FacebookがAndroidデベロッパ向けに便利なオープンソースツール3種をローンチ

今週行われたFacebookのデベロッパカンファレンスF8で発表されたものの多くがiOS関連だったが、今日(米国時間3/26)はAndroidデベロッパ向けに三つのオープンソースのツールがリリースされた。

最初のYear Classと名付けられたライブラリは、ユーザが使っているデバイスの古さ新しさに合わせてデベロッパがアプリの機能を自動的に変えられる。たとえば古いデバイス向けにはアニメーションの方式を変えたり、最新のスマホ向けには美麗な表示機能を有効にしたりする。Year Classは生物個体の出生年別分類を表す“年級”という意味で、CPUのスピードやコアの数、RAMのサイズなどから、ユーザデバイスがどんだけ古いか新しいかを判断する。下図は、各年の代表的な機種だ(もちろんAndroidに限定)。

第二のツールNetwork Connection Classは、同じくClassでも出生年ではなくネットワーク接続のクォリティを表す。たとえばHSPAという言葉は、実際の接続速度を表していない。Facebookによると、HSPAの実効速度には最大で5倍の開き(差)がある。

そこでデベロッパは、このツールを使ってユーザごとの実効速度を知り、アプリの機能を調整できる。Year Classに比べるとセットアップのためのコードが多くなり、また実効速度を知るためには最初にかなりの量のデータを集めなければならない。

第三のツールFrescoは、Androidアプリ用の画像ライブラリだ。とくに、アプリが複数の画像をロードしようとしたときに、巧妙なメモリ管理と画像のストリーミングにより、メモリ不足に陥らないようにする(GIFアニメなんかは、サイズが大きくなりがちだ)。

そのほかこのライブラリには、プレースホルダを表示する機能や、画像をキャッシングする機能がある。技術的な詳細は、ここで読める。

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Dockerコンテナを非専門家でも使えるようにした学生プロジェクトKitematicをDockerが買収

Dockerのインストールを大幅にスピードアップするツールKitematicのファウンダたちにとってそれは、目の回るようなあわただしい旅路だった。それまで無名の学生だった彼らは、ウォータルー大学の近くのアパートで二年近く前に、そのツールを発想した。

ところがその三人…Jeff MorganとMichael ChiangとSean Li…が今日(米国時間3/12)は、急に、その小さな会社をDockerに売ることになったのだ(価額は非公開)。彼らは急遽旅支度をしてサンフランシスコに向かった。

Dockerは彼らに、Docker社内の独立の部門として仕事をしてもらうつもりだ。DockerのプロマネJusten Stepkaによると、プロダクトの強化のため、必要ならその部門が新たに社員を雇用してもよい。

現在Kitematicは、Mac専用のツールとしてDockerコンテナのインストールや管理を単純化してくれる。ふつうに手作業でやると30分から1時間ぐらいかかる仕事が、ほんの数分で済む。そしてインストールしたDockerコンテナは、ワンクリックでローンチできる。

Stepkaの考えでは、これまで高度な専門知識と技術を要すると思われて、多くの人たちが敬遠していたDockerを、彼らのツールにより、誰もが気軽に使えるようになる。一般的に、難しいソフトウェアでも良質なGUIがあれば使える、という人が多くいるが、Kitematicはまさに、そういう人たち向けのツールだ、と彼は述べる。

もちろんDockerは、KitematicをMacオンリーのツールで終わらせたくはない。彼らのDocker入社後の初仕事が、Windowsバージョンの開発になるだろう。

三人のファウンダは学生時代に、アプリケーションの展開や管理を大幅に単純化する仕組みとして、Dockerのようなコンテナ技術に強い関心を抱いていた。そして、その単純化路線をさらに一歩も二歩も前進させる方法はないか、と考えた。それが、Kitematicの発想の起源だ。

彼らはまず、クラウドとデスクトップを同期化するツールのプロトタイプを作り、そのデモビデオをHacker Newsにポストした。ところが、まだ完成していないそのツールに、700名のデベロッパがサインアップしようとした。

その後、数社でのインターンを経験しながら彼らは自分たちのプロダクトを磨き、Docker専用のオープンソースのツールとしてKitematicを完成させた。それはGitHubでスターを2600稼ぎ、デベロッパたちの関心の多さを示した。

Dockerもこれに目をつけて、彼らに接触してきた。

“彼らとはうまくやれそうだったから、Docker丸抱えにした方が良い、と判断した”、とStepkaは語る。

GitHub上でオープンソースで提供される形態は、前と変わらない。本質的にはほとんど何も変わっていないのだが、Stepkaによると三人は、瓢箪から駒で急にDockerの社員になってしまったことに、欣喜雀躍しているそうだ。

こないだまで学部の学生だった20代前半の三人の若者が、自分たちの作品で大きな市場を開き、見事なイグジットにこぎつけたんだから、偉い!としか言いようがないね。

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IBM、InterConnectカンファレンスで野心的なハイブリッド・クラウド戦略を発表

IBMは、ラスベガスで今日(米国時間2/23)開幕したInterConnectカンファレンスで、ハイブリッド・クラウド推進のための新たなイニシアチブを発表した。これによりユーザーは多様なリソースをあたかも単一のクラウドであるかのように扱えるようになるという。

ハイブリッド・クラウドとは、サードパーティーの公開クラウドサービス、プライベートクラウド、オンプレミスのデータセンターを組み合わせたコンピューティング資源のことだ。

クラウド・アーキテクチャーとテクノロジー担当副社長、Angel Diazは「このイニシアチブの目的は、あらゆるプラットフォームとタイプのクラウド資源をユーザーができるかぎり容易に管理できるようにすることだ。これにより、パブリック・クラウド、プライベート・クラウド、自社データセンター、さらにはクラウドのクラウドさえもその設置場所を問わず、単一のインフラであるかのように運営できるようになる」と語った。

IBMは企業がIT部門のクラウド化を試みる際に直面する典型的な問題の解決を図っている。現在クラウドにシフト中の多くの企業は、さまざまなタイプのコンピューティング資源を抱え込み、結果としてハイブリッド・クラウドの状態になっている。これらの多様なインフラからデータを引き出し、処理、共有することには多くの困難が伴う。

DiazによればIBMはこの問題を3つの課題に分けて解決を図るという。第一の分野は、企業固有のシステムにデータを統合すること。次にさまざまなシステム、プラットフォームのデータへのアクセスを容易にし、必要なときに必要なデータが容易に得られるようにすること。最後に、クラウドとオン・プレミスの資源にまたがって存在するアプリケーションとデータをそれらが世界中どこにあろうと、必要なときに結合すること。

いずれも非常に複雑な課題だが、IBMはいくつかの新しいアプローチを提案した。

まずIBMはコンテナー・テクノロジーを重視する。IBMはDockerと提携し、IBM向けにカスタマイズされたDockerコンテナをエンタープライズに提供する。これらのコンテナーはアプリケーションがオン・プレミスに存在しようとクラウドに存在しようと関係なく、セキュリティー、運営プロセス、データ・フォーマットなど企業固有の既存のプロセスを適用できるようにする。

次のアプローチはIBM DataWorksと呼ばれる。これはデベロッパーが多様なデータのソースをマッピング・テクノロジーを用いて、どこに所在しようと安全かつ自動的に処理うることを可能にする。

IBMはこうして統合されたデータをWatson人口知能へAPIによって処理し、きわめて高度な分析を実現しようとしている。この点に関しては、先週、MicrosoftもAzure機械学習プラットフォームを正式に公開している。DiazはMicrosoftのプロダクトに対するWatsonの優位性を強調したが、アプローチの方向としては類似点が多い。Diazは「Watsonは単にデータを解析し、意味づけを行うだけでなく、複雑な現象から相関関係を見出し、さまざまな仮説のどれがどれほど正しそうであるかをユーザーに知らせることができる」と述べた。

これらに加えて重要な要素はBlueMixの設定を容易にするBlueMix Localだ。Bleumixは IBM独自のPaaSで、アプリケーションを構築、管理、実行するためのオープン・スタンダードとクラウドをベースとしたプラットフォームだ。通常のパブリック・クラウドとは異なり、ユーザーはアプリケーションをオン・プレミスの資源と各種のクラウドに分散して配置し、必要に応じて作動させることができる。

Diazによれば、BlueMix Localは「アプリケーションの可視性と制御をシームレスに提供する」という。

最近のIBMのツールの例に漏れず、これらは広汎かつ多様なパートナーによって強化される。以前IBMはすべてを自前で用意していたが、この態度は様変わりした。現在では普通ならIBMのライバルと考えられる企業やプロダクトとも積極的な連携が図られている。

