれていた会社で、2016年に自社で携帯電話を作るのをやめた。代わりに、他社にブランドをライセンスしている。その相手は多くの場合、中国の巨大製造メーカー、TCLだ。

しかし、今回の “Ghost” に関しては、設計、製造しているのはインドのデリー拠点の通信会社、Optiemusで、ライセンス契約について昨年始めに発表した。注意点が一つ。新機種はインド国内専用である可能性が高い。

Blassによると、このデバイスは比較的スリムなベゼルでAndroidが動く。しかし現時点でわかっているのはそれだけだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

BlackBerry、最新機種でキーボードを見捨てる

昨日(米国時間10/8)ドバイのGITEX Technology Weekで、BlackBerryは巨大バッテリー搭載の全画面スマートフォン、Motionを発表した。TCLがBlackBerry Mobileブランドで製造するMotionは、5.5インチのスクリーンを備えSnapdragon 625 SoCプラットフォームを採用している。

同端末は当初中東市場で販売され、価格は460米ドル前後。北米地域での販売については何も発表されていない。

画面は大きく、バッテリーはいっそう大きい。5.5インチ画面の下には4000 mAhのバッテリーが潜んでいる。ちなみにSamsung Galaxy S8+のバッテリーは3500 mAhだ。

これは、近代BlackBerryとして2番目の端末だ。同社今年発売したスマートフォンのKEYoneには、画面の下にキーボードが搭載されていた。しかし本日発表されたのは純粋なタッチスクリーン・スマートフォンで、すでに同社はハードウェア事業からほほ撤退していることから、BlackBerryのコアなユーザーが対象であることは間違いない。

BlackBerryはかつてResearch in Motion(RIM)の名前で知られていた会社で、携帯端末のブランドをTCLに売却し、このスマートフォンを作ったのがそのTCLだ。BlackBerry自身はセキュリティーに特化したソフトウェアベンダーとして復活しつつあり、最新の四半期決算を見ると、ピボットは大成功を収めたようで、ウォール街の期待を上回っている。売上総利益率は76%で、前四半期の67%、前年同期の62%を超える新記録だった。

BlackBerryブランドは復活したものの、ほとんどゼロのブランド市場シェアを救うには至っていない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

BlackBerryの再挑戦

blackberry

Research in MotionのBlackBerryスマートフォンが、我が世の春を謳歌していた頃の事を覚えているだろうか?

私の最初のスマートフォンは、BlackBerry 7130eだった。私はその電話を気に入っていたが、その後、私の息子がそれをジンジャエールで駄目にした。7130eには不足がなかった。スクロールホイール、Javaアプリケーション、キーボード、そして数日間使える交換可能なバッテリー。その電話は2005年に出荷され、私は2009年までそれを持っていた。

皮肉なことに、Research in Motionの苦闘は、私の7130eの昇天と時期を同じくして始まった。この会社は、あまりにも長い間その過去にしがみついていて、自身の社名をフラッグシッププロダクトと同じものに変えた、そしてその後はご存知だろう、Androidと明快に定義されたマーケットデータとの戦いによって、自分自身を不慣れな戦いの場に引き込んでしまったのだ。

昨日(米国時間25日)までは。

BlackBerryがKEYoneを発表したのだ 。そして何と、それは物理キーボード付きなのだ。この2017年にだ。でもまあ当然か?

このデバイスとクラシックBlackBerryデバイスの間には、いくつかの根本的な違いがある。まず、BlackBerry自身はこのデバイスを製造していない。TCLがBlackBerryのために、この携帯電話を製造している。第2に、KEYoneは自家製のオペレーティングシステムの代わりにAndroidを実行する。

BlackBerryは以前、利益を生み出す会社へと立ち戻る期待を込めて、デバイスの製造を中止し、OSの開発もとりやめた。基本的なアイデアは、ブランド名をライセンスして、Android上で動作するソフトウェアソリューションを構築することだった。BlackBerryのCEOであるJohn Chenは、昨年の動きを、BlackBerryのブランドをいずれかのデバイス上に残すための手段だったと説明した。

