理想のCMS開発運用環境としてサーバーレスを目指すWebinyが3700万円超を調達

英国ロンドンでサーバーレスのコンテンツ管理システム(CMS、Content Management System)を開発しているWebinyが、EUの投資企業Episode 1から34万7000ドル(約3700万円)のシード資金を獲得した。

Webinyの創業者であるSven Al Hamad(スベン・アル・ハマド)氏によると、Webinyはサーバーレスの環境用に作られた初めての本格的なCMSだ。「つまりWebinyはゼロからの完全に新規の開発であり、サーバーレスのファンクションの中でのみ動くアーキテクチャだ」と彼は語る。

同社はサーバーレスのウェブ開発ツールのニーズがあることに着目して、その構築を決意したアル・ハマド氏は「一点集中化がウェブ開発の未来だと信じているから、そのコミュニティを支援して思想を広めるために、最初のサーバーレスのコンテンツ管理システムを作り、それをオープンソースにした」と語る。

サーバーレスは、サーバーがないという意味ではない。その意味は、デベロッパーがサーバーなどのインフラストラクチャのリソースには一切配慮しないということだ。インフラの面倒はすべてクラウドのプロバイダーが担当し、何がどこにどれだけ必要かなどを判断して決める。インフラのスケールアップもダウンも自動的に行われる。

同氏が着眼したように、サーバーレスの理想的なユースケースはウェブサイトだ。彼によると、トラフィックが大洪水になるブラックフライデーのeコマースでは、クラウドサービスはニーズに対応してサーバーの容量をどんどん増やし続ける。サーバーレスのアプリケーションなら、デベロッパーから見てそれが完全に自動的に行われる。自分がサーバーを手作業で手配する必要がないし、トラフィックが落ち着いたときのリソースの削減についても同様だ。

サーバーレスの2大アドバンテージは、まず大きなDevOpsチームを確保して仮想マシンの確保などオペレーションサイドの作業をやらなくても済む。そしてデベロッパーはリソースについて悩む必要なく、自分の理想のウェブサイトを作ればいい。

「結果的にデベロッパーは新しいものを大量に速く作れるし、サーバーやネットワークの手配確保構成、ロードバランシングなどを一切やらないので、すべての時間をコンテンツの創造に費やせる」と彼は言う。

目下同社はユーザーのコミュニティづくりに専念しているが、今後は企業ユーザーにコンサルティングやサポートサービスも提供していきたいとのこと。

コンテンツ管理システムは、ウェブサイトを管理する低レベルのソフトウェアだ。有名な製品として、WordPressやDrupalなどがある。アル・ハマド氏によると、彼の企業のアイデアはニーズから生まれた。彼がある企業でウェブのデザインや開発をやっていたとき、既存のCMSに対するフラストレーションが溜まった。そしてデベロッパーが余計なことに時間と精力を取られない理想の開発方式としてサーバーレスに注目し、自分の会社Webinyを作ったのだ。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

高度なAPIやJSライブラリを使う現代的なウェブサイト作りを助けるGatsby

ReactやGraphQLのような現代的なウェブの技術を使ってよりよいサイトをより速く作れるプラットホームであるGatsbyは(ギャッツビー)米国時間9月26日、CRVがリードするシリーズAラウンドで1500万ドル(1億6200万円)を調達したことを発表した。これまでの投資家のTrinity Ventures、Mango Capital、Fathom Capital、Dig Venturesに加え、KongのCEOであるAugusto Marietti(アウグスト・マリエッティ)氏とAdobeのCPO Scott Belsky(スコット・ベルスキー)氏も参加した。同社のこの前の資金調達は380万ドルのシードラウンドだった。

Gatsbyは広く知られている名前ではないが、2015年のローンチ以来急速に成長した。今やIBM、PayPal、Braun、Airbnb、Impossible Foodsなどもユーザーだ。同社によると。上位1万のウェブサイトの約1%は、このプラットホームを使って作られている。同社を使うことのアドバンテージは、古臭いLAMPスタックを使わずにすみ、現代的なオープンソースのツールと実践的技術をベースとする、より現代的なスタックを使えることだ。Gatsbyはまた、 一枚岩的なCMSシステムを避け、もっと多様なツールを使うが、それでもなおWordPressやDrupalのようなプラットホームを使って、基本的にヘッドレスなCMSシステムを作れる。その場合Gatsbyは、そのCMSのためのプレゼンテーションレイヤになる。

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Gatsbyの創業者でCEOのKyle Matthews(カイル・マシューズ)氏は「私たちは4年という年月を費やしてGatsbyを、現代的なウェブサイトを作るための最も総合的なプラットホームに育てた。これまで企業が実装に何か月も何年もかけて、最先端のウェブスタックを使って作っていたようなものが、Gatsbyなら簡単に作ってデプロイできる」とコメントしている。

Gatsbyそのものは、オープンソースのプロジェクトGatsbyJSがベースとなっている。同社によると、このプロジェクトには開始以来2500名以上の人びとがコントリビュートしている。マシューズ氏によると、今ではGatsbyは各種のオープンソースプロジェクトに年間約300万ドルをコントリビュートしている。その中にはGatsbyのコアツールや、プラグインのエコシステムもある。

類似のオープンソースプロジェクトがそうであるように、Gatsbyも収益源は企業向けの有料お助けサービスだ。それにより企業のデベロッパーチームは、新しいサイトを迅速に立ち上げることができる。料金は1つのサイトにつき月額50ドルからだ。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa