Facebook Newsが英国でサービスを開始、キュレーションニュースポータルを初めて国際市場へ展開

英国が、大手テック企業をどのように規制すべきかの準備を整える中、Facebook(フェイスブック)は、英国の一般市民にメディアを提示する際の役割や、同国のメディア業界との連携方法について、大きなステップアップをとろうとしている。

英国時間1月25日、Facebookが、専用キュレーションニュースポータルのFacebook News(フェイスブック・ニュース)を英国でローンチした。米国以外では初のこととなるが、米国版と同様にAndroidまたはiOSのアプリメニューからアクセスすることになる。

ポータルは、多数のローカルメディアや、Channel 4 News(チャンネル4ニュース)、Daily Mail Group(デイリー・メール)、DC Thomson(DCトムソン)、Financial Times(ファイナンシャル・タイムズ)、Sky News(スカイ・ニュース)、Telegraph Media Group(テレグラフ・メディア)などの全国メディアを含む形でローンチする。昨年の早い時期に発表されたパートナーリストには、The Economist(エコノミスト)、The Guardian(ガーディアン)、The Independent(インデペンデント)、 STV、そしてArchant(アーチャント)、Iliffe(イリフ)、JPI Media(JPIメディア)、 Midlands News Association(ミッドランド・ニュース・アソシエーション) 、Reach(リーチ)といったローカルニュースサイト、そしてGQ、Cosmopolitan(コスモポリタン)、Glamour(グラマー)、Vogue(ヴォーグ)その他の「ライフスタイル」タイトルが含まれていた。

これも米国版と同様に、ユーザーにはその日のキュレーショントップストーリーリスト、すでにユーザーがフォローしているニュースソースや興味のあるニュースソースに基くパーソナライズされたストーリーのリスト(まだ自分がフォローしていないソースからのものも含まれる)、スポーツ、エンターテイメント、健康、科学、技術のための専用ニュースセクションが提供される。ユーザーは、ニュースを読みたいときや隠したい場合を指示することで、アルゴリズムをより良く訓練することができる。

Facebookは、Newsに表示されるストーリーをキュレーションするために、Upday(アップデイ)というサービスと連携することを認めた。「このプロダクトが提供するのは、キュレーションされたトップストーリーと、アルゴリズムによって選ばれたパーソナライズされたリンクのミックスです」と広報担当者は述べている。 Upday は、ドイツの出版社 Axel Springer(アクセル・スプリンガー)とSamsung(サムスン)による共同事業のようだ。Samsungはその事業によるニュースサービスを、自社のスマートフォンの上でも提供している

FacebookとUpdayの間に取り交わされた財務条件がどのようなものであるかははっきりしない。だが伝えられるところでは、FacebookがNewsに出版社のコンテンツを配置するためにライセンスする額は合計数千万ポンド(数十億円)に及ぶということで、最大の出版社が契約によって得る額は、1年で数百万ポンド(数億円)にも及ぶという。こうした数字は、Facebookが世界的な広告収入で稼いでいる額(四半期ごとに数百億ドル(数兆円)に達する)には及ばないかもしれないが、苦境にあえぐ英国のメディア業界にとってはかなりの金額となる。

人びとは長い間、Facebookや他のソーシャルサイトのニュースフィードを使用してニュースを読みながら、友人やグループ、フォローしているページからの投稿を閲覧してきた。Facebook Newsが目指すのは、それを一歩進めて、その時々の最新ニュースを、モバイルアプリユーザーが、国内の何百もの出版物からのキュレーションリンクや注目ニュースを、一箇所で読むことができる場所として提供することだ。

ソーシャルメディアは、消費者にとっての主要なニュースソースであり続けているが、私たちが気付いているように、そうした目的のためには、非常に偏って欠陥のあるソースだ。

Facebookは、そうした文脈の中におけるFacebook Newsの意図は、ユーザーの興味に合わせた調整を行いながらも、個人のニュースフィードでたまたま出会う可能性のあるものを超えて、よりバランスのとれた専用ニュースミックスを人びとに提供することだと述べている。

Facebook Newsはまた、個人のニュースフィードに飽きてきた人たちのために、ビデオや、エンターテインメントコンテンツ、 メンタリングや就職活動、近隣型コミュニティリスティング、ピアツーピア販売といった多様化を進めてきたFacebookを、また別の形で助けることになるだろう。これからは、ユーザーがニュースを読むためにFacebookアプリを開いてくれるようになるのだ。

とはいえ、この機能の国際展開には長い時間がかかった。Facebook Newsの米国でのテスト運用が始まったのは1年以上前の2019年10月であり、全米のユーザーに展開されたのは昨年6月のことだった

米国版Facebook Newsが、どれ位の数のユーザーを集めているのかに関してはFacebookからのコメントは得られていない。ただ広報担当者によれば、それは「着実に増加している」とのことだ。

米国での最初の取り組みから今日の英国でのローンチまでに、なぜこのような長い期間が必要だったのかは明らかではないが、Facebookはこの市場で展開を行うためのライセンス契約の確保に加えて、さらに多くのことを行ってきた。

Facebookが欧州での規制当局の標的にされていることを考えると、出版社を「助ける」ためにデザインされているというメッセージが添えられた新しいニュースポータルの立ち上げは、新たな次元へと踏み込むものだ。規制当局は大規模なハイテク企業の社会的な影響を精査するための長期的な使命を負っている。英国の場合、その動きは、FacebookやGoogleのような企業が広告やメディアなどで果たす役割を再検討する、新しい「競争推進型」Digital Market Unit(デジタルマーケットユニット)の形を取りつつある。

こうした規制の動きが、どのようにFacebook Newsのようなサービスに影響するのか、あるいは収益や利用データの、ニュースパートナーとの共有にどのような影響を与えるのかは、まだわからない。

一方で、それはさらなるスケーリングのために猛スピードで進んでいる。Facebookは昨年、ブラジル、フランス、ドイツ、インドなどを含む、国際的なFacebook News拡大のための、長期的な計画を持っていることを認めている。最新のブログ記事では、Facebookの欧州ニュースパートナーシップディレクターのJesper Doub(ジェスパー・ダブ)氏が、Facebook Newsの次のローンチは、期日は未定であるものの、フランスとドイツであることを発表している。

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画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch
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(翻訳:sako)

ジャーナリストのFacebook Newsへの質問に対するザッカーバーグ氏の回答

Facebook(フェイスブック)のCEOであるMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏がジャーナリストやメディア企業の重役たちを目の前に登壇したときは、明るくおどけた様子すら見せていた。その時点で彼は、このイベントが10月第4週に行ったもののうち「今のところベスト」と説明していたが、報道界が懐疑的である理由を彼はよくわかっていた。

Facebookは、結果としてこの10年間、経済的に困難な状況を報道界に与えてきた主犯格だった。そのため、Facebookを再び信用することなど馬鹿げていると感じる人間は、出版業界には大勢いるTechCrunchの記者であるJosh Constineもその一人だ。

1つには、Facebookのアルゴリズムがどのように異なるタイプのコンテンツを優先させるのか、そしてアルゴリズムを変更することで出版界にどれほど甚大な被害が及ぶのかという疑問だ。

「私たちは、パートナーたちと力を合わせることで、情報の処理方法について、より透明性を高め、より多くの時間をかけて観察できるようになります」とザッカーバーグ氏は話し、続けて「安定性が大きなテーマだと思います」と語った。そこでFacebookは何かを「実験」として試そうとしているようだが、「それが急激な変化をもたらすようなら、みなさんのビジネスに採り入れることは難しくなるでしょう」と言った。

同時にザッカーバーグ氏は、Facebookのアルゴリズムは「私たちの事業の中でも、もっとも理解されにくい部分」だと論じた。具体的には、利用者になるべく長い時間Facebookを見て過ごさせるためだけにフィードを最適化しているという批判が多いことを挙げていた。

「それは真実ではありません」と彼は言った。「もう何年にもなりますが、すべてのフィード担当チームに対して私は【中略】利用時間の最大化を目的としたシステムの最適化を禁じてきました。私たちが実際に行っているのは、有意義な対話ができる限り多くできるよう促すことを目的にしたシステムの最適化です」

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例えば「Facebookがアルゴリズムを友人や家族のコンテンツを他のタイプ(ニュースなど)よりも優先させるよう変更したとき、人気の動画が1日あたり実質的に5000万時間ぶん見られなくなった」と彼は言う。その後の収支報告では、Facebookの時価総額は米国市場最大の下げ幅を記録した。

ザッカーバーグ氏は、News Corp(ニューズ・コープ)のCEOであるRobert Thomson(ロバート・トンプソン)氏と共にニューヨークのステージに登場し、Facebook Newsの開始について討論した。ニュースは、Facebookの中に新設されるニュース専門のタブだ。トンプソン氏は、こんな簡単な質問から話を切り出した。「なぜ、こんなに時間がかかったのです?」

ザッカーバーグ氏はこれを受け流し、こう切り返した。「これ以上の褒め言葉はありません。私たちが現実に良いことをしたという意味ですからね」。

さらにザッカーバーグ氏は、Facebookはずっと以前からジャーナリズムに興味を抱いてきたと続けた。「インターネットのプラットフォームはみな、報道を支援するための資金援助や提携の努力をする責任があると思っています」と言うが、当初その努力はニュースフィードに限られていた。それは基礎的なアーキテクチャーであり、ニュースのためのスペースは十分に与えられていない。ほとんどの利用者の最大の関心事は友人や家族の話なので、なおさらだ。

