IT部門をクラウドから支援するElectricが01 AdvisorsとSlack Fundから7.6億円調達

IT部門をクラウドに置くことを目的とするプラットフォームのElectric(エレクトリック)は、2020年初めのシリーズBの延長に続く資金調達を発表した。

01 AdvisorsのDick Costolo(ディック・コストロ)氏とAdam Bain(アダム・ベイン)氏およびSlack Fund(スラック・ファンド)が、700万ドル(約7億6000万円)の資本注入に応じた。

Electricの創業者兼CEOのRyan Denehy(ライアン・デネヒー)氏によれば、01 Advisorsが大部分の500万ドル(約5億4000万円)を出資し、Slack Fundが100万ドル弱(約1億1000万円弱)、その他の既存投資家が残りをカバーしたという。

Electricの資金調達状況は少し変わっている。同社は2019年1月にGGVがリードするシリーズBラウンドで2500万ドル(約27億円)を調達した。ロックダウン直前の2020年3月には、コストロ氏とベイン氏からの投資のために、より高いバリュエーションでシリーズBを再開し追加で1450万ドル(約15億6000万円)を調達した。

そして新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックが世界を揺さぶった。3月9日の月曜日に株式市場が揺れを感じ取り、一時的に取引が停止された。翌週の金融市場は完全にカオスとなった。

ベイン氏が再びデニー氏に声をかけたのはその時だった。彼らは、この激動の時代におけるElectricの可能性について意見を戦わせた。

「リモートワークが劇的に増える」とデニー氏はベイン氏との会話を引き合いに出しながら語った。「大企業は予算に対してもっと工夫するようになる。ITのようなバックオフィス業務の予算をより効率的に使う方法を見つけることが急務だ。Electricを使えば大きなIT部門を構築するより金額的に数段効率が良いため、Electricの魅力は増している」。

4月の最初の週にベイン氏は再びデニー氏に電話をかけ、01 AdvisorsからElectricにもっと投資したいと語った。

Electricは、組織内のIT部門をサポートするために設計されたプラットフォームであり、場合によっては外部委託されたIT部門の機能に置き換わるものだ。IT部門の責任のほとんどは、ソフトウェアプログラムの管理、配布、保守に重点を置く。ElectricはIT部門が社内のすべてのマシンにソフトウェアをインストールすることを可能にし、組織内のITに関する状況を俯瞰できる。IT部門が実際の問題解決とトラブルシューティングのタスクに集中する時間を増やすことも可能だ。

IT部門のスタッフは、自分のマシンから権限の付与や取り消しや役割の割り当てを行い、全従業員のソフトウェアを最新の状態に保つことができる。

ElectricはDropboxやG SuiteなどのトップソフトウェアプログラムのAPIとも統合されているため、IT部門はElectricのダッシュボードを介して日常業務のほとんどを処理できる。さらに、ElectricはSlackとも統合されており、組織内の人々が問題にフラグを立てたり、普段最もよく使うプラ​​ットフォームから質問したりできる。

「Electricの最大の課題は需要に対応することだ」とSlack FundのJason Spinell(ジェイソン・スピネル)氏は述べた。Electricのシードラウンドでの投資を見送ったことにも言及し、「その間違いを修正できることに興奮している」と述べた。

Electricはまた、ドックに設置できる新しいセルフサービス製品を追加した。これにより従業員は組織がリモートオフィスから提供するすべてのソフトウェアアプリケーションを見ることができる。

「多くのIT部門で現在、大量の仕事を少数のメンバーでこなす必要に迫られ、負荷がかかっている」とデネヒー氏は述べる。「また、ITプロバイダーにアウトソーシングしていて、彼らに週に何回かオフィスに来てもらっていた会社もあるが、それは突然機能しなくなった」。

デネヒー氏によると、Electricは現在のエコシステムの中でマーケティングに資金を使い続けているが、受注見込みのある潜在的なクライアントからの関心が180%増加したという。

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(翻訳:Mizoguchi

VCファームPartechが100億円規模のシード期投資専門ファンドを立ち上げ

VCファームのPartech(パーテック)がシード期の投資を専門とする新たなファンドを立ち上げた。Partech Entrepreneur IIIという名称の新ファンドは同社にとって3つめのシード投資ファンドとなる。前のファンドのクロージングを発表したのは2016年12月のことだ。

PartechはプレシードからプレシリーズAまで、かなりアーリーステージにある企業を投資している。スタートアップのステージに応じて、わずか数十万ドル(数千万円)から最大数百万ドル(数億円)までの投資に応じる。そして同社は好調なスタートアップについては、その後に訪れるシリーズA、シリーズBでの再投資に積極的だ。

Partechは特に6つの分野にフォーカスしている。健康、労働、商業、金融、モビリティ、コンピューティングだ。かなり大雑把な分類だが、Partechはシード投資を専門とする投資家10人で構成するチームを有する。投資家らはパリ、サンフランシスコ、ベルリンに拠点を置いている。

過去にPartechは3つのシード投資を通じて22カ国で投資160件をクローズした。同社はフィードバックや紹介を行なったりポートフォリオの拡大を手伝ったりすることができる400人もの創業者のコミュニティを抱えている。そうした創業者たちの3分の1がシード投資のリミテッドパートナーだ。

投資160件のうち、スタートアップの17%で共同創業者の少なくとも1人が女性となっている。過去2年間でPartechが支援したスタートアップの29%のシード期に女性の共同創業者がいた。

Partechはここしばらく今回のファンドの立ち上げを展開していて、つまりファンドの一部を既に投資している。同社は新たなファンドを通じてスタートアップ40社以上に投資し、ここには新型コロナウイルス(COVID-19)による経済危機が始まってから投資を開始した10社が含まれる。

Partechが以前投資した企業には、Aiden.ai、Dejbox、Frontier Car Group、Pricematch、Streamroot、Alanなどがある。

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(翻訳:Mizoguchi

NextView Venturesがスタートアップ向けリモートアクセラレーターを開始

シリコンバレーのリーダーであるMarc Andreessen(マーク・アンドリーセン)氏は先週末、いつもの沈黙を破りシリコンバレーに向けいくつかのアドバイスを送った。「It’s time to build(構築するのは今だ)」。有名な投資家である同氏はCEO、起業家、投資家すべてに新しい企業を迎えようと呼びかた。

ブログの投稿で数々の野心的な提案を披露しているが、読者の立場によって受け取り方は異なるだろう。だが、自分はビジネスにオープンであると証明したがるベンチャーキャピタリストを試すにはもう少し地に足のついた方法がある。タームシートにサインして、小切手を切れるかどうかだ。

ブログで語られた言葉は、ボストンに本拠を置くベンチャーキャピタルであるNextView Venturesの理論、そして4月20日に発表された新しいリモートアクセラレータプログラムと不気味なほどに似ている。

「現在の新型コロナウイルス(COVID-19)危機の間に多くのVCが『ビジネスにオープン』であると公言するのを見てきたが、当社は投資に関して言行一致でありたい」とパートナーのDavid Beisel(デイビッド・ベイゼル)氏は語る。

NextViewは、既存ファンドから資金を一部振り向け、10に満たない数のプレシードおよびシードスタートアップの株式の8%に20万ドル(約2150万円)を投資する。プログラムは完全にバーチャルで行われ、「市井の人々の日常の生活」を変える力になる創業者に投資する。

NextViewの共同創業者であるRob Go(ロブ・ゴー)氏は、プログラム開始についてツイートした。

NextViewアクセラレータの立ち上げは、Y Combinator500 Startupsなどの従来の名だたるインキュベーターが自身の戦略を考え直しているこの時期に行われる。Y Combinatorは4月20日、次のバッチが完全にリモートになると発表した。500 Startupsは2020年3月にコホートモデルを廃止すると発表した。

同社はまた、大きなバッチサイズや派手なデモデイなど、従来のアクセラレータープログラムのどこが悪いかについてコメントを出した。「アクセラレーターは小規模で親密な雰囲気なら最高だ。YCの最初のバッチはわずか8社だった」とベイゼル氏は参加者の少なさについて語った。「だが時間が経つにつれ、アクセラレーターは数字ゲームのようになった」。

ベイゼル氏はこう付け加えた。「もともとアクセラレーターのデモデイは、スタートアップをフォローしたい投資家への紹介手段として始まったが、最近は多くの関係者を満足させる念入りなショーへと進化した」。

とはいえ、デモデイについて避けられない真実は、それがスタートアップと創業者を結び付け、うまくいけば最初の小切手をもたらすきっかけになるということだ。ジャーナリストやベンチャーキャピタリストが集まる場所で創業者の顔にスポットライトが当たるような機会がなければ、ディールに成功をもたらすことなどできるだろうか。

YCと500 Startupsが2020年に初めてバーチャルデモデイを開催した後、筆者らはさまざまな不平を耳にした。Y Combinator先週、YCの卒業生に常に投資する方針を変え、原則としてケースバイケースでレビューする方針とした。アクセラレーター内部にある保守主義をほのめかす例だ。

NextViewはアクセラレータープログラムの後の資金調達にも控えめに取り組んでいる。同社は、小規模なコホートを次のラウンドに参加する投資家につなげるものの「次のラウンドの資金調達をリードすることはあえてしない」と述べている。同社がプログラム後の投資ラウンドをリードしない方針を明らかにしたのは「将来の資金調達で何らかのシグナルを送ってしまう可能性を回避する」ためだという。ただ同社は、コホートを支援するため、プログラム後のすべての企業の資金調達ラウンドに少なくとも同じ割合で参加する。

この決定を楽観的に捉えるなら、NextViewは自身のアクセラレーター機能を投資会社とは別のものと見ており、ディールフローのパイプラインを厚くするというよりは助けになればいいと考えているのかもしれない。あるいはそうではなくて、今後の景気が予測不可能な時期に投資に過剰にコミットしたくないだけかもしれない。ただ、バッチの中に宝石を見つけたとしてもNextViewがその会社に投資しないのは驚くべきことだ。

はっきりしているのは、NextViewがアクセラレーターを立ち上げ、多くのVCが投資を控える中でNextViewはスタートアップに投資しようとしているということだ。すばらしいリターンをもたらす若いスタートアップの育成に同社がどれだけ成功するかは時を待たなければならないが、今のところ、同社は何かを構築しているといえる。今日のニューノーマルの下では、構築することは歓迎すべき兆候だ。

画像クレジット:erhui1979 / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

独立系VCのANRIが200億円規模の新ファンド、“シードVCのDNA”残しつつ積極的なフォローオンへ

独立系ベンチャーキャピタルのANRIは10月21日、新ファンドとなる4号ファンド(ANRI4号投資事業有限責任組合員)を設立したことを明らかにした。

同ファンドでは現時点で国内大手機関投資家などから約110億円を集めていて、最終的には総額で200億円規模まで拡大する計画。これまで通りシード期のスタートアップへの投資を中心にしつつ、積極的なフォローオンでグロース期まで一貫して起業家をサポートし、日本から大きな産業を創出することを目指すという。

具体的には1社あたり最大20億円まで投資をするほか、LPである機関投資家とも連携しながらそれ以降もサポートする構想とのこと。みずほ銀行、第一生命、ミクシィ、グリー、アサヒグループホールディングス、その他企業年金・金融法人等を含む国内大手機関投資家などがLPとして名を連ね、機関投資家比率は7割を超える。

投資領域は3号ファンドと同じくインターネット領域とディープテック領域が中心。渋谷と本郷三丁目にてインキュベーション施設を運営し、アイデアレベルのものも含めて創業期から近い距離でスタートアップを支援する。現在は投資メンバー6名+ミドルバック担当1名の体制だが、チームメンバーの拡充や外部顧問/スペシャリストの拡充も進めていくようだ。

今回TechCrunch JapanではANRIの3人のジェネラルパートナー(佐俣アンリ氏、鮫島昌弘氏、河野純一郎氏)に話を聞く機会を得たので、彼らの話も踏まえて新ファンドの方向性を紹介したい。

1社あたり最大20億円を投資、テーマは積極的なフォローオン

ANRIでは2012年に設立した1号ファンド以降、3号ファンドまでで累計約100億円を運用し、110社以上へ出資してきた(3号ファンド単体で63社に投資完了済み)。

今年7月に上場したツクルバや昨年上場したラクスル、PKSHA Technologyの子会社となったSapeetのほか、直近ではGracia(TANP)、one visaアルクラスミラティブなどのスタートアップへ投資を実行。量子コンピュータ関連のJijQunaSys、尿検査によるがんの早期発見を目指すIcariaなどディープテック領域への支援にも取り組んでいる。

今回の4号ファンドではこれまでの投資方針を継続しつつ、起業家の大きなチャレンジをより継続的に支援することを目指したもの。佐俣氏も「積極的なフォローオン」が1つのテーマになるという。

「(急速に成長するスタートアップに投資をする中で)フォローオンをしっかりやりきれていなかったことに課題感を持っていた。ここ数年スタートアップの進化の方がVCの進化よりも早く、スタートアップがどんどん目指せる規模が大きくなる一方で日本のVCが支えきれなくなり、そこをCVCや新たなVCがフォローしてきた」

「独立系VCとして起業家の成長をもっと先まで支えたいという思いが強く、たとえばこれまで(ANRIや河野氏が前職のITV時代に)支援してきたラクスルやメルカリ、ミラティブなどの企業を『リード投資家として責任ある立場でフォローオンするとしたらどれくらい必要か』を考えた結果、20億円くらいは必要だろうということで今回のファンド規模になっている」(佐俣氏)

1社あたりの投資額については、グロービス・キャピタル・パートナーズが4月に発表したファンドが最大50億円を投資する方針を掲げる。ANRIの場合は単体では20億円が最大となるが、LPの機関投資家と密に連携を取ることで(ANRIが出資した次のラウンドでLPが直接投資をするなど)、それ以降のサポートをしていきたいということだった。

また4号ファンドでは1社あたりの投資額が拡大するだけでなく、支援の幅も広げていく予定だ。6月に河野氏がジョインした際にも紹介した通り、シリーズAラウンドからの投資もその1つ。またシリアルアントレプレナーのネクストチャレンジや、ある程度大きな資本を必要とする事業に対しては早い段階から必要に応じて数億円規模の出資も行っていく。

上述したアルやミラティブはまさにそのケース。「シードVCとしての意志決定の速さとシリーズA・Bレベルの資金供給の両立が1つのポイント。具体的な社名は明かせないが先日も3億円の出資を決定した。これを3人のGPで極めて早いスピードで決められる」(河野氏)のは大きな特徴だ。

「アメリカでもファンドの大型化にともないシードをやめてシリーズA・Bへと移行していくVCが出てくる中で、Andreessen Horowitzなどはシードから継続してフォローオンしながら実績を上げてきた。自分たちもシードVCとしてのDNAを持ち続け、起業初期の大変なところから一貫して支援していきたい」(鮫島氏)

一方で“救済的なフォローオン”やスピードと数だけを重視した“バラマキ”投資はやらない。フォローオンに関しては前職でシリーズA・B投資の経験が豊富な河野氏を中心に、シード期とそれ以降のラウンドではそれぞれ別の投資基準を設定して判断をする。

河野氏は「仕組み化されたシードVC」という表現もしていたけれど、LPの構成やファンドサイズ、ガバナンス体制などはこれまで以上にトラディショナルなVCに近い体制になった一方で、シードVCとしての良さも保持していきたいという。

シードVCとしてのDNAを残しつつ、より大きなチャレンジを支援

投資領域についてはインターネットセクターと比べて回収期間が長くなることも想定されるディープテックにも引き続き積極的に投資をする。

3号ファンドでは鮫島氏を中心に、大学発の技術を用いたハイテクスタートアップに対する支援を強化。上述したQunaSysやIcariaのように投資テーマとなる技術を発掘し、ネット系企業での勤務経験がある起業家や、ネット系の事業で独立を考えていた起業家と結びつけるような事例もある。

同一ファンドからインターネット領域とディープテック領域双方に投資支援をしてきたのはANRIの1つの特徴。4号ファンドでは2つの領域の融合、特に「ディープテックスタートアップへネット系スタートアップの経営知見を展開していくこと」に取り組みたいという。

「日本ではスタートアップもそれを支援するVCも2つの領域で分かれてしまっている側面があった。世界を見ればFounders FundのようにSaaSに投資しつつ、創薬のような重たい領域もしっかり支援するファンドも珍しくない。たとえば大学発ベンチャーの中にはIT系のスタートアップに比べて(スタートアップ的な)経営知見のキャッチアップが遅れていることも多い。今後4号ファンドでは双方の融合をさらに加速させていきたい」(鮫島氏)

今回の4号ファンドはANRIにとって過去最大規模のサイズになる。6月に取材した際にも河野氏を仲間に加えてより高いレベルのファンドを目指すという話もあった。ただ、だからといってユニコーンになる企業だけに投資をするわけでもなければ、シリアルアントレプレナーばかりに投資をするわけでもない。

これまで通り若い起業家の最初の挑戦も応援するし、ディープテックの難しい領域に挑むスタートアップも支援する。今回取材をする中で「シードVCとしての哲学やDNAは変わらず持ち続けたい」という話は何度も出てきた言葉だった。

「国としても、VCの中でも『ユニコーンを作る』という考えが広まりつつある。ただ自分が過去に投資をしてその後大きな実績を残した起業家を見ても、最初の段階からユニコーンを目指せるレベルにあったかというと、正直そうとは限らない。事業を作る中で大きく成長し、素晴らしい起業家になっていったメンバーも多い」

「『ユニコーンしか狙っちゃダメ』という風潮が行き過ぎてしまうと、将来的にユニコーンを作れるような人も育てられなくなってしまうし、大きな市場を狙うSaaS企業にひたすら投資をするしかないということにもなりかねない。僕自身はスタートアップのエコシステムはそういうものではないと思っていて、だからこそ挑戦する起業家にとって1番最初の機会を提供するという自分たちのDNAは変わらず大事にしていきたい」(佐俣氏)

YouTubeインフルエンサーのスポンサーになるための正しい方法

私が主宰するマーケティングエージェンシーであるBellCurve.comには、2カ月に一度優秀なグロースマーケターたちが集まって、彼らの最も有効な成長戦術を共有し、それらをGrowth Reportと題する記事にまとめている。

これは最新のグロースマーケティング戦術に触れる良い機会であり、しかも他に類のない機会だ。

弊社のコミュニティには600社のスタートアップと、それら後期段階企業の成長担当副社長たちが集まっている。内300社はYCを卒業したスタートアップ。また、Medium、Docker、Invision、Intuit、Pinterest、Discord、Webflow、Lambda School、Perfect Keto、Typeform、Modern Fertility、Segment、Udemy、Puma、Cameo、Ritualなど著名スタートアップのシニアマーケターも参加している。

私たちのこのコミュニティには、Demand CurveのマーケティングウェビナーSlackグループ、弊社のマーケティング教育訓練事業などから参加できる。過去のGrowth Reportの例は、これこれ、そしてこれなどだ。

では、そろそろ本題に入ろう。

YouTubeのインフルエンサーを費用効率よくスポンサーする方法

Rune(LinkedIn)のBjarke Felboの考察を、許可を得てわずかに編集した。

  • インフルエンサーは、サブスクライバー(YouTubeの場合はチャンネル登録者)の数に比例する報酬を期待することが多い。しかしコンバージョン(実買率)はビュー(視聴数)に比例している。だからビューが多くてサブスクライバーの少ないインフルエンサーをつかまえよう
  • 最良の結果が得られる広告は、インフルエンサーのビデオの冒頭30〜60秒のスポットである
  • そのインフルエンサーのビデオがよく見られる曜日や時間帯をよく把握し、いい曜日のいい時間帯にポストされるビデオにはボーナスを出してもいい
  • 同じインフルエンサーに同じ広告を繰り返しても、あまり効果がない。間隔を数か月空けても同じだ。オーディエンスがすでに飽和している

2019年にもなってSEOのためにリンクビルディングはどれだけ重要か?

Growth MachineNat Eliasonより。許可を得てDemand Curveがわずかに編集した。

  • リンクは今でも重要だが、その重要性は着実に減少している。Googleはコンテンツのクオリティーを重視するようになっており、ますますそっちに注力している
  • 最近のGoogleは、騙されないよう用心している。トップドメインやリンクビルディングは往々にして騙しの手口だ。コンテンツのクオリティーは騙しが効かない。良いコンテンツはフェイクできない
  • メジャーな権威あるブログの外で、高品質なコンテンツが、リンクビルディングをせずに急速に伸びている。彼らは、正しいキーワードの選択に力を注ぐ。他と競合せず、まあまあの量のビューを稼げるキーワードを選ぶ。検索者の関心を満足させる有益なコンテンツを書く努力をしている
  • しかしそれでも、タイムラインが厳しいときはリンクビルディングでスピードアップができる。3〜4か月経ってもランクが上がらないようなとき、リンクビルディングが有効なことがある

グロースマスタークラスが開講する

今日から、高度なグロースマスタークラスが始まる。どれも無料だ。

これらはどれも、短くて速効性のある高度なウェビナーだ。退屈なイントロはない。私たちがこれまでに作った最良のコンテンツの一部だ。無料だから見逃すと損だ。

登録はここでdemandcurve.com/webinars

Twitterの使われていないアカウントを横取りするにはどうするか?

AtomsのAndrew Ettingerの考察より。許可を得てわずかに編集した。

誰かが、あなたのブランド名をTwitterのハンドルとして使っている。でもそのアカウントはもう使われていない。どうやってそれにアクセスするか?

  1. あなたが取り戻したいアカウントと交換するための広告アカウントを既存の適当なハンドルで作る
  2. twitter.com/en/help(Twitterのヘルプ)へ行く
  3. 「Account issues」(アカウントの問題) →「Claim an inactive username」(使われていないユーザー名を取得する)をクリックする
  4. その正当な理由を申し立てる

そして、Twitterの広告アカウントのマネージャーがあなたの訴えを重視してくれるよう願う(訴えに#を付ける)。

必ずうまくいく保証はない。そのハンドルを取得できるチャンスは、Twitterの社員がその申し立てを真剣に取り上げてくれることにかかっている。

なお、Demand CurveのAsher King Abramsonがリードするグロースマーケティングセッションでは、ライブのオーディエンスの前で彼があなたのランディングページとFacebook/Instagramの広告をボロクソに批判し、以下の諸点につき、その実効性を脱構築する。(1)伝えたいことが伝わっているか、(2)ついついクリックしてみたくなるほどそそられる表現になっているか。

10月に米国サンフランシスコで開催されるDisruptに参加して、彼にボロクソに言われてみたい人は、ec_editors@techcrunch.comに申し込むべし。

【編集部注】著者のJulian Shapiro(ジュリアン・シャピロ)氏は、マーケティングのプロを育てるグロウスマーケティングエージェンシーBellCurve.comの創業者だ。彼はJulian.comにも書いている。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ソフトバンクが巨額投資したカーシェアリングのGetaroundがユニコーンに

TechCrunch DisruptのNew York 2011で優勝したGetaround(ゲットアラウンド)は、カーシェアリングのプラットホームだ。同社は今年、新株によるほぼ2億ドルの資金を調達し、ユニコーン(評価額10億ドル以上の未上場スタートアップ)の仲間入りをするだろう。

PitchBookの推計によると、これで2009年創業のGetaroundは評価額が17億ドル(約1820億円)になる。これに対し同社は「資金に関する憶測」にはコメントしないという社則を引用した。

本誌の質問に対する8月29日朝の同社スポークスパーソンは「Getaroundとその投資家たちは密接に協力して成長戦略を進めており、今後の適切な時期により詳しいお話ができるだろう」と語る。

このニュースの前には同社はフランスのカーシェアリングスタートアップであるDrivyを3億ドルで買収した。Drivyはパリに本社があり、ヨーロッパの170の都市で営業している。

Getaroundは昨年3億ドルのシリーズDを完了したが、このラウンドはソフトバンクがリードしてトヨタ自動車が参加した。携帯電話から1時間5ドルで車を借りられる同社のサービスを会員数20万人にまで育てたこれまでの投資家にはMenlo VenturesやSOSVがいる。

近未来に2億ドル(約213億円)の投資があると想定すると、Getaroundのこれまでの調達総額は6億ドル(約640億円)あまりになる。

Getaroundのこの前の資金調達にソフトバンクが参加したかは不明だ。しかし、ソフトバンクはこれまでカーシェアリング市場に積極的に投資しており、代表的な例としては中国のライドシェアDidi Chuxing、Uber、自動運転のCruiseなどが挙げられる。これらについてソフトバンクはコメントをくれなかった。

Getaroundの共同創業者であるSam Zaid(サム・ザイド)氏は昨年の取材で、モビリティへの投資家としてのソフトバンクの能力を強調して「ソフトバンクのいいところは、とても長期的な視野を持っていることだ。だからモビリティの未来に対する考え方もすごくいいし、すべての車が共有車になる、といううちのビジョンを彼らも持っているんだ」と語った。

この前の資金調達でGetaroundは国際進出をすると期待されていた。そして実際に同社は、フランスとドイツ、スペイン、オーストリア、ベルギー、そして英国に「Drivy by Getaround」というブランドで進出した。ただしノルウェーでは「Nabobil」になった。

同社が2011年にカーシェアリングサービスを始めたときは、主にギグワーカーたちに頼り、彼らが自分の車をGetaroundのマーケットプレースに載せて、借りられる頻度により月に500〜1000ドルを稼いでいた。しかしその後は、同じビジネスモデルによる競合他社が続出した。例えば、TuroやMavenは一流のVCたちから資金を得ているカーレンタルサービスだ。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

有望な投資家や見込み客を見つけるためのデータ収集分析を助けるPredictLeads

PredictLeadsを創ったスロベニアのファウンダーたちは最近Y Combinatorを卒業したが、彼らはこの名門アクセラレーターにこれまで5回も応募し、6回目にやっと入学を認められた。

同社はベンチャーキャピタル企業(VC)や普通の企業の営業チームが、有望な新興企業や見込み客を見つける手伝いをするが、2016年の創業以来、紆余曲折を経験してきた。そしてやっと今年の初めに、YCの3か月のアクセラレーター事業に参加できた。

PredictLeadsのCEOであるRoq Xever(ロク・ゼヴェル)氏は「2017年には資金が底をつき、銀行も相手にしないから母親に金を借りた。でも、そのころからやっと上向きになり、大きな商談をまとめて利益を上げられるようになった」とコメントしている。

彼の言うとおりだ。今の多くのスタートアップと違って、PredictLeadsは何がなんでも利益を出す必要があった。「資金を獲得するためにYCに入るとは、夢にも考えなかった。利益を出す以外、資金を得る方法がなかった」とXever氏は言っている。