Diazは「現在顧客が直面している困難かつ複雑な課題は多くのパートナーとの連携なしには解決できないと語った。「こうした複雑きわまる問題を単独で解決できるようなベンダーは存在しない。そんなベンダーが存在する考えるのは幻想だ」とDiazは言う。

IBMはできるかぎり多様なパートナーと連携し、重層的なツール群を提供していくという。このアプローチがどのような成果を収めるか注目だ。

画像: Erik Drost/Flickr UNDER A CC BY 2.0 LICENSE

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


フリーソフトウェア原理主義者が作った厳格にフリーなラップトップPurism Librem 15、クラウドファンディングで好調

Purism Librem 15はフリーなラップトップで、そのフリー(free)は無料という意味ではなくて、自由の意味、“完全に自由でオープンで外部からコントロールされずあらゆるときにハードウェアのすべての側面を完全にコントロールできることが確実である”、という意味だ。いいことだよね。

Todd Weaverという人が作ったこのラップトップはCrowdSupplyでクラウドファンディングして、目標額25万ドルをすでに突破、27万ドルに達している。初期の支援者には1849ドルで提供、メモリは4GB、ハードディスクは500GBだ。がっしりしたラップトップで、 Weaverによると、“完全に自由で、ソフトウェアも完全にオープンなTrisquel GNU/Linuxオペレーティングシステムだ”。〔参考日本語ページ。〕

“Librem 15を構成する成分はどれも完全にフリーでオープンソースのソフトウェアだ。オペレーティングシステムのカーネルも、アプリケーションソフトも。ノンオープンでプロプライエタリな成分を完全に排除するのに、相当苦労した”、と彼は書いている。

なぜWeaverはこれを作ったのか?

“第一に、これまでのフリーソフトウェアラップトップに不満だった。第二に、ハードウェアとソフトウェアの暗号技術による結合が(とくにモバイルコンピューティングでは)ますます強くなっている。どんなハードウェアでも、買ってきてフリーソフトウェアをロードすればすぐ動く、という状況が崩れつつある。だから、ハードウェアの製造という最上流まで行かなければフリーソフトウェアが本当にフリーにならない。また、そんなハードウェアへのニーズは確実にあると信じている”。

Weaverと彼のチームは、組み立てとソフトウェアのロードをサンフランシスコで行い、マザーボードなどの部品はアジアで作っている。すでに小さなロットを契約し、システムの仕様や改良点などについて理解してもらっている。

“高品質でユーザの権利を尊重するハードウェアを10年前から探しているが、ひとつも見つからない。でも、ぼくと同じ気持ちの人はそんなに少なくはない。Richard Stallmanにも会って、Free Software Foundationのハードウェアバージョンを作りたい、という話もした。それからチームを作り、ハードウェアの仕様をまとめ、製造を始めた。プロトタイプが出来上がった時点で、クラウドファンディングで行こうと決めた。信念を外部資本に汚されないためにもね”。

資金募集キャンペーンはあと8日で終わるが、すでに目標額を達成している。Weaverがこれまで売ったラップトップは500台だが、フリーソフトウェアを完全にフリーに使うためにハードウェアまで作る、という考え方は面白いし、しかも確実なやり方だ。魅力的なプロダクトだから、ビジネスとして軌道に乗ればすごくクールだよね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


時系列データベースInfluxDBのErrplaneが$8.1Mを調達

ErrplaneのファウンダPaul DixとTodd Persenは昨年、データセンタの異状検出サービスをビジネスにしようと考えたが、すぐに、それは競争が激しい分野だし、そのためのインフラを一から作るのはたいへんだ、と気づいた。しかしそのとき同時に、そのサービスを使いたいというユーザよりは、そういうサービスがその上で動いているインフラに関心があるユーザが多いことにも気づいた。そこで二人は、データセンタモニタリングサービスで既存企業と競争するよりも、そういう連中みんなに使ってもらえるようなオープンソースのプロダクトを作ろう、という方向へハンドルを切った。

その方向転換は、ほとんど初日から成功した。今日(米国時間12/8)同社はMayfieldとTrinity Venturesから、そのプロダクトと、それを軸とする商用サービスの開発を続けるための資金として810万ドルを調達した。

DixとPersenの今度のアイデアは当たったようだ。それは、オープンソースの時系列データベースだ。ふつうのデータベースと違って、時間とともに変化するデータを集めて処理する。“時系列データベースは、大量のデータを生成する。ふつうのデータベースを、そこまでスケールして使うのは困難”、とDixは説明する。

二人はY Combinator出身で、当時はErrplaneをデータセンターの異状検出のためのSaaSとして作った。昨年ベルリンで行われたカンファレンスに行ったDixは、自分たちと同じことをやっている競合他社が多いことに気付き、これはたいへんだ、と悟った。そのとき彼は、これら競合他社の全員にサービスを提供できるプロダクトを作ろう、とひらめいた。モニタリングソフトが時々刻々捉えていく時系列のデータを集めて分析することは、まだどこもやってない。Errplaneは、そこに機会を見い出した。

そこで彼らは元のSaaSを5週間停止し、その間に、のちにInfluxDBとなるものを作った。その最初のバージョンができたとき、Dixの計画では彼らが住むニューヨークで製品紹介のための講演会を二度やるつもりだった。ところがそれよりも前に、プロジェクトはO’Reilly Radarのブログで取り上げられ、それがHacker Newsに拾われて、まる一日フロントページを飾った。その後いろんな紹介記事にプロジェクトのホームページのリンクが載り、彼ら自身が何か書いたり語ったりするよりも前から、人気が盛り上がってきた。

1月になるとDixは、あちこちでInfluxDBの話をすることで忙しくなった。元のSaaSをこれ以上続けるのは無理、と悟った彼は、3月の末に、顧客たちに、サービスの閉鎖を告げた。

Dixは、彼の会社とプロジェクトの歩みが普通じゃない、と言う。通常なら、デベロッパはプロジェクトを作り、それのための会社を作る。でも今回は、逆だった。会社が先にあって、それのためのプロジェクトとプロダクトを作ったのだ。彼が知っている唯一の同類が、Dockerだ。最初はdotCloudを作っていた会社があり、そこからDocker, Inc.がスピンアウトしたのだ。

Dockerの場合と同じく、コミュニティは重要だ。Dixによると、コアライブラリは自分たちで作ったが、プログラミング用のその他のライブラリはコミュニティの手で作られた。

今のErrplane社はほとんどInfluxDBにのみ集中しているが、今後は商用サービスも始める予定だ。しかし当面は、コミュニティの育成を優先し、“デベロッパの幸福を最適化する”路線を進みたい、とDixは言う。コミュニティに軸足を置く、というそのやり方は、効果を上げているようだ。

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Dockerが初の商用製品と三つのオーケストレーションツールを発表

【抄訳】

今日(米国時間12/4)はDockerが、アムステルダムで行われたDockerCon Europeで大量の発表を行った。それらは、デベロッパの仕事を楽にする一連のオーケストレーションツールと、“ターンキー”タイプのエンタプライズプロダクト(同社初の商用製品)、そしてIBMとの新たな合意事項だ。

まず、オーケストレーションツールは、Docker Machine、Docker Swarm、そしてDocker Composerの三つだ。いずれも、これまで手作業が必要だった工程を自動化して、ユーザ(とくにデベロッパ)の時間と労力を節約する。

Docker Machineは、サードパーティのインフラストラクチャベンダのユーザにコンテナを使いたいデベロッパが増えてきたときに、彼らにレディメイドのマシン環境を提供し、ベンダやデベロッパがとくに大仕事をしなくても簡単にコンテナを使えるようにする。Dockerのマーケティング担当VP David Messinaは、これはデベロッパが使用するDocker Engineを、インフラのベンダ側が迅速に用意するための方法だ、と説明した。

彼は曰く、“新たに使用するインフラストラクチャの上でDocker Engineを使えるようにするためのセットアップ時間が、デベロッパにとってかなりの負担だった。Docker MachineをVMwareやDigitalOceanなどのインフラプロバイダが利用すると、ラップトップからの単純なコマンドでデベロッパやオペレータのためにエンジンを可利用にできる”。つまりこのツールは、インフラをDocker対応にするために要する時間を短縮し、とくにデベロッパ側ではそれがほぼゼロになるのだ。

Docker Swarm(Docker群団)は、これを使うと、複数のコンテナを複数のインフラ上に配備していくとき、そのもっとも効率的なやり方をデベロッパが定義できる。このツールからデベロッパは一連のAPI集合にアクセスしてMesosphere日本語過去記事〕などのツールにリンクし、リソースのプールをもっとも効率的なやり方で管理できる。Messinaは、“クラスタリングに際し、複数のホストにまたがるリソースプールの使い方を定義して、リソースの要件に応じてコンテナをいつどこで動かすかを最適にスケジューリングする”、と説明する。