KEYoneはこの新戦略の下でリリースされた最初のデバイスだ。まあ、もっとましなブランド名だったらと思う。KEYone?私は気に入っているとは言い難い。

基本となるアイデアは、キーボードを持つスマートフォンを所有することに、潜在的に興味を持つ消費者の小さなグループの一部への訴求を狙うということだ。「潜在的に」という言葉がここでは重要だ。なにしろBlackBerryが調査した人びとの回答によれば、彼らはそうしたデバイスを所有することに潜在的に興味を示していたのだ。

KEYoneのハードウェアは、2017年においては新しいと言えるものだ。過去のBlackBerryによる幾つかのイノベーションを、新しいトレンドに載せて提供している。キーボードはトラックパッドとして利用することができ、スペースキーには指紋リーダーが内蔵されている。ただしトラックパッドとして使えるキーボードは完全に新しいものではない。2014年にリリースされたBlackBerry Passportが、タッチできるキーボードを装備した最初のものだ。

携帯電話ではAndroidが実行される。BlackBerryは何世代か前から、BlackBerry OSの利用をやめてしまった。しかもそれらの携帯電話は、古き良きBlackBerryのフォルムを持っていなかった。

私は物理的なキーを欲しがる潜在的な消費者たちはまだ居ると思うし、そのマーケットを支える会社としては、BlackBerryこそが唯一適切な会社だと考えている。なによりそれこそが、コピー品とお互いに差のないデバイスで溢れかえったAndroidマーケットから距離を置くための1つの方法なのだ。その点で、古き良き時代への回帰は、スマートであると同時に少しキュートなやり方だ。

かつて、最も支配的な携帯電話メーカーだったBlackBerryのシェアは地に落ちて、AppleとSamsungがそのトップの地位を引き継いだ。KEYoneのマーケットは、BlackBerryがかつての地位を取り戻すためには大きさが足りないが、BlackBerryにとってちょっとした盛り上がりとなる程度には売れるだろう。そしてBlackBerryは製造をTCLに任せているので、仮にデバイスが完全に失敗しても大きな負債を負うこともない。

BlackBerryがこの先スマートフォンのトレンドを左右することはない。それは遠い昔の話だ。今では多くの派手な見出しとは無縁な地味なソフトウェア会社なのだ。しかし、それは健全なことだ。

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(翻訳:Sako)

BlackBerryがFordとパートナーして、同社のまれな孝行息子QNXの多方面的車載利用を推進

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BlackBerryのQNX部門は、このカナダの企業の希少な明るい材料だ。このソフトウェア制作部門が作っているオペレーティングシステムQNXは、多くの自動車メーカーが車載インフォテインメントシステムの中核として採用している。BlackBerryによると、現在、6000万台あまりの自動車の上でQNXが動いており、そして今度からそれは、Fordのインターネット接続車にとって、さらに重要な存在になる。

FordとBlackBerryがこのほど署名した協定によると、FordはBlackBerryのQNXとセキュリティソフトウェアの、インターネット接続車における利用を拡大する。それまでFordは、車載インフォテインメントシステムSYNC 3のOSとしてQNXを使用し、広く欠陥が批判されているMicrosoftの最初のSyncとその後継システムをはねつけていた。

BlackBerryによると、同社は今後、Ford専任チームを設けて、FordによるQNXの多方面的利用を支えていく。ただしその具体的な内容や費用等は、非公開だ。

この契約により、少なくともFordとQNXは直接的な関係になり、あいだに入る業者等はありえなくなる。これでBlackBerryはFordの第一層サプライヤーになるが、それまでは直接ではなく、Fordに納めている機器等のメーカー、たとえばPanasonicなどが、相手だった。

プレスリリースは自動運転車には触れていないが、QNXのソフトウェアは自動運転車への適合条件をクリアしている。そしてFordは自動運転技術の追究に熱心だ。だからBlackBerryのソフトウェア(QNXほか)がそれらの計画に関与することも、十分ありえる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

BlackBerryはBlackBerry、OSがAndroidでも関係ない

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ここ1か月ぐらい、噂の定番といえば、BlackBerryがAndroid機を作っている、というお話だった。勝てない敵なら仲間になれ、だね。

今日は、その最初のAndroid機のリーク写真が登場した。

無限にネタを持っているEvan Blass(別名evleaks)がポストしたそのデバイスは、裏表両面に曲面があり、SamsungのGalaxy S6 Edgeに似ていなくもない。BlackBerry “Venice”という名前らしいが、それはたぶんコードネームだろう。

[Passportがだめだったのにまたおかしなのを出すなんて、BlackBerryはアホだね。]
[そうでもないよ。Veniceはなかなかルックスが良い。]

さらによーく見ると、このデバイスのシルエットはBlackBerryが3月のMobile World Congressでそれとなく見せていたものと酷似している。ただしそのデバイスは、BlackBerry自身のOS、BB10だったようだ:

[両曲面で全面タッチディスプレイでしかもスライド方式のキーボードがあるぜ!]