ゼヴェル氏のほかにPredictLeadsを引っ張っているのは、マーケティング担当のMiha Stanovnik(ミハ・スタノブニク)氏とCTOのMatic Perovsek(マティック・ペロブセク)氏だ。ゼヴェル氏によると、YCが関心を持ったのは、自分たちのプロダクトはVCにも売れるとわかってきてからやっとだ。

同社のツールPredictLeadsは、関心を持った有望企業を投資家や営業が調べる手助けをする。そして企業の製品やサービスに人気が出てきて、売れ行きもアップしてきたらユーザーに通知し、その企業を見込み客や見込み投資先として再検討するよう勧める。投資家や営業にとってまったく未知だった企業を、推薦することもある。

関連記事:VCs double down on data-driven investment models(VCたちはデータドリブンな投資モデルを重視、未訳)

最近は、投資の決定や企業調査のためのデータを得るためにサードパーティのツールを使うVCがますます増えている。そしてそのために、データにフォーカスした企業という新しいタイプの企業が生まれつつある。たとえばSocial Capitalの共同創業者Chamath Palihapitiya(チャマス・パリハピティヤ)氏は、彼のベンチャーキャピタルのファンドに軸足を置く家族企業からスピンアウトした。そして今のSocial Capitalの業態は、CaaS(Capital-as-a-Service) Technologies(サービスとしての資本のテクノロジー)だ、という。すなわち、データドリブンな知見をVC企業に提供することがその仕事だ。

一方スタートアップの方も、データの重要性を認識するようになった。やはり最近YCを出たNarratorも、このトレンドにでっかく乗ろうとしている。同社が望むのは、データサイエンスのためのオペレーティングシステムになり、一人のアナリストの費用で本格的なデータチームに相当するサービスが得られるソフトウェアを、企業に提供することだ。

そしてPredictLeadsは、見込み客や見込み投資先の判断のためのデータを、Webサイトやプレスリリース、ニュースの記事、ブログ、求人求職サイトなどなどから集めて、人間が監視する機械学習にかけ、それらのデータを構造化する。そうやって同社は今、2000万社の公開および非公開企業を追跡している。

また今や立派なYC卒業生だから、本社を米国に移そうとしている。ゼヴェル氏によると、候補地はニューヨークかサンフランシスコだ。当人は目下、そのためのビザの取得で悪戦苦闘している。

同社は米国時間8月26日、1000万ドルの評価額で150万ドルのシード資金を調達した。資金はファンドの定量分析と、営業チームを助けるためのSalesforceアプリの開発に投じられる。もちろん、そのためのチームの拡大にも。

関連記事:Y Combinator-backed Narrator wants to become the operating system for data science(データサイエンスのオペレーティングシステムになりたいNarrator、未訳)

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

10年後の人間は既製の音楽を聴いていない、米国の著名ベンチャーキャピタリスト語る

人工知能やマシンインテリジェンスがもたらす未来の世界像は、人によっては遊園地の鏡の世界以上に奇妙奇天烈だ。それも、ときには極めて本質的な意味で。米国時間6月12日に行われたCreative Destruction Labの今年で二度目のSuper Sessionイベントで、ベンチャーキャピタリストのVinod Khosla氏はこう述べた。「今から10年後には、誰も音楽を聴かなくなってるね。本気でそう思うよ」。

彼によれば、そのころにはわれわれは、それぞれの個人のために自動的にデザインされ、各人の脳や音の好みやニーズに合わせて作られたカスタムソングのようなものを聴いている。

Khoslaの説では、AIが作る音楽はすでに大きく進歩している。とくに最近の2年間での進歩が大きい。ジャーナリストのStuart Dredge氏が最近、Mediumにそう書いている。

Dredge氏が指摘するのは、最近顕著なトレンドのひとつがSpotifyやYouTubeのチャネルに見られるような、ムードやアクティビティに合わせたプレイリストであることだ。今とても多いそういうものの上では、アーティストやアルバム、曲などの名前はどうでもよくて、まったく表示されないこともある。また言うまでもなく、Spotifyなどのビジネスにとってはライセンス費用の要らないマシンメイドの音楽のほうがありがたい。顧客に音楽を提供するサービスから得られる利益が、ほとんどまるまる自分たち企業のものになる。

しかしAIが作った曲がヒットチャートのトップになったり、AIが一般的なムードミュージックを作れるという話と、各個人専用のカスタムメイドのサウンドトラックという話を同じレベルには置けない。みんなの音楽だった音楽をリプレースする聴取体験が個人ごとにユニークな音になるという今回の話は、音楽の共有的共同体的側面はどうなるのだという疑問を無視している。答えは10年後にわかるだろう。

画像クレジット: Simon Hayhurst/Flickr, CC BY-ND 2.0のライセンスによる

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

VCのANRIが独自の給付型奨学金、基礎研究に取り組む若手人材をサポートへ

「ANRI基礎科学スカラーシップ」給付生の3名と、ANRIパートナーの鮫島昌弘氏(写真右)

独立系ベンチャーキャピタル(VC)のANRIは、先端の基礎研究に取り組む若手研究者を対象とした給付型奨学金プログラム「ANRI基礎科学スカラーシップ」を始めることを明らかにした。

修士課程や博士課程の学生を始め、数学や物理学、生物学、化学などの分野において優秀な成績を収めた若手研究者に対して1人当たり50万円を給付する。具体的な年齢制限などはなく、最大で10人を支援する計画。対象期間は採択より1年間で、2019年8月末まで募集を受け付ける。

ANRIはこれまで3本のファンドを立ち上げ累計で約100億円を運用してきた独立系のVCだ。主にシードステージのスタートアップを軸に投資を実行。出資先はUUUMやラクスル、クラウドワークスなど現在はイグジット済みの企業から、WAmazingミラティブなど今年に入って大型の調達をしているスタートアップまで幅広い。

2017年の3号ファンド立ち上げ時にも詳しく紹介したが、近年は大学の研究を軸としたハイテク系スタートアップの支援も強化。今回のプログラムも、ANRIで主に大学発スタートアップへ投資してきたパートナーの鮫島昌弘氏が中心となって立ち上げたものだ。

鮫島氏によると奨学金プログラムを始めたのは「すぐには事業化に結びつかないけれど、素晴らしい基礎研究が日本にもまだまだ存在する」ものの、そういった領域に十分な資金が行き届かず、若手研究者にとって厳しい状況が続いているためだという。この点は同氏が執筆したnoteでも言及されている。

「専門領域の教科書は高価なものも多く、1冊あたり数万円かかるものもある。それを買うためや国内外の学会に参加するためだけに貴重な時間を使ってアルバイトをするのはもったいない。(本来時間を使うべき)基礎研究に少しでも多くの時間を投じられるような環境を整えたい」(鮫島氏)

鮫島氏自身も研究畑の出身で、かつて東京大学の大学院で電波天文学を研究していた。当時から周りの優秀な先輩や同級生が同じような理由でアルバイトをせざるを得ない状況に陥っていて、課題感を持っていたそうだ。

国内ではこのような取り組みをVCが主導でやる事例はまだあまり出てきていないが、海外ではピーター・ティールやエリック・シュミットを始め著名なエンジェル投資家、VC、起業家が独自の奨学金プログラムや寄付プログラムを実施している例も珍しくない。

基礎研究に特化はしたものではないけれど、ピーター・ティールの「Thiel Fellowship」は特に有名なプロジェクトの1つで、聞いたことがある人も多いだろう。

「VCは最終的にリターンを返していくファンド形態であり、事業としてやれる領域ではベンチャー投資を通じてアプローチしていく。ただ『将来的に社会の課題を解決し、より良い未来を創る』ことがVCの仕事の目的でもあるので、事業化には結びつかない基礎研究であっても、別の形でサポートしたいという思いがある。ベンチャー投資とはルートこそ異なるが、目的自体は変わらない」(鮫島氏)

今回はANRIにとっても初めての試みということもあり、トライアルも兼ねて最大10人に対して1人あたり50万円を給付する形で始める。50万円という金額については「大きなプラントを作るための資金などとしては全然足りないが、たとえば数学や物理など、紙とペンがあるだけで取り組めることがあるような分野では、少しの後押しにはなるのではないか」(鮫島氏)という。

まずは修士課程や博士課程に在籍する若手研究者で「実力はあるけど、数十万円がなくて困っているような学生さんたち」を中心に、研究に集中できるような支援をしていく計画だ。

「『VC = ベンチャー企業に投資をするだけ』というイメージを持っている人もいるかもしれないが、もっと広い範囲で社会課題を解決して、世の中を良くするための活動を続けたいし、(起業家や研究者など)そこに挑む人たちをしっかりとサポートする存在であり続けたい。僕ら自身もVCの枠を超えて未来を創るような取り組みにチャレンジしていく」(鮫島氏)

なお以下の3名についてはすでに給付生として決定済みで、給付を開始しているとのことだ(各自のコメントはANRIのプレスリリースより引用)。

■三上智之氏 東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻在籍(生物情報科学、古生物学)

私は、理論やデータ解析をもとに化石を分析することで、はるか昔の生物がどのように進化を遂げたのか解き明かす研究をしています。“生物情報科学”とよばれる分野の視点で化石を見つめなおすことで、今まで見えなかった様々な情報を化石から抽出できるのではないかと考えています。

この奨学金は、若手の基礎研究を支えてくださる数少ないプログラムです。いただいた支援を活かして、これまでにない組み合わせの分野融合を進めることで、自分にしかできない、好奇心をくすぐる発見を目指します。

■須藤貴弘氏 東京大学大学院理学系研究科天文学専攻在籍(高エネルギー天文学)

私の専攻している天文学は、社会や経済への利益に繋がるまでに長い時間がかかりうる基礎的な研究分野です。そのような研究を行う若手に対して支援をしていただける点がありがたいです。

私の主な研究対象は宇宙から飛来する高エネルギー粒子、特にガンマ線やニュートリノなどです。これらの粒子は起源が大きな謎であり、その研究を通して宇宙における様々な天体現象の理解が進むことが期待できます。更には、未知の物理法則の解明などにもつながる可能性があります。このように、天文学の研究を通して宇宙や物理学の知見を広げることを目標として、日々研究をしています。

■山口大器氏 東京大学大学院理学系研究科物理学専攻在籍(素粒子物理学)

この度奨学金を受給することとなり、本当に感謝しています。自分にしかできない研究ができるよう努力していきます。このように、基礎研究を行なっている若手研究者を支援するプログラムはあまりないので、私たちのように基礎研究を行なっている若手研究者の方々にぜひ応募をお薦めしたいと思います。

私の研究は右巻きニュートリノの崩壊によって宇宙のバリオン(陽子、中性子)非対称性を説明する理論に関するものです。我々の体や星はバリオンでできていますが、宇宙がもっと高温だった時代、バリオンと反バリオン(反陽子、反中性子)はほぼ同数ありましたが、ほんのわずかにバリオンの量が多かった(その差は3億個に対してほんの1個程度)ため現在にはバリオンが残りました。このわずかに多かったバリオンの起源を探求しています。

都市問題に挑戦するスタートアップを育てるアクセラレーターが7社を選定

世界の都市問題を解決するスタートアップを育てることを目的とするアクセラレーターUrban-Xが、その第6次の育成グループとして7社を選んだ。

BMWのMini事業部の設計部門とVCのUrban.USをパートナーとして、7社は各15万ドルの資金を受け取り、Urban-Xの20週間の育成事業に参加する。その途上でBMWの技術者やデザイナー、ソフトウェアデベロッパー、ポリシーや営業の専門家、そしてマーケティングの指導者たちとの接触がある。

今回選ばれたスタートアップは、以下のとおり:

  • 3AM Innovations:緊急時におけるファーストレスポンダー(初動救援要員)のための捜索ツールを提供する
  • Cove.Tool:ビルの設計の初期段階においてパフォーマンスのモデリングを自動化するツールキットを提供する
  • Evolve Energy:リアルタイムの料金計算やコネクテッドホームデバイス、再生可能エネルギーなどを利用して家庭のエネルギー費用を節減する
  • Food For All:レストランの今後廃棄されそうな食材を回収して一食4ドルの食事を作る
  • OurHub:公共のスペースを利用するアウトドアレクリエーションによるアウトドアエクササイズのネットワーク
  • Pi Variables:交通整理のソフトウェアサービス
  • Varuna:水質監視サービス

Miniは3年前に、そのイノベーションとブランド戦略の一環としてUrban-Xを立ち上げた。支援対象となるスタートアップは主に、モビリティや効率的なエネルギー利用、都市のインフラストラクチャ、住宅、食料廃棄などに関連したサービスだ。

これまでに同アクセラレーターを卒業したスタートアップは44社、その85%がその後新たな資金調達を行っている。

Urban-XのマネージングディレクターMicah Kotch氏は「都市と新興のテクノロジー企業は最大の都市問題を解決して行く上での強力なパートナーだ。今回の第6次育成グループについても、彼らのソリューションを、都市生活にインパクトを与えているさまざまな産業に向けてスケールしていきたい」とコメントした。

画像クレジット: Walter Bibikow

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ビデオ会議サービスで黒字を達成したユニコーンのZoomがナスダック上場を申請

ビデオ会議サービスのZoomは2017年に10億ドル(約1100億円)の評価額になり、来月早々にナスダックに上場することを申請した

2019年に上場を目指すテクノロジー系ユニコーンは徐々に増えてきているが、その一員であるZoomの重要な特徴は、黒字企業であることだ。

Zoomは、2011年にEric Yuan氏が創業した。彼はWebExの初期のエンジニアだったが、それは2007年にCiscoが32億ドルで買収した。Zoomを立ち上げるまでの4年間、彼はCiscoのエンジニアリング担当バイスプレジデント(VP)だった。彼が先月、本誌に語ったところによると「もう二度と会社を売るようなことはしない」と言う。どうやら、WebExの買収後の待遇に不満だったことが、今回会社を売るよりも上場を選んだ動機のようだ。

Zoomは、これまで累計で1億4500万ドルを調達し、2019年1月31日で終わる2019会計年度では売上が前年比倍増の3億3000万ドル、粗利益は2億6950万ドルだった。その前の2017年と2018年の対比でも売上は倍増以上を記録し、2017会計年度の6080万ドルに対し2018会計年度は1億5150万ドルだった。

損失は縮小しており、2017年の1400万ドルが2018年には820万ドル、2019年1月に終わる会計年度では750万ドルだった。

IPOの申請書類によると、Zoomを支えているEmergence Capitalが、IPO前の株式の12.5%を保有する。そのほかの投資家とそのIPO前株式保有率は、Sequoia Capital(11.4%)、元Zoomの取締役Samuel Chen氏が関わるファンドDigital Mobile Venture(9.8%)、そして中国人億万長者で世界最高のお金持ちの一人とされるLi Ka-shing氏が保有するファンドBucantini Enterprises Limited(6.1%)だ。

Morgan Stanley(モルガン・スタンレー)

とJP Morgan(JPモルガン)、そしてGoldman Sachs(ゴールドマン・サックス)が上場のリード役を任されている。

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Google系自動運転のWaymoが20兆円程度の評価額で外部資本導入か

Googleの持株会社Alphabet(アルファベット)傘下の自動運転車を開発する企業Waymo(ウェイモ)が初めて、外部資本を調達するかもしれない。しかもそのとき望む評価額は、ジェネラルモーターズ傘下の自動運転車を開発するCruise(クルーズ)の150億(約1.67兆円)ドル近くの数倍以上だそうだ。米国時間3月11日のThe Informationが報じている

現在、TechCrunchの情報筋に確認しているが、Waymo自身はまだコメントの求めに応じていない。

Waymoは今年で創立10周年になるが、一貫してキャッシュ主体の企業だった。外部投資家からの資金調達は、CFOのRuth Porat氏が進めていると言われるが、同社の経費節減に貢献し、またAlphabetにとってはここ何年間かで初めての、Waymoの評価額を外部に示す機会になるだろう。しかしThe Informationの記事によると、Alphabetにはこの、かつて「Project Chauffeur」と呼ばれた企業の株式をそれほど多く外部に手渡す気はない。

Waymoは数年前に45億ドル(約5012億円)と評価されたことがあるが、しかしアナリストたちは今後の売上予測を根拠に、1750億ドル(約19.5兆円)よりも上と見ている。1000億ドルを超える評価額は、UberやTesla、GM、Fordなどを上回る。

現在時価総額が8170億ドルのGoogleならWaymoを支えられる。しかしこの検索エンジン企業は前にも、ほかならぬ自分自身が始めた突飛なアイデアの企業に自分の資本だけを投ずることをやめて、サードパーティの投資家を求めたことがある。それはGoogleが保有するライフサイエンスとエンジニアリングの企業Verily(バリリー)と、やはりGoogle Xから生まれた風力エネルギーの企業Makani(マカニ)で、それぞれその非公開株をSilver Lake(シルバー・レイク)とShell(シェル)に売った。

一方Cruiseは、2016年に5億8100万ドルでGMに買収されて以降、やはり外部資本を求めてきた。2018年半ばにはソフトバンク・ビジョン・ファンドがCruiseに22億5000万ドルを投資し、これによりソフトバンク・ビジョン・ファンドは、GMの自動運転車事業の20%を保有することになった。

Waymoは2016年にGoogleのプロジェクトから独立の企業になり、今ではCEO John Krafcik氏と上記Porat氏、そしてCTOのDmitri Dolgov氏らが経営にあたっている。同社は昨年、商用のロボタクシーサービス「Waymo One」を初めての営利事業としてフェニックス周辺で立ち上げてニュースにもなった。さらに最近Waymoは、電磁波ではなく光を使うレーダー(対象検知と距離検知)LiDARの同社独自製品を、自動運転車業界に限定されない一般向けに発売して、営利事業のレパートリーを広げた。

2030年のWaymoの売上は1140億ドルと予想されている

関連記事: WaymoのCTOが語る、会社の過去、現在、そして次に来るもの

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Y CombinatorのSam Altman社長が会長へ、後継者の計画はなし

シリコンバレーの多産なアクセラレーターY Combinatorの、著名な社長Sam Altman氏(写真中央)が社長を退いたことを、同社が米国時間3月8日に公開したブログ記事が共有している。

Altman氏は会長職へ移行し、YCの他のパートナーたちが昇格して彼の日常業務を引き受けるとAxiosが報じている。情報筋によると、Altman氏の後継者を立てるは予定はない。YCの中核的な事業は目下、CEOのMichael Seibel氏が率いている。彼は2013年に非常勤のパートナーとしてYCに加わり、20016年にトップの座に着いた。

このニュースが流れた今同社は、一連の変革の真っ最中だ。しかももうすぐ、3月18日と19日にはサンフランシスコで、200あまりの企業から成る最新のバッチのデモが行われる。上述のブログ記事でYCは、本誌TechCrunchが今週初めに報じた本社のサンフランシスコ移転の件をはじめ、変化の一部について詳説している。

それによると、「YCをその都市〔サンフランシスコ〕へ移すことを検討しており、目下スペースを探している。最近の5年間で新しいスタートアップたちの重心が明らかに変わり、マウンテンビューのスペースに愛着はあるものの、そこに固執するロジスティクス上のトレードオフにそれだけの価値があるかを再考している。とりわけ、バレーは社員の通勤が難しい。また、ベイエリアの同窓生たちに近い場所にいたいのだが、その圧倒的多くがサンフランシスコで生活し仕事をしている」。

本社を北へ移すだけでなく、最近のYCは参加者が大幅に増えているので、次のデモデーではステージを2つ使う。そして、ポートフォリオ企業への初期投資の額も増やす

Altman氏は2011年にパートナーとしてYCに加わり、2014年に社長に指名された。今後の彼は、調査研究企業OpenAIの共同会長職など、他の努力に傾注する。AltmanはYCの共同ファウンダーPaul Graham氏を継ぐ、同社2代目の社長だった。Graham氏は今、YCのアドバイザーだ。

関連記事: The Silicon Valley exodus continues主要VCの脱シリコンバレー傾向(未訳)

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現状の電動スクーターは事故が多い…Consumer Reports誌の調査より

Consumer Reports誌の調査を見るかぎり、電動スクーター(eスクーター)のメーカーは安全性について再考せざるを得ないようだ。

同誌によると、電動スクーターは2017年の後半以降、アメリカで1545件の傷害事故を起こしている。同誌は、テクノロジーを利用するスクーター共有プラットホームのトップ企業であるBirdやLimeが認可されている47の都市で、110の病院と5つのお役所からデータを集めた。

このニュースの直前には、UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)が公表した研究が、スクーターの事故で発生した治療を要する負傷者は249名、その1/3は救急車で病院に搬送された、と言っている。

その研究報告の主な筆者であるUCLAの救急医Tarak Trivediが、CNETにこう語っている: “重傷者もいる。軽い切り傷やすり傷ばかりではない。本物の骨折もある”。

スクーター企業のCEOたちはみな、安全を強調しているが、しかし安全性はこの分野のビジネスの優先事項になっていないようだ。その安全軽視の姿勢が消費者にも伝染して、eスクーターや乗り捨て自転車はヘルメットを着けずに乗るのがふつうになっている。そしてそこに、粗悪なハードウェアと無責任な乗車マナー、夜間乗車などの条件が重なると、当然のように事故は起こり犠牲者も出る。先週はテキサス州オースチンで、Limeのスクーターに乗っていた歩行者がUberのドライバーに轢かれて死亡した。そのLimeのスクーターに乗ってた人は、禁じられている高速道路を走行していた。

LimeやBirdなどスクーターのトップ企業は、無料のヘルメットを提供しているし、正しい乗り方マナーを奨励している。でも、ヘルメットの着用や、自動車専用道路を走らないことなどを“強制する”方法はない。

今日(米国時間2/6)、シリーズDで3億1000万ドルを獲得したばかりのLimeは、安全性向上のために今後どんな努力をするだろうか。

関連記事: Bird CEO on scooter startup copycats, unit economics, safety and seasonality…Bird CEOインタビュー(未訳)

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センサーをインターネットに接続して企業経営に貢献するSamsaraが評価額$3.6Bで$100Mを調達、米経済の冬に備える

センサーデータのプラットホームSamsaraが今日(米国時間12/28)、36億ドルの評価額で既存の投資家Andreessen HorowitzとGeneral Catalystからの新しい投資ラウンドを完了したことを確認した

このニュースを最初に報じたCheddarは、Samsaraの意図を開示しているデラウェア州のSEC提出文書を12月21日に見つけた。それによると、今年の3月の5000万ドルのシリーズDのときの倍以上の評価額で1億ドルのラウンドを調達したい、となっていた。

今回の資金調達の発表声明で、Samsaraのマーケティングとプロダクト担当VP Kiren Sekarが次のように述べている: “弊社の成長は、変化をもたらす新しいテクノロジーを製造系よりもむしろオペレーション系の企業が抱える問題の解決に導入することから得られている。その業種業態は経済の大きな部分を占めるにもかかわらず、これまで長きにわたってテクノロジーの恩恵をあまり被ってこなかった。しかし今日では、安価なセンサーと広帯域なワイヤレス接続、スマートフォン、クラウドコンピューティングなどにより、これらの企業も21世紀のテクノロジーの恩恵を全面的に享受できるようになっている”。

2015年に創業されたSamsaraは、そのインターネットに接続されたセンサーシステムにより、運輸交通、ロジスティクス、土木建設、食品製造、エネルギー、製造業など多様な業種をサポートして、彼らのデータ収集やデータからの知見の獲得、ひいては物理的オペレーションの効率改善に貢献している。

同社の協同ファウンダーSanjit BiswasとJohn BicketはかつてエンタープライズWi-FiスタートアップMerakiを立ち上げたが、それは2012年に、全額キャッシュ12億ドルの取引でCiscoに買収された

Samsaraの総調達額は、これで2億3000万ドルになる。PitchBookによると、同社のプライベート投資家はわずか2社で、それがAndreessen HoworitzとGeneral Catalystだ。そのためMarc AndreessenとGeneral CatalystのHemant Tanejaは、過去のいくつかのSamsaraの投資案件においても、リード投資家としてのVC企業を代表してきた。

サンフランシスコに拠を置くSamsaraによると、2018年には顧客ベースが5000に膨れ上がり、売上が250%増加した。今度の資金の主な用途は、社員を1000名増員し、AIとコンピュータービジョン技術への積極投資、そしてアトランタに初めてのイーストコーストオフィスを開くことだ。

同社はこの前の調達資金もまだ一銭も使っていないが、それは、他の多くのベンチャー資金頼りのスタートアップと同様明らかに、マーケットの下押し傾向が業界を襲う前に資本を手当しておきたいからであり、良好な評価額であっても資金調達はますます難しくなりつつあるからだ。

前出のSekarは、こうも述べている: “弊社のバランスシートはすでに健全ではあるものの、前回の資金調達ラウンドにはまだ手を付けていない。その新しい資本は長期的なプロダクト投資を加速し、新たな市場へと拡張し、同時にしかも強力なバランスシートを長期的に維持継続できるようにするものでなければならない”。

関連記事: Amid plummeting stocks and political uncertainty, VCs urge their portfolios to prepare for winter…株価激落と政治の不安定でVCたちは傘下企業に冬への備えを促す(未訳)

画像クレジット: Samsara

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スタートアップの資本構成を管理するCartaが創業6年でシリーズD $80Mを調達

スタートアップを支援するスタートアップが、VCからの支援を得て新しいジャンルを確立しつつある。

The WingThe Riveterのようなコワーキング(co-working)スペースが今年は資金をかき集めたし、またBrexの場合のようにスタートアップ専用コーポレートカードのプロバイダーも新たに資金を獲得した。

そして今度は、企業のキャップテーブル(cap table, 資本構成表)や評価額、ポートフォリオ投資、エクィティプランなどの管理を助けるCartaだ。同社はこのほど、評価額8億ドルで8000万ドルのシリーズDを発表した。前はeSharesという名前だった同社は、リード投資家のMeritechとTribe Capital, さらに既存の投資家たちから、この資金を調達した。

このラウンドでCartaの総調達額は1億4780万ドルになる。同社の既存の投資家には、Spark Capital, Menlo Ventures, Union Square Ventures, そしてSocial Capitalなどがいるが、Social Capitalは今回のシリーズDに参加しなかった。ただし新しいVC企業Tribe Capital(前掲)を立ち上げたArjun Sethiは、以前Social CapitalのCartaへの投資をリードし、また彼と共にSocial Capitalのパートナー三人組と呼ばれたJonathan HsuとTed Maidenbergは、VCを‘卒業’してテクノロジー企業専門のホールディングカンパニー(持株会社)を立ち上げた。一方Tribeは、自らの立ち上げファンド2億ドルを目下調達中と言われる。

2012年にHenry Ward(上図)がパロアルトで創業したCartaは、今回の資金を、同社のトランスファーエージェント(transfer agent, 名義書換代行業務)とエクィティアドミニストレーション方面のプロダクトとサービスの開発に充てて、スタートアップの公開企業への遷移をより良くサポートしていきたい、としている。また、投資家たちが自分のポートフォリオ企業からデータを集め、彼らのバックオフィス(事務管理部門)を管理していくためのプロダクトも、計画している。

Wardはラウンドの発表声明でこう述べている: “弊社は、プライベート企業のオーナーシップ管理を変えていく道のりをここまで歩んできた。その間、証券の電子化とキャップテーブル普及させ、監査対象となる409A*と組み合わせてきた。しかし弊社の意欲は、プライベートに保有されベンチャーが支援する企業のサポートにとどまるものではない”。〔*: 409A, 参考記事

Cartaの顧客にはRobinhood, Slack, Wealthfront, Squarespace, Coinbaseなどがいて、現在およそ5000億ドルのエクィティを管理している。今年Cartaは社員数を310名から450名に増やし、また取締役会管理やポートフォリオ分析などのプロダクトを立ち上げ、さらに#Angelsとの共同調査により、女性スタートアップの社員たちにおける大きなエクィティギャップという差別実態を明らかにした。

9月に発表されたその調査は、女性はスタートアップのエクィティ保有社員の35%を占めるにもかかわらず、女性のファウンダーと社員の保有額は9%にすぎないことを明らかにした。しかも、スタートアップのファウンダーの13%が女性なのに、彼女らはファウンダーエクィティのわずか6%、男性1に対し0.39ドルしか保有していない。

関連記事: The Gap Table: Women own just 9% of startup equity(未訳)

画像クレジット: Carta

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都心にシェア型ウェットラボ開設、スタートアップ育成にかけるBeyond Next伊藤氏の思い

Beyond Next Ventures 代表取締役社長 伊藤毅氏

去る10月30日、三井不動産ライフサイエンス・イノベーション・ネットワーク・ジャパン(LINK-J)は共同で、東京・日本橋にシェア型ウェットラボを開設することを発表した。2者と協力し、このシェアラボ「Beyond BioLAB TOKYO」を運営するのは、独立系アクセラレーターとして2つのファンドを運用するBeyond Next Ventures(以下BNV)。ラボ開設は2019年2月を予定している。

彼らのライフサイエンス領域におけるスタートアップ支援の取り組みと、開設されるラボとはどのようなものなのか。またBNVがライフサイエンス領域に密に関わるようになった経緯や、今後のスタートアップ支援への思いについても、BNV代表取締役社長の伊藤毅氏に詳しく話を聞いたので紹介したい。

三井不動産、LINK-JとBeyond Next Venturesの協業体制

LINK-Jは、ライフサイエンス領域でのオープンイノベーション促進、新産業創造支援を目的として、三井不動産と産学の有志が中心となって設立した一般社団法人だ。イノベーションの「場の整備」に取り組む三井不動産とともに、国内外のアカデミアや海外団体との連携による「コミュニティ構築」に取り組んでいる。

LINK-Jでは、カンファレンスルームやラウンジ、オフィスなどの各種スペースを日本橋を拠点に提供し、シンポジウムやセミナーなどの交流イベントも開催する。また、BNVが運営する先端技術系のアクセラレーションプログラム「BRAVE」や、同じくBNVが東京都から委託を受けて運営する創薬系ベンチャー育成プログラム「Blockbuster TOKYO(ブロックバスタートーキョー)」への支援なども行っている。

LINK-J設立から2年半で国内外の15大学が参加し、うち8大学は関連施設内にオフィスを開設。そのほか、ライフサイエンス領域のスタートアップやこれらを支援する企業、VC、団体などとも協業している。

今回のシェアラボ開設発表と同時に三井不動産は、BNVが10月に組成した2号ファンドへ出資したことも明らかにした。資金面でもライフサイエンス領域のスタートアップ支援を進める姿勢を明確にしている。

都心にシェア型ウェットラボ開設へ

さて、日本橋はデパートや老舗など、商業の中心地のイメージが強いが、実は江戸時代から薬種問屋が軒を連ね、現代でも医薬関連企業が集積する地域だ。その地で三井不動産がスペースを提供し、LINK-Jも入居する日本橋ライフサイエンスビルディングの地下にシェア型ウェットラボ、Beyond BioLAB TOKYOがオープンする。ラボは三井不動産からBNVヘフロアを賃貸し、BNVが整備してライフサイエンス領域のスタートアップと契約する形で運営される。

ラボの周辺はコレド室町や三越本店などの商業ビルや、オフィスビルが立ち並ぶ都心のど真ん中。そこへ生化学実験や細胞培養実験などが可能なウェットラボが、しかも共用で利用できる設備として登場する。となると「安全性は確保できるのか」「本当に有効な実験ができる施設になるのか」という両面で懸念が出そうだ。

米国では、既にシェアラボ施設が多数あり、多くのバイオ系スタートアップが輩出されている。先に米国の事情を見てみよう。

2017年1月にBNVと業務提携したIndieBioは、年間30のスタートアップを支援するアクセラレーターだ。サンフランシスコのダウンタウンに位置するIndeiBioは、バイオセーフティレベル1および2の設備を持つラボを24時間・365日提供。物理的な施設に加え、4カ月間のアクセラレーションプログラムと25万ドルのシード資金で、バイオテック関連のスタートアップをサポートする。

ニューヨークやノースカロライナ、サンディエゴなど、米国7カ所に拠点を持ち、2009年から累計230社の企業を支援してきたBioLabsも、ライフサイエンス系スタートアップにシェアラボとオフィス設備を提供する。例えばニューヨークのラボであれば、マンハッタンのダウンタウンに位置しており、ニューヨーク大学ランゴンメディカルセンターと提携、ライフサイエンス領域のスタートアップの成長を支援している。

米国のこうしたシェアラボやアクセラレーターは、いずれも物理的施設に加え、アクセラレーションプログラム、場合によっては資金の提供により、バイオ系スタートアップを支援している。また、ラボの周りに起業家や研究者のほか、投資家や事業会社、公的機関が集積することで、事業化が進めやすい環境となっている。

こうした先行事例を踏まえて東京の都心に誕生するシェア型ウェットラボ、Beyond BioLAB TOKYOは、どのような環境を提供するのかを見てみよう。

日本橋ライフサイエンスビルディング地下1階のワンフロア、実験スペース、オフィススペースに事務所エリアも含めて、約445平方メートルを占めるBeyond BioLAB TOKYO。研究開発支援エリアは、ベンチ(実験台)を共有して使えるオープンエリアと個室の実験室に分かれている。共有エリアは基本的にはバイオセーフティレベル1(P1)の実験が可能。個室とオープンエリア内で隔離されたP2実験室ではレベル2(P2)の実験も行える(ただし感染症法で特定される病原体の取り扱いはできない)。

実験室共有機器には、安全キャビネット、オートクレーブ、CO2インキュベーター、超純水製造機、ヒュームフード、PCRシステム、フロア型冷却遠心機、超低温フリーザー、コールドルーム、エアバリアブースなどがあり、生化学・細胞培養実験などに必要なベーシックな機器は一通り備え付けられている。

実験素材のコンタミネーションや取り違えを防ぐため、チームごとに専用の鍵つき冷蔵庫も用意されており、試薬保管庫、廃液保管庫なども整備されている。

ラボの設備ももちろんだが、米国で展開されるシェアラボと同様、アクセラレーションプログラムBlockbuster TOKYOとの連動や、ラボ周辺への起業家、研究者、投資家などの関係者の集積ももくろんでおり、三井不動産・LINK-Jとのコラボレーションによる、ネットワーキングやイベント連携も行っていくということだ。

ラボの入居対象は創業前〜起業直後、そして起業後初期までのスタートアップ。料金は10月30日現在の仮の設定だが、1チーム当たり月額20万円前後を予定している。

BNV代表の伊藤氏によれば、ラボ全体で「1〜2名のチームで10〜15チーム、プラス個室を利用する数チーム、合計20チーム弱ぐらい」の入居を想定しているという。ラボのグランドオープン前の約1カ月をプレオープン期間とし、その時点から、2018年度のBlockbuster TOKYOで採択された21チームのうちの約半数の利用を見込んでいる。

医療・ライフサイエンス領域に注力するBeyond Next Ventures

伊藤氏は「日本では、大学などに対する研究資金は米国の約半分強。米国で年間6.3兆円のところ、日本では3.7兆円だ。一方、大学のライセンス収入は、米国の3050億円に対して日本が約27億円と桁が2つ違う、極端に少ない状態」と説明し、「研究によって得た技術が循環していない。大学の技術シーズを実用化し、社会還元することが急務」と述べる。

BNVは2014年の設立後、大学発の研究開発型ベンチャーを対象として1号ファンドを立ち上げ、2016年にクローズ。ファンド総額は55億円を超える規模となった。そして今年の10月には1号ファンドを超える規模の2号ファンドを設立している。

2号ファンドでは先端技術のなかでも特に、医療・ライフサイエンス領域に注力する、とBNVはコメント。伊藤氏は「日米のライセンス収入の差が100倍あるような状況で、スタートアップ支援のエコシステムを確立するためには、お金が必要なことも事実」といい、「資金調達をひとつのきっかけ、起業の第1歩として活用してもらえれば」とファンドの役割に言及。「3桁億円(100億円〜)規模のファンドを目指す」としている。