3つ目のオーケストレーションツールDocker Composerは、アプリケーションがコンテナの集合から成り立っているときに、そのコンテナ構成(コンフィギュレーション)ファイルをデベロッパが作るためのツールだ。いったん作った構成ファイルへのコンテナの加除も、容易にできる。Messinaは、このツールにより、一つのアプリケーションに所属するコンテナの集合を簡単に定義できる、と説明する。“コンテナの集合があり、それぞれの担当サービスが決まっているとき、デベロッパはこのツールを使ってそれらを編成し、離散的な分散アプリケーションを作れる”、と。

次にご紹介するDockerのエンタプライズプロダクトDocker Hub Enterpriseは、企業がファイアウォールの背後にインストールできるターンキーソリューションだ。それはDockerの初の商用製品で、とくに金融業などセキュリティに厳しい企業のニーズに対応し、それらの企業が自社内でDockerの利用を開始できるようにする。この製品に関しては、すでにAmazon Web ServicesとIBMとMicrosoftがパートナーだが、製品のリリースは2月を予定している。

最後に、IBMとの契約。Dockerの発表によると、IBMが各種Dockerプロダクトのリセラー(再販業者)になってくれる。Messinaは、IBMのような企業がパートナーになってくれたことは、Dockerのような若い企業にとって強力なお墨付きになるから大歓迎だ、と述べた。

このように今回のDockerの発表は、一連のデベロッパツール、エンタプライズプロダクト、既存大企業とのパートナーシップなど、盛りだくさんだった。同社にとっても、コンテナ技術の王者の地位にもはや安住できない厳しい競合環境が育ち始めているから、カンファレンスのステージでこれぐらい頑張るのも当然なのだ。

〔訳注: Dockerの発表内容の紹介以外の、雑談的な部分は訳を省略しました。〕

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Microsoft、.NETをMac、Linuxに移植、サーバ・サイドをオープンソース化すると発表

Microsoftの.NETフレームワークはこの12年にわたっってWindowsでアプリケーションを開発するデベロッパーのプログラミング・モデルとなってきた。今日(米国時間11/12)、Microsoftはデベロッパー・ツールのクロスプラットフォーム化の努力を一歩押し進め、近く.NETをMacとLinuxに移植することを発表した。同時に、.NETのサーバ・サイド(クライアントの.NETではない)のコア・スタックを次のバージョンからオープンソース化するという。

Microsoftはすでに今年に入って.NETコンパイラをオープンソース化しているから、今回の決断もまったくの不意打ちというわけではない。それでも多くの専門家は“Microsoft”という言葉と“オープンソース”という言葉が同一の文章の中で使われることに驚きを隠せないかもしれない。

Microsoftのデベロッパー事業部を担当するコーポレート・バイスプレジデントのS. “Soma” Somasegarは私の取材に対して、「.NETフレームワークを利用してプログラミングを行っているデベロッパーは600万人程度だ。普及の点でわれわれは大成功を収めている」と述べた。問題はこの成功をベースにさらに前進するにはどうしたらよいかだ。

しかし、サティヤ・ナデラがCEOに就任した後のMicrosoftの動きをよく観察すれば、今日の決定も納得できるだろう。たとえば、今年のBuildデベロッパー・カンファレンスでMicrosoftは.NET Foundation の設立を発表しているが、この組織が今回のオープンソース化の受け皿となった。

適切な判断といえるだろうが、MicrosoftはXamarin社と同社が後援するMonoコミュニティと協力していくという。XamarinはすでにC#を用いたオープンソースでクロスプラットフォームの.NETフレームワークを開発し多くのデベロッパーの支持を得ている。Somasegarは私に「今回の発表の後、オープンソース化の作業については、数ヶ月かけてMonoコミュニティーと協力していく。われわれはXamarinと非常に密接な協力関係にある」と語った。

Somasegarは「クロスプラットフォーム化とオープンソース化は.NETにとって将来へ向けての大きな一歩だ。Microsoftは.NETをさらに普及させたい。そのための最善の方法は新たなプラットフォームへと拡張することだ」と述べた。

数日前、私はMicrosoftのクラウドおよびエンタープライズ担当エグゼクティブ・バイスプレジデントのScott Guthrieを電話で取材したが、彼も同じ趣旨のことを述べ、「われわれはデベロッパーからしばしばく『.NETはすばらしいプロダクトだと思うが、クローズドでWindowsしかサポートしていないから使わない』という声を聞いていた。水曜日の発表を聞けば.NETを使わない理由がすべて消滅したと知るだろう」と語った。

SomasegarはこれによってMicrosoftのパートナーには多くのチャンスが訪れることを強調した。たとえばDockerの事業開発とテクニカル・アライアンスの責任者、Nick Stinematesは「われわれのDockerオープン・プラットフォームの最大の価値は、 Dockerコンテナを利用してさまざまなインフラにDockerアプリケーションを移植できるポータビリティーの高さにある。オープンソースの.NETランイタイムをすべての主要なOSプラットフォームに提供するということは、Microsofがポータビリティーの概念をアプリケーション・プラットフォームそのものにまで拡大したことを意味する」というコメントを発表してている。

Microsoftはオープンソース・コミュニティーとの会話を開始する手始めとして.NETのコードのGitHubレポジトリを開設する計画だ。最終プロダクトがどのようなものになるかまだ分からないが、Somasegarは「近く.NETアプリをMicrosoft AzureのLinuxのDockerコンテナで動かせるようになる」と述べた。

これにともなって、デベロッパーを法的紛争から保護するため、MicrosoftはMonoプロジェクトとそのユーザーすべてを対象とした新たな特許特約を公表した。

企業が主要プロジェクトをオープンソース化すると、ユーザーは「企業がそのプロジェクトのサポートを止める前触れではないか?」と不安になるのが常だが、SomasegarもGuthrieも「そういう考えは毛頭ない」と強く保証した。

これほど大きな発表であれば、読者には質問したいことも山のようにあるだろう。Somasegarは直接質問に答えると約束してくれた。〔元記事の〕コメント欄に質問を書き込んでいただきたい。太平洋時間11:30amから受け付ける。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Facebookが同社のHTTPフレームワーク/サーバProxygenをオープンソース化

Facebookが今日(米国時間11/5)、Proxygenをオープンソースにする、と発表した。それはC++で書かれたHTTPライブラリで、同社が使っているHTTPサーバも含まれている。Facebookは最近いろんなものをオープンソースにしてきたが、その多くはモバイルデベロッパ向けだった。しかし今日の発表は、もっと広い範囲のデベロッパが関心を持つだろう。

Facebookによると、Proxygenはそもそも最初から、ApacheやnginxのようなHTTP/プロキシサーバに置き換わるものを志向していない。“彼らのプロジェクトはCで書かれたきわめて自由度の高いHTTPサーバを作って高いパフォーマンスを提供することが目的だが、構成(〜設定)の項目や値が途方に暮れるほど多い”、Facebookの技術者Daniel SommermannとAlan Frindellが今日の発表声明の中でこう書いている。“逆にわれわれは、C++によるパフォーマンスの良いHTTPフレームワークを目標とし、サーバもクライアントのコードも妥当なデフォルトで間に合うよう努めた。そして、既存のアプリケーションへの統合が容易であることも”。

それでも、このフレームワークを使うとイベントドリブンのサーバを手早くセットアップでき、HTTPとSPDYのリクエストを処理できる。特殊な機能を持ったWebサーバを作りたいデベロッパが、そのベースとしてProxygenのコードベースを利用することもあるだろう。

SommermannとFrindellによると、Proxygenは2011年に始まったプロジェクトから進化したもので、当初は自由なカスタマイズのできるリバースプロキシロードバランサだった。

FacebookはそのHTTPスタックとしてApacheやnginx、Varnishなどを使うこともできたはずだが、技術者たちは、独自のフレームワークを作った方がFacebookの既存のインフラストラクチャやツールとのより深い統合が可能だ、と主張した。たとえば、Facebook自身が作ったApache Thriftなどがその典型的な例だ(今ではGitHubで入手できる)。

チームは今、このフレームワークをFacebookの今の大きさに合わせてスケールアップする方法を模索しており、また、ほかのツールでの再利用にも努めている。たとえばHaystackやHHVM、Facebookのロードバランサ、同社のモバイルインフラストラクチャなども、何らかの形でProxygenを利用している。

これまでにProxygenは、“何兆という天文学的な数のHTTP(S)/SPDYリクエストを処理してきた”から、相当現場で鍛えられたコードであることは確かだ。そのソースコードはここにあり、Proxygenの詳細な説明がここにある。