上の画像ではたしかにスライド式のキーボードがあるが、噂のAndroid機にもあるのか、それは分からない。リーク画像は見づらいが、その可能性は否定できない。

最初のAndroid機にスライド式のキーボードがあれば、それはBlackBerryらしくて良いんでないかい。Android市場は競争が激しすぎるが、でも少なくとも最新の機種の中には、しっかりした物理キーボードのあるやつはない。

こんなデバイスは、スマホブームに乗り遅れた人たちにアピールしそうだし、昔のBlackBerry機に今でもしがみついているおじさんおばさんたちを、その気にさせるだろう。OSはAndroidかもしれないが、それはたしかにBlackBerryだもんね。Android市場でメジャーになることはありえなくても、AndroidベースのBlackBerry、という新ジャンルを確立するかもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

BlackBerry株、Samsungによる買収話で急騰も、噂を否定して15%安

これは、Samsungが買収するかもしれないという噂の立った会社の株価がどうなるかを示している:

これは、Blackberryの株価のスナップショットで、今日(米国時間1/14)Samsungが75億ドルで買収すると提案したという噂が広まった後、取引終了時までに30%近くはね上がった。

Blackberryは即座に噂を否定し、TechCrunchか報じたように、「SamsungとはBlackeBerry買収に関するいかなる提案に関する議論もしていない」ことを強く表明した。

そして、その結果:

時間外取引では15%近く下げて10.71ドルとなっている。

数字は今後上っていくと思われる ― この短い記事を書き始めたから数ポイント上がっている。

噂されているSamsungの75億ドルという数字と比べて、25%以上急騰した後でさえ、BlackBerryの時価総額は55.6億ドルにすぎない。

BlackBerryはこのニュースによって、時価総額にして20億ドルすら増やしていない。これは2つのことを浮き彫りにしている。第一に、投資家はSamsungの買収に対して懐疑的であり、株価は噂されている提示価格近くまで押し上げられていない。そして二番目は、BlackBerryの基準となる評価額が低すぎるため、急騰してもドルの数字には違いが殆ど表れないことだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Blackberry Classicを使ってみた(ビデオ)


それは長い道のりだった:Blackberryが根源に立ち返った。群れを追うのではなく、Blackberryはユーザーが待ち望んでいたものを正確に再現した。使いやすく、楽しく、そして堅牢。しかし、果たしてこれで会社は救われるのだろうか?

私は450ドルのClassicのファンなので、後日本格的レビューを掲載するつもりだが、とりあえず私が少しばかりいじっているところをご覧いただきたい。週末にはもっともっと使う機会があるので、どんなことができるか大いに楽しみだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


かつての姿に最新ソフトウェアを搭載したBlackBerry Classic、12月中旬に発売開始

かつてBlackBerryを使っていて、それからiPhoneやAndroid、あるいは何か他のデバイスに移った人も多いことだろう。そんな人の中には、夜中に突然目を覚まし、そして手に馴染んだ物理キーボードの感触を求めて指をうごめかしてしまう人もいるはずだ。

そんな人に、良いニュースをお伝えしよう。

10月の記事でも触れたが、BlackBerryが「Classic」と呼ばれる端末を送り出すそうなのだ。もちろん一世を風靡したキーボードを搭載し、以前の形を踏襲して、そこにモダンスペック(ミッドレンジではあるものの)を実現した。そしてOSも最新のものとなっている。

確かに(少なくとも一部の人には)訴求力のありそうなデバイスだ。

この端末、既にプレオーダーの受け付けを開始している。出荷時期は「12月中旬」となっている。MobileSyrupによれば、12月17日が予定されているのではないかとのこと。