そのためFacebook Newsは、ニュースにふさわしい場所として活躍することになる。ちなみに、メインのニュースフィードにも今までどおりニュースは現れるとFacebookは説明している。ザッカーバーグ氏はまた、いわゆる「エコシステムの混乱」を招いた過去の実験を踏まえ、本格開始前に問題なく運用できるかを確かめるのだと述べていた。

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特に彼はこのタブを、多くの人たちの興味を惹くように、Facebook MarketplaceやFacebook Watchと並べてFacebook内に表示させなければならないと話す。ザッカーバーグ氏は、これらのタブに対する大半のFacebook利用者の関心が低いことも認めている。しかし、そもそもの利用者数が膨大であるため、その数%でも数としては意味がある。

「(Facebook Newsは)おそらく数年内に、2000万から3000万のユーザーを獲得できると思います。それだけでも、十分に価値があります」と彼は言う。

Facebookは、Facebook Newsに参加する一部の出版社に出資もしている。ザッカーバーグ氏はこれを「長期の安定した関係とパートナーシップを多くの出版社と結ぶのは、これが初めて」だと言っている。

出資する出版社をどうやって選んだかに関する詳しい説明を、何人ものジャーナリストが求めていた。ザッカーバーグ氏は、それにはFacebook Newsに幅広いニュースを提供できるかなど、数多くの要素があると答えていた。これまであまりFacebookにニュースを流してこなかった出版社も対象になるという。また、有料サイトに掲載しているニュースを出してもらう場合には、その埋め合わせもしなければならない。

「厳格な決まりはありません。いずれは規則化されるでしょうが、限度を超えることはありません」と彼は話していた。

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ザッカーバーグ氏はさらに、近年、政治広告のファクトチェックに消極的な姿勢が批判されている中で、Facebookがいかにして正確さと品質を保つのかという質問を受けていた。

彼は、政治広告の話は今日の話題ではないと避けつつ「これは種類の異なる問題です」と言い返した。つまり、参加する出版社にFacebookの出版指針を守らせることと、Top Stories(トップストーリー)セクションに表示されるトップニュースの審査を行うジャーナリスト集団を雇うことにより、何を載せて何を載せないかを決める大幅な自由がFacebookにあるのだと彼は論じていた。

「質の高いニュース専用のスペースには、みなが発言権を持ち、意見を交換できるスペースに期待しているものとは別の期待を人々は抱いています」と彼は言う。

Facebookに批判的なニュースを載せるかどうかについては、ザッカーバーグ氏は、ブルームバーグが自社関連のニュースを(ほとんど)扱っていないことを知って喜んでいたようだ。

「そんなことができるとは知らなかった」と彼はジョークを飛ばした。そして真顔に戻ってこう話した。「良い悪いは別として、私たちは数々のニュースの中で大変に目立つ存在になっています。Facebookの活動に関するニュースを排除する行為は、ニュースタブにとって合理的なものとは思えません。将来に向けて信頼を高めてゆくためにはFacebook関連のニュースも客観的に扱うべきです」。

[原文へ]

(翻訳:金井哲夫)

10年間パブリッシャーをいじめてきたFacebook Newsを信頼してはいけない理由

本当にまた繰り返すのか?動画への方向転換があり、インスタント記事があり、ニュースフィードからニュースが消されることがあり、それでもなおFacebook(フェイスブック)は、新しい媒体をちらつかせ、ジャーナリズムをおびき寄せて檻に閉じ込めようとしている。

米国時間10月26日、FacebookはNews(ニュース)タブ公開した

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すでに、The Wall Street Journal(ウォールストリート・ジャーナル)やBuzzFeed News(バズフィード・ニュース)などを含む約200社のパブリッシャーが参加しており、一部には資金援助が行われている。このプラットフォームの危険性を誰も学んでいないのだろうか。

他人の土地に勝手に家を建てれば、ブルドーザーで潰されても文句は言えない。Facebookがパブリッシャーへの資金援助を突然打ち切った数の輝かしい記録を思えば覚悟すべきだ。

2015年に私が書いた「Facebookはパブリッシャーをゴーストライターに変えて、スマートパイプにくだらないコンテンツを流すのか」という記事をもう一度掲載すれば済む話かもしれない。または、ユーザーにパブリッシャーのサイトを捨てさせてFacebookに取り込み、アルゴリズムで管理されたフィードに依存させることで、Facebookが報道事業を奪ったことに関する2018年の記事でもいい。

Facebookによるパブリッシャーいじめの記録

ちょっと時間を遡って、同社が報道界を翻弄して多くの人たちを傷つけてきた歴史を振り返ってみよう。

2007年、Facebookがニュースを扱うようになる前にもすでに起きている。同社は、無料のバイラル機能を大量に備えた開発者向けプラットフォームを立ち上げ、そこからZynga(ジンガ)などの企業も生まれた。しかしスパムがニュースフィードを蝕むようになるとFacebookはそれを打ち切り、Zyngaも見放した。Facebookがモバイルに移行する5年間で、大量のゲームが破棄されてしまった。Zyngaは完全に立ち直ることはできなかった。

2011年、Facebookは、読んだニュースを自動的に友人にシェアするソーシャルリーダーという種類のアプリで、オープングラフプラットフォームを立ち上げた。ガーディアンやワシントンポストといった新聞社は、競ってこのアプリを作り、バイラルなトラフィックを記録した。しかし2012年、同社はフィード投稿のデザインを変更し、ソーシャルリーダーアプリの存在感が薄れた。そのため読者数が大幅に減少し、多くのパブリッシャーはアプリの運用を取り止めた。Facebookは、そのプラットフォームを大幅に切り捨てた。

丸印は話題の記事の新デザイン移行期

2015年、FacebookはInstant Article(インスタント記事)を立ち上げた。アプリの中で新しいコンテンツをいち早く読み込めるというものだ。しかし、広告・購読のサインアップボックス、再循環モジュールを制限する高圧的なルールのために、パブリッシャーはインスタント記事による恩恵をほとんど受けられなかった。2017年後半、多くのパブリッシャーはこの機能を放棄した。

インスタント記事の使用量の低下(Columbia Journalism Reviewより)

同じく2015年、Facebookは1日の動画再生回数が10億回に達したとして「動画への移行」を論議し始めた。ニュースフィードのアルゴリズムを動画優先に変更したところ、同年内に1日の動画再生回数は80億回に伸び、パブリッシャーの編集部では動画担当者を増やし、記事も文章から動画へと移行させていった。しかし後の訴訟により、Facebookは150〜900%に及ぶ視聴回数の水増しを認識していたことが判明した。2017年末までに、Facebookはバイラルな動画のランクを下げ、1日あたり5000万時間分の視聴(一人あたり2分以上)を削除し、後にパブリッシャーへのライブ動画のための支払いを削減。友だち関連のコンテンツに重点を移したことで、パブリッシャーが提供した大量の動画が破棄された。

2018年、Facebookは、家族や友だちのコンテンツを優先させるために、ニュースフィードでのニュースの表示率を5%から4%に減らすと発表した。Facebookが参照元となる数が急激に低下し、そのぶんをGoogle(グーグル)が獲得してトップのリファラーになった。だが、Facebookからのトラフィックが87%減少したSlate(スレイト)などのニュースサイトは大打撃を受けた。パブリッシャーの中には、見捨てられたと感じるところが少なくなかったのは想像がつく。

Facebookを参照元とするとらスレイトへのトラフィックは、ニュースよりも友だちと家族のコンテンツを優先させるという戦略の変更により87%落ち込んだ

傾向がおわかりだろうか?彼らが守りたいもの、守ろうとしたものに関するデータに従い180度の戦略転換を行い、それが周囲に与える大打撃を、ユーザーを思ってのことだと正当化するのがFacebookの常だ。それによりその他の利害関係者が優先されることになる。

死の情報収集サイト

私はよく、Facebookは、ユーザー、開発者、広告主との奇妙な四角関係にあると思っていた。しかしこのごろは、Facebookがユーザーとの虐待的な愛憎関係にあるように見えてきた。ユーザーの気を引きつつ、プライバシーを抜き取っているからだ。一方で、グーグルとの複占状態のおかげで、数値上の誤りを放置でき、開発者はユーザーが欲しいときや、データ上の大失敗の後に撤退したいときにアクセスやリーチを変更できることから、Facebookは広告業界を独占している。

いくつものしっぺ返しを喰らった挙句、ようやく最近になって、Facebookはいくばくかの愛情を社会に注ぐようになったようだ。だが、ニュースのパブリッシャーはそのいちばん下の階層にある。ニュースは、Facebookの中では大きなコンテンツではないため収益も少なく、ソーシャルネットワークの基礎にある友だちや家族のグラフには属さない。アップルやグーグルと違い、報道機関がFacebookにどんなに強く当たろうとも、すでに悪化している関係がこれ以上悪くなりようもない。

だからと言って、Facebookがニュースを意図的に軽視しているわけではない。FacebookはJournalism Project(ジャーナリズム・プロジェクト)の広報、ニュースリテラシー、ローカルニュースを専門に扱うToday In(トゥデイ・イン)に出資している。また、インスタント記事の失敗が及ぼした被害を埋め合わせしようと、パブリッシャーが有料サイトを立ち上げるのを親身になって手伝ってもいる。Facebookがそれを中心的な存在と考えるなら、スタッフはニュースをよく読むようになるだろう。この部門を支えていけば、醜聞に埋もれる中でもいくらかでも称賛が得られるようにもなる。

だが、Facebookの生き残りの中心になかったものが、その戦略の中心になることは決してない。ニュースでは勘定が合わない。鈍化する成長率を押し上げる主要な力にもなり得ない。Twitterの場合を思い出してほしい。Facebookよりもニュースに力を入れているTwitterだが、時価総額はFacebookの23分の1でしかない。そのため、少なくとも今の時点では、Facebookは報道系パブリッシャーの味方ではないことが明らかだ。

よくても気まぐれで、肝心なときに当てにならない友だちだ。何百万ドルを出資しようとも、確かにジャーナリズムの世界では大金だが、2018年のFacebookの純利益220億ドル(約2兆4000億円)に比べたらいくらでもない。

Facebookがパブリッシャーに提示するものには、すべてに条件が付く。ニュースタブが持続可能にならない限り、永遠に補助金は出ない。ニュースの編集部にとれば、計画や資源の分配が変更されるときは、まったく信用できないFacebookを信用せざるを得なくなる。

関連記事:TwitterとFacebookはパブリッシャーをゴーストラーターに変える(未訳)

パブリッシャーはどうすればいいのか?オウンドオーディエンスという考え方を、常に倍賭けで疑うことだ。

自分たちのサイトへ直接ユーザーを呼び込む。自前のサイトなら、ユーザーに購読を勧めたり、ニュースレターやポッドキャストを配信したり、ニュースフィードの中で見るほど魅力的ではないにせよ、充実したオリジナルの記事を送れる柔軟性がある。

ユーザーがいる場所でユーザーに会う。だが、彼らを自分たちの世界に連れ戻すことが大切だ。アプリを開発してダウンロードしてもらうか、ユーザーのすべてのデバイスにパブリッシャーのブックマークを付けてもらう。購読、イベント、商品、データ、調査などトラフィック中心の広告を代替収入源にする。多様な意見を持つ優れた才能が離職しないように報酬を増やすか新しく雇う。

盗用されたりリブログに書かれないスクープ、評論、分析、メディアとは何か?それを作る。どのサイトでもトップを飾る記事をいかにして目立たさせるか?そこに未来がある。他人のスマートパイプから拝借したつまらない記事を垂れ流す陳腐なパブリッシャーになってはいけない。

Stratechery(ストラテチェリー)のBen Thompson(ベン・トンプソン)が説いているように、Facebookは、かき集めたコンテンツ提供者から搾取を行うごとに、関心と広告主からの戦利品が増加する情報収集サイトだ。情報収集サイトにとって情報提供者は交換が利く使い捨ての存在だ。パブリッシャーは基本的に、Facebookニュースのゴーストライターとなる。情報収集サイトに依存するということは、自分の運命を奪われるということだ。

たしかに、ニュースタブをブレイクさせるための実験では分配金が発生するだろう。パブリッシャーは、Facebookの提示するものを受け取ることができる。ただし「彼らの事業の根っこを脅かさない限りは」だ。しかし、Facebookの態度を急変させる性質を考慮するに、パブリッシャーは地震の中でボーリングをするようなものかもしれない。

[イラスト:Russell Werges]

[原文へ]

(翻訳:金井哲夫)

AmazonのFire TVとタブレットにニュースまとめアプリが登場

米国時間10月22日からAmazon(アマゾン)は、米国のFire TVユーザーにニュースまとめアプリを提供する。このアプリは、さまざまなニュース媒体からのニュースをカスタマイズ可能な形でサービスする。それらはCBSやロイター、Sports Illustrated、HuffPost(ハフィントンポスト)などの大手を含めて20社近いが、一部はYahoo系だ。以下が、そのニュースソース。

  • CBS News
  • Reuters(ロイター)
  • Huffington Post(ハフィントンポスト)
  • Bloomberg(ブルームバーグ)
  • Yahoo News
  • Yahoo Finance
  • Yahoo Sports
  • Yahoo Entertainment
  • AOL News
  • Al Jazeera(アルジャジーラ)
  • People
  • Entertainment Weekly
  • Sports Illustrated
  • Cheddar
  • Newsy
  • Wochit

いくつかの大手が欠けている。The New York Times(ニューヨークタイムズ)、The Wall Street Journal(ウォールストリート・ジャーナル)、NPR、CNNなどなどだ。でも、このようなコンテンツの契約は難しい。一部に有料のコンテンツもあるし、速報ニュースなどをスマートアシスタントにどうやって送るのかという問題もある。でもAmazonは「今後はニュースコンテンツの選択の幅をもっと広げる」と言っている。

ユーザーは好みのニュースソースを選び、Alexaにニュースを頼む。Alexa対応のFireタブレットにも、近くこのアプリが載る予定だ。

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

スタートアップに「クリエイティブ」を投資する専門家集団NEWS設立

投資家によるスタートアップへの関わり方はさまざまだ。資金を出すだけでなく、経営に深く関わって細かく助言を与え、新米起業家には頼れる存在となるケースもあれば、「金は出すが口は出さない。自由にやって、成長してくれればそれでいい」というケースもある。

今日8月7日に設立が発表されたNEWS(ニュース)は、資金、キャッシュではなく、クリエイティブやマーケティングの知見をスタートアップに投資する、クリエイティブスタジオだ。クリエイティブの対価には、現金の代わりにストックオプションを得ることで、将来の成長からリターンを得る「クリエイティブキャピタル」でもある。

クリエイターにとっての「働き方改革」

クリエイティブをスタートアップに投資するという流れは世界的にも見られるものだ。米国のVC、Sequoia Capital(セコイアキャピタル)は2014年に「Sequoia Design Lab(セコイアデザインラボ)」を立ち上げ、デザインやクリエイティブ機能を提供している。またNike+などのプロダクト、サービスデザインを手がけるクリエイティブエージェンシーR/GAは2017年にベンチャーキャピタル機能をサービスに加えており、Verizon Venturesと共同で起業家支援・育成プログラムを実施するなど、資金やクリエイティブ資本、カスタマーリレーションシップを資本としてスタートアップに提供している。

日本でもSkyland VenturesとクリエイティブエージェンシーのPARKが2017年6月に提携し、シード期のスタートアップにコンセプト開発やクリエイティブをサポートする取り組みを行っている例がある。

今回設立が発表されたNEWSは、クリエイティブディレクターとして海外広告賞も多数受賞している梅田哲矢氏、東京を拠点にグローバルに活動するクリエイティブエージェンシーmonopo(モノポ)の代表を務める佐々木芳幸氏、「よるヒルズ」や「リバ邸」などコンセプト型シェアハウス立ち上げに関わり、2014年にビジョン提案型エージェンシーNEWPEACE(ニューピース)を創業した高木新平氏の3人が共同代表として創業。3人ともクリエイティブに携わり、クライアントワークを10年ほど手がけてきた人物だ。

写真左からNEWS共同創業者の高木新平氏、梅田哲矢氏、佐々木芳幸氏

梅田氏は「NEWSは、クリエイターにとってある意味での『働き方改革』を実現するために立ち上げた」という。クライアントワークとして、時間をかけて作品やコンテンツ、映像などをつくる中では「何のためにつくるのか」を考える場面も多い。その多くは大企業が展開する大きな事業で5%、10%をプラスする取り組みだ。梅田氏は「それも意義のないことではないが、世の中を変革したり、企業の価値を10倍にするようなうねりの中で仕事をする方が、クリエイターにとってはずっと楽しい。仕事の意義やメンタルへの影響を考え、やっていることの量より質を取る仕事をすることで、働き方改革を目指したい」と考え、スタートアップに特化したクリエイティブスタジオを構想するようになった。

スタートアップを相手にすることは決めたが、それでビジネスとして成立するのか。梅田氏は1年半ほどかけて検討を重ねた。大企業なら、大きな金額をキャッシュで動かせる。「量より質」のコンセプトをもとにスタートアップ向けのメニューを打ち出して、成長後にリターンを得るというモデルを現実に落とし込むと「収益が上がるのは何年後になるのか?」という課題は出てくる。言うまでもなくキャッシュフローは事業を行う上では大切だ。

梅田氏は、スタートアップと長期的に伴走を行うことを想定して、幅広い分野から参画メンバーをそろえ、「分散型」にすることでクリエイティブ投資を可能にしようと考えた。それぞれの参画メンバーには軸となる収入源があり、それとは別の時間を一部「投資」する形を取る。余剰資金を投資にまわす、というのと似た発想で、余った時間を投資するような感じ、という梅田氏。とはいえ「スタートアップの成長につながるよう、コミットはする」と述べる。

創業に先駆けて梅田氏は、所属する広告代理店の仕事とは別に、副業的に1年間ほど仕事を実際にやってみたそうだ。その結果「10の時間がかかると思っていた仕事でも、5で終わるようにできるものだと分かった」(梅田氏)とのことで、かえって生産性は上がり、余剰時間といえどもコミットは可能と判断したという。

8月の時点で参画するメンバーは、共同代表の3人も含めて11人。コピーライターから編集者、戦略コンサルタント、キュレーターと多様なメンバーが、案件の特性ごとに最適な組み合わせで参加することにより、幅広い対応と効率の両立を図る。

専門家集団が「分散型」でスタートアップに寄り添う

メンバーに本業があって、案件ごとに必要なメンバーだけが「バスケット方式」で参加していくスタイルになる、と聞いて気になったのが、本業でのクライアントとNEWSが手がけるスタートアップとの間で競合関係が生じることはないのか、という点だ。もちろんスタートアップは今までになかった事業にトライしていくものだし、そう簡単には衝突しないとは思うが、疑問を梅田氏にぶつけてみた。梅田氏は「領域でそう重なることはない、ということもそうだが、(自分たちが支援しようとしているシード期のスタートアップでは)規模的にも全く異なるので、おおむね問題にならないだろう」という。

また、スタートアップと既存の取引先の大企業とを引き合わせることで、互いにメリットを生み出す効果も期待できるという。「パイを奪い合うというよりは、大企業とスタートアップとが協調することでWin-Winの関係を築き、全体で大きく伸びようという時代が来ている」(梅田氏)

投資先としてNEWSが対象とするのは、生活を大きく変える可能性を秘める5つのメガトレンドに取り組むスタートアップだ。「自動化」「リアルタイム化」「グローバル化」「キャッシュレス化」「ノーマル化」でディスラプティブに社会や生活を変えるサービスを手がける企業に投資していくという。

クリエイティブスタジオとしてのNEWSの強みは、起業家と同世代の多様なメンバーが、専門家集団としてスタートアップに寄り添う、というところだろう。特に共同代表の佐々木氏、高木氏は、NEWSとは別に創業経験があり、そちらとの連携でスタートアップに提供できることも広がるとの想定がある。

メンバーはコピーライター、編集者、戦略コンサルタント、ビジネスデザイナー、コンテンツプロデューサーと多様。

佐々木氏が2011年に立ち上げたmonopoは、東京を拠点にグローバルで活動するクリエイティブエージェンシーとして、国内外の企業にブランド、UI/UXや広告デザインなどのサービスを提供している。佐々木氏が「南米以外の全世界から集まっている」というmonopoの社員は、30人中4割が外国人。日本から海外への進出、海外企業の日本進出でもサポートを行い、今年はロンドンに子会社も構えたそうだ。

佐々木氏自身はクリエイターとしてというよりは、プロデューサーとして動くことが得意だという。海外から日本進出を目指す企業を内側からクリエイティブで支援する際に、日本法人の株式を持つケースもあるそうだ。こうした活動の中で、クリエイティブと連携した投資ニーズを感じており、方法を考えていたところ、NEWSの構想と出会ったと佐々木氏は話す。

佐々木氏は「日本企業はグローバル化していない。中国・台湾やアジア進出は果たせても、欧米目線でブランドやコミュニケーションを考えたときに、本当にグローバルで展開できるかは疑問」と述べ、monopoで培った世界のクリエイターとのネットワークを通じ、NEWSで「グローバル進出を見据えたブランド戦略も提示できる」としている。梅田氏も「プロダクトのネーミングなど、最初から考えて手を打たないと、後から名称変更するとなるとブランド価値も損なわれたりムダになったりする。今後市場の縮小が予想される日本だけでなく、海外へ出ることを考えれば、起業後、早いうちからプロとタッグを組んだ方がいい」と述べている。

高木氏が率いるNEWPEASEは2014年創業の「ビジョニングカンパニー」。企業やプロジェクトへ事業視点でビジョンを提示する活動を行っている。

高木氏は「ビジョニングはスタートアップには手が出しにくい領域。資金面での難しさや、直接のメリットが見えにくく『ペイしない』と投資家にも受け取られるため、IPO後、もしくは早くてもプロダクトマーケットフィットした後でなければ着手されない」としつつ、「だが『どうすれば世の中の話題になるか』を考えると、実は長期的に、最初からビジョンを提示するほうがいい」と述べる。

例として高木氏は、米国のD2CブランドEverlane(エバーレーン)を挙げる。「Everlaneはビジネスモデル、原価開示そのものをコミュニケーションにして成功している。同様にスタートアップでは事業自体がコミュニケーションになる。事業そのものにアイデア、ビジョンが求められている」(高木氏)

こうした思いから高木氏も、スタートアップへ一部投資を行い、自らスタートアップへのビジョニングの事業化にも取り組もうとしていたが「スタートアップからお金をもらう仕組みがなかなかつくりにくい」(高木氏)ということからストックオプションによるクリエイティブの投資に着目したという。

「ストックオプションは社員へのサクセスシェアとして使われる手段だが、外部でも利用できると近年検討されており、それを取り入れた。ゼロからブランドづくりに関わり、積み上がったら資産としてそれをシェアする。その実験の場としてNEWS創業に参画することにした」(高木氏)

クリエイティブを生業とする人にも新しいチャンスを

梅田氏はNEWS設立の意義について「いわゆるメディア、広告とスタートアップとを近づける試み」と語る。「クリエイティブエージェンシーは、普通は大企業をクライアントとして手堅くやった方が儲かる。また日本の特性で、大企業やマスメディアがクリエイティブ市場に占めるシェアが大きいという点がある。フィーや制作費が出せず、プロダクトそのものと違って投資の優先度も落ちるため、スタートアップは長期的なブランドづくりができていない。そうした状況を変えたい」(梅田氏)

「マーケティング活動の専門家でない起業家にとっては、その分野で正しい意思決定をするのは難しい」と梅田氏はいう。「我々は、クリエイティブやマーケティングに関わるさまざまなノウハウを持っている。調達などによりマーケティング予算がある程度できたときに、NEWSではスタートアップがだまされたり、間違った使い方をしたりしないようにサポートすることもできるだろう。スタートアップとクリエイティブの世界を近づけ、成長速度を上げ、グローバル展開を支援する。これを大きなうねりにしたい」(梅田氏)

また高木氏は「今あるCMや広告も、手法が初めて出た当時には新しいものだったはずだ。その後、佐藤可士和氏が“クリエイティブ”というかたちで“経営”と対峙した。そして今はデジタルデバイスやインターネット、ソーシャルメディアなどの出現により、今ならではの手法がある」と述べている。「NEWSは、クリエイティブを生業にしている人にも新しいチャンスを提供できるだろう。さらに、新しい産業にも寄与する取り組みだと考えている」(高木氏)

Google検索の結果の「ニュース」タブが新デザインで見やすくなった

Google検索の「ニュース」タブ(Google Newsへ切り替えるタブボタン)が改造される。Googleが今週、ツイートで発表したデスクトップのGoogle.com(Google検索)の「News」(ニュース)タブの新デザインでは、記事がカードのようにレイアウトされ、ニュース記事発行元の名前も強調されて見やすくなった。全体としてGoogle Newsのページがきれいで見やすくなり、ただし情報の密度は薄くなった。

なお、ここで言っているのはあくまでもGoogle検索の結果の上部に出るNewsタブのことで、news.google.comで行けるGoogle Newsのページではない。検索して「News」(ニュース)を押すと、その語が登場しているニュースの一覧が見られる、そのページのことだ。

これまでのデザインではニュース記事のリンクのコンパクトなリストがあって、複数の記事の見出しを一目で見ることができた。そのデザインは少々古めかしいが、実用性はあった。

その積み重なったリンクの中で、見出しはブルー、発行者はグリーン、そして英語版では記事に「In-depth」(詳細)や「Opinion」(意見)のラベルが付いている(下図)。最上部には小さな写真、そして下部にはそのほかの発行者のリンクがある。

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新しいデザインは記事と記事の間にスペースがあって見やすいし、カードのように並んでいる。実はGoogle Newsに直接行くと、こんなレイアウトだ。スペースが多くなっただけでなく、記事のプレビューも前より長い。

しかし、以前は一画面内の記事の数がとても多かったが、新デザインではスペースを多くしたため、一画面内の記事の数は少ない。

Googleからの発表ツイートでは、発行者の名前を目立つようにしたとある。

今度のNewsタブでは、発行者の名前がよく目立つので、何に載ってた記事かすぐに分かる。見出しの次には発行者のロゴがあるので、自分の好きなメディアを見つけやすい。モバイルのGoogle検索も、最近そんなデザインになった。やはり発行元とそのロゴをリンクの上部に置いて目立つようにしている。

新デザインのニュース検索結果では、ニュースの見出しと記事の一部のほかに、「関連検索」のボタンがあるので、自分の検索に関連したほかのニュースも見られる。

でも、「前の混みあったデザインのほうがたくさんのニュースを一度に見られていい」という人もいるだろう。また、最初の一画面内に表示される記事数が少ないため、さらにその下へスクロールする人が減るかもしれない。

Googleによると、変更は今後2週間以内に展開される。

画像クレジット: Jon S/Flickr CC BY 2.0のライセンスによる

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Apple、ニュース・雑誌購読サービスを2019年初めにスタート(Bloomberg報道)

今日(米国時間12/12)BloombergはAppleのニュースおよび雑誌定期購読サービスの計画に関する以前の報道を続報した。Bloombergは今年、Appleが今年Apple Newsアプリの一環として今春買収したデジタルニューススタンドサービスTextureを再スタートさせると書いた。このたび同誌は、スタート時期を「早ければ来春」と断定した。さらに、業界の反応も紹介しているが、よくても慎重だ。

AppleはThe Wall Street Journal、The New York Timesをはじめとする有料新聞サービスにTextureへの参加を呼びかけているほか、雑誌コンテンツのデザイン変更も進めていると言われている。現在のように紙の雑誌の外観を真似るのではなく、Appleはコンテンツをオンラインニュース記事風に見せようとしている、とBloombergは言った。

記事は出版社らが恐怖を覚えながら検討していることも指摘している。Appleが低価格な条件——月額9.99ドルでニュースと雑誌コンテンツ読み放題のNetflixに似たモデル——を提示しているため、Appleのサービスが自分たちの売上を食うことを心配している。何しろこの10ドルという価格設定は単独の出版物の購読料——たとえばNYTのデジタル購読——より安いケースさえある。

代わりに出版社が望むのは、独自の有料サービスをAppleアプリの中に作れるプラットフォームだ。

しかしAppleの交渉でのポイントは、購読者数が増えれば出版社独自の定期購読収益の減少を補ってあまりあるという可能性だと記事は伝えている。同社はその可能性をApple Musicと対比しており、 Billboardの最新報告によると現在同サービスのユーザーは6000万人近い。

現在Textureは200誌以上の雑誌を提供しており、Vanity Fair、EW、GQ、Vogue、Forbes、Time、People、Rolling Stone、Cosmopolitan、Sports Illustratedのほか、Bloomberg Businessweekなど多数が名を連ねている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

アメリカ人の好みのニュースソースは初めてソーシャルメディアが新聞を抜く、トップは依然テレビ

【抄訳】
すべての人がFacebookやTwitterからニュースを得ているわけではないが、でもアメリカ人の大人のニュース取得源として、ついにソーシャルメディアが新聞を超えてしまった(下図、いちばん下のライン)。Pew Research Centerの最新の報告書によると、ソーシャルメディアは初めて、アメリカの大人が選ぶニュースソースとして新聞を超えた。しかしソーシャルメディアは、テレビやラジオなど伝統的なニュースソースに比べると、まだはるか後方にいる。

Pewによると、昨年はニュースをソーシャルメディアから得る者と新聞から得る者がほぼ同率だった。しかし今年の7月30日から8月12日までの2週間のアンケート調査では、それが変わった。

今や、アメリカ人の5人に1人(20%)がソーシャルメディアからニュースを得ているが、新聞からは16%だ。複数回答ありなので、下図のパーセンテージの合計は100を超える。質問は、「あなたがニュースをよく(often)知るのは何ですか?」という聞き方をしている。

このところ新聞の発行部数は減少しており、ニュース媒体としての人気も、とくに若い世代で衰えている。Pewのレポートによると、65歳以上では39%がニュースを新聞から得ている。しかしそのほかのどの年齢層も、18%を超えていない。

新聞の衰退でソーシャルメディアが上に立ったが、ソーシャルメディア自体はほぼ横這いで、他を支配する勢いはない(上図)。

なんといっても最大のニュースソースは依然としてテレビだが、そのテレビも近年は下降気味だ(上図)だ。テレビに次ぐのが、ニュースのWebサイト、ラジオ、それからソーシャルメディアと新聞となる。

しかしPewによると、テレビは必ずしもケーブルのニュースネットワーク(全国ネット)ではない。

むしろ、テレビの中では最多はローカルニュースの37%、ケーブルが30%、全国ネットの夜のニュースをよく見る人は25%だ。

しかしソーシャルメディアとニュースのWebサイトを合わせると、43%が‘ネットから’という分類になり、テレビの49%に迫っている。また上図のように、お気に入りのニュースソースは、年齢層による違いが大きい。若い層では、ネットからが計63%となり、これは65歳以上の層の4倍である。

【後略】

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Facebook、ニュースフィードでローカルニュースを優先表示へ

Facebookは、論争を呼んでいるニュース配信問題の新たな取組みとして、ローカルニュースを優先する。今日(米国時間1/29)ソーシャルメディアの巨人は、友達のコンテンツや「質が高い」と指定された情報源のコンテンツを浮上させる方針に加え、ローカルニュースをフィードの上位に配置することをブログで発表した。

この機能追加は、限られた地域の層を対象にした情報源のコンテンツを優先し、対立的あるいは政治的であることの多い全国ニュースを脇に追いやろうとする試みだ

新機能によって上位に来るのは、ごく限られた地域のユーザーがクリックしたニュースやその地域に拠点をおくニュースソースのコンテンツだ。ユーザーが特定の出版物の記事をフォローあるいはシェアすることによっても優先度は変わる。

Mark Zuckerbergは、自身のページを通じてこの変更に言及し、新機能の基礎とするべく全米を回った事実調査視察の結果を報告した。

「多くの人たちから、対立的な話題を減らして地域の具体的な問題に集中した方が建設的だと言われた」とFacebookのファウンダーは書いた。「ローカルニュースはコミュニティーづくりに役立つ —— オンラインでもオフラインでも。これは、Facebookで過ごす時間を価値あるものにするための重要な要素だ」。

この機能はまず米国内で展開される。同社は新機能がまだ仕掛中であることを認めており、問題点を修正しながら進めていくことになると言っている。つまるところ、超ローカルで非中央集権バージョンのニュースフィードは、視野の広い全国ニュースとのバランスをとらなければ、偏向したニュース源になりかねない。

このアップデートによって、小さなニュースやニッチなニュースを全部取り込むことはできないかもしれないが、時間とともに精度を高め対象を広げていきたい」と同社は言っている。「偽ニュース、誤情報、釣りタイトル、センセーショナリズム、あるいは偽アカウントを減らす努力は今後も続けていく」。

最後のひと言は、Facebookのニュースフィードの変更によるリーチ減少を懸念するパブリッシャーにとって多少の慰めでもある。ちなみにGoogleも、ローカルニュースに関する独自の取組みを進めており、ローカルニュースの記事をクラウドソーシングする、Bulletin というアプリを公開した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Google、ニュース出版社との収益分配を計画中との報道

Googleはニュース配信社と収益分配する準備を進めているとFinancial Timesが報じた。Googleの個人データの宝庫と機械学習アルゴリズムを組み合わせることでニュース配信数の拡大と定期購読者ベースの維持をはかる。

Googleはニュース購読者を一人連れてくるたびに、30%の紹介料を受け取る。条件はGoogleがAdSenseビジネスで伝統的広告主と結んでいる契約と似たものになるだろうと記事は伝えている。

アップデート 1:27pm PT: Googleは、30%の紹介料とは真実ではなく収益面の結論はまだ出ていないと言った。さらに広報担当者は、収益分配は出版社側に有利で非常に寛容な条件になると付け加えた。

このニュースに先立ち、今月Googleは、New York TimesやWall Street Journal、Financial Times等の有料ニュースサイトが購読者を集めやすくするしくみを発表した。その中で出版社はGoogle検索経由で無料アクセスできる記事の上限を決められるオプションを与えられている。これまでGoogleは1日3本以上の無料記事を出版社に要求していた。

デジタルニュース会社の暮らしを楽にしようとしているのはGoogleだけではない。先週Facebookはインスタントアーティクルの定期購読を促進するテストを開始した。この新しい取り組みでFacebookは、10本以上の記事を無料で読者に提供することを要求している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

独自の「ビジュアルストーリー」でニュースを伝えるHardbound

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ゲームやFacebookばかりで、空き時間を無駄に使ってしまったと感じる人も多いようだ。そんな人に使ってもらいたいと生み出されたのがHardboundだ。単なる時間つぶしでなく、空き時間を利用して、面白い情報を入手できるようにしようとするアプリケーションだ。リリースされて1ヵ月ほどとなるこのアプリケーションは、スマートフォン上でビジュアルを重視したインタラクティブコンテンツを提示し、それにより科学、歴史、テクノロジー、ビジネスなどのトピックスについての記事を読むことができるのだ。最新版では、人気のストーリーがわかりやすく表示されるようにもなった。

アプリケーションでは、複雑な物事もできるだけシンプルに伝えることを重視しているようだ。

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たとえば最近、「How the Electoral College Became a Thing」(選挙人制度の仕組み)という記事が公開された。詳しい知識を得る機会がなかったが、今回の選挙をきっかけに調べてみようかと思う人に向けたコンテンツだ。

Hardboundは登場以来、上に記したような5分ほどで学習できるTipsを提供することを目的としている。コンテンツは写真、イラスト、および文書から構成されている。毎週木曜日に新しいコンテンツが通知されるようになっている。過去記事も読んでみたいという場合には、アプリケーション内購入で、購読申し込みをすることができる。

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このアプリケーションのアイデアを思いついたのは共同ファウンダーのNathan Bashawだ。Ryan HooverやJoe NguyenとともにProduct Huntを生み出した人物で、General AssemblyでiOSエンジニアを務めていた経験があり、またHollerbackの共同ファウンダーでもある。

Full Tilt Capital、Betaworks、Maveron、およびエンジェル投資家からのシード資金を集め、そして今回のアプリケーションリリースにつながったそうだ。現在の読者数は、ウェブ版およびモバイルアプリケーション版をあわせて10万を数え、500万「ページ」が閲覧されたのだとのこと。

使ってみると、たしかにHardboundが提供するさまざまな情報は興味深いものばかりだ。ただ、週に一度、新規情報追加の通知を伝えるだけでは、多くの人の興味をかきたてるまでには至っていなかった。

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そこで登場したのがHardbound 2.0だ。新着通知に伴って、「The Nightcap」と題して注目記事の要約なども通知するようにしたのだ。

通知は月曜日から木曜日の夜8時頃に送られ、注目記事のわかりやすいまとめが送信されるようになった。

注目記事のセレクションに独自性を持たせており、たとえばトランプ次期大統領の公約についてや、投票結果の再集計についての記事もあれば、マウスの脳をワイヤレスで制御する神経科学についての記事などが取り上げられる。切り口としては、「必須の情報」ではないものの、知っておくと「面白い情報」をメインに据えている様子。

さまざまなニュースを扱い、重大とは言わないまでも面白そうなニュースを提供するということに力を注いでいるようだ。

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Nightcapのセクションにはいくつかメインのストーリーがあり、そして「おすすめ」記事や、簡単なハイライトなどが掲載されることもある。記事の内容はさまざまなメディアやブログ記事などを元にしたものが多い。

