米法務省、反トランプサイト訪問者のIPアドレス提出要求を取り下げる

米国法務省(DOJ)は、大統領就任式に向けた「反トランプ」サイト訪問者のIPアドレス提出要求を取り下げた。これはDreamHostの勝利と言える。同社は先週、disruptj20.orgの閲覧者を危険であるとしてそのIPアドレスを要求したDOJをプライバシー侵害であると非難し、世間の注目を集めた

法務省は裁判所への回答の中で、DreamHostの所有する問題のIPアドレス130万件の情報は、元々存在を知らなかったと主張し、対象外とするよう要求を修正した。またDOJは裁判所に対し、非公開ブログ記事のテキストおよび写真は除外するよう依頼した。

「政府が知らなかったのは…2017年1月20日の暴動の計画、組織、および参加者に関する捜査に必要な情報以上の閲覧者データをDreamHostが保持していたことだ。DreamHostが数多くのプレスリリースや反対表明で言及している130万件のIPアドレス関連情報に、政府は一切関心がない。捜査の焦点は宣誓供述書に書かれている暴動に絞られている。」

書簡によると、政府は捜査令状の範囲を超える情報は除外する意向だが、DraeamHostは捜査令状そのものが「不適切」であるとしてこの問題についての対話を拒否している。法務省は、捜査令状が合法であるという立場を貫いている。「DreamHostの主張に反して、捜査令状は『現政権の反対派を見つけるため』に使われるためのものではなく、今後使われることもない」と裁判所宛ての書簡に書かれている。

一方、DreamHostは計画通りに行動するつもりだ。DreamHostは、”Narrowing the Scope“[範囲を狭める]と題したブログ記事で、これはプライバシーの勝利であると祝いつつ、今週裁判所で予定されている、「この令状が提起した憲法修正1条および4条の問題」の議論に向けて準備を整えている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

DreamHostの新しい簡易WebサイトビルダーRemixerはOpenStackとKubernetesの上で 動くコンテナアプリケーションだ

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Webサイト作りとWordPressホスティングの老舗DreamHostが今日、新しい、より簡略なWebサイトビルダーRemixerを立ち上げた。ユーザーは、単純でメンテナンスの楽なWebサイトを、HTMLのコードすら1行も書かずに作れる。この新しいプラットホームは、DreamHostの従来のホスティングプランのどれにも含まれることになる。

こういうGUI方式のWebサイトビルダーを使ったことのある人は、Remixerに親しみをおぼえるだろう。まず、提供されているテーマの中からどれかを選ぶ(現在は13、今後はもっと増える)。画像をアップロードしたり、あるいはInstagramやFacebookなどなどからインポートできる。オーディオやビデオをSoundCloud, YouTube, Vimeoなどからインポートすることもできる。そのほか、類似のサービスと同様に、地図、コメント欄、フォームなどを数クリックで加えられる。こういったいろんな部品は、70種用意されている。

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また、60万種類の自由に利用できる画像やグラフィクスを提供しているから、そこから選んでもよい。

DreamHostは長年、ホスティングサービスとして知られているが、近年ではOpenStackのエコシステムにおける重要なプレーヤーだ。OpenStackは、大企業や通信企業、ホスティング企業などがAWSのようなクラウドコンピューティングサービスを自前で(自分とこのデータセンターで)運用できる、オープンソースのプロジェクトだ。実はRemixerは、OpenStack + コンテナ管理サービスKubernetesの上で動いている。つまりこのアプリケーション、というかサービスは、マイクロサービスの集合としてKubernetesが管理するクラスターの上で動いている。そしてそれらがさらに、OpenStackが動かすDreamComputeクラウドプラットホームの上で動くのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

OpenStackの第13リリースMitakaは大企業のプロダクションユースの増加に対応して管理性とユーザー体験に注力

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OpenStack Foundationが今日(米国時間4/7)、そのオープンソースのエンタープライズクラウドプラットホームの13回目のリリース、Mitakaをローンチした。

多くの点でこの新しいリリースは、2010年にRackspaceとNASAから孵化したこのプロジェクトの、さらなる成長ぶりを見せている。重要な機能を新たにたくさん加えることよりも(今回も多いことは多いが)、焦点はこのプラットホームをクラウドの運用者にとって管理しやすくすることと、全体的なユーザー体験の改良に置かれている。

“焦点の置きどころを変えたのは、ほぼ2年前ぐらいから、大企業や大きな組織がOpenStackを彼らのITの最前線で使い始めているからだ”、とOpenStack FoundationのCOO Mark Collierは語る。

そういう大型ユーザー、AT&TやComcast、SAP、Time Warnerなどは、デプロイが容易であることを強く求める。どう転んでもOpenStackが相当複雑なプロジェクトであることに変わりはないから、ユーザーはまず、デプロイに関してさまざまな意思決定を迫られる。そう強調するCollierによると、そのため今では、このプラットホームのコアなコンポーネントはなるべくデフォルトの設定で行けるようにして、ユーザー元におけるセットアップや構成の努力を省力化している。それらのデフォルトは、OpenStackの大型ユーザーの多くが開発してきたベストプラクティスに基づいている。そのひとつの例であるOpenStackの”Keystone“アイデンティティサービスは、アドミニストレーターがActive Directoryなどのアイデンティティサービスを統合でき、またセットアップのプロセスを単純化している。

さらにCollierによると、この新しいリリースはユーザー体験の改良にも力を入れ、デベロッパーがOpenStack用のより良質なアプリケーションを書けるようにしている。たとえばデベロッパーは、これからはOpenStackの統一化クライアントを利用できるので、ワンセットの呼び出しでプラットホーム上にさまざまなリソースを作ることができる。今回のMitakaリリースはSDKもアップデートし、デベロッパーがOpenStackの”Neutron”ネットワーキングスタックをずっと容易に使えるようにしている(その一部はまだ開発途上ではあるが)。

ここ数年の動きの中でCollierにとってとくに意外だったのは、多くの通信企業が今では、ネットワーク機能のソフトウェアによる仮想化を採用するためのデファクトの方法としてOpenStackを利用し、これまでのようにプロプライエタリで高度に専用機化されているハードウェアを使わずに、情報のルーティングを行っていることだ。とくに彼が注目したのは、たとえば今のAT&Tの顧客は、電話をかけるたびに、なんらかの形でOpenStackに触(さわ)っている可能性が高いことだ。AT&T以外にも、Deutsche Telekom, Telefonica, (AOLとTechCrunchの親会社)Verizonなどの著名企業が、今やOpenStackのユーザーだ。

Collierがもうひとつ強調するのは、OpenStackに対する関心の多くが、これまでは、それをプライベートクラウドの構築に利用している企業に由来していたが、しかし今では、とくにアジアとヨーロッパで、OpenStackをパブリッククラウドのデプロイに使用している企業もたくさんあることだ。ただし合衆国は、まだそこまで行っていない。DreamHostやRackspaceなど、OpenStackによるパブリッククラウドに力を入れているところも少なくはないが、ユーザー数で言えばAWSが圧倒的に大きいのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

DreamHostのOpenStackベースのクラウドプラットホームDreamComputeがベータを脱し本番提供へ

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DreamHostはWebホスティングサービスとしてよく知られているが、でも同社はかなり前から、オープンソースのエンタープライズプラットホームOpenStackの、主要なコントリビューターだ。そして数年前からは、OpenStackベースの同社独自のクラウドコンピューティングサービスDreamComputeをベータで提供していた。

今日(米国時間4/5)、そのDreamComputeがベータを終わり、従量制と月額定額制を折衷したような、新しい料金モデルで一般供用を開始した。

DreamComputeは、OpenStackにストレージシステムCephと、Dreamhostが育てたネットワークオーケストレーションサービスProject Astaraを組み合わせたサービスで、AmazonのクラウドコンピューティングサービスEC2などともろに競合する。

約1200社の顧客企業と一緒に、DreamComputeのベータを長年やってきた経験から、チームはDreamHostの合衆国東部データセンターに完全に新しいアーキテクチャを実装した。同社のクラウド担当VP Jonathan LaCourによると、この新しいアーキテクチャはベータ時の倍近いパフォーマンスを提供する。チームがこの新しいアーキテクチャの開発に取り組んだのは約1年前だが、そのときチームがすぐに理解したのは、たとえばユーザーがSSDのストレージを求めていること、そして、たくさんコアがあることよりも、高速なシングルコアのパフォーマンスに関心があることだった。

DreamComputeはベースがOpenStackだから、デベロッパーはマシンにrootアクセスでき、またOpenStackのAPIもすべて利用できる。

料金は時間単位の従量制が基本だが、顧客は25日ぶん以上を請求されることはない。月額の最低料金は4ドル50セントだ。この金額では、従来的なハードディスクを使う古いクラスターは、RAM 1GB、仮想CPU1つだが、SSDを使う高速なクラスターではRAMが512MBのみだ(1GBのマシンは月額6ドルから)。DreamComputeの各クラスターには、100GBのブロックストレージが無料でつく。詳しい料金体系は、ここにある

同社はこの、OpenStackクラウドコンピューティングサービスのローンチに併せて、サービスの使い方を詳細に記した知識ベースを立ち上げた。そのすべての情報はGitHub上にあり、またこれに対する、ユーザーの今後の自由な貢献も期待している。LaCourによると、今後はチュートリアルなどそのほかのドキュメンテーションも、何らかのインセンティブ制により、ユーザー貢献型にしたいという。ドキュメンテーションに対するこのやり方は、Linux仮想サーバーホスティングのLinodeのやり方に似ている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

CephによるクラウドストレージサービスDreamObjectsが超安価に一般供用を開始

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DreamObjectsは、企業向けクラウドホスティングプラットホームDreamHostが、分散ストレージソリューションCephをベースに作ったクラウドストレージサービスだ。そこが今日(米国時間1/29)から、一般公開に入る。そのストレージサービスはAmazon S3やSwiftと互換性があり、したがってデータのマイグレーションは容易だ。一般公開記念として、新規ユーザには特別料金で提供される。

利用料金は1GBあたり7セントで、外部転送も1GBにつき7セント、新規ユーザは向こう30日、保存も転送も100GBまで無料だ。月契約でなく年契約なら、料金は半額になる。API呼び出しは、無料である。

DreamHostのマルチファクタ(多要素)本人証明を利用しているユーザは、そのアカウントに1GBのストレージが無料で付く。ささやかなおまけだが、同社の拡張セキュリティを選んだ顧客へのサービスとして、無料ストレージは良いアイデアだ。’

DreamHostはDreamObjectsを戦略的に位置づけている。まず、Cephは新しいストレージテクノロジとして広く関心を喚んでいること。しかも、それを高価なサービスにせずにシンプルな料金体系で提供すること。競合他社の料金プランは、もっと複雑怪奇だ。デベロッパも一般人も、気軽に使えるストレージサービスにしたことが、良い戦略だと思える。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))