(長くBlackBerryからは離れていたという人へのメモ。実は最近のBlackBerryはAndroidアプリケーションを動作させることができる。アプリケーションの入手先がGoogleではなくAmazon App Storeとなり、またすべてが動作するわけではないものの、少なくともBlackBerry用に限定されることはないわけだ)。

公開されたスペックを見ておこう。

  • 3.5インチのタッチスクリーン(解像度は不明)
  • 2GBのRAM
  • 8MPのリアカメラと2MPのフロントカメラ
  • 1.56hz Snapdragon S4

もちろん何百万台も売れるわけではなかろう。また、BlackBerryがかつての地位に返り咲くようなこともあるまい。しかし断固としてBlackBerryを支持し、そしてよりモダンな端末の登場を待ちわびていた人もいることだろう。そういう人の要求には確かに応えるデバイスだ。

BlackBerryのホームページ内にプレオーダーページヘのリンクを見つけることはできなかった。しかしともかくこちらのページにて、$450でプレオーダー受付を行なっている。

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(翻訳:Maeda, H


BlackberryのCEO、次期QWERTY端末をブログでティーザー


Blackberryは健在だ。今日(米国時間10/29)CEOのJohn Chenは、近々BlackBerry Classicを発売することを公表した。それは、どうやら、クラシックなBlackBerryのようだ。

画面サイズやバッテリー寿命などの詳細は明らかにされていない。しかし、唯一あなたが知るべきなのは、このClassicに「Blackberry QWERTYキーボード」が塔載されることだ。

Blackberryは物理的キーボードの付いた携帯電話を諦めたことがない。2013年4月に発売されたQ10は、同社初のBB10 OS塔載QWERTYフォンだったが、少々老いを感じてきたし、魅力的デバイスとは言えなかった。この端末では筋金入りBlackBerry Boldユーザーたちを完全に満足させることができなかったとも聞いている ― Chen自身もブログに書いていることだ

Chenによると、Classicはスクリーンが改良され、BlackBerry 10の全機能がサポートされる。

何より重要なのは、Blackberryがコアユーザーの元に戻ってくることだ。この会社が生き残るためには、Blackberryを離れなかったユーザーたちを満足させると共に、かつてのBlackberryオーナーたちに、再度Blackberryを試すよう説得する必要がある。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook


BlackBerryを救う方法

編集者注記: この記事の筆者Andrew Auernheimerまたの名Weevは、ハッカーで、AT&TのiPadの顧客向け情報サービスをハックして懲役41か月を宣告された。6月以降彼は、本誌TechCrunchに、これ以外にも二つのエッセイを刑務所から送ってきた。それらは、”The Tiger And The Cicada“と”State Machinery For State Machines“だ。

ぼくの最初のスマートフォンはNokia Communicatorだ。なんでもできそうなC++の開発キットが魅力だった。iPhoneが出ても乗り換えなかった。 コードを動かすためにはApp Storeに登録しなければならないという義務は、誰もが自由にコンピュータを使えるべしという理想に対する、図太い宣戦布告と思われた。その後ぼくはNokiaと別れてAndroidを持った。ぼくの道徳観からすると、選択肢はそれしかなかった。

多くのハッカーが、Richard Stallmanのイデオロギーを信奉している。たしかに、フリーなソフトウェアを使うことは、道徳的には優れている(フリーには、ソフトウェアのソースコードを見られること、すべてのユーザがそれを改変して配布できること、が含まれる)。Appleのプラットホームがいくら優秀でも、自由の価値には替えられない。Androidはフリーではないが、フリーソフトウェアの成分が多い。だから今のところは、もっともフリーだ。

BlackBerryの命は風前の灯だが、自由という名の炎の洗礼を受ける気があるなら、まだ望みはある。

Stallman自身は携帯を持とうとしない。どれもフリーソフトウェアでないし、政府が出入りする裏口(バックドア)があるからだ。彼の、理念への修行僧のような献身は立派だが、良き収入と良き性生活のためにはモバイルデバイスが欠かせないと知った者にとっては、非現実的だ。ぼくたちはEmacs教の教会から次第に足が遠くなり、真の自由の代わりに、ほとんど自由なプラットホームで我慢するのだ。

ぼくはAndroidの、ごたついたUI/UXと、Googleの監視国家の肥大を憎む。そう感じている人はとても多いが、でもBlackBerryなら全員がハッピーになれるかもしれない。BlackBerryは、ある一つの、革命的行為を実行するだけでよい。それは、モバイルのユーザとデベロッパを牢獄から解放することだ。すべてのソースコードをGPLv3準拠で公開する。すべてのハードウェア成分のスペックを公開し、コミュニティの誰もが自分独自のデバイスを、NSAや企業のバックドアなしで作れるようにする。毎四半期のBlackBerryの決算報告には、コミュニティからの感謝と忠誠の言葉が必ず載るようにする。

BlackBerryの命は風前の灯だが、自由という名の炎の洗礼を受ける気があるなら、まだ望みはある。もう、こうなったら、怖いもの・失うものは何もないのだから、今土壇場のBlackBerryは、モバイルの業界全体と世界の政府をディスラプトするための、度胸を持てるだろう。

[画像: Flickr / Brian Gautreau]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


BlackBerry、まだ消えていないことをオープンレターで再度説得

現在Blackberryは、極めて深刻な問題をいくつか抱えている ― 誰も同社初のフラグシップ機種を欲しがらなかったこと、共同ファウンダーの1人が会社を買い戻すべく予想外の入札を行ったこと、そして会社はただ誰に最高額入札者の手に渡るだけかもしれないこと。では、かつてスマートフォンを支配する立場にあった会社は、このあらゆる不確実性と暗澹たる予言を踏まえ、果たして何をしようとしているのだろう? 友達や同僚が次々と新しいプラットフォームに乗り換えるのを見てきた熱烈なBlackberry信者たちの志気をどう鼓舞できるのだろうか。

その答えは複雑だが、Blackberryは今、昔ながらのやり方で人々を安心させようとしている ― 手紙を書くことによって。BlackBerryファンサイトのCrackberryによると、同社は利用者に向けた情熱のこもったレターを9ヵ国30紙の新聞に掲載し、なぜこの会社をまだ見捨てるべきでないかを詳しく述べた。

レターの全文(英語)は記事の末尾にあるが、BlackBerryの最近の軌跡を見てきた人にとっては何ら驚きではないだろう。ポジティブな要素? 無借金のバランスシート、大量の保有現金、および機密性の高いエンタープライズ環境に生産性の高いモバイルコンピューティング体験を届ける豊富な経験。すべては正当な主張だ、ただしおそらくBBM(BlackBerry Messenger)が世界のソーシャルメッセージング・プラットフォームであるというチームの訴えを除いて。BBMのiOSおよびAndroid対応は計画通りには進んでいない ― 専用アプリがそれぞれのアプリストアに登場してから3週間ほど経過したが、BlackBerryがいつ開通させるかについて明言はない。

このレターの署名がBlackBerryチームのものであり、例えばCEO Thorsten Heinsではないことも興味深い。これは、今の会社の不安定さが誰か一人の責任ではなく、会社の将来が誰か一人の決断にかかっているわけでもないことを示す明確な兆候だ。もちろん、そのチームも縮小されるばかりであり、年内には4500ほどの職が切り捨てられるだろう。すべては見かけ上大義のためだが、このコスト削減が最終的なプラットフォームの勝利のために十分であるという保証はない。

私は不当にBlackBerryを非難するつもりはない ― 私はしばらくの間BB中毒コミュニティーのメンバーであり、今でもBlackBerry PerlやTourなどの端末を使っていた頃をとても懐しく思い出す。そしてわれわれがBlackBerryを称賛するのと同じくらい、同社には私が知る限り最も熱心で声の大きいファンベースがあり、この人たちは今後も会社を支持し続けるだろう。

しかし言っておくべきことがある ― レターは楽観的であるばかりでなく、その安っぽく型通りの言葉に説得力はない。BlackBerryは中心となる顧客層に対して、この会社が俊敏な巨人たちの支配するレースの中で今後も走り続けられることを証明する必要がある。私もそれを願っている。

[以下レター全文(英語)]


To our valued customers, partners and fans,

You’ve no doubt seen the headlines about BlackBerry. You’re probably wondering what they mean for you as one of the tens of millions of users who count on BlackBerry every single day.

We have one important message for you:

You can continue to count on BlackBerry.

How do we know? We have substantial cash on hand and a balance sheet that is debt free.

We are restructuring with a goal to cut our expenses by 50 percent in order to run a very efficient, customer-oriented organization.

These are no doubt challenging times for us and we don’t underestimate the situation or ignore the challenges. We are making the difficult changes necessary to strengthen BlackBerry.

One thing we will never change is our commitment to those of you who helped build BlackBerry into the most trusted tool for the world’s business professional.

And speaking of those dramatic headlines, it’s important that we set the record straight on a few things.

Best in class productivity tool.

We have completely revamped our device portfolio this year with the launch of BlackBerry 10. We have four BlackBerry 10 devices – two all touch and two hybrid (touch and QWERTY) – and all are running the third update of our new platform. If what you care about most is getting things done – taking care of your business – we have the best range of devices for you. And we continue to offer the best mobile typing experience – no ifs, ands or buts about it.

Best in class security.

Governments all over the world, global corporations and businesses that simply cannot compromise on security choose and trust BlackBerry. Security is our heritage, and the industry recognizes that BlackBerry is the most secure when it comes to the device, server and, of course, our global data network. Have no doubt that you can continue to trust us to keep your communication safe and private.

Best in class enterprise mobility management.

We changed with the market, embracing BYOD because we understand that as iOS and Android devices become common in the workplace, businesses still need to manage all of these different platforms seamlessly and securely.

This is not a trivial task. While there are a number of startup companies that make bold claims, BlackBerry has more software engineers and the most resources dedicated to developing the most innovative solutions to address this complex challenge.

And our customers know it. Over the past quarter, our BlackBerry® Enterprise Service 10 server base grew from 19,000 to more than 25,000. Corporate clients are committed to deploying and testing the latest enterprise technology from BlackBerry. We are committed to evolving with our customers. That will never change.

Best in class mobile social network.

We are bringing the most engaging mobile messaging platform to all, with our BBM launch for Android and iPhone.

There are already around six million customers pre-registered to be notified of our roll out. This number is growing every day, and speaks to the tremendous opportunity we have to expand BBM beyond BlackBerry smartphones to make it the world’s largest mobile social network.

Yes, there is a lot of competition out there and we know that BlackBerry is not for everyone. That’s OK. You have always known that BlackBerry is different, that BlackBerry can set you apart. Countless world-changing decisions have been finalized, deals closed and critical communications made via BlackBerry. And for many of you that created a bond, a connection that goes back more than a decade.

We believe in BlackBerry – our people, our technology and our ability to adapt. More importantly, we believe in you. We focus every day on what it takes to make sure that you can take care of business.

You trust your BlackBerry to deliver your most important messages, so trust us when we deliver one of our own: You can continue to count on us.

Sincerely,
The BlackBerry Team

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(翻訳:Nob Takahashi)


BlackBerryの共同ファウンダー2人が、会社の買い戻しを検討中

BlackBerryが身売りを検討中であることは周知の事実であり、すでに49億ドルでの引き合いもある。しかし、別の男2人も興味を持っているらしい。共同ファウンダーのMike LazaridisとDouglas Freginだ。

Lazaridisの方が少し知られた存在で、Blackberryの唯一のファウンダーと称されることも多いが、彼は1984年にFreginと2人でResearch In Motionを共同設立した。Freginは同社の事業担当VPを務め2007年に引退した。一方Lizaridisは、CEOの職を降りBlackberyy取締役会副会長を約1年半務めた後、5月に退いた。

2人はSECに13Dを提出し、自分たちがスタートした会社を引き受けることへの関心を表明した。重要部分を下に引用した。

発行人による、最近同取締役会が会社の価値および規摸拡大を目的に新たな戦略を模索するべく、特別委員会を設置したという発表を受け、報告者は、既に自らが所有する分を除く発行人の全発行済株式を、自らあるいは他の関心ある投資家らと共に買い取ることを含めそれに限定されないあらゆる可能な方法によって、〈株式〉を取得することに関して、あらゆる選択肢を検討中である(「買収」)。

既存の個人持ち株、彼らの会社の管理分、および多数の家族信託持ち分を合わせると、LazaridisとFregiは、既に同社の8%以上を所有している。

ただしこれは、彼らの具体的な購入意志を必ずしも意味していないことに注意が必要だ ― 単に検討しているだけだ。申請によると、彼らはGoldman SachsおよびCenterview Partners LLCに選択肢の評価を依頼している。

[写真提供:textlad on flickr]

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(翻訳:Nob Takahashi)


BlackBerry、47億ドルでFairfax Capitalへ身売りか―最後のせめぎ合い続く

今日(米国時間9/23)、BlackBerryは発行済株式を1株あたり9ドルで買い戻すと発表した。総額は47億ドル程度になる。9ドルという価格は現在の株価8.23ドルをわずかに上回るレベルだ。自社株買戻のニュースを受けて現在市場での取引は中断している。

BlackBerryの株価は今日だけで5%も下落した。同社の株をすでに10%保有しているFairfax Financialも9ドルでの株式買取を申し出ている。BlackBerryの取締役会はこの取引に賛成し、基本合意書に署名した。これで一件落着かと思われたが、そうではなかった。

取締役会は「Fairfaxが提示したものより良い条件のオファーを今後さらに求めていく」という意向を発表した。一方、FairfaxはBank ofAmerica、Merrill Lynch、BMO Capitalにこの買収の原資を引き続き求めていくと発表した。もしBlackBerryがFairfaxとの基本合意を破棄した場合、1株あたり0.30ドルの違約金が発生する。

最近の四半期決算によれば、BlackBerryはキャッシュ類を28億ドル保有している。これに知的財産を加えれば、残余の企業価値はごく小さい。9ドルというのは直近の終値に比べてプレミアムは10%以下だ。これでは株を手放す気にならない投資家もいることだろう。

Fairfaxは勇敢にもBlackBerryを買収しても「解体して切り売りはしない」と明言している。Fairfaxは「非公開企業にしたうえで優れたエンタープライズ向け製品に特化した企業として再建する長期的な戦略を建てる」としている。

Fairfaxによる買収の成否にかかわらず、最近のDellと同様、BlackBerryが公開IT企業が非公開化する例に加わることは間違いないようだ。

画像: Honou

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


スマートフォンの売上台数がついにフィーチャーフォンを抜く(2013 4-6月期)…Androidの支配はいよいよ強力

調査会社のGartnerがスマートフォン市場に関する最新の報告書を発表し、その2013Q2の数字によると、ついに避けられない事態が訪れた。スマートフォンの売上がフィーチャーフォンの売上を始めて上回ったのだ(全世界ベースで台数ベース)。ここ数年Androidが一貫してダムフォン(dumbphones)の首を締め上げてきたが、いよいよ市場の転換点に到達したようだ。

Gartnerによると、世界のスマートフォンの売上は2013Q2で前年同期を46.5%上回り、2億2500万台となった。対してフィーチャーフォンは21%減少し2億1000万台であった。スマートフォンの増加率がとくに著しいのは、アジア太平洋地域(74.1%) 、ラテンアメリカ(55.7%)、および東部ヨーロッパ(31.6%)だが、そのほかのすべての地域でも増加している。IDCの最近の市場データでは、AndroidがQ2の全世界市場でシェア80%に接近している。このGoogle起源のモバイルOSは明らかに、昨日(きのう)までのフィーチャーフォンユーザを食って伸びている。

スマートフォンのグローバルな成長はどの企業にとっても上げ潮になっているが、とりわけ好調なのが今やAppleを抜いてマーケットリーダーであるSamsungだ。このGartnerの報告書では、Samsungのシェアは全市場の1/3近く、31.7%となり、2012Q2の29.7%よりも拡大した(下表)。AppleのiPhoneは台数では伸びたがシェアは2012Q2の18.8%から2013Q2では14.2%に落ちた。市場の底辺をねらってiPhoneの低価格機を出すというのも、当然の動きだ。iPhoneの販売台数は2013Q2で前年同期比10.2%増加したが、同じ時期のスマートフォン全体の増加率(前述46.5%)には及ばない。

SamsungとApple以外では、アジアの3社(LG, Lenove, ZTE)がそれぞれシェア4~5%のレベルで3位争いをしている(下表)。Lenovoは、Lephoneという機種が中国で人気なのだ。

Gartnerによると、Appleの平均販売価格(average selling price(ASP))はQ2にかなり落ち込み、2007年のiPhoneのローンチ以来最低となった。それはiPhone 4の売れ行きが強含みだったためで、これまた、量確保のためには廉価版iPhoneを出す、という動機につながる。もちろんそうなればASPはさらに落ちるが、市場の成長を今引っ張っているのは低価格機だからAppleも背に腹は変えられない。

この件に関してGartnerのアナリストAnshul Guptaは、“Appleに必要なのは新しい旗艦機であり、単純に低価格機を出すのはむしろリスクが大きい”、と述べている。“その低価格機はiPhone 4と横並びで300~400ドル程度になると思われるが、それは今のiPhone 4以上に、Apple全機種間の共食い現象を激化させるだけに終わるだろう。いくら現行旗艦機のお買い得な兄弟機を気取っても、結局は安価な新製品というマーケティングに傾いてしまうのではないか”。

もうひとつ2013Q2で注目すべきは、MicrosoftのWindows Phoneが始めてBlackBerryを抜き、プラットホーム(モバイルOS)として3位に躍り出たことだ(下表)。2010年にWindows Phoneがローンチしたとき、Steve BallmerとNokiaのCEO Stephen Elopは、スマートフォン業界に第三のエコシステムを作る、と意欲を述べた。エコシステムと呼ぶにはまだ勢いが足りないようだが、とりあえず売上では3位を確保した。

2013Q2でWindows Phoneのグローバルマーケットシェアは3.3%(2012Q2は2.6%なので↑)、対して悩めるBlackBerry OSは2.7%(2012Q2は5.2%なので↓)だった。Guptaはこう記す: “Microsoftは本四半期で台数とシェアを伸ばしたが、これからより多くのユーザにアピールしていくためにはアプリデベロッパの関心を育むことが重要である”。

プラットホーム~OSのシェアとしては、Android+iOSでグローバルマーケットシェア93.2%を占める。デベロッパがこの二つのプラットホームを優先するのは当然であり、それ以外のプラットホームに力を向けるためには特別のインセンティブが必要だ。下表のように、Androidのシェアは79%と驚異的であり、前年同期の64.2%から大きく伸びたのも、やはりフィーチャーフォンからの乗り換え層をさらったからだ。

フィーチャーフォンの低下はNokiaにとって悪いニュースだ。同社のスマートフォンは実質、Windows Phoneという名の負け犬だし、主力のビジネスは今でもフィーチャーフォンだ。Nokiaは2013Q2に6100万台のフィーチャーフォンを出荷したが、前年同期の8300万台よりは落ち込んだ。しかしそんなNokiaも、スマートフォンでは機種~価格帯の多様化により善戦している。NokiaのWindows Phone機Lumiaの売上は、Gartnerによると、前年同期比で112.7%増加した(倍増以上)。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


この夏、Blackberryメッセンジャー(BBM)アプリがiOSとAndroidに登場する

今日(米国時間5/14)開催されたBlackBerry LiveカンファレンスでCEOのThorsten HeinsはBlackBerryメッセンジャー(BBM)がこの夏、AndroidとiOSから利用可能になると発表した。BlackBerryの最大の強みはメッセンジャー機能にある。最新バージョンのBB10のユーザーは世界に文字通り数億人もいることを考えると、この動きの影響は非常に大きい。

「われわれには自信がある。 BB10プラットフォームが世界中のユーザーから圧倒的な支持を受けている今こそ、BBMをサービスとして独立させるべきだと考えた」とHeinsは説明した。

Android版、iOS版ともアプリは無料だ。他のメッセンジャー・アプリ同様、スタンドアローンでiOS 6およびIce Cream Sandwichが必要とされる。

当初はメッセージとグループ機能だけが提供されるが、Heinsはそれ以外の画面共有、ボイスチャット、発表されたばかりのBBMチャンネルなどの機能もやがてAndroid版、iOS版に移植されると約束した。.

「われわれはBBMプラットフォームをこれまでになく強化する」とHeinsは誇らしげに断言した。 今回の動きはBlackBerryにしては珍しい大胆なものだ。

どうやらBlackBerryもようやく目を覚まし始めたようだ。Blackberryは一時のようなモバイル市場のリーダーではない。生き残りのためには、AndroidとiOSという現在の市場の覇者と新たな関係を構築できるかがカギとなる。BBMをAndroidとiOSに提供するというのは正しい方向への大きな一歩だ。BlackBerryは生き残ることができるかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+