Nightcapの記事をいろいろと眺めてみるのは、SnapchatやTwitter Momentの楽しみ方と似ていると言えるかもしれない。そのおかげで、最初から親しみを感じる利用者も多いことだろう。ただ、それだけに他のアプリケーションでなくHardboundに注目してもらうということに難しさもある。

提供コンテンツのキュレーションについては、まだまだ試行錯誤の段階であるとのこと。記事自体は短いものの、簡単な内容を回りくどく記しているように感じられてしまうコンテンツもある。記事を短くするよりも、わかりやすさを重視することに着目すべきなのかもしれない。また「our take」と名付けたおすすめ記事についても、ただ機械的にコンテンツを列挙しているように見えるものもある。

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さまざまなニュース情報を短くまとめるということは、当然ながら難しいものだ。

そんな中、The Skimmなどは日々のニュースをニュースレターやアプリケーションにまとめて提供して、多くの読者を集めている。また、今のところ情報提供の観点からみると不満は多いものの、SnapchatのStoriesを活用しているパブリッシャーも多い。また、新しく参入してきたZoltなども注目を集めている。しかしYahooなどの大企業規模にて成功したニュースダイジェスト・サービスというのは未だ存在しないのだ。

そのような中にあっても、BashawはHardboundの可能性を信じているのだとのこと。

「私たちは”visual stories”というものを提供しており、こうしたコンテンツ提供の形を広く広げていきたいと考えがえているのです。たとえば過去5年のうちに、数多くの人々がポッドキャストを活用するようになりました。そのような広がりを目指したいと考えているのです」と述べている。

「私たちの提供するビジュアルなストーリーテリングは、読者のひととより密接なつながりを実現できると考えています。読者の人々も、より簡単に、かつわかりやすく身の回りのできごとを理解できるようになると思うのです。これまでのところは、そうした将来に向けた可能性を探っているところなのだと理解していただければと思います」。

コンテンツはすべてを内製するのではなく、パートナーに任せることにより規模の拡大を目指したいとのこと。コンテンツ自体よりも、コンテンツのフォーマットの方をウリにして、ビジネスを拡大していきたい考えだ。さらには情報の提供形式を広告にも使って行きたいという考えもある様子。

HardboundはiTunes App Storeより無料でダウンロードすることができるようになっている。

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(翻訳:Maeda, H

常時接続時代の選挙報道が招いた「選挙疲れ」?!

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モバイル分析ファームのFlurryの新たなレポートによれば、アメリカでは「選挙疲れ」が蔓延し、選挙関連ニュースのみならず、広くニュースに対する興味を失ってしまったらしい。最近ではニュースを入手するのにモバイルデバイスを利用することが多いが、この選挙期間中にモバイルデバイスを使った読者数の伸びに陰りがみられたようなのだ。第二回および第三回の公開討論会の後にその傾向が顕著に見られるとのこと。

ニュースアプリケーションを使ったセッションの実数でいえば、討論会のたびに伸びてはいる。ただし回を重ねるごとに、その伸び率が低下したようなのだ。1度目の公開討論会の直後には、ニュースアプリケーションの利用数は12%の伸びを示した。しかし2回目の後は10%となり、そして3度目の公開討論会直後にいたってはわずか3%となり、伸びがほとんど見られない状況となったのだそうだ。

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政治を主題としたニュースへの関心が第一回公開討論から下がり続けるように見える中、トランプ氏(次期大統領)のセックストークテープのリークや、クリントンのメール問題の再調査開始といったスキャンダルのみが一般の関心を支えることになった。

実際、テープがリークされたときには、モバイルニュースを閲覧するセッション数は18%の伸びを示しており、これが選挙期間を通してもっとも高い伸びを示したことになる。しかし選挙期間全体を通してみれば、一般のニュースに対する興味も低くなってしまったようで、選挙期間中に大きな伸びを示したのは、10月2日のシカゴカブズ優勝のニュースが流れたときのみとなっている。このときの伸び率は10%ということになっている。

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こうした傾向に付きFlurryは、アメリカ国民が「選挙疲れ」の状況に陥ったのだろうと判断している。確かに、ソーシャルメディアにそうしたことを書き込む人も多かったようだ。そしてこの「選挙疲れ」が、ニュース全般への関心すら低下させてしまったようであるとのこと。前回の選挙のときと比べても、公開討論会を生で視聴しようとしたり、ニュース解説を読もうとしたり、一般の反応を入手してみたり、あるいは討論の内容を細かくチェックしたりするような人も減ってしまったのではないかとしている。

Flurryは「選挙報道に疲れてしまった人たちは、スマートフォンのニュースアプリケーションを開くことすらしなくなってしまったようです」と述べている。

また、今回の選挙においては関連ニュースに対する興味は、48時間ほどで消滅してしまう傾向があったとも述べている。すなわち第一報に対して興味はもつものの、すぐに関心を失うという傾向が見えたらしい。すなわち続報や解説記事などを読みたがる人が少なかったのだそうだ。

Charts: source, Flurry Analytics

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(翻訳:Maeda, H

JX通信社がQUICKと共同通信から数億円規模の資金を調達、金融分野でのニュース技術の開発へ

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ニュース速報アプリ「NewsDigest」などを開発するスタートアップ、JX通信社は7月27日、QUICKおよび共同通信社を引受先とした第三者割当増資を実施したことをあきらかにした。金額および出資比率は非公開。関係者からの話によると、数億円規模の資金を調達したと見られる。

JX通信社は2008年の設立。2012年に自社初となるニュースアプリの「Vingow」をリリースしている。Vingowの特徴はキーワードを元にした記事収集と自動要約機能。現在はこの機能をカスタマイズし、法人向けのニュースエンジン「XWire」として提供。これまで共同通信や産経新聞をはじめとする大手新聞社、ニュースアプリなどに導入。その数は200メディアを超えるという。

またこれと並行して、2015年には速報配信に特化したニュースアプリ「NewsDigest(ニュースダイジェスト)」の提供を開始。さらにこの速報配信技術をもとに、法人向けサービス「FASTALERT」も開発。大手メディアや金融機関への提供を進めているという。先日資金調達を発表したSpecteeも速報性(とAI)を武器に報道機関に情報を提供するサービスだが、JX通信社もまた違うアプローチで速報性の高い情報配信にチャレンジしている。

JX通信社では今回の調達を受け、QUICKと共同で金融分野でのニューステクノロジーの開発を進める。なお同社は2015年にも共同通信デジタルとの資本業務提携を実施しており、共同通信グループとの連携もより強化していくという。

AP通信、マイナーリーグ野球の記事を「ロボット」記者が報道

今日(米国時間7/3)Associated Pressは、全国のマイナーリーグ野球(MiLB)の試合記事を人工知能を使って書くことを発表した。人工知能システムは、Automated Insightsのソフトウェア、およびマイナーリーグ野球の公式データ提供元であるMLB Advanced Media(MLBAM)のデータを利用する。

自動生成された記事が配信されるのは、AP Sportsの人間記者が取材も報道もしない、142のMLB協讃チームと13のリーグにわたるトリプルA、ダブルAおよびクラスAの試合だ。

したがって、もしテクノロジーが有望なスポーツ記者から「仕事を奪う」ことを心配しているなら、安心されたい。

APのスポーツ部門副ディレクターのBarry Bedlanによると、APはこのシステムの開発と運用のために、自動化の専門家を雇った。

この動きは全くの予想外ではなかった。この会社は、Zacks Investment Reseachのデータを使って、2014年7月からビジネスおよび金融の報道に人工知能を利用している。

APが、いわゆる「ロボット」報道を拡大する上で心配しているのは何かと尋ねられたBedlanは、「配信される内容は100%正確であることを確かめる必要がある。しかし、ひとたびソフトウェアが適切に設定されれば、正確性の問題はなくなる」。

AP Sportsは、一年をかけてAutomated Insightsのプラットフォーム、WordsmithをMiLBの記事作成のためにテストをした結果、AP Sportsの顧客である地方の放送局や新聞に配信し、彼らの視聴者や契約者に届けることになった。

統合は技術的には難しくなかったが、APでトップクラスの野球担当編集者や記者たちに、自動生成された野球記事の品質をチェック、評価、編集してもらうため一年かかった。

彼らはメジャーリーグを春季キャンプからワールドシリーズまで追いかけているため、捕まえるのは容易ではなかった。

APは、ソフトウェアとAIの利用を野球以外のスポーツにも拡張するに違いない ― 良いデータを早く揃えることさえできれば。

Bedlanは、「可能性はいくらでもあるが…スポーツ団体が正確性100%のお墨付きを与えるのに何時間、何日もかかるなら、新聞や放送やウェブサイトにとってニュース価値はなくなる。

MLBとAutomated Insightsは、MilBゲームのデータを数分以内に提供している、と彼は言った。

Bedlanは、APが記事は自動生成されたものであり人間が書いたのではない時は、そのことを明確に公表すると強調した。そして彼は、自動システムの利用によって、編集者や記者は、もっと調査の必要な大きなプロジェクトに専念できるようにすることが目的だと話した。

ニュース配信の自動化を進めているのはAssociated Pressだけではない。Celeste LeCompteが2015年9月に、NiemanReports.orgで“Automation in the Newsroom”と題してこう書いている。

「ProPublica、Forbes、The New York Times、Oregon Public Broadcasting、Yahoo、その他の会社はアルゴリズムを使ってビジネスやスポーツから教育、機会均等、公共の安全等に関する報道に役立てている。多くの企業にとって取材と配信の一部を自動化することは、記者の負担を減らすとともに、新しいデータ資源を活用する手段でもある」

果たして自動化が進むことによって、記者や編集者にスキルの衰えが起きるかどうか、今後に注目したい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

‘ニュースのまとめ屋’DiggがSlack用のボットをローンチ、ほかのメッセージングアプリにももうすぐ

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ニューズアグリゲーターのDiggも最近はやや影が薄くなっているが、それでも今なお、科学とテクノロジーやインターネット上の口コミ情報など、いろんなカテゴリーのおもしろくて厳選されたニュース記事やビデオを提供している。そして今度からは、そんな同社のニュースサービスを、メッセージングやコミュニケーションのアプリから見ることができるようになる。その手始めはSlackで、ユーザーはSlackを使ってる状態のまま、Diggのホームページへ行かなくてもDiggを楽しめる。

そのいわゆるボット、DiggBotのローンチは、本誌TechCrunchなどもまさに含むニュースやメディアサービスの最近の大きなトレンドの一環であり、ニュースをまるでメッセージのように読めるのだ。モバイルのユーザーはとにかく短いコンテンツが好きだし、しかもメッセージングアプリの人気が今や高い。そこでこれらのボットは、ニュースをユーザーがモバイル上でいちばん多くの時間を過ごす場所、すなわちメッセージングアプリに運んでくるのだ。

いまどきの、チャットをしながら読めるニュースは、Huffington Pos(Viber Public Chats), Washington Post(Kik), BBC(WhatsApp), BuzzFeed(LINE), などなど、たくさんある。そしてQuartzなんかは、メッセージングアプリふうの専用アプリで、対話的チャット的な記事を提供している。

というわけだから、Diggがこのトレンドに乗ってきても不思議ではない。

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同社は、DiggBotはまだ初期的な段階だ、と言っているが、すでにコンテンツをキーワードで見つけられるし、トレンドっぽくて重要と思われる記事を一日中いつでも送ってくる。しかも一日に二回、記事とビデオの‘まとめ’を送ってくるから、仕事で忙しい人も重要なニュースを見落とすおそれがない。

使い方は、下図のように、/diggに続けて、キーワードやコマンドを書く。下の、 “trending” (on/off), “edition”, “fun”などがコマンドだ。March Madnessを追いたい人は、キーワード”madness”を書く(下図のいちばん上)。

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このボットはDiggが集めたコンテンツの全体、1000万を超えるRSSフィードや、2億件のツイート(そのうち4000万にはリンクがある)などにアクセスする。これらをDiggのアルゴリズムが毎日、750万の記事とビデオに整理して、ランク付けする。そして最終的な整理〜編集(キュレーション)は、人間のチームが行う。

DiggBotは最初、Slcakでローンチするが、そのほかのメッセージングサービスにも“もうすぐ”提供されるそうだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Facebookが「Instant Articles」を国内でも開始へ、「超いいね!」「悲しいね」などの投稿も可能に

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Facebookが、米国をはじめ海外で展開している機能「インスタント記事(Instant Articles)」を日本でも展開する。あわせて「いいね!」以外の感情を投稿できる「リアクション機能」の導入も開始した。

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「リアクション機能」

インスタント記事は、Facebookアプリのニュースフィード上に直接ウェブメディアの記事を表示する機能。これまでであればフィード上に流れてきた記事をクリックし、アプリ内ブラウザを立ち上げてニュースサイトにアクセスしてからその内容を読む必要があったが、メディアが事前にFacebookのサーバ上に記事を提供することで、読み込みにかかる時間が通常の10倍の速度になるという。

米国では2015年5月にThe New York TimesやBuzzFeedなど9社をパートナーメディアとしてこの機能の提供を開始。2015年12月には、韓国、インド、台湾などアジアの50以上とパートナー提携。現在は世界350のメディア企業がテストプログラムに参加し、毎日100社以上が記事を配信している。今回日本からは、朝日新聞社、産経デジタル、東洋経済新報社、日本経済新聞社、毎日新聞社、読売新聞東京本社が参加している。

また、リアクション機能はニュースフィードで共有された投稿に対して「いいね!」以外の感情を共有できる機能だ。これまであった「いいね!」のほか、アプリならボタン長押しで「超いいね!」「うけるね」「すごいね」「悲しいね」「ひどいね」の合計6つのリアクションを付けることができる。

ちなみにこれはFacebookの関西弁設定にも反映されており、これまでの「ええやん!」に加えて「めっちゃええやん!」「笑たやん」「すごいやん」「悲しいわ」「そら怒るわ」の共有が可能になっている。

Facebook最高製品責任者のChris Cox氏

Facebook最高製品責任者のChris Cox氏

2015年にユーザー数10億人を達成したFacebook。同日の記者発表会で登壇したFacebook最高製品責任者のChris Cox(クリス・コックス)氏は、「次の10億人」を獲得するためには、より様々な環境で利用できるサービスが求められると説く。「デバイスは進化し、普及したが、ネットワークの進化はそれより遅い。様々なデバイス、ネットワークを通して皆さんにサービスを使ってもらいたい」(Cox氏)。

そのために、最先端のiPhoneではなく(古い)Androidで、4G回線でなく2G回線でFacebookを利用するとどうなるかなども検証しているのだそうだ。実際、インドのデリーでは、ネットワークの遅さから5人に1人のネットワークが接続できず、また記事を1つ表示するのに30秒以上かかることがあるという。こういった環境ではインスタント記事の価値は大きいと語る。

Instant Articlesはメディアサイドにもメリットがあるという。例えばタップ操作で写真のレイアウトを変更したり、地図情報との連携なども可能。画像や動画を多用したリッチな広告も配信できる(もちろんメディアはそのためにコンテンツを準備する必要がある)。

広告のレベニューシェアに関する情報は明らかにされなかったが、海外ではパブリッシャーが販売した広告であれば売上の100%、Facebookが販売した広告なら売上の70%をパブリッシャーが得ることができる。なおインスタント記事は米国向けのアプリなどではすでに提供されているが、日本での提供時期は未定。メディア側の準備が整い次第順次提供される予定だ。リアクション機能については、同日より機能が提供される。

未公開ベンチャーの大型資金調達が顕著にー2015年上半期調査レポートをJVRが発表

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このところ、大型の資金調達リリースが増えていると感じる方も多いのではないだろうか。ジャパンベンチャーリサーチ(JVR)が3日に発表したレポートによると、2015年上半期の資金調達総額が624億円に達した。これは資金調達総額が6年ぶりに1000億円を超えた昨年下半期と同額だった。

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調達総額は2014年下半期と並んだが、調達企業数は23%減で326社となり、2014年上半期以降は大幅な減少傾向にある。つまり資金調達の大型化が顕著になったといえる。今回のレポートには含まれいないが、2014のレポートにあるように、引き続きシード・アーリーステージでの投資からシリーズA、シリーズBでの投資に成功するスタートアップが増加しているのが要因だろうか。

投資家別の比率を見ると、事業法人が全調達金額の624億円のうち439.7億円を占めている。このことからも、事業シナジーのある企業へのシリーズA、シリーズBでの投資が増えていること、また最近言われ続けているが、スタートアップのバリエーションの高騰も関係していると考えられる。

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1社あたりの調達額(中央値)はこのように、2014年下半期からほぼ2倍ともいえる1億3000万円となり、過去最高額となった。投資領域としては近年好調のITに加え、ヘルスケア、バイオ、医療が多くを占めており、これらは多額の投資が必要なドメインといえる。投資金額の割合としては、全体の投資額のうち、IT領域が28.6%、ヘルスケア、バイオ、医療領域が19.8%を占めた。

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また注目すべき点は、会社法改正以前の使い勝手の悪さから日本では優先株はほとんど使われないと言われてきたが、ついに76.9%に達したことだ(この比率は、ジャフコ、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、日本ベンチャーキャピタル、DBJキャピタル、グローバル・ブレイン、産業革新機構、グロービス・キャピタル・パートナーズ、東京大学エッジキャピタル、サンブリッジ グローバルベンチャーズ、大和企業投資の10社を調査対象としたものだ)。

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優先株とは、普通株式に優先的な条件が付いた種類株式のこと。普通株式での投資は、投資家のリスクが経営者よりも大きかったが、優先株の条件によって緩和される。それゆえ投資家はよりリスクをとって、高いバリエーションで、多額の投資を行うというリスクをとりやすくなる。つまり大型の資金調達は、優先株の使用と表裏一体の関係なので、これらによってシリコンバレーではほぼ全てが優先株というように、日本でもさらに普及する可能性はあるだろう。

TwitterとFacebookのユーザーは、ニュースに接する機会が増えている(Pew調べ)

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米国のTwitterとFacebookのユーザーは、両サービスを通じて外部ニュースを受け取る機会が増えている。Pew Research Centerの最新調査による。

「TwitterとFacebookをニュースソースとするアメリカ人の割合は増え続けている。増加の主な理由はそこでニュースに遭遇するユーザーが増えたためであり、ユーザーベース全体が大きく増えたためではない」とレポートは指摘する。

調査によると、成人ウェブユーザーで両プラットフォームが「イベントおよび友達や家族以外の問題」に関するニュースソースになっている人の割合は著しく増えている ― Facebook、Twitter共にユーザーの63%がそう答えており、2013年はFacebookが47%、Twitterは52%だった。

Pewのデータを見ると、この傾向はあらゆる年齢層にわたる ― 35歳未満(55%から67%へ増加)、35歳以上(47%から61%)を含む。Facebookでは、ニュース利用は男性(44%から61%)、女性(49%から65%)共にこの2年間で増えている。若いユーザーは、TwitterよりもFacebook経由でニュースを受取っていると、報告書は書いている。

どちらのITプラットフォームも、自らをコンテンツ発信者ではなく、コンテンツ配信プラットフォームと位置づけたがっている ― 特に、ユーザーが見るものを編集的に操作する役割を否定しているが、一部の種類のコンテンツをサイトから排除する「編集判断」とも言うべき行為はしている。さらに、彼らのアルゴリズムは継続的に判定して、ユーザーの見るコンテンツの収集あるいはパーソナル化を行っている。

はっきりしているのは、ソーシャルメディアのニュース配信と収集の役割が大きくなり、特定のコンテンツやコンテンツタイプを表面化して広める(あるいはその逆)アルゴリズム技術が明確になるにつれ、デジタルプラットフォームが大衆の意見にどう影響を与えているかに関する疑問は大きくなるばかりだということだ。

「ソーシャルネットワークサイトが、ニュース環境における自らの役割を認識しそれに順応するにつれ、それぞれが独自の機能を提供するようになる。こうしたニュースとの様々なつながり方から、アメリカ人がコミュニティーを通じてどうやって世界について学ぶか、またどうやって民主的なプロセスに参加するかを予測できる」とPer Research Centerのジャーナリズム研究担当ディレクター、Amy Mitchelは声明で語った。

Facebookも最近、パブリッシャーのコンテンツを直接ホストするプログラム ― Facebook Instant Articles ― をスタートし、記事のロード時間を縮少し、自らのプラットフォームにユーザーを長く滞在させることを期待している。

もちろんPerのレポートは、FacebookとTwitterの間でニュース配信の強みに大きな違いがあることも強調している。Twitterは ― リアルタイムの出来事に大きく力を入れていることから当然のように ― 速報ニュースを追いかけている人に多く使われている(59%に対してFacebookは31%)。

調査結果は、プラットフォームごとに、適した習慣や話題が異なることも示している ― 例えばTwitterユーザーは報道機関や記者、解説者をフォローすることが多いのに対して、Facebookユーザーは政府や政治に関するニュースコンテンツの投稿やコメントが多い。

Facebookユーザーの約1/3(32%)が、政府や政治に関して投稿し、28%がこの種の投稿にコメントすると答えた。一方Twitterでは、25%がこの種のニュースに関してツイートし、他のユーザーのツイートしたこの話題には13%が返信している。

レポートは、TwitterでFacebookよりも高い比率で読まれている話題を4つ挙げている ― 連邦政府と政治(72% 対 61%)、国際問題(62% 対 51%)、ビジネス(55% 対 42%)、スポーツ(70% 対 55%)。

Facebookユーザーはパーソナル化されたフィルターの中に座っている、という議論は長らく続いている ― 昨年夏のファーガソン事件の最中、FacebookとTwitterのフィードで見た物が著しく異なっていたというユーザーの指摘で最高頂に達した。

Pewの結果を見ると、Twitterのニュースユーザーは、Facebookよりも広い範囲の話題のニュースと定常的に接しているようだ。

Pew

レポートは、両プラットフォーム間の性別によるニュース消費傾向の違いも挙げている。Facebookでは、女性は健康、エンターテイメント、およびコミュニティー内の人々やイベントに関する記事を見ることが多く、Twitterの女性は、天候、エンターテイメント、犯罪および健康に関する投稿をよく見ている。

ニュースにコメントを付けるユーザーに関しては、両プラットフォームの割合はほぼ同じで、Facebookでは28%、Twitterでは23%のニュースユーザーが、少なくとも何回かニュースに関して投稿あるいはツイートしている。

調査は米国の成人2000人以上を対象に実施され、Twitterユーザー331人、Facebookユーザー1315人が含まれていた ― 人数の違いは両プラットフォームを使っているアメリカ人の数を反映しているとPewは説明している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ニュースキュレーションのGunosyが上方修正、純利益は27倍に

gunosy

4月に東証マザーズ市場に上場したGunosy。同社は6月12日、大幅な業績の上方修正を発表した。

4月時点の業績予想は売上高30億400万円、営業利益5100万円、経常利益500万円、純利益500万円。今回の発表では売上高は31億6500万円、営業利益1億9100万円、経常利益1億5300万円、純利益1億3600万円となっている。経常利益は当初予想の約31倍、純利益も当初予想の約27倍となっている。

ダウンロード数は977万件に

発表によると、Gunosyの手がけるニュースキュレーションアプリ「グノシー」の1ダウンロードあたりの獲得費用が想定より好調に推移した結果、国内累計ダウンロード数は2015年5月期末の時点で977万件(当初比53万件増)となった。またこのダウンロード数の増加にともなってアクティブユーザーも増加。その結果Google Adsの売上高が当初予想を上回ったという。費用面では第4四半期の広告宣伝費を4800万円増額した19億6800万円とした一方、販管費等を当初比2500万円削減している。

上場間もなく下方修正を発表したgumiと合わせて「大きいG(Gunosy)、小さいg(gumi)」と揶揄して業績を不安視する声もあったが、同社の業績は好調のようだ。6月には動画広告の新商品も開始する。余談だがgumiもその後上方修正を発表。6月12日に発表された2015年4月期決算では、売上高275億3400万円、営業利益4億1600万円、経常利益2億3400万円、純利益1億9100万円という決算を発表している。

FacebookやAppleも参入するニュースキュレーション

業績が好調だとは書いたが、Gunosyをはじめとしたニュースキューレーション系サービス全体の環境は今後変化していく可能性は高いと思っている。

先日Facebookがパブリッシャーのオリジナルコンテンツを投稿できる「Instant Articles」を発表したばかりだし、AppleもiOS9で純正のニュースキュレーションアプリ「News」を提供するとしている。国内でのサービス提供については未定ということだが、また——使い古された言葉だが——「黒船」がやってくる可能性は大きい。

ソーシャル時代のオリコン目指す—ランキング型ニュースアプリ「Wanpick」

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アイスタイル、エキサイト、インキュベイトファンドが出資する、スマートデバイス向け動画広告の新会社「OPEN8(オープンエイト)」。4月に会社の設立と女性ユーザー特化のスマートフォン動画広告ネットワーク「VIDEO TAP」を発表していた同社が、ニュースアプリ「Wanpick(ウォンピック)」の提供を開始した。

アプリ自体は1週間ほど前のiMEDIA SUMMITで発表されていたし、僕も以前にベータ版を利用させてもらっていたのだけれども、本日よりApp Storeでの公開がスタートした。

ソーシャル時代のオリコンを目指す

Wanpickは、FacebookやTwitter上といったソーシャルメディア上で話題になっているニュースをキュレーションして表示してくれるアプリだ。ロジックの違いなどはあるが、ざっくりとはSmartNewsやGunosyのようなイメージでいいだろう。

画面上方にはニュースカテゴリのアイコンが横並びに表示されるが、1番のウリは1時間ごとに1位から10位まで10件のニュースを表示する「ソーシャルニュースランキング」。画面を下にスクロールしていくことで、タイムラインをさかのぼりながら話題をチェックすることができる。OPEN8代表取締役の高松雄康氏はこのランキングを中心とした構成で「ソーシャル時代のオリコンを目指している」と語っている。その他のタブは朝夕30件のニュースを表示する。

画面右側には、特許出願中だというインターフェースの「ストレッチピッカー」が表示される。コロプラが採用する「ぷにコン」をちょっと思い出したのだけれども、ストレッチピッカーは画面上のボタンを上下に引っ張ることで、その引っ張り具合に合わせたスピードでスムーズな画面遷移を実現している。これは動画を見てもらったほうが早いだろう。ちなみに開発はシンガポールやベトナムで行っているそうだ。

動画広告の事業者がニュースアプリを提供する理由

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先日動画広告のネットワークを発表したばかりの同社がなぜニュースアプリを提供するのか。そしてダウンロード数やMAUで数百万という数字のニュースアプリが複数ある中で、最後発としてチャレンジしてうまくいくのだろうか。高松氏はその理由について、「アイスタイルというメディア運営からスタートした会社であるから」語る。「もちろん動画広告の実験の場としても使っていくが、そこで広告を流していく、収益を上げていくということをやりたいのではない。(メディアに)トラフィックを流すことで、メディア側の収益にコミットするプラットフォームを作りたい」(高松氏)。またユーザー数についても、ニュース視聴をする媒体としてはまだまだ大きくない領域であり、同社が狙う女性層も含めて数百万ユーザーを狙えるとしている。

同社の動画広告プラットフォームは女性向けメディア限定。それならば女性向けのニュースに特化したアプリかなのかとも思ったのだが、「デザインに関しては女性にも使ってもらえるように配慮した。しかし女性に(ファッションやコスメなどのコンテンツが中心の)女性向けメディアだけを当てるようなニュースアプリのニーズはすごくニッチ。(アイスタイルの)@cosmeだけは特殊だが。我々はマス向けのニュースを提供していく」(高松氏)とのことだった。

ほかのニュースアプリと比較して特殊なのは、自社でキュレーションメディアも運営し、それを1つのチャンネルとして表示しているところだ。Yahoo!検索で上位の検索ワードに関する情報をまとめた「検索ワード急上昇まとめ」と、エンタメ情報を紹介する「W-STYLE」の2つのチャネルを用意。社内のスタッフが日々情報を更新するのだという。人気の検索キーワードを中心にコンテンツを作るということで、SEOでの集客効果は見込めそうだと思ったが、最近何かと残念な話題が多いキュレーションメディア。そのあたりはしっかりしたコンテンツが出ることを楽しみにしたい。