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OpenStackは成熟期に特有の諸課題に直面

今急速に成長しているオープンソースのクラウドコンピューティングプラットホームOpenStackは、今や200あまりの企業が支えていて、その、ほぼ各年行われるカンファレンスが今年はパリで開催された。今回の来場者は4500名を超えて、これまでで最大のイベントになった。それは、このプラットホームへの関心が大きいことを示しているが、しかし同時にこのプロジェクトは、人気の拡大とともに新しい課題も抱えるようになった。

今日のキーノートでは、何人かのスピーカーが、今の6か月のリリースサイクルは、大企業にとっては追随するのがたいへんすぎる、と述べた。たとえばBMWのデータセンターのStefan Lenzは、“しかも、どのリリースでも重要な変更が多すぎる”、という。彼曰く、“今後はもっと安定してほしいが、現状で使えないということではない”。BMWはOpenStackのクラスタを100ぐらいしか動かしていないが、Lenzによればそれは、半分ぐらいが業務向けで、多くはOpenStackまわりの開発専用に使われている。

今朝のキーノートでは、そのほか数名のスピーカーが同様の不満を述べた。またOpenStackのCOO Mark Collierと常務取締役のJonathan Bryceはキーノート後の記者会見で、その問題には自分たちも気づいている、と述べた。しかし、このプロジェクトを構成するモジュールの多くが成熟期に達している今では、毎回のアップグレードを律儀にインストールしなくてもよい、というユーザがほとんどだ。Collierは、あらゆるオプションをユーザにとってオープンにしておきたいが、次回のリリースは既存ユーザがアップデートをもっと容易にできるための仕組みを導入している、と述べた。

もうひとつの問題はOpenStackのセットアップと日常の運用が、当初の難しさを引きずっていることだ。だから企業ユーザの多くが、OpenStackクラウドの立ち上げを、専門知識技能のあるサードパーティのベンダにお願いしている。しかし、今後のユーザ増加策として重要なのは、それを誰でもできるようにすることだ。

メインイベントと並行して、OpenStackのコントリビュータたちは、”Design Summit”と名づけた会を開いて、今後のリリースの優先事項を検討した。それはOpenStackの各モジュールの担当者が自分たちのロードマップを設定するだけでなく、今年はとくに、モジュール間の調整にも力が注がれた。各モジュールに導入する新機能だけではなく、プロジェクトが成熟期に来ている今では、モジュール間の調整の重要性が増しているのだ。

成熟の兆候として挙げられるのが、OpenStackのエコシステムにおけるベンダ数の増加だ。UbuntuSUSERedHatなどのLinuxディストリビューションがあり、OpenStackクラウドのための仮想ネットワークインフラストラクチャ専門のPLUMgridもいる。だから、投資家たちの視線もベンダたちに集中する。たとえばSwiftStackは先月、シリーズBで1600万ドルのラウンドを発表しMirantisは1億ドルを獲得など、資金調達の発表が最近はとても多い。それに今では、OpenStack関連の買収もある…たとえばCiscoは9月に、Metacloudに飛びついた

以上のように、今ではいろんなことがOpenStackプロジェクトの成熟を示している。最初にRackSpaceとNASAがこのプロジェクトを産んでからその後長年、比較的目立たない存在だったが、最近の2年間で技術の改良と、外部への積極的な情報提供が行われた。参加企業が増えて成熟した今でもしかし、現段階で求められている安定性の実現のために、イノベーションの歩みを鈍らせることは許されないのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


OpenStackのストレージプラットホームSwiftによるオブジェクトストレージサービスSwiftStackが$16Mを調達

オープンソースのOpenStackプラットホームの採用がこのところ増加するに伴って、このプラットホームを軸とするエコシステムも成長している。たとえばストレージの分野では、OpenStackのオブジェクトストレージプラットホームSwiftをベースとするオブジェクトストレージサービスを、SwiftStackが提供している。

今日(米国時間10/27)SwiftStackは、B2B専門のVC OpenView Venture Partnersが率いるラウンドにより、シリーズBで1600万ドルを調達した、と発表した。このラウンドには同社のこれまでの投資家Mayfield FundとStorm VenturesとUMC Capitalも参加した。昨年のシリーズAによる610万ドルおよびその前のシード資金を合わせると、同社の総資金額は2360万ドルになる。同社によると、マーケティングや営業のスタッフがほとんどいないにも関わらず、同社の売上は過去1年で4倍に増加した。

OpenStackのSwiftプロジェクトに最大の貢献をしているのが、SwiftStackだ。同社は今回の資金を“企業向けのストレージサービスのスケールアップを手頃なお値段で簡単に提供できるために”使いたい、と言っている。またマーケティングや顧客のエンゲージメント事業にも力を入れたい、と。

Swiftを使うと既存のストレージの再利用ができるし、それだけでなく、安価なコモディティハードウェアを使った社内ストレージシステムとクラウド(パブリックとプライベート)ストレージ併用してデータを保存できる。そのためにSwiftおよびSwiftStackのControllerは、巨大なストレージクラスタの運用を支えるプロビジョニングとレプリケーションとフェイルオーバーとモニタリングなどなどのタスクを、総合的に面倒見る。

SwiftStackもオープンソースなので、顧客に付加的サービスや、Swiftをより使いやすくするためのプロダクトを容易に提供できる。その例が、SwiftStack Management ServiceSwiftStack Controllerだ。SwiftStackは、HPやDisney、Time Warner Cableなども利用している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


エンタプライズOpenStackのリーダーの座をねらうMirantisが$100Mの巨額を獲得

Mirantisは数年前に、当時まだ無名だったOpenStackに乗り、その後は、各年ごとに高くなるその人気の波に乗ってきた。そして今日(米国時間10/20)同社はシリーズBで1億ドルの資金を調達し、エンタプライズOpenStackのリーダーの地位を目指す旅を、これからも続けて行くことになった。それは、同社の今後の前進のための、十分な額と言えるだろう。

1億ドルはどんな企業にとっても大きいが、同社はしかもオープンソースの企業であり、それまでの二回のラウンドで計2000万ドルしか調達していない。今回のラウンドを仕切ったのはInsight Venture Partners、これにAugust Capitalおよび既存の投資家Intel Capital、WestSummit Capital、Ericsson、SAPが参加した。Insight Venture Partnersの専務Alex Crissesが、Mirantisの取締役会に加わる。

OpenStackは、IaaSを展開するためのオープンソースのプラットホームだ。4年前にRackspaceとNASAの合同プロジェクトとして始まり、IaaSのプロプライエタリな商用プロバイダAmazon Web ServicesやMicrosoft Azure、Google Cloudなどに対するチェック役のオープンソースプロジェクトとしてスタートした。その後順調に成長して、コミュニティとリッチなエコシステムと活気あるサプライヤーネットワークが形成された。後者にはエンタプライズソフトウェアにおける超大手たちも加わっている。

Mirantis自身は言わないが、同社はEnterprise LinuxにおけるRed Hatと同じようなリーダー的な位置を、OpenStackの世界でねらっているようだ。言い換えるとそれは、OpenStackの企業向けの顔だ。しかしエンタプライズOpenStackはHP、IBM、Cisco、それに、そう、Red Hatなどが大きなパイの分け前をねらっている市場だから、それらに伍していくためには大きな資金が必要だ。たとえば2週間前にRed Hatは、クライアント/サーバから、OpenStackをベースとするクラウドコンピューティングに軸足を移す、と発表した

しかしCEOのAdrian Ionelは競争にひるんでいない。むしろ彼は、OpenStackの世界における自社の優位性を固く信じているように見える。彼によると、OpenStackのルーツを継承して真のオープンソースを提供しているのはMirantisだけである、と。しかも彼によると同社は、OpenStackの実装と運用に関してHPやRed HatやCiscoのチームを指導している立場である。“彼らが好打者だとは思わないが、体がでかいことは確かだね”、と彼は皮肉っぽく言っている。

Ionelは、Mirantisが唯一の本物のOpenStackベンダだ、と自負している。同社よりもさらに本物があるとすれば、オープンソースのソースコード本体、それだけだ、と彼は言う。そして彼によると、多くの顧客は特定のベンダの特定のアーキテクチャに閉じ込められることよりも、ピュアな実装を望んでいる。大手ベンダを選べば、必ずプロプライエタリなものがくっついてくる、と彼は警告する。

Ionelによると、同社は大きな展開で実際にテストされた唯一のOpenStack実装系であり、136社の顧客の中にはWells FargoやOrange、DirectTV、Ericssonなどの有名企業もいる。EficssonはMirantisに投資もしている。彼によると、今回の大きな資金が得られたのは、投資家たちも同社の今後の長寿を信じているからだ。“うちもいずれ、VMwareぐらいのサイズの会社になるだろうね”、と彼は言っている。昨年の月商は100万ドルだったが、今では週の売上が100万だ。つまり、文字通りの急成長である。投資家たちが飛びつくのも、当然かもしれない。2016年にはIPOを検討したい、とも言っている。

そもそもMirantisは、やったことのすべてをオープンソースとしてOpenStackプロジェクトへ還元しているし、またOpenStack本体のアップデート等に100名あまりの技術者を提供している。今社員数が600名で、420名が技術者だから、その中の100名提供は、すごい。

そしてもちろん、今回得た1億ドルは人員増にも使われる。Ionelは、もし資金が得られなかったとしても、エンタプライズOpenStackのリーダーを目指す道を進むことは変わらない、と言っている。お金は、あるにこしたことはないが。

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クラスタ管理のMesosphereがデータのスケーラビリティのためにグラフデータベースのOrlyAtomicsを買収

分散プロセス(クラスタ群)の生成と、それらが適正に動くためのリソース管理をデベロッパ/アドミンに代わってやってくれるMesosphereが、分散/並列データベース技術(グラフデータベース)のOrlyAtomicsを、どうやら人材獲得を目的として買収した。OrlyAtomicsの4名の技術者は、ただちにMesosphereのチームに加わる。買収の価額などは、公表されていない。

Mesosphereは、オープンソースのMesosプロジェクトに便利なユーザインタフェイスを着せたサービスで、‘データセンターのオペレーティングシステム’を自称している。このMesosユーザインタフェイスの下では、どんなに複雑大規模なデータセンターでもまるで1台のPCのように簡単に効率的に管理できてしまうことが、メインの売りだ。一方OrlyAtomicsは、スケーラビリティのたいへん高いデータベース技術だ。クラスタ管理とデータベースでは一見互いに無関係なようだが、Mesosphereの協同ファウンダでCEOのFlorian Leibertによると、その下部構造は共通点がとても多い。

まずどちらもルーツがオープンソースで、どちらもC++で書かれている。だからOrlyAtomicsの連中はMesosphereに来たその日から一緒に仕事ができる。しかしLeibertによると、そういうレベルの互換性がすべてではない。プログラミングの技能以上に重要なのが、データ構造のスケーラビリティについて理解を共有することだ。

“大規模なシステムを管理し、大規模な分散システムの稼働状態を管理することは、言うは易く行うは難しの典型だ”、と彼は説明する。彼によると、OrlyAtomicsの連中が、これまでのMesosphereに欠けていたユニークな、そして願ってもないスキルセットを持参してくれたのだ。同社はOrlyAtomicsの知財をひとかけらも買い上げていないが、いずれにしてもオープンソースだから必要ならGitHubにアクセスすればよい。OrlyAtomicsのCEOだったPatrick Reillyは、いずれは同社の技術をMesosphereに合体させたい、と言っている。それはもちろん、データベースのプロジェクトを、という意味ではない。

“自分たちが築いてきたグラフストレージというビジョンには、今でも愛着がある。グラフデータベースによって人びとは、新しいクリエイティブなデータの利用方法に目覚めるだろう。これからはデータベースを作るのではなく、そういう機能をAPI的なプリミティブ集合として作っていく。もちろん、OrlyのオープンソースデータベースをMesosの上で動かしてみたいけどね”、とReillyは語る。

いずれにしても、Leibertによれば、Mesosphereにとって関心があるのはOrlyAtomicsの既存のプロダクトではなく、彼ら独特の技術能力と、彼らとの今後の協働関係だ。“プロダクトはそのままうちで利用できるものではない。むしろ貴重なのは、彼らがそれらを作りながら獲得した専門的知識と技術だ。それは巨大な分散システムが陥りがちな無秩序状態をすっきりまとめることに、関係がある”、とLeibertは言う。

どちらもC++で書かれているので、MesosphereとしてはOrlyAtomicsのチームがこれまでの経験から獲得した技能をMesosphereのプロダクトに持ち込んでくれることを期待している。Leibert曰く、“彼らはレイテンシを抑えスループットを上げることに邁進してきた。うちが大規模分散システムで実現したいと思っている価値も、まさにそれだ”。

Reillyのチームにとっても、魅力はそこにあった。彼曰く、“C++はパフォーマンスが高いから好きだ。Mesosに来てから最初のほんの数時間で、OrlyとMesosのコードを合体させると良さそうなところを、何箇所も見つけた。アプリケーションが何千もの専用コンテナに分散していて、それらが数十箇所ものデータセンターにまたがって動き、しかもそれらの全体がまるで一台の大きなコンピュータへと癒合しているようなMesosphereの世界は、すごくエキサイティングだ”。

LeibertがOrlyとの交渉を始めたのは4週間前だが、でも彼らは過去にすでに数週間、Mesosphereで仕事をした経験があるので、決心も早かった。Mesosphereの社員はわずか27名と少ないので、新しい社員を入れるにしても、相性がきわめて重要だった。

Mesosphereの社員たちは、一般の新入社員の場合と同じようにOrlyのチームを評価し、うまくやっていける、と判断した。

一方Reillyのチームは、Mesosphereのプロジェクトの大きさに感動し、また自分たちがそこに持ち込める貢献にもわくわくしていた。Reillyは曰く、“技術者はチャレンジすることが好きだが、大きな、そして複数のデータセンターの集まりを一台のコンピュータと見立てて、それのオペレーティングシステムを作るなんて、とてつもなくすごい。Mesosphereのコードベースを調べ始めてすぐに、そこがまるで自分の家のように感じた”。

Mesosphereから見ると、Orlyには同社の長期的な目標の実現に欠かせないものがある。“データセンターのためのオペレーティングシステム、という抽象を構築していくためには、データのコーディネーションが何よりも重要だ。彼らは、まさにそれをやっていたのだ”、とLeibertは語る。

オープンソースプロジェクトOrlyAtomicsは、ソーシャルディスカバリサイトTaggedで生まれた。後者は今、全世界に3億3000万のユーザがいるといわれる。Taggedはある時点で、データの大規模なスケーラビリティを実現するためのソリューションが必要になり、そこからOrlyAtomicsが生まれた。それはまさに、今のMesosphereが必要としているものだった。

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DockerがシリーズCで$40Mを調達、実際に使うのは来年再来年という絶好調の余裕

今ホットなDockerは、どれぐらいホットなのか? あまりにもホットなので、VCたちは同社が今使う予定のない資金までも、あげちゃうのだ。今日(米国時間9/16)同社が発表した4000万ドルの資金調達も、CEOのBen Golubによると、その金に手を付けるのは早くて来年の終わりごろだそうだ。

というか、細身で経営効率の高い同社は、今年の初めに獲得した1500万ドルがまだ十分に残っているのだが、でも、くれるというものは断らない主義なのだ。Golubによると、今回の投資によって市場は、同社の安定性と今後の長寿を理解したはずだ、という。

“これを使うのは来年遅くか、または再来年の初めだ。でも手元にこれだけあれば、今年中に思い切ってスケールできるし、市場には、あせって会社を売るつもりはない、という信号を伝えることができる”、と彼は説明する。資金の使い方にも、長期的な視点で臨む、ということだ。

彼曰く、“本物の起業家なら誰でも、最後まで自分でやるつもりで会社を作る。うちは、コミュニティからも投資家からも社員からもしっかりした支持と支援があるから、完全に自力で会社を育てることができる。投資家たちも早めの出口を望んでいない。彼らも、会社の中身をしっかり作っていくことに関心がある”。

同社が資金の賢い使い方をできる理由の一つは、経営がリーン(lean, 痩身, 無駄がなく引き締まっている)であることだ。営業やマーケティングはパートナーたちがやってくれるし、しかも彼らのやることを完全に信頼できる。開発の主力もコミュニティにあり、今やコントリビュータの数が600名に達している。さらに同社のアプリケーションストアにはDockerをラップするアプリケーションが35000本あり、それらの豊富なツールがコアプロダクトを一層充実させている。

こういうコミュニティ依存のやり方ではコントロールが行き届かないことをGolubも認めるが、それでも短所よりは長所の方がずっと大きい。結果について議論するのは、まだ早すぎる。“ある意味でうちは、パートナー営業とコミュニティ開発というモデルの正しい形とその成功事例を作り、そのやり方のリーダーにならなければならない。オープンソースの世界では何もかも自分でコントロールすることはありえないが、でもコミュニティの多様性と圧倒的なパワーが持つメリットは、完全なコントロールができないという小さなデメリットを大きく上回っている”、と彼は説明する。

Docker本体に関しては同社が全コードの80%を作り、筆頭メンテナの役を担っているが、コミュニティがそれに高い付加価値をつけ、また同社の中核的なデベロッパに対して現用チェックを提供している。多用な利用現場からのチェックだから、同社のデベロッパたちがひとりよがりになることが、防がれているのだ。

Golumによると、会社の方向性に対してコミュニティから異議が出たときは、間違っているのはだいたい会社の方だ、という。彼によると、コミュニティは企業内ではやれないようなエッジケース(未実証最先端ケース)にも取り組める。同社の技術者は最小限の数しか確保していないから、社内ではできないほどの大きなスケールでのテストも、コミュニティならできる。

今回のシリーズCのラウンドはSequoia Capitalがリードし、これにBenchmark Capital、Greylock Partners、Insight Ventures、Trinity Ventures、Yahoo!のファウンダJerry Yangらが参加した。Dockerの累積調達額は6500万ドルに達する。Dockerの前身であるdotCloudは、8月にcloudControlに売った

Dockerが作っているのは、現代的なアプリケーションのためのデリバリコンテナだ。Golubが指摘したように、5年前までは、一枚岩的で一台のサーバの上で動くアプリケーションが長年支配していた。しかし今では、それが完全に変わっている。アプリケーションは複数の部位で構成され、それらが多くのサーバに分散し、サーバの所在も頻繁に変化する。Dockerのコンテナは、そういうアプリケーションの各部位を“ドックに収容する”という意味であり、デベロッパたちがそのような分散アプリケーションを作って展開するのに適したツールだ。

Golubによると、それはデベロッパがデベロッパのために作ったプロダクトであり、そのモデルがこれまでのところ効果を発揮している。ユーザとデベロッパがそれぞれ別集団でないこのやり方は、Dockerの現状を見ても、確かに有効なようだ。

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EucalyptusのCEOの突然のOpenStackへの改宗はHPによる買収が下地だった

先月、長年OpenStackを批判していたEucalyptus *のCEO Mårten Mickosが突然心変わりした。昨日(米国時間9/11)は、彼の会社がHPに買収された。HPは、今年OpenStackで大きく稼ごうとしている企業だ。〔*: Eucalyptus, プライベートクラウドのためのIaaSでAWSのAPIを多用。〕

MickosがOpenStackに対して急に前向きになったのは、まさに、それがあったからだ、としか思えない。

彼は自分の会社のWebサイトのブログで、その心変わりを説明している。彼は、OpenStackと競合することでむしろOpenStackに貢献してきた、とジョークを言っている(初期には実際にOpenStackにコードを貢献している)。しかしMickosは、この爆弾投下(買収発表)の前に、来週シリコンバレーで行われるOpenStackのイベントでキーノートを担当する、と発表した。競合どころか今の彼は、OpenStackプロジェクトに真剣に寄与貢献しようとしているのだ。

Mickosはブログの記事にこう書いている: “私から見てOpenStackは何でもありのクラウドプロジェクトで、大小さまざまなベンダがそれを独自に複雑高度にカスタマイズしたパッケージを作って、展開していくものだ。それらは、〔Eucalyptusのように〕AWSとの互換性が必須要件となるような展開ではない”。

MickosがOpenStackに関して心変わりしたときSteven J Vaughan-Nicholsは自分のブログに、EucalyptusとOpenStackの併存は犬と猫が同じ部屋にいるようなものと書き、長年のオープンソース評論家である彼Vaughan-Nicholsは、Mickosの発言に“ぶったまげた”と言っている。Mickosの会社EucalyptusはOpenStackの宿敵AWSとベッドを共にしている。そんな両者が共存できるわけがない。でもMickosは、共存の道を見つけようとしているのだ。

IaaSとしてのOpenStackはいわば、Amazon Web ServicesやGoogle Cloud、Microsoft Azureなど、パブリッククラウドの強力な商用プロバイダたちの、オープンソース版だ。これらの商用サービスは、細部まで透明というわけにはいかないので、ユーザによってはそのことが問題になる。4年前にRackspaceとNASAが共同して、成長著しい大手パブリッククラウドプロバイダたち(中でもとくにAWS)に対するチェック機能としてOpenStackプロジェクトに着手した。それは完全にオープンソースなので、ITの人たちやデベロッパはコードベースに直接アクセスして、必要なカスタマイズを行える。それは、商用システムではできないことだ。

Mickosの会社はそうではなく、パブリックやプライベートなクラウドからAWSのクラウドへのブリッジを作った。しかし、彼自身資金力はあったが、市場はOpenStackをも含むさまざまな競合勢力に席巻されつつあった。

一方、今年になってHPはOpenStackに転向し、同社のこれまでのCloud OSに代わってHP HelionとOpenStackを主軸に据えることになった。しかもおもしろいことに、Helionへの移行と共にAWS APIのサポートをやめた

というわけで、知らない間に両社(HP, Eucalyptus)は、最初は互いに別の方向を向いてクラウドに取り組んでいたにもかかわらず、今ではOpenStackという共通項で結ばれようとしているのだ。

買収の話はかなり前から進んでいたはずだから、Mickosが突然OpenStackへの改宗を発表したときには、買収をめぐってHPとの会話を重ねていた、と見るのが自然だろう。

いずれにしてもHPはついに買収を決定し、Mickosを同社のクラウド事業部担当のSVPに任命することにした。つまりこれからは、MickosがHPのクラウド戦略の鍵を握る人物になる。HPのクラウドビジネスの今後の吉凶を、彼の手腕が決めるのだ。

企業世界で人気を高めつつあるOpenStackも、相当高度な専門知識および技能がないと実用化できないことが、難点と言われている。そこで先週HPは、OpenStackの実装を楽にしてくれる一連のサービスを発表したが、モバイル開発プラットホームKinveyのCEO Sravish Sridharの説では、HPは今回の買収を活用してOpenStackの実装を単純化するための総合的なシステム(ソフトウェアによるアプライアンス)を作ることもありえる。

“Eucalyptusを買収したことによってHPは、展開と管理の容易なクラウドアプライアンスを作れるプロダクト指向のチームを入手した。それは、OpenStackソフトウェアの弱点と言われていた部分だ”。

OpenStackによるクラウドの構築と展開と管理の面倒を見るサービスでHPは、VMwareやIBM、Red Hatなどなどと競合する。RedHatは最近、OpenStackのテストを容易にできるためのソフトウェアアプライアンスを発表した。たぶん同社はこれを皮切りに、OpenStackとそのまわりの実装を容易化するアプライアンスを次々と出していくつもりだろう。

この買収が表面的には奇妙な仲と見えても、HPの市場奪取努力としてはむしろ、きわめて分かりやすいし、これからも同社は、より魅力的なクラウド製品を提供することによって、競争の激しい市場で優位に立とうとするだろう。

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オープンソースソフトのバグフィクスにインセンティブを払うサービスシステムGit Bounty

オープンソースのソフトウェアを使っていてバグらしきものに遭遇したけど、自分にはバグフィクスのためにコードを精査しているひまもないし、原作者も今ほかのことで忙しいらしい、というときは、コミュニティの力に頼るしかない。そういうときのために、モントリオールからDisrupt SFのハッカソンに参加したフランス系カナダ人のチーム(一人は本物のフランス人)が考えたGit Bountyは、バグフィクスをやってくれるプログラマにインセンティブを提供する。直してもらいたいバグとお礼の金額を指定して、Git Bountyにポストするのだ。

Git Bountyを作ったAngus MacIsaacとAdam Burvill、Anton Shevchenko、Nathan Boiron、Martin Coulombeの5人は、モントリオールのデベロッパOsedeaで仕事をしている。これのアイデアを思いついたのは、先週の金曜日(米国時間9/5)だった。

“ハッカソンには、なにか有意義で便利なもので参加したかった”、OsedeaのCoulombeは言う。実は最近同社は、いつも使っているオープンソースのフレームワークのバグフィクスを、2000ドル払って第三者にやってもらったことがある。同社のチーム自身がバグフィクスをやると、人と時間を取られすぎて、本来の仕事が遅れてしまうからだ。

Git Bountyの正式ローンチはDisrupt SFの終了後を予定している。Coulombeが言うには、“こういうサービスの需要は十分あると思う。オープンソースのコミュニティがどれだけ利用してくれるか、結果を見たいね”。今後は、バグフィクスだけでなく、新しい機能、‘こういう機能がほしいけどなぁ、自分にはやってるひまがない’機能の実装も、インセンティブの対象にしたい、と。

チームはこのハッカソンに参加したことを機会に、新しいPHPフレームワークLaravelを勉強した。Git Bountyの通知機能にはTwilioのAPIを、支払決済にはStripeを使っている。

長期的には、インセンティブの額から同社がマージンを取ることを考えている。‘取る’というより、Git Bountyという活動への自発的な‘寄付’がいいかな、とCoulombeは言っているが。

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本誌TechCrunchがWordPress用非同期タスクライブラリAsync Taskをオープンソース化

[筆者: Nicolas Vincent, Alex Khadiwala]

2012年に本誌TechCrunchのデベロッパチーム(Nicolas Vincent, Alex Khadiwala, Eric Mann, John Bloch)が、TechCrunchのデザイン変更に取り組んだとき、主な目標のひとつがパフォーマンスの向上だった。その目標を達成するためにわれわれは、開発の一環としていくつかのツールを作った。

われわれが取ったアプローチの一つは、時間を消費するタスクをバックグラウンドのタスクにしてしまうことだった。WordPress(本誌の基幹エンジン)上でバックグラウンドタスクを構成するためのライブラリとして、WP Async Task(WordPress非同期タスク)というものを作った。

今年の6月に”Non-Blocking WordPress“(ノンブロッキングWordPress)と題するプレゼンテーションを行う機会があり、その中でわれわれは、パフォーマンスに対するわれわれのアプローチについて語った。そのときのオーディエンスは、われわれが実装した非同期タスクに大きな関心を示し、コードを入手して自分たちでも使いたい、と言われた。

そこで、本日(米国時間7/31)をもってわれわれは、WP Async TaskライブラリをオープンソースとしてGitHubから提供することにした。われわれは、オープンソースソフトウェアがもたらすパワーの熱烈な信者であり、われわれにこのパブリシングプラットホーム(WordPress)を提供したコミュニティに、お返しをしたいと思う。コードとドキュメンテーションをご覧頂いて、ご自分のコードにおけるこのライブラリの使い方を、ご理解頂きたい。

なぜタスクを非同期にするのか?

ページのロードがブロックされたり、ロードに長時間かかるのを防ぐためには、CPUを競合するプロセスの数を減らしたい。ページロードの長時間のブロックは、ほかのプロセスが、リソースが空く(自分の順番が回ってくる)ことや、何かの操作が終了することを待っているときに、よく起きる。

TechCrunchのサイトでは、企業や人物のデータベースCrunchBaseのカードを、今読まれている記事ページの上にロードするときに、サイトのスピードが鈍化する。そのときはプロセスがCrunchBaseのAPIを呼び出してカードを作ろうとしているからだ。パフォーマンスを上げるためにそれらのデータを約12時間キャッシュしているが、最初にデータを取り出すときや、キャッシュをリフレッシュするときには、そのためのAPI呼び出しがページロード時間に影響を与えないようにしたい。

そこでCrunchBaseからキャッシュにデータを取り出すときには、APIの呼び出しと実行が終了するのを待つのではなく、その処理を非同期のバックグラウンドタスクとして起動する。すでにキャッシュにデータがあるときには、カードでそれを使う。このようにすると、CrunchBaseのカードの表示がページのロードを邪魔しない。

TechCrunchの以前のデザインでは、ページのロードタイムが1ページにつき17秒以上かかることもあった。新しいデザインでは、WP Async Taskライブラリの実装により全体的なパフォーマンスは5倍から8倍は向上した。それには、バックエンドとフロントエンドの両方に対する、そのほかの改良も、大いに貢献している。

下のビデオは、2014年6月にサンフランシスコで行われたBig Media & Enterprise MeetupでプレゼンをやっているNicolasとAlexだ。10upのデベロッパ、John BlochとEric Mannにも感謝申し上げたい。

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Adobe、Googleと提携して中国、日本、韓国語用にオープンソースフォントを公開

今日(米国時間7/15)、AdobeGoogleは、中国語、日本語および韓国語(CJK)のオープンソースフォント、6万5535グリフを公開したことを発表した。フォントは、印刷および画面表示のいずれにも最適化されており、Google FontsおよびAdobeのTypekitを通じて無料で利用できる。

両社のマーケティング部門のみが知る理由により、AdobeはこのフォントをSource Han Sansと呼び、GoogleはNoto Sans CJKと呼んでいる。フォントはAdobeのSourceForgeおよびGitHubでも入手可能で、同社は各言語で必要な部分からなるサブセットも提供する予定だ。

フォントは標準で、日本語、繁体字中国語(台湾および香港特別自治区を含む)、簡体字中国語、および韓国語(ハングルシラブル共)を含み、ギリシヤ語、ラテン語およびシシリーアルファベットも提供される。

AdobeとGoogleがオープンソースフォントで協力することについては、やや奇異に感じるかもしれない。Adobeのタイプ責任者、Caleb Belohlavekは、先週私に、両社は4年前からこのプロジェクトを検討していたと話した。汎用CJKフォントは以前からAdobeが作りたかったものであり、Googleも自社のデベロッパーコミュニティーにとって有用だと考えた。Googleにとってはオープンソースであることが必要であり、それはAdobeにとっては必ずしも自然なことではなかったが、当時すでにオープンソースフォントの作業を開始していた。最終的に二社はそれぞれのリソースを提供して、このプロジェクトを立ち上げた。

Belohlavekによると、プロジェクトが立ち上がると、Adobeの在東京シニアデザイナー、西塚涼子がフォントの全体デザインの作業を開始した。それは、Belohlavek曰く「スタイルのシンプルさによって伝統的アジア文字のデザインの持つ優美さを保つ」ものだという。数多くのグリフが4種類の地域バリエーションを持つことを考えると膨大な作業だ。Adobeによると、このフォントは既存のGoogle RobotoとNoto Sansファミリー、およびAdobe自身のラテン文字フォント、Source Sansとよく調和するという。

Adoboeが初期デザインの大半を担当し、Googleはプロジェクトの進行および、日本、中国、韓国の各パートナーに初期デザインを送り、フォントを仕上げる部分を担当した。いずれの言語の文字も、歴史的中国文字に由来しているが、長年の変遷を経て(その多くは微妙な)地域差が生まれており、このフォントにもそれを反映させる必要があった。

Adobeによると、全体で約100名がこのプロジェクトに参加した。フォントには種類のウェイト(太さ)がある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


文章と画像と動画だけではパンチが足りないと感じられる情報表現には、CartoDBのOdyssey.jsで対話的な地図を加えてみよう

どんなことにも、それが起きる“場所”があるはずだ。この論理をコンセプトとするオープンソースのツールOdyssey.jsは、地図を利用してデータを対話性のあるマルチメディアに変える。このツールは、プログラミングのスキルのない人でも使える。

Knight Prototype Fundから35000ドルの助成金をもらった、クラウドコンピューティングのプラットホームCartoDBの作者たちは、このオープンソースツールのベータを今日(米国時間7/8)リリースした。

CartoDBは、このツールによってストーリー展開の技法が拡大することを期待している。これまでのように、テキストと写真(〜静止画像)とビデオだけに限定されずに。

Knight Foundationのメディアイノベーション担当Chris Barrによると、この財団が作られたのは1年半前だ。財団の基金は、最新のテクノロジやイノベーションを目指す実験的プロジェクトに交付される。そのペースは1年に約1億ドルで、内3000〜4000万ドルはジャーナリズムとメディアのイノベーション事業へ行く。

Barrはこのプロトタイプファンドのトップでもあり、彼によると、助成金交付のペースを速めることによってジャーナリストやパブリッシャーたちが使う新しいツールを迅速に作っていきたい、という。

“これからの人びとは、毎日自分たちの前に現れる大量の情報やデータを、よりよく理解するためのツールやサービスをますます必要とするだろう”、と彼は語る。

CartoDBは地図作成技術を開発している。たとえば、何かのイベントやブランドについて述べているツイートを、対話性のある地図で視覚化するのだ。たとえばこの地図は、ワールドカップのブラジル/クロアチア戦のときのツイートをを表している。

Barrによると、CartoDBが考えているのは、ストーリーを語ることを地図の利用によってより豊かな体験にすることだ。そこで、テキストをHTML化するツールMarkdownJavaScriptを使い、Knight Foundationから得た資金でOdyssey.jsを作った。

CartoDBのそのツールは、CMSへの埋め込みも容易にできる。だからWordPressなどを利用しているパブリッシャーが対話的な地図を自分のサイトに加えて、ストーリーを展開するのも簡単だ。Odyssey.jsのJavaScriptライブラリは、誰もが自由に利用できる。

その目標は、メディアの大きなイノベーションだ、とBarrは言う。CartoDBの Odyssey.jsライブラリのような新しい表現ツールの登場で、情報の視覚的表現がTIV(text, image, video)という伝統的な三種の神器に縛られなくなり、あらゆるWebサイトは読者を増やし、読者の関心をより強く捉えるようになるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Red Hat Enterprise Linux(RHEL) 7.0がリリース、デフォルトで10年保証を提供

Red Hatが今日(米国時間6/10)、同社Linuxディストリビューションの企業向け商用製品Red Hat Enterprise Linux(RHEL)のバージョン7.0をリリースした。その主な特長は、Windowsとの相互運用性、新しいデフォルトのファイルシステム、Dockerによるコンテナ化、そして、今後のすべてのメジャー/マイナーなリリースを対象とする10年間保証だ。

LinuxのカーネルがRHEL 6.xの2.6.32から3.10にアップデートしたことも大きい。調査会社Forresterのインフラとオペレーション担当アナリストRichard Ficheraは、それはRHELの、待ちに待たれていた現代化が目的だ、と言う。

Ficheraは次のように言う: “カーネルを3.xにアップしたことは、SUSEに追いつき追い越す意味でも重要だ。顧客向けにも大量の便利な改良が提供されるだろう”。

Red Hatのマーケティング担当シニアディレクターMark Cogginは、10年保証によって顧客が得られる安定性と安心感も大きい、と語る。これはRed Hatの顧客へのコミットメントの真剣さを表しており、10年保証とはバグフィクスとセキュリティリリースと公式アップデートが今後10年提供される、という意味だ。

また今回のバージョンは、RHELのインストールと管理と展開を容易にすることにも力が注がれ、その一環としてWindows Active Directoryとの相互運用性、スクリプトによってアップグレードの過程を自動化、などの機能が導入された。Cogginは曰く、顧客先のシスアドはニーズの変化を十分に把握してから、それらに合わせてアップグレードのプロセスを進めなければならないが、今回はそのために役に立つ重要なツールをいくつかご提供した、と。カーネルの件も含めて、今回はかなり重要なバージョンアップだ、と彼は強調している。

Ficheraによると、そのために今回は、シスアドの仕事を楽にするという点で大きく進歩したという。“RHEL 7ではインストールが簡単になり、管理のオーバヘッドが下がり、ユーザがすぐに使い始めることのできる既存のRHELからの更新や、ロールバック、それに、“プロファイル”と呼ばれる、用意されたテンプレートからの展開などが導入された。プロファイルでは、各種の構成オプションをワークロードの特性に合わせて指定できる。またインストールが終わると、大幅に改良されたランタイム管理とモニタリングの機能が提供され、ランタイムのパフォーマンスの最適化が図られる。

IDCでサーバとシステムソフトを担当しているAl Gillenは、重要なのはDocker対応化だ、と言う。“今回のリリースからDockerがデフォルトでサポートされたことの意義は大きい。サービスプロバイダや、アプリケーションの複数バージョン間のポータビリティを重視する顧客は、コンテナのサポートをとても便利に感じるだろう。 Red Hatの連中も、それを言っていた”。

デフォルトのファイルシステムが、EXT4からXFSに変わった。ただし、必要に応じてそのほかのファイルシステムもサポートされる。ForresterのFicheraは、この点が重要だと言っている:

“今のLinuxカーネルには、いろんなファイルシステムがある。もっとも多く使われているのが改良版(今では‘4’)のEXTファイルシステム、0.5PBまでの巨大なファイルをサポートするXFS、“Better File System”の頭字語btrfsのベータバージョン、などなど”。

RHELのメジャーアップデートは3年半ぶりだが、顧客のニーズはどこにあったのか。連続性を重視したゆるやかなアップデートが、望まれているのではないか。この点に関してIDCのGillenは、業界は二分している、と言った:

“Amazon Web ServicesやMicrosoft Azure、Google App Engineなどのプラットホームは利用の連続性を保証しつつアップデートを行わざるをえない。これに対して古典的なITショップは、何をいつどのようにアップグレードするかを個別にいちいち自分で意思決定する。どちらを採るか。今業界は、その分岐点に来ていると思う”。

彼の説では、今でも後者のやり方を必要とする企業はある。とくに、政府などの厳しい規制下にある業種の場合だ。Red HatのCogginによると、同社はアップデートの配布方法について検討しているが、顧客自身が具体的な要望を持っている場合も多い、と言う。

“うちは商用Linuxのマーケットリーダーで、大量の顧客がリリースの一定のリズムやライフサイクルを暗黙裡に期待している。ただし、そのライフサイクルの内容的な意味を、われわれベンダとしてはしっかり見定める必要がある”。同社はすでに、頻繁なリリースを必要とする企業には特殊なソフトウェアやツールセットを提供しているが、しかし大半の顧客は安定性を重視している。同社としては、両方のタイプのアップグレードパスを提供しなければならない、とCogginは言う。

Cogginによると、RHEL 7のベータに参加した顧客は1万弱だった。そして、とくに熱心だった60社からは、今後も継続的にフィードバックをいただいていく予定だ。

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Dockerがついにv1.0に、サポートとドキュメンテーション完備で本格商用化へ

Dockerプラットホームを支える企業Docker, Incが今日、同社主催のカンファレンスDockercon14で、Docker 1.0のリリースと“Docker化”されたプロダクトのためのマーケットプレイスを発表した。

CEOのBen Golubによると、これらの発表は同社のこれまでの15か月にわたる集中的な開発努力の成果だ。Golubの説明によると、1.0は初めての、商用サポートとドキュメンテーションが完備したプロダクションクォリティーのバージョンである。彼曰く、これまでは多くの人たちが0.xバージョンの開発に従事してきたが、これからはコミュニティサポートではなく商用サポートがつくので、銀行などの保守的な企業でも安心してDockerを利用できる。

Docker 1.0はGoogleが開発した新しいコンテナ技術の実装系の一つで、アプリケーションを、これまでのように変更を加えたり、開発サイクルの新しいステージに入るたびに、まったく新たな再インストールや再構成を必要とせず、安全に配布できる。

これまではデベロッパと運用者(ユーザ、オペレーション側)は利害が相反していた。デベロッパは必要に応じて変更を加えたいし、運用者は安定性を欲する。しかし変更を加えたことによって、他の部分や構成要件などが変わって、オペレーションサイドを悩ませることが多かった。

“Dockerは、この面倒な問題でデベロッパを救った”、と彼は言う。“それと同時に、アドミンの苦労もなくなった。DevとOpsの両方がハッピーになった”。

彼の説明では、Docker 1.0ではデベロッパはラップトップの上でボタンを一つ押すだけであり、プロダクションや、ステージング、顧客環境の側では、すべてが従来どおりに動く。デベロッパが開発ワークフローの次のステップに移って何かを変えても、プログラムを壊したり、問題の原因究明に苦労することがない。

すなわちプログラムをDockerのコンテナに安全に収めることによって、デベロッパがその内部を変えても外側の状態は前と変わらない。

また、Docker 1.0と併せて発表されたDocker Hubは、デベロッパが“Docker化”されたアプリケーションを見つけたり発表する場だ。Docker化アプリケーションとは、Dockerを使って動かすように調整されているアプリケーション、という意味だ。このハブでデベロッパは、ほかのデベロッパとコラボレーションすることができるし、また、Dockerのメンテなたちに会うことができる。ここに寄与貢献されるものを、メンテナたちがフィルタして、特定のジョブやプラットホームに合ったものを見つけるのだ。

Golubが言うには、オープンソースで行くなら全身でその世界に浸らないとだめだ。今では社員35名(+1匹の亀さん) を450名のデベロッパのコミュニティが支え、Dockerの開発や、カンファレンスの開催に尽力している。始まってからまだわずか15か月なのに。

このコミュニティ集団こそが、DokcerプロダクトとDocker Hubのメンテナンスの中心的な力であり、彼らがあらゆるコンテンツのクォリティーをたえずチェックしている。また、彼らの寄与貢献に悪い部分があれば、市場から叱声が返ってくる。

カンファレンスについては、Golub曰く、たった二つの新製品だから、カンファレンスなんかたいしたことない、と最初は考えていた。でも日程を決めて実際に準備を初めてみると、すごい大仕事であることが分かった。“最初は、カンファレンスはいいアイデアだと思ったんだけどね”、と彼はジョークを言う。

数からいえば、大成功だった。最初は500名を予定していたが、先週金曜日には急遽100名追加し、それでも、チケットにあぶれた人が400名以上いた。

講演者はGoogle、IBM、Rackspace、Red Hatなど大物企業の人たちばかり。Wired誌は、GoogleがDockerに深くコミットしていると報じ、GooglerのEric Brewerが二日目に行ったスピーチは、Dockerの知名度と関心を大きく高めただろう。

最近同社は、シリーズBで1500万ドルを獲得した。本誌TechCrunchの記事によると、そのラウンドを仕切ったのはGreylock Partnersだ。参加した投資家はInsight Venture Partners のほかに既存の投資家Benchmark CapitalTrinity Venturesだ。なお、Yahoo!のファウンダJerry Yangも、初期に同社に投資している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))