アプリ市場のデータを提供するApp Annieが広告分析ツールのAscendを公開

App Annie2019年に分析会社のLibringを買収し(未訳記事)、Libringの新バージョンをApp Annie Ascendとリブランドして公開した。

CEOのTed Krantz(テッド・クランツ)氏は筆者に対し、AscendはApp Annieの既存の顧客に対して販売するものの、実は「まったく異なる市場」にリーチしたいと述べた。これまでApp Annieはアプリ市場のデータを提供してきたが、特にゲームパブリッシャーなど広告を出す側に対して広告の分析を提供する企業へと踏み出したい考えだ。

モバイルプラットフォームやブラウザに対してユーザーのトラッキングがさらに制限され(最近ではアップルがアプリの広告トラッキングをユーザーが拒否できるようにすると発表した)、広告主にとって「状況はさらに暗くなっている」とクランツ氏はいう。App Annieは市場に関する幅広いデータとパブリッシャー自身のデータを組み合わせるアプローチでチャンスを作ろうとしている。

これを実現するために、Ascendはクランツ氏が「数百のコネクタ」と説明するものを提供しAdColony、Unity、Chartboostなどさまざまなプラットフォームからデータを取得する。顧客はそのデータセットを「並べて」見ることができる。クランツ氏は、少なくとも当初はこのデータは顧客自身が使用するためのものであり、App Annieの大規模な市場のデータからは「隔離される」と強調する。

クランツ氏は「時間をかけて、我々はベンチマークのデータを公開できるようになった」と述べ、このアプローチがAscendのユニークな点の一部であると補足した。「比較対象となる企業のベンチマークデータを知ることが必要だ。市場のデータを知らなければ正しい判断はできない」。

AscendはすでにRedditやJam Cityなどの企業で使われている。

Redditのマーケティング担当ディレクターであるSpiros Christakopoulos(スピロス・クリスタコプロス)氏は発表の中で次のように述べている。「Ascendがあれば、複数のAPIを統合したり、メンテナンスしたり、常に更新したりする手間が省け、KPIの達成とキャンペーンの改善という重要なことに集中できるようになります。そのため、Ascendは当社のマーケティング分析インフラの重要な一部となっています」。

画像クレジット:App Annie

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(翻訳:Kaori Koyama)

新型コロナ下の第2四半期のモバイルアプリはダウンロード数、利用時間、売上いずれも新記録達成

新型コロナウイルス(COVID-19)による危機に世界が対処を続ける中、2020年第2四半期のテクノロジービジネスはモバイルアプリのダウンロード数、使用時間、消費者支出のいずれも新記録を作る結果となった。

モバイルビジネスのアナリティクス企業であるApp Annieの最新レポートによれば、第2四半期にモバイルアプリの使用量は前年比40%アップした。トータルの利用時間は2020年4月に過去最高の2000億時間以上となった。消費者支出は270億ドル(約2兆8900億円)でこれも過去最高となった。アプリのダウンロード数は約350億を記録した。

世界中でソーシャルディスタンスの確保とロックダウンによって新型コロナの流行を抑え込もうとしていることが、モバイルアプリの利用に強い追い風となったようだ。

画像クレジット:App Annie

例えばインドでは2020年第2四半期のアプリ滞在時間は2019年第4四半期以降35%増加している。イタリアで30%、インドネシアでも25%の増加だ。米国ではアプリの滞在時間が15%増加している。

App Annieによると、平均的ユーザーはスマートフォンを毎日4時間20分使っているという。

画像クレジット:App Annie

消費者はスマートフォンにあるアプリを起動するだけでなく、新しいアプリをダウンロードする。第2四半期の新アプリのダウンロードは350億回に上ったがこれも史上最高だった。

このうちGoogle Playが250億回を占め、前年比10%の成長だった。今四半期、Google Playの最大のマーケットはインドとブラジルだった。

画像クレジット:App Annie

iOSのダウンロード数は前年比20%アップで100億回近くとなった。iOS最大のダウンロード市場は米国と中国だった。伸び率が大きかったのは米国とサウジアラビアだった。これは、全国的なロックダウンと学校閉鎖に原因があるだろう。アプリのダウンロード数は2020年4月に史上最高となり、iOSで前年比100%アップとなっている。

App Annieによれば、この四半期のゲームのダウンロードは記録的なものとなり合計140億回となった。第2四半期の第1週はモバイルゲームのダウンロード数が12億回を超えて新記録になった。四半期を通しての週あたり平均ダウンロード10億回、対前年比で20%増加した。

画像クレジット:App Annie

ゲーム以外のアプリは、Androidにおける新規ダウンロードの半数(55%)、iOSにおける70%を占めている。

ゲーム以外のトップカテゴリは、Google Playでは「ツール」と「エンターテインメント」、iOSでは「写真とビデオ」と「エンターテインメント」だ。しかし他のカテゴリーの伸びも大きかった。Google Playのダウンロードでは、直前の四半期と比較して「ビジネス」が115%、「健康とフィットネス」が75%、「教育」が50%それぞれアップしている。

一方、iOSでは前四半期に対して「健康とフィットネス」が30%、「ショッピング」が25%、「医療」が20%と大幅に増加している。

記録的なダウンロードと使用時間が新記録となったので消費者支出、特にストリーミングビデオに対する支出も大幅に増加した。

画像クレジット:App Annie

第2四半期の消費者のアプリへの支出額は過去最高の270億ドル(約2兆8900億円)で、iOSが前年比15%アップの170億ドル(約1兆8000億円)、Androidが25%増の100億ドル(約1兆1000億円)だった。

ゲーム支出は190億ドル(約2兆円)、前四半期に対して15%アップとなった。Google Playは25%と大幅に成長しており、これはiOSの成長率の2倍だった。

画像クレジット:App Annie

iOSへの支出額のうちゲーム以外が35%を占めた。この四半期のiOSのゲームアプリ、ゲーム以外のアプリの双方で最大の貢献をしたのは米国と中国の市場だ。これまで消費者向けゲームの最大市場は中国だったが、今回は米国がトップの座を奪い返した。第2四半期の対前四半期の成長は30%に達した。

Google Playでは非ゲームが支出の15%だった。ゲームとゲーム以外の双方で米国、日本、韓国がトップ市場だった。

Google Playのトップカテゴリーは「ゲーム」以外に「ソーシャル」「エンターテイメント」が含まれた。App Annieでは「エンターテインメント」のアップは主としてDisney+とTwitchによるものとみている。

iOSでは「ゲーム」「エンターテイメント」「写真とビデオ」が最大のカテゴリだった。「写真とビデオ」の拡大はTikTokが牽引し、ビデオストリーミング制作者に対する投げ銭に使うバーチャルギフトの販売によって売上高のトップを占めた。

画像クレジット:App Annie

パンデミックを追い風としたモバイルデバイスの大半はビデオストリーミングやゲームなどエンタテインメイント関連だったが、ビジネスアプリもいくつか四半期のランキング入りしている。例えばZoomはこの四半期にダウンロードされたアプリの2位に入った。Google Meetは7位だった。

ショートビデオのTikTokはダウンロード数と支出でトップとなり、月間アクティブユーザーでも7位だった。しかしインドでのTikTokの禁止は次の四半期に大きな影響を与えるはずだ。また米国でもTikTokの締め出しが検討されていることがショートビデオのライバルに勢いを与えている。この波乱のなかで、インドではローカルのライバルの利用が急増している(Reuters記事)。他の地域ではByteやLikeeのような競合サービスが成長している。

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

長時間の在宅で2020年第1四半期のアプリの売上は史上最高を記録

新型コロナウイルスの感染拡大で家にいる時間が長くなり、買い物や資産管理、新しいエクササイズ探し、在宅勤務、エンターテインメントなど、モバイルアプリを使う時間が急激に長くなっている、米国時間4月2日にApp Annieが発表した最新のデータによると、2020年第1四半期のアプリの売上は史上最高になった。またAndroidデバイスの分析では、全世界での週あたりのアプリとゲームの平均使用時間も、前年同期比で20%増えている。

これらの要因は、アプリストアの記録的な売上増につながっている。

App Annieによると、2020年第1四半期には全世界のアプリストアの売上は234億ドル(約2兆5400億円)で、四半期としてはこれまでで最高となった。

このうち、iOSが150億ドル(約1兆6300億円)、Google Playが83億ドル(約9000億円)だ。両方ともそれぞれのプラットフォームで、前年より5%増えている。

ゲーム以外のアプリの売上は、iOSで35%、Google Playで15%を占めている。一方、この四半期にユーザーはゲームに167億ドル(約1兆8100億円)以上を支払った。

国別に見ると、iOSでは米国と中国、Google Playでは米国、日本、韓国の売上が大きい。

Androidではゲーム、ソーシャル、エンターテインメントアプリの売上が大きい。特にDisney+とTwitchがこの大きな要因となっている。

一方iOSでは、ゲーム、エンターテインメント、写真とビデオのアプリが売上のトップ3となっている。この四半期は、iOSの売上でTikTokがTinderとYouTubeに次ぐ第3位となっている点が目を引く。

2020年第1四半期のアプリのダウンロード数は310億回

2020年第1四半期には、アプリが新たに310億回ダウンロードされた。これは2019年第4四半期から15%の増加だ。第4四半期は通常、年末商戦で新しいスマートフォンが売れてアプリのインストール数が大きく加速するが、今年の第1四半期はそれを上回った。

Google Playのダウンロード数は前年比の5%増で225億回、iOSは前年比の15%増で90億回以上だった。

ゲーム以外のアプリは、Google Playでは全体のダウンロード数の55%、iOSでは65%だった。これは、人々が単にアプリで気晴らしをするだけでなく、仕事も家でするような新しい生活を送ったためにさまざまなモバイルアプリを求めていたことを示している。

Google Playのダウンロード数で最大の市場はインドとブラジルだ。これは人口が多いことと、安価なAndroidデバイスが多く使われていることによる。iOSのダウンロード数では中国と米国が2大市場で、この四半期の成長も中国と米国が主に牽引している。

カテゴリー別のダウンロード数は、Google Playではモバイルゲーム、ツール、エンターテインメントがトップ3で、iOSではゲーム、写真とビデオ、エンターテインメントだった。

Google PlayでもiOSでも、ゲームの成長が大きい。

2020年第1四半期では、モバイルゲームのダウンロード数が前年同期比20%増で130億回を超えた。前四半期との比較では30%増えている。

Google Playではゲームのダウンロードが前年比25%増で100億回近くに達した。iOSでも25%増えて30億回以上を記録した。

この四半期でダウンロード数が多かったのはパズル、シミュレーション、アクション、アーケードゲームだったが、売上ではロールプレイ、アクション、ストラテジーゲームが多くを占めている。これはいつものことだ。

ゲーム以外のカテゴリーでは、どちらのプラットフォームでも、ヘルス&フィットネス、教育、ビジネスのアプリが多くダウンロードされた。ヘルス&フィットネスは前四半期比でGoogle Playでは40%、iOSでは30%増えた。教育はGoogle Playで35%、iOSでは40%増となり、ビジネスはGoogle Playで30%、iOSでは35%増となった。

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(翻訳:Kaori Koyama)

ビデオ会議アプリのダウンロードが新型コロナ需要で過去最多の週6200万回

在宅勤務の推奨やソーシャルディスタンス(社会的距離)の励行、政府によるロックダウンなどにより、ビデオ会議アプリの需要が業務使用、個人使用のどちらでも増えている。その結果、30日に発表されたApp Annieの最新レポートによると、ビジネス会議アプリは3月に過去最多の伸びをみせている。3月14〜21日の週にはダウンロード数は6200万回を記録した。また、ソーシャルネットワーキングのビデオアプリHousepartyは、ロックダウンや自宅隔離が広がる欧州で空前の伸びとなった。

そうした成長は予想されていたが、App Annieのレポートではこうしたアプリがどれほど多くの新規顧客を新型コロナウイルスの影響を受けている期間に獲得しているのかを具体的に示している。

たとえば、iOS、Google Playでのビジネスアプリの3月上旬のダウンロード数は6200万回だったが、この数字は前週から45%増だった。また、アプリストア全体の中でその週に最も成長したカテゴリーだった、とレポートにはある。2019年のビジネスアプリダウンロード数の週平均からは90%増だった。

こうした成長の大半は、GoogleのHangouts Meet、Microsoft TeamsそしてZoom Cloud Meetingsなどによるものだ。

2月と3月に世界で最もダウンロードされたのはZoomで、特に米国、英国、欧州では引き続きかなりダウンロードされている。

記録的なダウンロード数となった週の数字は、米国における2019年第4四半期の週平均の14倍だった。英国においては第4四半期の週平均の20倍超がダウンロードされ、フランスでは22倍、ドイツでは17倍、スペインでは27倍そしてイタリアではさらに多い55倍だった。

アプリストア調査会社のSensor Towerのレポートでは、米国でのZoomのダウンロード回数は3月中旬に増えているが、3月9日の週以前に米国App Storeでの検索ワードトップ100の中に「Zoom」は入っていないと指摘している。つまり多くの新規ユーザーに、おそらく仕事メールでのリンクシェアやカレンダーでの招待、イントラネットサイトなどっでアプリのインストールページが直接送られたことを示している。

また3月には、GoogleのHangouts Meetも特に英国や米国、スペイン、イタリアで多くダウンロードされ、Q4の週平均ダウンロード数との比較ではそれぞれ24倍、30倍、64倍、140倍だった。

Microsoft Teamsもそこまでではないもののダウンロード数は増加し、Q4の週平均との比較ではスペイン15倍、フランス16倍、イタリア30倍だった。

消費者アプリをみると、 Z世代の間で人気のソーシャルビデオ会議アプリのHousepartyが欧州などで急成長した。これにはネットワーク効果が貢献したようだ。友達や家族がHousepartyを利用するようになるほど、このアプリはより役に立つ。そうして使用の輪はさらに広がる。イタリアでは3月21日までの1週間で、Housepartyのダウンロード数は2019年第4四半期週平均ダウンロード数の423倍にものぼった。

スペインではHousepartyの成長はより顕著で、3月21日までの1週間のダウロード数は2019年Q4の2360倍だった。それまではスペインではHousepartyはさほど浸透していなかったことも記すに値するだろう。COVID-19流行がなければ足掛かりを築くことはなかったはずだ。

ビジネス会議アプリと異なり、Housepartyはビッデオチャットをより個人的でソーシャルな体験にすることを目的としている。アプリを立ち上げると、あなたが話せる状態であること、誰がオンラインなのかが表示される。これは他のメッセージアプリと似ている。しかし参加できるライブのパーティや遊べるアプリ内ゲームが用意されていて、つまりこのアプリはバーチャルオフィス会議のためのものではない。

もちろんこの時期、ビジネスアプリだけがブームになっているわけではない。

Google ClassroomやABCmouseといった教育アプリ、それからInstacartのようなグローサリー配達アプリの使用も3月に急増している。

「社会的隔離の期間がどれくらいになるのか見通せない状況に直面し、ビデオ会議アプリは我々の毎日の習慣にかなりの影響力を及ぼす可能性を持っている。地理的バリアをなくし、かなりシームレスに働いたり社会的つながりを維持したりできる能力を持つ」とはApp Annieはレポートに記している。そして「世界にとって前代未聞の状況であり、モバイルにとってかなりダイナミックな時だ。我々は文字通り全部門で消費者行動の変化を目の当たりにしている」と結んでいる。

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:Mizoguchi

モバイル・ショートビデオのTikTokは2019年に急成長するも収益化に苦闘中

Sensor Towerのレポートによれば、ダウンロード数でも収入でもTikTokは2019年のモバイルアプリの星だった。中国のByteDanceのアプリであるため最近米政府の規制が厳しさを増し、米海軍では使用が禁止されるなどしているが、 現在までのダウンロード数は16.5億回、しかもその44%が2019年に集中している。 つまり昨年1年だけで、7億3800万以上のアプリがインストールされている。

問題は収益性で、TikTokでは各種の実験を繰り返しているがまだ十分な利益を上げていない。もちろん2019年には収入の伸びも著しく1億7690万ドルを得ている。これはそれまでの全収入、2億4760万ドルの71%にあたる額だ。ApptopiaのレポートはTikTokの四半期収入は5000万ドルに上ると報じていた

2019年のTikTokのダウンロード数は2018年から13%アップして6億5500万回となった。2019年の第4四半期はクリスマス休暇を含んだ期間だったこともあり、TikTokとして過去最高の時期となり、2億1900万回のダウンロードがあった。これはそれまでの最高記録だった2018年の第4四半期に比べて6%のアップだった。Sensor Towerのデータによれば、昨年TikTokはゲーム以外のアプリの世界ランキングで、App StoreとGoogle Playの双方でWhatsAppに次ぐ2位となった。

しかしTechCrunchでも紹介したHowever, App Anniieの「モバイルの現状」レポートによれば、Facebook Messenger、 Facebook本体、WhatsAppに次ぐ4位となっており、Sensor Towerの順位とは一致しない。

順位はともあれ、TikTokのダウンロード数が2019年に大きく伸びたことは間違いない。これは主としてインドで人気を得たことが大きい。Tiktokは今年には入ってインドで短期間だが禁止されたが、同市場はTiktokの総ダウンロード、3億2300万回の44%を占める大市場となっている。同時いこれは2018年の27%増だ。.

TikTokの母国、中国では収入の大半はiOSユーザーからのもので、2019年には1億2290万ドルだった。これは収入の69%を占めており、米国のユーザーからの収入である3600万ドルの3倍以上だった。3位の英国の支出は420万ドルにとどまった。

ただしこうした数字も Facebookの660億ドル以上という年間収入に比べるとごく小さい。またTwitterのように小型のネットワークと見られるサービスでも数十億ドルの収入がある。ただし公平にいえば、TikTokはまだビジネスモデルの実験段階にあるスタートアップだ。2019年にTikTokyは, フィード中にネイティブビデオ広告を表示したり、 ハッシュタグ・キャンペーンを行ったりしている。またソーシャルな投げ銭システムにも手を染めている。.

しかし今のところこのチップシステムで、意味のある収入を得ているのはごく少数のクリエーターに過ぎない。 TikTokがYouTubeに追いつくためには優秀なクリエーターにとって魅力のあるサービスになる必要があるのでクリエーターの収入を確保するのは重要な課題だ。

収益化ではTikTokが問題を抱えている理由は、Facebookなどの先行ソーシャル・ネットワークと比べてTikTokにはユーザーの個人データの蓄積が乏しい点が大きい。広告主は、趣味、過去の行動、デモグラフィーなどのデータから適切なターゲティングができず、Tiktokの広告メディアとしての価値をアップすることを妨げている。そこでブランドはTikTokの保持するデータに頼らず、TikTokで人気のあるインフルエンサーと直接提携して広告を配信するなどの手段を取っている。

TikTokは黒字化の達成に至っていないが、ユーザーエンゲージメントでは優秀な成績を挙げている。App Annieのデータによれば、利用時間は2019年に対前年比210%の伸びを示し、トータルで680億時間となっている。TikTokがモバイルユーザーの注目を集めていることは間違いないが、問題はこの注目をいかに収益に結びつけるかだ。

TechCrunchはこの点についてTikTokにコメントを求めたが、回答は「我々は統計を外部に発表していない」と確認するものだった。というわけでTikTokの現状についてはサードパーティーの推定に頼るしかないようだ。

画像:Anatoliy Sizov / Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

App Annieが2019年のモバイルアプリをレポート、総売上13兆円超、ダウンロード2040億回

2019年のモバイルアプリの利用状況についてのレポートが発表された。ダウンロード総回数は新記録となる2040億回で対前年比6%のアップ、2016年と比較すると45%アップ。売上はアプリ本体価格、サブスクリプションなどのアプリ内課金を含めて1200億ドル(約13兆2000億円)だった。ユーザーは平均して毎日3.7時間を費やしていた。

この数字は「モバイルの現状」(State of Mobile)と題するApp Annieのレポートによるものだ。以下、いくつかのトレンドと将来予測をハイライトしてみよう。

同社によれば、2019年のモバイルアプリの利用拡大は主としてインド、ブラジル、インドネシアなどの人口の大きい新興市場の急成長によるものだという。これらの市場のダウンロード数は2016年と比較してインドが190%、ブラジルが40%、インドネシアが70%アップとなっている。中国の成長は80%だった。一方、米国におけるダウンロード数の伸びは5%と鈍化している。

しかし成熟市場のユーザーがアプリのダウンロードを止めたわけではないのはもちろんだ。対前年比の伸び率が低下したに過ぎない。 成熟市場には依然巨大なダウンロード数があり、2019年には米国だけで123億回、日本で25億回、韓国で20億回のダウンロードが記録されている。App Annieのダウンロード回数には再インストール、同一アプリのアップデートは含まれていない。

2019年のアプリストアのユーザーの支出総額は1200億ドルで2016年の 2.1倍。やはり支出の過半数はゲームに対するものだった(72%)。トレンドとしてはサブスクリプションの普及が注目された。ゲーム以外のアプリでの昨年のサブスクリプションは支出総額の28%を占めたが、これは2016年の18%と比較して大きなアップだった。

実際、サブスクリプションは多数の非ゲームアプリの主要な収入源となっている。たとえば米国における iOSアプリのトップ250タイトルの売上の97%はサブスクリプションによるものだった。また94%のタイトルがサブスクリプションを利用していた。AndroidアプリのPlayストアでは売上の91%がサブスクリプションで、トップ250タイトルの79%がサブスクリプションを利用していた。

なかでもデートアプリのTinderやビデオ番組のストリーミングのNetflix、Tencent Videoなどでは2019の消費者支出の伸びはサブスクリプションによることが数字ではっきり示された。

ゲーム、サブスクリプションともに消費者の支出では、米国、日本、韓国、英国などの成熟市場が大きな割合を占めている。ただし市場規模からいえば、中国が世界の支出の40%と圧倒的だ。

2019年のトレンドとしては、各種のIoT(モノのインターネット)やスマートデバイス向けモバイルアプリが目立つようになった。IoTコントロールアプリのトップ20のダウンロードは1億600万ダウンロードだった。また1996年以降に生まれたいわゆるZ世代の1アプリ、1カ月の使用時間は3.8時間にもなっている(ゲーム以外のトップ25アプリの平均)。モバイル広告の売上は2019年実績が1900億ドルだったが、2020年には2400億ドルに達するものと予測されている。

ゲームアプリの売上は非常に大きいのでレポートでも詳しく扱われている。モバイルゲームに対するユーザーの支出はMac/Windowsゲームの2.4倍、ゲーム専用機ゲームの2.9倍だった。2019年のモバイルゲームの売上は他のプラットフォームのゲームの総額より25%も大きかった。App Annieは今年は1000億ドルの大台に乗るものと予測している。

パズルやアーケードを筆頭とするカジュアルゲームはダウンロード回数では2019年のトップだった。シューティングや ロールプレイングなどの本格的ゲームはダウンロード回数の18%を占めるだけだったが、ゲーム時間では55%を占めてジャンルのトップだった。Androidのアクション系ではシューティングゲームのPUBG Mobileが利用時間のNo. 1で、パズルのAnipop がカジュアルゲームのトップとなった。

本格的なゲームの売上はゲーム売上の76%を占め、カジュアルゲーム(18%)、 オンラインカジノ(6%)を大きく引き離した。

2019年では2017年に比べて500万ドル以上の売上を得たゲームの数が17%増えている。売上1億ドル以上のタイトル数は同期間に59%も増えている。一方、従来型のゲームとはタイプが違うタイトル向けにiOSゲームではApple Arcadeが開設されている。ただしこのストアの売上は外部からはまったくモニターできない。このストアはApp Annieの将来に問題を引き起こすかもしれない。

App Annieはこのほか、フィンテック、ソーシャルなどのバーティカルも調査している。フィンテックアプリのユーザーベースの伸びは伝統的なバンキングアプリの伸びを上回っている。ショッピングアプリのダウンロードは対前年比で20%増加して54億回となっている。ストリーミングでは2019年のコンテンツ視聴セッション数は2017年に比べて50%増加した。またモバイルの総利用時間のトータルのうちの50%はソーシャルネットワークなどのコミュニケーションアプリが占めた。

2019年に世界で210%の急成長を達成したショートビデオサービスのTikTokは特に注意深く検討されている。ただし全利用時間の8割は中国内のユーザーによるものだった。

2019年にモバイルアプリに強い影響を受けたビジネスは、ライドシェア、フードデリバリー、デート、コンテンツストリーミング、ヘルスケアとフィットネスだった。

同社が注目した点には、オンライン通販を専門とするショッピングアプリが物理店舗の企業のショッピングアプリに比べて1ユーザー1カ月あたりで3.2倍も利用されていることだ。App Annieのレポートにはこのほかさらに詳しい分析が載っている。

App Annieではまたアクティブユーザー数、ダウンロード数、売上をキーにした2019年トップアプリのリストを作っている。 ゲーム以外のアプリのエンゲージメントでは依然、Facebookグループのアプリが上位を独占している。世界のアクティブユーザー数ではトップがWhatsApp、以下Facebook本体、Facebook Messengerが続き、4位がWeChat、5位が再びFbグループのInstagramという結果だった。

ただし消費者の支出となると2019年ではTinderがトップ、Netflix、Tencent Video、QIYI、YouTubeなどエンタテインメント系アプリが続いている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

App Annieが2010年〜2019年のアプリとゲームの総合トップ10を発表

モバイルアプリの分析企業であるApp Annieは、2019年のモバイルアプリ、ゲームのトップ10に加えて、2010年代のアプリ、ゲームの動向をDecade in Reviewとして発表した。

こには2010年から2019年までの10年間で最も人気があったアプリとゲームがトップ10としてリストアップされている。ダウンロード数の上位をFacebookグループが占めたのは意外ではないだろう。ダウンロード回数のトップはFacebook本体、以下Messenger、WhatsApp、Instagramと4位まで独占した。ちなみにゲームのダウンロード数トップは、インドでの大ヒットのおかけで、Subway Surfersだった。

このレポートの対象はiOSとGoogle Playのデータであり、中国の独自ストアなどサードパーティからのダウンロードは入っていない。しかし世界的なトレンドを把握するには問題ないだろう。

ゲーム以外でこの10年間の最多ダウンロードアプリがFacebookのものだったというだけでなく、Facebooはそれらのアプリ、Facebook、Messenger、WhatsApp、Instagramを現在も運営している。独占の体制の威力をいかんなく示したといえるだろう。一方、Facebookの直後に続く5位にランクインしたのはSnapchatだ。 Facebookが数十億ドルを用意して買収を図ったのはもっともだった。

Skypeが6位、Twitterが10位に入り、コミュニケーションとソーシャルメディアがこの10年のダウンロード数のトップ10のうち7つを占めた。


ゲームを別にすると、ビデオストリーミングと音楽関係のアプリがユーザーの支出のトップ分野となった。1位は Netflixだったが、Pandora Musicが3位、Tencent Videoが4位に入っている。

2019年の売上トップとなったTinderも2位につけたが、この10年のトータル売上のトップはやはりNetflixだった。4位に日本のLINE、これにiQIYI、Spotify、YouTube、HBO NOW、Kwaiが続いた。

【略】

ゲーム分野の売上チャートのトップはSupercellのClash of Clans、3位がCandy Crush Sagaだったがダウンロード数でもランクインしたのはこの2タイトルだけだった。ゲーム売上では日本勢が目立ち、ミクシィのモンスターストライク(2位)、ガンホー・オンライン・エンターテイメントのパズル&ドラゴンズ(4位)、ソニーのFate/Grand Order(5位)だった。

以下、Tencentの王者栄耀(Honour of Kings)、NetEaseの夢幻西遊(Fantasy Westward Journey)、Niantic/任天堂のPokémon GOと続いた。

売上トップ10のタイトルの多くは各年度末のチャートでもトップ10に入っているが、順位は必ずも比例していない。近年人気にかげりが見えるタイトルもある。

例えば、この10年の売上リストでトップのClash of Clansは2019年のチャートでは8位だ。「ゲーム・オブ・スローンズ」のヒットで8位に入っているコンテンツストリーミングのHBO NOWはシリーズが終了したことで2019年のランク入りは逃している。一方ユーザー側のトレンドとしてはTikTok、Likeeのようなショートビデオへのシフトがみられる。これらは2019年のダウンロード数でそれぞれ4位、7位7を占めている。

【Japan編集部追記】ゲームのダウンロード数のチャート画像は記事内にない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

【以上】

App Annieが2019年のモバイルアプリやゲームのiOS/Android総合トップ10を発表

App Annie(アップ・アニー)が発表した今年の年間レポートによれば、世界のモバイルユーザーは2019年末までにApp StoreとGoogle Play から合計1200億回のダウンロードを行うことになるという。

これは2018年から5%のアップで、再インストールやアップデートのダウンロードは含まない新規ダウンロードだけの回数。ダウンロード回数の新記録という、注目すべき数字だ。2019年の両ストアの売上合計は900億ドル(約9兆8650億円)に近づいており、対前年比で15%のアップだ。このレポートには今年のダウンロード回数、売上などのトップ10もリストアップされている。

世界で最もダウンロード回数が多かったアプリ(ゲームを除く)の顔ぶれは今年も比較的安定していた。シンガポールに本拠を置くショートビデオのLikeeが唯一の新顔だった。ここではTikTokが4位となり、FacebookグループのInstagramだけでなくSnapchat、Netflix、Spotifyも上回った。ただし今年もダウンロード回数トータルではFacebookグループが圧倒しており、Messengerが1位、Facebook本体が2位、WhatsAppが3位だった。

ゲームのダウンロード回数はアプリよりはるかに入れ替わりが多く、トップ10のうち7タイトルが今年の新顔だった。カジュアルカーレースのFun Race 3D、人気シューティングゲームのモバイル版であるCall of Duty: Mobileがこの乱戦に割り込んだのが目立つ。

アプリ売上ではゲームが圧倒的な割合を占めるが、今年のトレンドはサブスクリプションの伸びだった。ゲーム以外のジャンルでの売上の成長は写真とビデオ、エンタテインメント分野が中心となり、App Annieではこのトレンドは2020年に継続するものと予測している。今年大人気となったDisney+のサブスクリプションの売上も来年はリスト入りしてくるかもしれない。この分野ではHBO Max、NBCUのPeacock、ジェフリー・カッツッェンバーグのQuibiといったメジャーなサービスの開始も予定されている。

App Annieが報じたとおり、すでに多くのアプリがサブスクリプション・モデルを採用している。2019年9月を終期とする年度で、ゲーム以外の売上トップ100のアプリの95%はアプリ内課金によるサブスクリプションだった。アプリ、ゲームのパブリッシャーがサブスクリプションを採用するトレンドは今後も継続し、消費者の支出を押し上げるだろうと同社は予測している。

昨年はNetflixが首位だったが、今年はデートアプリのTinderがNetflixを押しのけて1位となった。昨年は「ゲーム・オブ・スローンズ」のおかげで好調だったHBO NOWが今年はトップ10入りを果たせなかった。かわりにLINEマンガが滑りこんだ。Tencent VideoとiQIYIは昨年と同順位だったが、YouTubeは7位から5位に上昇し、逆にPandoraは5位から6位に順位を落とした。

App Annieでは今年は「ブレークアウト」という新しいジャンルを作り、今年人気が出たアプリ、ゲームをリストアップした。これはダウンロード数、売上の各分野で対前年比伸び率が最大だったタイトルだ。ダウンロード回数では7位だったYY IncのLikeeが今年のブレークアウト・アプリのトップとなっている。2位も同じYY IncのNoizz、4位も同社のアプリでインドで人気が出たソーシャルゲームのプラットフォームのHagoだった。ブレークアウトの3位はByteDanceのHeloとなっている。Good Job Gamesのタイトルが1位から3位まで独占しているのが目を引く。

売上のブレークアウトにはYouTube、iQIYI、DAZN、Tencent Videoなどが入っている。顔ぶれは他のトップ10に近い。ゲーム分野ではハイパーカジュアル系タイトルがトップ10のうち7つを占めた。話題のリリース、任天堂のマリオカートツアーとActivisionのCall of Duty: Mobileもランクインしたが、やはり消費者の支出はハイパーカジュアルのようだ。

【Japan編集部追記】App Annieには日本におけるiOSアプリ、ゲームについてのリストも公表している。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

App AnnieからGoogle Play Storeに10年目の成績表――Facebookとゲームがダントツの強み

Android MarketとしたスタートしたGoogle Playは先ごろ10年目の誕生日を迎えた。App Annieが最近リリースしたレポートによれば、Google Playのダウンロード数はiOSのApp Storeの2倍、2017年の世界のアプリ・ダウンロードで70%のシェアを占めたという。このレポートはAndroidのユーザー行動とGoogle Playの市場の特質についても調査している。

ただしダウンロード数で圧倒的なシェアを誇るわりに、世界市場でのGoogle Playの売上シェアは34%だ。これに対して2017年のiOS App Storeのシェアは66%と2倍近い。しかもこの数字はここしばらく安定している。

こうした統計は双方のアプリ市場に関する一般的な評価を裏付けるものといっていいだろう。つまりAndroidは新興国市場に対する低価格モデルを含めたデバイスの供給チャンネルの多様さに助けられてダウンロード数では圧倒的だ。しかしAppleのエコシステムのほうが売上ははるかに大きい

またApp Annieによれば、APAC(アジア太平洋圏)がGoogle Playの消費者向け売上の大半を占めている。また世界の市場でも日本が最大だった。アプリおよびアプリ内課金の売上は251億ドルでチャートのトップを占めている。2位に続いたのは193億ドルのアメリカ、3位が112億ドルの韓国だった。

App Annieによれば、日本におけるGoogle Playの成功はキャリヤ課金によるところが大きいという。キャリヤ課金がGoogle Playにおける消費者の支出を促す傾向は韓国、台湾、タイ、シンガポールでも認められた。

では消費者はどんなジャンルに金を使っているのか? 言うまでもなくゲームだ。

レポートによれば、ゲームがダウンロード数で占める比率41%だが、売上では88%だった。

ゲーム以外のジャンルでもアプリ内課金は成長している。

2017年のゲーム以外のアプリの売上は270億ドルに達した。1位のLINE以外、トップ5アプリのうち4つはサブスクリプション・モデルだ。2位はTinderで以下、Pandora、Netflix、HBO NOWが続いた。

App AnnieはGoogle Playの利用状態も調査し、Androidユーザーは大量のアプリをインストールする傾向があることを発見している。アメリカと日本では60種類以上のアプリがインストールされており、毎月30以上のアプリを利用している。利用アプリの数では首位がオーストラリア、2位がアメリカで、以下韓国、日本、イギリスと続く。トップ3カ国のユーザーは100以上のアプリをダウンロードし、40前後のアプリが利用されている。

下のリストはダウンロード数と売上それぞれのトップアプリを示したものだ。当然ながらFacebook関連アプリがダウンロードのリストの上位を独占している。また売上ではパズル&ドラゴンズ、モンスターストライクなどのゲームやアプリ内課金を持つプロダクトが強い。

レポートによれば、Google Playは2008年のスタート以来、1000万近いアプリをリリースしている。もちろんそのすべてが現在でも登録されているわけではない。現在、Google Play上にあるアプリは280万種類だという。

 

App Annieのレポート全文はこちら

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滑川海彦@Facebook Google+

Prime Dayの影響でアメリカのeコマース全体のセールスが54%アップ

AmazonのPrime Dayセールス今年も新記録を作ったが、この一大キャンペーンの影響でアメリカのeコマース全体が大きく活気づけられた。Adobe Analyticsのデータによれば、年間売上10億ドル以上の大手リテラーは通常の火曜日と比べて、Prime Dayの火曜日にはセールスが平均して54%アップしたという。Adobeによれば、それぞれのサイトでのコンバージョン額がアップしているという。

Adobeのレポートのトップには上がっていないが、大手リテラーのTargetによれば、火曜日に実施したワンデーセールは訪問者数、売上とも同社として2018年最大のオンライン・ショッピングの日となったという。「何百万もの顧客が何百万ものアイテムを注文した。現在鋭意発送中だ」とTargetは述べている。ちなみに、これらのオンライン注文商品の90%はTargetストア自体が販売、発送する。明らかにAmazonのビジネスモデルとは異なる。

eBayは、たまたま今日が四半期決算の発表日のため、Prime Dayのセールスの結果を発表していない。しかしeBayはメーカー希望価格の8割引きのアイテムもあると広告していた

一方、Walmartは事前登録不要で2日以内の無料の配送という好条件で消費者の関心をを引きつけようと努力した。 AmazonがEcho製品を大幅ディスカウントしてきたのに対抗して、WalmartではGoogle Homeデバイスを大幅値下げした。

これに関連して、AppleのApp Storeのアナリティクスを専門とするApp AnnieでもPrime Dayがモバイルに与えた影響を発表した。それによるとAmazon以外でもショッピング・アプリのダウンロードが増え、「リテール」カテゴリーのダウンロードが全体としてアップした。これによってTarget、eBay、Kohl’s、Macy’sのようなAmazonのライバルとなるリテラーの売上のアップにつながった。

App Annieによると、Amazonアプリのダウンロードは顧客が日曜日にPrime Dayの準備を始めたときから増加し始めた。 これによりアメリカにおけるiPhoneアプリの総合ダウンロード・ランキングは17位から9位にジャンプした。

ただしPrime Dayによってすべてのリテラーが追い風を受けたわけではない。Adobeによれば売上500万ドル以下のニッチ・マーケットでのリテラーの場合、オンライン売上はPrime Dayの期間中、平均18%ダウンしたという。

Adobe Analyticsは4500のeコマース・サイトで5500万種類のSKU(sotck keeping unit=販売単位)と1兆回のトラフィックを処理している。Adobeはアメリカにおけるトップ100のウェブ・リテラー中80箇所についてオンライン購入活動を詳しく評価している。

Prime Dayは〔アメリカで〕新学年が始まるシーズンへの好発進のきっかけとなったようだ。7月から9月にかけての四半期のアメリカ市場は2018年でいちばん高い成長率を記録するものとAdobeでは予測していた。新学年のショッピングシーズンにはオンラインのみで577.9億ドルの売上があるはずだという。

画像:Sari Montag / Flickr under a CC BY-SA 2.0 license.

〔日本版〕以下のエンベッドはAdobeのDigital Dollar Reportの第2四半期に関するスライド全文(7/17公開)。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

モンストやLINEも登場、iOSアプリ過去10年間のDL数・消費支出ランキング

アプリ市場データを提供するApp Annieは7月9日、「iOS App Store」の10年間のダウンロード数・消費支出ランキングをまとめたレポートを公開した。

App Storeは2008年の開始から今年で10周年を迎える。日々新しいアプリが世界各地で生まれているが、App Annieによるとこれまでにリリースされたアプリの累積本数は450万本に上るようだ。

発表されたレポートの中には、モンスターストライクやLINEなど日本でもおなじみのサービスがいくつか含まれているので、今回はその辺りを中心にレポートの一部を抜粋して紹介したい。

ゲームアプリDL数1位はキャンディークラッシュ、モンストやパズドラの名前も

まずはゲームアプリのランキングから。ダウンロード数1位は日本でも知名度の高い「Candy Crush Saga(日本ではキャンディークラッシュ)」。同サービスは2012年4月にFacebookアプリ版からスタート。そこから世界でも有数の人気を誇るアプリへと成長している。

一方で消費支出ランキングを見てみると、ダウンロード数ランキングとはその顔ぶれも大きく変わってくることがわかる。

トップにランクインしたのは「Clash of Clans(クラッシュ・オブ・クラン)」。そのほか3位には「モンスターストライク」、4位には「パズル&ドラゴンズ」といった日本発のサービスの名前も。

また10位の「Pokémon GO」については、2016年のローンチから2年で10年間の消費支出ランキングのトップ10入りしている。

非ゲームアプリではDL数トップ5の内、4つがFacebookのサービス

非ゲームアプリのダウンロード数ランキング1位は「Facebook」。パブリッシャーの名前をみると明らかなように、トップ5の中にFacebookグループのサービスが4つもランクインしている。

個人的に少し意外だったのがSkypeが8位に入っていることだろうか。とはいえ今でこそ代替手段となるサービスも生まれているが、Skypeを初めて知った時は衝撃的でワクワクした覚えもあり懐かしい。

消費支出ランキングについては動画配信サービスの「Netflix」が1位、音楽ストリーミングサービスの「Spotify」が2位とサブスクリプション型サービスの代表格がランクイン。6位には「LINE」が入っている。

過去のランキングを見ると懐かしいサービスも

今回のレポートでは累計だけでなく、各年度ごとのランキングも発表された。全てを紹介することは難しいので、懐かしいアプリもランクインする2010年のデータをピックアップしてみたい。

ちなみに2010年といえばAppleが「iPad」を発表した年であり、インスタこと「Instagram」がスタートした年でもある。

この年のダウンロード数1位のアプリは「Talking Tom Cat」。その名の通りアプリで猫と会話ができるペットアプリだ。

そのほかを見てみると今でも人気のアプリが並ぶが、9位には「Bump」の名前も。スマホ歴が長いユーザーの方なら一度は使ったこともあるであろう、スマホ同士を軽くぶつけることで連絡先が交換できるあのアプリだ。Bumpは運営元がGoogleに買収された後、2014年にサービスを終了している。

消費支出ランキングを見てみると「Documents To Go」や「Quickoffice」のようにモバイル端末からドキュメントの確認や編集ができる仕事系のサービスがランクインするなど、現在とはだいぶトレンドが違っている。

なお2018年5月時点のランキングはこちら。年度ごとに人気アプリを見比べてみるのも面白い発見がありそうだ。

 

iOS App Store、2010年以来のダウンロード数は1700億回、売上は1300億ドル

AppleのApp Storeでは過去10年間に1700億回のダウンロードがあり、消費者の使った金額は1300億ドルを越えている。このデータは、アプリ調査会社のApp Annieが今日(米国時間5/31)公開したもので、App Storeの10周年に因んでこれまでの成長と傾向を振り返っている。ただしこれらの数字は全貌を表すものではない。iOSのApp Storeは2008年7月10日、わずか500本のアプリケーションでスタートしたが、App Annieの設立は2010年だ。このためレポートの歴史的データは2010年7月から2017年12月までが対象だ。

それは、実際の数字はApp Annieが確認できるよりもさらに大きいことを意味している。

iOS App Storeの売上成長は、ダウンロード数の成長を上回り、2015年から2017年の間にほぼ2倍に増えている。

iOSデバイスのオーナーが、アプリにお金を使うのが大好きらしいという意味でもある。

iOS App Storeは全世界ダウンロード数のわずか30%しかシェアを持っていないが、消費者の払った金額の66%を占めているとレポートは言っている。

しかしそれは、iOS対Androidの戦いの全体を表してはいない。なぜならGoogle Playは中国では利用できないからだ。App Annieのデータはこの点では不完全であり、中国のサードパーティーAndroidアプリストアを数えていない。

現在中国は、Google Playがなくてもアプリストア売上の大きな部分を占めている。事実アジア太平洋地域は消費者が使った金額の60%近くを占めている。これは2014年10月にiPhone 6/6 Plusが中学で発売されて以来の傾向だ。

しかし、アプリストアのこれまでの傾向(App Annieのデータがある2010年7月以降)を見ると、わずかな差でアメリカがリードしている。中国が急速に追い上げてはいるがオールタイムのダウンロード数では401億回のアメリカが39.9億回の中国をリードしており、売上金額360億ドルでも中国の277億ドルを上回っている。

iPhoneユーザーはアプリのヘビーユーザーであることもレポートは指摘している。

2017年、いくつかの国では100以上のアプリがインストールされている。オーストラリア、インド、中国、ドイツ、ブラジル、日本、韓国、インドネシア、フランスの各国がそうで、米国、英国、メキシコがそれぞれ平均96、90、89で続いている。

もちろん毎月使っているアプリの数はずっと少ないが、それでも30後半から40前半だとApp Annieは報告している。

レポートはゲームの与えている影響も調査している。2017年のゲームのダウンロード数は全体の31%だが、売上の75%を占めた。アジア太平洋地域はここでも大きな役割を果たしており、ゲームダウンロード数34億回、売上193億ドルだった。

サブスクリプション(定期購読利用)は新しいトレンドだが、アプリスストアの売上にはすでに大きく貢献しており、2017年に106億ドルが消費された。これは主としてNetflix、Pandora、Tencent Videoを始めとするメディアストリーミングアプリによるものだが、出会いアプリのTinderもアプリ売上で世界トップ5に食い込んでいる。

サブスクリプションその他のトレンドの後押しを受け、iOS App Storeの売上は2022年までに2017年から80%増加して757億ドルに伸びるとApp Annieは予測している。

現在アプリストアには200万本のアプリが登録されているが、これまでの合計は450万本に上る。その多くはApple やデベロッパーによって削除されたため、現在残っているアプリはずっと少なくなっている。

グラフを含むレポート全文はここで見ることができる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Google Play、2017年Q4は190億ダウンロードで新記録――途上国のスマホ化進む

途上国市場でスマートフォンの普及が進んだことも追い風となり、Google Playにおけるダウンロード数が同ストアの四半期の新記録を達成した。今日(米国時間1/25)のApp Annieのレポートによれば、 2017年第4半期におけるGoogle Playのアプリダウンロードは190億回以上となった。 今回の新記録達成でGoogle PlayとiOSのダウンロード数の差も過去最大となり、Google Playが145%上回った。

Google Playは対前年比でダウンロード数で10%のアップとなったが、これにはインド、インドネシア、ブラジルにおける成長が貢献している。

特にインドの第四半期では、iOSとAndroidを合計したダウンロード数が初めてアメリカを上回った

ではこうした新たなユーザーがどんなアプリをダウンロードしているのか、というとゲーム、ファイナンス、カスタマイズ・ツールだという。 ファイナンス・アプリはiOSでも堅調で、第4四半期のジャンル別ランキングで2位となった。銀行と投資に関連するビジネスはモバイルに大きくシフトしている。また暗号通貨への関心も高い。

App Annieではこのファイナンス部門の成長はアメリカにおける納税の時期が近くづくため2018年第1四半期も続くと予想している。銀行はますますモバイル分野に投資を続ける入れるという。

他方、ショッピング部門はiOSの第4四半期をリードしたが、これはAlibabaの独身者の日やサイバーマンデーの主戦場がモバイルに移ったことが背景にある。

iOS、Androidともアプリ内での消費は拡大している。

iOSはショッピング分野の消費額でAndroidを大きく引き離しており、第4四半期での取扱額は全世界ベースでAndroidの2倍近い115億ドルだった。この結果にはアメリカ市場の動向が大きな影響を与えているといいう。iOSとGoogle Playを通じてモバイル・ショッピングの取扱額シェアでアメリカ市場が最大だった。

両プラットフォーム合計でモバイル・ショッピングの3位はドイツだったが、台湾はiOSで、韓国はGoogle Playでそれぞれ2位に食い込んだ。App Annie調査によれば、Samsungの母国である韓国ではAndroidのシェアが極めて高い。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebook陣営がソーシャルで圧倒的人気も、日本はLINEが1位――App Annieの2017年アプリ市場調査

アプリ市場データを提供するApp Annieは1月18日、2017年のアプリ市場のデータやトレンドをまとめたレポートを公開した。

同レポートでは主要国ごとのアプリ市場についてや、「ファイナンス(フィンテック)」「ソーシャル」「ゲーム」など各カテゴリにおけるマネタイズのポイントにいて分析している。本稿では日本市場の話や国内でも注目度の高い分野のトピックを中心に抜粋して紹介する。

中国市場が急成長、日本のアプリ消費支出は13億ドル突破

まず2017年の世界市場動向についてだが、アプリダウンロード数は2015年に比べて60%増加。ユーザー単位で換算すると1ユーザーが毎月新規で2本以上のアプリをダウンロードしたことになるという。

Google Play、App Store、サードパーティのAndroidストアを合計した消費支出についても2015年から2倍以上増えて860億ドルを突破(世界の映画興行収入の195%以上だという)。中国市場の成長が著しいが、アメリカや日本などの市場も顕著に成長。消費支出は今後も増加が見込まれる。

日本単体でも2017年度消費支出は13億ドルを突破。2015年度に比べ60%増加した。

フィンテック、仮想通貨が注目を集める

世界ではもちろん、国内でもモバイルに最適化したフィンテックアプリは増えてきている。口座情報の集約や決済、資産運用など、従来は既存の金融機関や関連の事業会社が担ってきたサービスをアプリでわかりやすく提供するフィンテック企業が注目を集めている。

日本においてもアメリカや韓国には少し劣るが、フィンテックアプリ上位5つの平均MAUは1年前に比べてわずかに増加。急速に拡大していくのは、もう少し先になるのかもしれない。

金融というくくりでは、特に今注目を集めているのが仮想通貨関連のアプリだ。(ここ数日で暴落してはいるが)2017年の1年間でビットコインをはじめとした仮想通貨の価格が大いに跳ね上がった。

日本でも大手取引所がテレビCMを実施。さまざまなメディアで取り上げられたこともあり、アプリストアのランキングでも一時期上位に食い込んだ。

Facebook陣営が圧倒的な影響力も、日本ではLINEが1位

数あるアプリの中でも多くの人が頻繁で使うであろう、メッセンジャーやSNSといったソーシャルアプリ。実際世界で20億人以上がソーシャルアプリで上位5位に入るもののうち、少なくとも2本を毎月利用しているという。

国別で人気のアプリを見ると、FacebookやFacebook Messenger、Instagram、WhatsAppなどFacebook陣営が圧倒的な人気を誇る。そんな中、他の国と異なる様相を呈しているのが日本と韓国、中国だ。

日本では2位と3位にFacebook陣営のアプリが入るも、1位はLINE。韓国と中国に関しては、日本以上に国産のアプリが並ぶ。

成長が続くゲーム市場、日本は2年で60%成長

アプリの消費支出という面ではいまだに大きなシェアを誇るゲーム市場。数年前から巨大な市場ではあったが、現在も拡大傾向にあり国内は2年間で支出額60%増加した。中国に至っては250%増加、Tencentが提供するHonor of Kingsは世界の年間収益ランキングでトップを獲得している。

日本のゲーム市場については国外パブリッシャーが大きな存在感を放ったことに加え、任天堂の各種IPやみんなのゴルフなど、もともと人気のあるIPがアプリに参入した影響も大きいという。

また全体でみるとまだ割合は小さいものの、Pokémon GOのようにARを活用したアプリにも期待があつまる。Nianticが開発中とされているハリー・ポッターを題材にしたARゲームはもちろん、ゲーム以外のエンタメ領域で今後少しずつ影響力を増していくのではないだろうか。

今回取り上げたフィンテックや仮想通貨、ARは日本の投資家達に2018年のスタートアップ・トレンドを考えてもらった際にも、よくあがってきたジャンル。今年は昨年以上に関連のニュースが増えそうだ。

1時間あたりの平均アプリ支出額、日本が世界1位――App Annieが調査

アプリ市場データを提供するApp Annie(アップアニー)は7月12日、アプリ市場の現状を分析するとともに2021年までの動向を予測した「マネタイズモデル調査レポート」を公開した。このレポートではアプリストア収益、アプリ内広告、およびモバイルコマースの3つの観点からアプリ市場の今を調査している。

本稿では1時間あたりの平均支出額では日本が世界で1位であることと、特に今後の成長が見込まれるモバイルコマース市場に着目した。

1時間あたりの平均支出額、日本が13ドル越えで世界1位

このレポートでまず目を引くのが、「ユーザー1人あたりの1時間の平均支出額」では日本が世界で群を抜いているということだ。

この平均支出額というのはアプリストア、アプリ内広告、モバイルコマースを合計したもの。2016年の全世界平均が0.80ドルであることに対し、日本の場合は13.98ドル。この金額は2021年にかけてさらに伸び、18.42ドルになると予測している。

またApp Annieでは日本の支出額が大きい要因として、特にアプリストアとモバイルコマースの支出水準の高さをあげている。その1例として日本はアプリストアにおけるデバイス1台あたりの平均支出額が123ドルでトップ。2位のシンガポールの約2倍(67ドル)を圧倒的な水準を誇っている。

今後急成長が見込まれるモバイルコマース

今後伸びていく市場、マネタイズモデルという観点では特にモバイルコマースに注目しておく必要がある。世界のモバイルコマースにおける総支出額は2021年に6兆100億ドルに達する見込みだ。

App Annieの調査によると単独ではモバイルおよびアプリ市場の最大の成長要因になっているというモバイルコマースだが、今後も他のマネタイズモデルを上回るペースで成長していくという。2016年のユーザー1人あたりのモバイルコマースへの支出額は344ドルだが、この金額は2021年には946ドルまでになるというから驚きだ。

確かに日本国内に目を向けてもここ最近モバイルコマース関連のニュースが多く、中でも「ライブコマース」が盛り上がってきている。つい先週もメルカリがライブコマースに参入したことが話題になったし、6月にはCandeeがライブコマースアプリ「Live Shop!」の正式提供を開始したニュースも注目を集めた。Live Shop!の記事では「淘宝(タオバオ)上では、1回の生放送で視聴者数が数千人、年間売上二桁億円」という事例があることにも触れたが、このような事例がさらに増えていくことも十分に考えられるだろう。

 

 

1人あたりのアプリ所持数、日本が世界1位――App Annieが発表

私たち日本人にとって、アプリ(特にゲームアプリ)は生活に欠かせないものであるようだ。

アプリ市場データを提供するApp Annie(アップアニー)は5月12日、アプリの利用状況に関する調査レポートを公開した。これは、ユーザーのアプリ利用時間や所持数を国別に分析したもの。

今回の調査により、日本人1人あたりのアプリ所持数は平均100本以上で世界第1位であることが分かった。だが、本当に興味深いのは、この結果から読み取れる日本人のアプリの使い方に関する特性だ。

日本人が実際に利用するアプリの数は月平均で約30本以上。所持数との割合を考えると、他国より低い数字だと言えるだろう。だが、1日平均の利用数を見ると日本は世界5位の約10本となっている。

これについてApp Annieは、レポートの中で「(日本人の)アプリ所持数自体は世界に比べ高い数値を出していたものの、1日あたりの利用本数は平均値でした。日本は様々な種類のアプリをインストールし、その中から必要なものを数本ずつ毎月利用するという特性が垣間見れる」と分析している。

そのほかにも、日本人のゲームアプリの利用時間は1日あたり1時間を超え、同程度の時間をゲームに費やす日本と韓国が他国を圧倒していることも分かった。

他の国々の結果を見ても、モバイルゲームの平均利用時間は調査対象となったすべての国で2015年から2017年にかけて増加していることが分かる。これについてApp Annieは、「アプリストアの収益全体に占めるゲームの割合は約75%を占めているが、世界的にゲームゲームプレイ時間が増えている点は、モバイルゲームが今後も引き続きパブリッシャーに大きなビジネスチャンスをもたらすであろうことを示唆している」とコメントしている。

ところで、TechCrunch Japanでは以前に同じくApp Annieが発表したアプリの収益ランキングを取り上げたことがある。

アプリの収益ランキングTOP5

1位 Tencent 中国
2位 Supercell フィンランド
3位 NetEase 中国
4位 Machine Zone 米国
5位 Activision Blizzard 米国

上位の企業はいずれもゲームアプリに強い企業だ。1位のTencentはコミュニケーションアプリの「WeChat」のイメージが強いが、スマホゲームにもフォーカスする企業でもある。同社の2016年第4四半期の決算では、総収益が約63億ドルであった一方、スマホゲーム単体で15.5億ドルを稼ぎ出している。また、2位にランクインしたSupercell(「クラッシュ・オブ・クラン」で有名)は2016年6月にTencentに買収されている。

同じく、中国のNetEase、アメリカのMachine Zone、Activision Blizzardはいずれもスマホ向けゲームアプリを手がけている。

レポート:スマートフォンでのアプリケーション利用本数は9本/日、30本/月

App Annieの新しいレポートによれば、スマートフォン利用者は、1年前にくらべてより多くの時間をアプリケーション上で過ごすようになっているようだ。利用するアプリケーション数は、月間30本以上なのだとのこと。インストールしているアプリケーションの3分の1ないし2分の1を使っている計算になるのだそうだ。アプリケーションを利用するのは日々の行動としてすっかり定着しているようで、1日平均でも9本のアプリケーションを利用しているのだとのこと。

アプリケーションの利用が多い国はインド、ブラジル、中国、韓国、アメリカ、フランス、日本、そしてメキシコとなっている(下図参照)。

iPhone利用者は、Android利用者より多くのアプリケーションを利用する傾向もあるようだ。但しゲームについては、Android利用者の方が30%以上多く利用しているのだとのこと。

ところで、ここまでの内容をみて、1日に10本程度のアプリケーションを利用するとは、以前にくらべて多くなったと思う人もいることだろう。 2015年のForrester Researchのレポートによると、アプリケーションストアからダウンロードした「ノンネイティブ」のアプリケーション利用数は5本程度とのことだった(ここでいう「ノンネイティブ」とは、メールやカレンダー、テキストメッセージなどのように、スマートフォンに最初からインストールされていたもの以外のこと)。

ここで注意すべきは、このForresterのレポートからは、プレインストールされているアプリケーションが除外されていることだ。今回のApp Annieのレポートでは、そうしたプレインストールアプリケーションも数に入っている。App Annieのレポートでは、iPhoneではユーティリティ、Androidではツールのジャンルが月間で最も利用されているが、こうしたジャンルで大きな割合を占めるのは、iPhoneではSafari、AndroidではGoogleアプリであるそうだ。

すなわち、App Annieのレポートからプレインストールアプリケーションを除けば、利用アプリケーション数については、かつてのForresterレポートと同様の数値になるというわけだ。

Nielsenのレポートでもいっていたが、すくなくとも今のところは利用するアプリケーション数になんらかのリミットがあるようにも思われる。Nielsenのレポートが出されたのは2015年のことだったが、月間のアプリケーション利用数を26ないし27本としていた。App Annieの最新レポートでは30本程度ということだが、数は大きく変化していないとみることもできる。

こうしたアプリケーション利用本数については「30:10ルール」などという名前も付けられている。すなわち月間利用本数が30本で、1日の利用本数が10本程度になっていることを示すものだ。

ユーティリティやツールについで人気のカテゴリーとしては、ソーシャル・ネットワーク(iOS)、コミュニケーション(Android)、仕事効率化(iOSおよびAndroid)、そしてソーシャル(Android)となっている。デート関連および仕事効率化のアプリケーションが、立ち上げられる頻度が高くなっている。1日あたりの利用回数(セッション数)が4回となっている。

アプリケーションの利用時間は、この2年で伸びている。アメリカにおいては、平均で1日に2時間15分の利用時間となっている。年間でトータルすれば1ヵ月以上の時間をアプリケーション上で過ごす計算になる。韓国、ブラジル、メキシコ、および日本での利用時間はアメリカをさらに上回っている。1日の利用時間が、平均で3時間にも達しているのだ。

ちなみにブラジルおよびメキシコでは、利用時間の半分はソーシャルおよびコミュニケーションジャンルのアプリケーションで締められている。一方で韓国および日本では利用時間の25%がゲームとなっている。

今回の調査によれば、ほとんどの国において利用時間の80%以上はナンバーワン・アプリケーション以外で費やされているとのこと。WhatsAppやFacebookの存在は確かに大きなものではある。しかし新たなアプリケーションで利用時間を獲得することも、まだまだ可能であるようだ。

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(翻訳:Maeda, H

インターネットのトップOSはAndroid―初めてWindowsを抜く

現在、インターネットとアプリに関して、モバイルはデスクトップと同様の重要な地位を占めている。このことを明瞭に示すレポートが発表された。これによれば、インターネットで利用されているオペレーティング・システムの数でGoogleのAndroidがWindowsを追い越したという。ウェブ・アナリティクスの有力企業、Statcounterによれば、Androidはインターネット利用において初めてWindowsより大きなシェアを占めた。

2017年3月期の Statcounterのネットワークにおけるインターネット・トラフィックでAndroidが37.93%を占めた。これに対してMicrosoftのWindowsは37.91%だった。なるほど僅差ではある。またこのデータは活動を示すもので、実ユーザー数ではない。しかしこの数年明らかになっていたトレンドが一つの節目を迎えたことを示すものといっていいだろう。

Statcounterのネットワークは250万のサイトのデータをベースにしており、これは月間150億ページビューを生成している。下のグラフで明らかなようにWindowsとAndroidのシェアは長期にわたって差を縮めてきた。MicrosoftがWindows Phoneプラットフォームの失敗でモバイル分野を失った影響が大きいことが感じられる。

Statcounter: Internet usage based on operating systems Match 2012-March 2017

興味深い点は、Appleがモバイル分野への移行を早い時点で行っていたことだ。2017年3月期ではインターネットにおけるAppleのモバイル・ユーザー(iOS)数はデスクトップ(OSX)の3倍近くとなっている。

Statcounter: Internet usage based on operating systems during March 2017

AndroidとWindowsをめぐるこうしたトレンドはかなり以前からのものだ。 Windowsはデスクトップを制覇したし、今後もその優位は続くだろう。しかし世界レベルでデスクトップ・パソコンのセールスはこの5年間減少を続けており2008年の水準に戻ってしまった。これと対照的に、 スマートフォンのセールスは増加を続け、Androidがインターネットで使われるOSのトップとなった。スマートフォンの成長はインドのような途上国で特に著しい。ここではAppleも売上を伸ばしているものの、Androidがスマートフォンの9割以上を占める中でニッチな製品にとどまっている

アメリカなど先進国市場ではiOSとAndroidの比率はそれほど極端ではないが、アジア、アフリカ、中東、ラテンアメリカなどでスマートフォンの利用が急増することがAndroidのシェアに有利に働いている。Statcounterの先週のレポートでは、途上国市場におけるAndroidのシェアは圧倒的だ。たとえばインドでは79%、インドネシアでは(72%、中国では57%などとなっている。ただし先進国ではデスクトップの比重が大きく、アメリカでは37%、イギリスでは35%、ドイツでは30%だ。

こうしたトレンドは世界のデベロッパーの売上にも影響を与えている。世界のiOSアプリの売上で中国市場がアメリカ市場を抜いた。Androidはユーザーベースの巨大さにもかかわらず、収益性ではiOSに遅れを取っている。

最近のApp Annieのレポートによれば、 2016年のアプリダウンロード900億回のうちiOSは250億回を占めており、残りはAndroidだった。にもかかわらず、アプリのパブリッシャーの売上総額350億ドルの大半はiOSが占めていた。

しかしこれも近く変わりそうだ。App Annieの予測では、途上国における圧倒的な優位性のために2017年にはAndroidアプリの売上がiOSを初めて上回りそうだという。そうなればこれも大きな節目といえるだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

世界のモバイルアプリは引き続き成長、2021年の収益額は1391億ドルに——App Annieが市場予測

アプリ市場データを提供するApp Annie(アップアニー)は3月30日、2016年から2021年までのアプリ市場動向をまとめたレポート「App Annie市場予測2016-2021」を発表した。

このレポートによると今後世界のモバイルアプリ収益額は年18%の成長率で伸び、2021年には1391億ドルに達する見通し。日本は210億ドルで世界第3位をキープしているという。

グローバルアプリ市場の今後5年間

今後のグローバルアプリ市場の動向についてだが、ダウンロード数は年20%近いペースで増大し、2021年には3520億件に。収益額は年18%の成長率で、2021年には1391億ドルに達するという。

注目したいのは、モバイルアプリストアの売上状況の変化だ。単独のアプリストアとしては収益トップの座を維持し続けるiOSのApp Store。同ストアの売上は2021年の消費者支出総額が600億ドルを超える見通しである一方で、Google PlayとサードパーティーのAndroidストアは、ダウンロード数が年23%のペースで増加。2017年に合計の収益額でiOSを追い越す予想となってる。

この要因はインド、メキシコ、ブラジル、インドネシアをはじめとする新興市場でのスマートフォンとアプリの普及拡大だ。

またストア収益の成長と並行して、アプリ内広告やアプリ内コマースの収益が急増を続けていくという。

中国が市場を牽引、日本は世界第3位

2021年までダウンロード数、収益ともに最大の地域となるのはAPAC(アジア太平洋地域)。中でも市場をけん引していくのは中国で、今後ダウンロード数が大幅に増えると期待されれているのはインドだ。

中国ではモバイルアプリストア支出額が2021年に560億ドルを突破する見通し。内陸部へのスマートフォン普及が加速し、ダウンロード数が年19%のペースで増加。消費者支出も年24%のペースで増加すると予測されている。同年にはモバイルアプリストアの消費者支出が世界の41%を占めるほどになると考えられており、グローバル展開を目指すアプリ提供者にとっては外せない市場になるのではないだろうか。

インドではスマートフォンの普及が進み、結果としてアプリストアのダウンロード数も年28%のペースで増大、2021年には約230億件近くに達するとされている。その一方で現在はまだ普及率が高くないことに加え、成熟市場と比べて購買力が著しく低いことなどからアプリストアの収益については他国を脅かすほどまでには至らないとしている。

2016年の世界のアプリストア収益額において上位5カ国が占める割合は75%に上るが、中国を筆頭に米国、日本、韓国といった成熟市場の既存ユーザーが、ゲームやサブスクリプションへの消費をさらに増やす結果、2021年にはこの比率が85%に拡大すると予想されている。

レポートによると、2021年に日本のアプリストア収益額は210億ドルで、引き続き世界第3位をキープしているという。

アプリの収益、世界一はテンセント――App Annieがランキングを発表

アプリ市場データを提供するApp Annie(アップアニー)は3月7日、2016年の1年間におけるアプリの収益額ランキング上位52社を発表した。アプリで世界一収益を上げているのはTencentだという。

このランキングは同社の法人向けアプリ市場データサービス「App Annie Intelligence」の収益、ダウンロード、MAUといった指標に基づいて決定したもの。今年で6回目の発表となる。

アプリの収益額ランキング、トップ10

ランキングを発表する前、App AnnieのCEOバートランド・シュミット氏はこう語った。「現在1日に2時間はアプリを使い、1ヶ月で40個のアプリを使う、という結果があります。年々、アプリの利用時間は伸びていて、生活には欠かせないものになっているのです」。そのような状況の中、アプリビジネスを成功させている企業はどこなのだろうか?早速、ランキングを見ていこう。

1位 Tencent 中国
2位 Supercell フィンランド
3位 NetEase 中国
4位 Machine Zone 米国
5位 Activision Blizzard 米国
6位 ミクシィ 日本
7位 LINE 日本
8位 バンダイナムコ 日本
9位 ネットマーブル 韓国
10位 Niantic 日本

 

トップ10の順位はあまり変動しないものだが、今年はTencentが6位から1位に。そしてNetEaseが9位から3位に順位を押し上げるなど、昨年とは大きく異なる結果となった。

「この1年間でApp StoreとGoogle Palyの両アプリストアからパブリッシャーに支払われた収益は40%増加しました。特にアジア市場の成長は顕著で、中国がApp Storeの収益で最大の国になっただけでなく、アジア全体で189億ドルの収益をあげるほどになっているのです」とバートランド・シュミット氏が語るように、アジア勢の躍進が目立つ結果に。

また、52位までのランキングを確認すると、アジア市場の割合が大きいことがわかる。中でも日本の企業のランクイン数は最も多く、下記の17社が選出された。

ミクシィLINEバンダイナムコガンホー・オンライン・エンターテイメントSQUARE ENIXSONYコロプラサイバーエージェントディー・エヌ・エーコナミセガ・サミーNEXON(ネクソン)グリーgumi.、マーベラスKLabエイチーム

今年は、収益額ランキング以外にも、日本国内での収益(非ゲーム)、ダウンロード数、MAUに基づいたランキングも発表された。そちらも併せて紹介しておく。

国内収益ランキング(非ゲーム)、トップ10

順位 企業名
1位 LINE
2位 ココネ
3位 SQUARE ENIX
4位 集英社
5位 サイバーエージェント
6位 ディー・エヌ・エー
7位 LINE MUSIC
8位 小学館
9位 ボルテージ
10位 AWA

 

非ゲームアプリのランキングでは、コミッアプリ事業を展開する集英社と小学館、音楽ストリーミングアプリを展開するLINE MUSIC、AWAがランクインした。

国内ダウンロードランキング、トップ10

順位 企業名
1位 Yahoo Japan
2位 LINE
3位 サイバーエージェント
4位 バンダイナムコ
5位 SQUARE ENIX
6位 セガ・サミー
7位 リクルートホールディングス
8位 楽天
9位 KDDI
10位 ディー・エヌ・エー

 

ダウンロードランキングでは、Yahoo Japanを筆頭にリクルートや楽天、KDDIなど幅広い領域でアプリを展開している企業のランクインが目立った。

国内MAUランキング、トップ10

順位 アプリ名(iOS) アプリ名(Android)
1位 LINE LINE
2位 Yahoo!天気 Yahoo! Japan
3位 Yahoo!乗換案内 Yahoo!天気
4位 マクドナルド Yahoo!乗換案内
5位 Yahoo! Japan マクドナルド
6位 SmartNews LINE:ディズニーツムツム
7位 Yahoo!防災速報 楽天市場 ショッピングアプリ
8位 LINE:ディズニーツムツム ジョルテ
9位 楽天市場 ショッピング・通販アプリ SmartNews
10位 Yahoo!ニュース クックパッド

 

MAUランキングは収益ランキングとは打って変わって、ゲームアプリがほとんどランクインしていないのが印象的だ。

目まぐるしいスピードで変化していくアプリ市場。来年は一体、どのような企業がランクインするのだろうか?