ファンドによる資金面での支援に加えて、2016年には技術系アクセラレーションプログラムのBRAVE、2018年には創薬系ベンチャー育成プログラムのBlockbuster TOKYOと、BNVはソフト面でもスタートアップを支援してきた。人材面でもサポートを行い、多角的にアカデミア発スタートアップを支えている。今回のシェアラボ開設により、設備・インフラ面でもこの領域の支援が強化されることになる。

BNVが医療・ライフサイエンス領域にフォーカスした理由のひとつには、地縁ともいうべきつながりもあったようだ。「そもそも2年前、BNVのオフィスを日本橋に移したとき、建物のオーナーが三井不動産で。そこから縁が始まった」と伊藤氏は3者の連携が生まれたきっかけについて話している。医薬の街・日本橋を舞台に、大学発のライフサイエンス系スタートアップが集うLINK-Jに、BNVは会員・サポーターとして参加。LINK-Jのほうも、BRAVEの第1回プログラムからスポンサーとして参画し、現在も公式アクセラレーションプログラムとして取り扱っている。

「こうした縁で、医療・創薬系スタートアップのネットワークを3者で培ってきた」という伊藤氏。「IndieBioの事例なども参考に、アクセスが良い場所に設備を提供し、ネットワークも提供することで、バイオ系スタートアップが起業できる場を作れないか、と考えてきた。Blockbuster TOKYOの運営が決まって、育成環境も整ったので、後は実験できる場所だけ。三井不動産、LINK-Jとの連携により、今日、シェアラボという形が実現した」(伊藤氏)

写真左からBeyond Next Ventures 代表取締役社長 伊藤毅氏、三井不動産 常務執行役員/LINK-J理事 植田俊氏、LINK-J理事/事務局長 曽山明彦氏

VCからアクセラレーターへ

ベンチャーキャピタルといえば、ファンドとしてスタートアップの資金面をサポートするもの、というイメージが強い。だが伊藤氏は「確かにお金には価値がある。だが、技術シーズが社会実装できないのは、資金だけでは事業の形にならないから。そうしたシーズはアカデミアにいっぱい埋もれている」として、BNVの立場について「最近、VCからアクセラレーターへと呼び方を意識的に変えた」と話している。

「すばらしい技術があれば、それに興味を持ってもらわなければ。技術だけでは、ビジネスの人には(その先進性が)理解してもらえない。ビジネスの人が『面白い』と思ってくれるようなプランに作り変えるのも、アクセラレーターとしての仕事」(伊藤氏)

BNVでは、技術シーズを事業計画へ落とし込むサポートも行う。伊藤氏は「起業家がリスクを負ってチャレンジをするなら、支援者のほうも同じようにチャレンジをしないと」と語る。

2017年には社内にヘッドハンターを採用した。実はアカデミア発の技術系スタートアップで事業化が難しいのには、「社長がいない、見つからない」という理由も大きい。この課題を解決すべく、BNVでは1500名の社長候補者をプールして、スタートアップとのマッチングも行っている。また、起業家育成もあわせて行う。

ファンドから環境整備へ。伊藤氏は「とにかく、目の前にある課題を解決していくことだ。そうすることで、新しいことをやる人を、チャレンジを増やしたい」と語る。「自分たちも2014年に始まったばかりのベンチャー。だから枠組みにとらわれずに、できることをやっていきたい」(伊藤氏)

今年のクリスマスはこのダサいトレーディングカードだけでいい

冗談です。お願いだからこのシリコンバレーのベンチャーキャピタリストをあしらったトレーディングカードをクリスマスにプレゼント〈しない〉でほしい。でも、もし今あなたがVC——あるいはVC志願者——のためにプレゼントを探しているなら、1セット贈ると喜ばれるかもしれない。

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そう。彼らは実在している! VCトレーディングカードのシリーズを販売するのはTouchBaseで、そこにはY Combinatorの共同ファウンダーPaul Graham、Andreessen Horowitzの共同ファウンダーMarc Andreessen、Kleiner PerkinsのパートナーMary Meeker、Benchmarkの代表パートナーBill Gurleyらがフィーチャーされている。

誰か、MeekerはKleinerを離れて独自のファンドを始めようとしている、とTouchBaseに教えてあげるといいかもしれない。

カード5枚セットの価格は60ドル。それぞれのセットには後期ステージVC、エンジェル、シード投資家のほかアドバイザーのカードが1~2枚入っていると同社は言っている。

TouchBaseは他に誰のカードがあるか公表していないので、知るためには1~2パックあるいは3パック買う必要があるかもしれない。

VCカードは今月中に発売される。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

女性起業家が調達した資金は米国VCのわずか2.2%(今年も)

女性起業家に公平な活躍の場を与えようとする数々の努力にもかかわらず、2018年に米国女性が設立したスタートアップの調達金額はベンチャー資金全体のわずか2.2%だった。

この数字に見覚えがあるかもしれない。PitchBookによると、これは昨年、女性ファウンダー単独あるいは女性のみのチームのスタートアップが調達した資金の割合とまったく同じだ。

この数字は、女性起業家や支援者たちがこの長きにわたる問題の解決を試みる際の一種のスローガンとして使われている。女性起業家が調達する民間資本は男性起業家と比べて著しく少ない。いくつかの新しい試みや、All Raiseのような専門組織が、メンターによる指導プログラムによってこの問題を解決しようとしているが、変化を達成するだけのリソースを追加するためには1年以上必要なのは明らかだ。

現在ベンチャーキャピタル会社の意思決定者に女性の占める割合は10%以下であり、米国VC会社の74%には女性投資家が一人もいない。こうした数字が変わり始めるまで、資金調達のギャップが縮まる見込みは小さい。

良いニュースもある。2018年を2ヶ月残した時点で、女性たちが調達したVC資金の額は過去最高を記録している。過去10ヶ月間に女性が起業したスタートアップは計391件、23億ドルの調達契約を完了し、2017年の20億ドルを超えた。男女混合チームによる今年の資金調達も132億ドル、1346件で、昨年の127億ドルより増えている。

一方米国スタートアップ全体では2018年に967億ドルを調達しており、年内に1000億ドルを超えるペースだ。女性が起業した会社はそのわずか2.2%しか調達していない。男女混合チームの数字は12.8%で前年の約10.4%より増えている。

昨年米国のスタートアップは9000件以上の案件で総額820億ドルを調達し、ベンチャー業界にとって今年同様に印象的な年だった。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

求人界のTinder「Teamable」が500万ドルを調達、Simpplerを買収

社員のソーシャルネットワークを活用した求人サービスのTeamableが、500万ドルの資金を調達した。出資したのは新たに参加したFoundation Capitalとすでに投資しているTrue VenturesとSaaStr Fund。

また同社は、Simpplerの照会エンジンとリクルートソフトウェアを買収したことも発表した。Teamableの共同ファウンダーでCEOのLaura Bilazarianは、契約条件の公表を拒んだ。

Crunchbaseによると、買収されたSimpplerはこれまでに320万ドルの株式ファンドをFoundation Capital、Greylock、Vertex Venturesらから調達している。同社は2013年に Vipul Sharmaが設立し、Teamableと同様、既存の社員ネットワークを使って求人紹介プラットフォームを作っている。Sharmaは以前Evenbriteで機械学習を担当し、LinkedInプロフィールによると「昨年Indeedのエンジニアディレクターを務めていた」。

SharmaおよびSimpplerの人員はTeamableに移籍しない。

TeamableはGmail、Facebook、GitHubその他のソーシャルネットワークを利用して社員の連絡先を収集し、リクルーターをより焦点の絞られた採用候補者と結びつける。
Teamableを利用している企業の中にはSpotifyとLyftも入っており、ネットワーク内の従業員と求職者の温かみのあるつながりを支援している。ソーシャルリクルーティングのアルゴリズムによってより効率的で多様性のある雇用が可能になる、と同社は言っている。

「求職者は今のリクルート方法を喜んでいないと思う、とBilazarianがTechCrunchに話した。「彼は履歴書を塀の向こうに投げ入れるだけで返事を聞くことがない。企業も今のやり方を望んでいないと私は思う。なぜなら、求職者は職務記述書を見て憶測するだけなので企業は正しい候補者に巡り合っていないからだ」

「企業の中のわずかな人々が世界中にスパムを送るのではなく、会社をよく知る人たちが手を差し伸べる」と彼女は言う。「Teamableは非常に精度が高い。200人と接触して一人から返事をもらうのではなく、5人に声をかけて一人を採用する。」

昨年の シリーズAで得た500万ドルを含め、Teamableの株式ファンドは総額1000万ドルになった。50名からなる同社のキャッシュフローはプラスで、顧客は200社だとBilazarianは言う。サンフランシスコおよびアルメニアのエレバンに拠点を構えるTeamableは、調達した資金を使ってチームとリクルーティングプラットフォームの拡大を進める予定だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook