“挫折しない”家計簿サービス「マネーフォワード」が5億円調達、クラウド会計に参入へ

家計簿に挫折してしまう要因の最たるものは「面倒臭さ」だろう。最近では「Zaim」や「ReceReco」など、スマホでレシートを撮影するだけで内容を読み取る家計簿アプリが流行っているのもうなずける。「マネーフォワード」は複数の口座情報を一括管理し、入出金情報を自動で入力してくれる家計簿・資産管理サービスだ。その運営元のマネーフォワードが28日、第三者割当増資でジャフコから5億円を調達したことを明らかにした。

マネーフォワードの特徴は、銀行や証券、クレジットカードなどのサイトにログインするIDとパスワードを登録するだけで、あとは自動的に入出金情報が入力されること。入出金情報は「食費」「日用品」「交通費」といった項目に自動で分類される。現金払いの際は手入力が必要になるけれども、対応している金融機関1322社の口座やサービスの入出金履歴がマネーフォワード上で一括管理できるので、お金の管理のわずらわしさを解消してくれる。

マネーフォワードの辻庸介社長によれば、利用者の6割は男性、平均年齢は36歳だといい、主に「家計簿に挫折したり、日ごろ忙しくて家計簿が付けられなかった人」に使われているとのだという。自動や手動でマネーフォワードに入力されたデータの件数は月次平均43%増のペースで伸びていて、2013年10月には1億2600万件に到達。年内には30万ユーザーに達する見込みらしい。

マネーフォワードの辻庸介社長

今回の資金調達では、従来の資産や家計の「現状把握」だけでなく、ユーザーの「生活改善」を提案する機能を強化する。すでに、自分の支出額をもとに、今よりもポイント・マイル・キャッシュバックが増えるクレジットカードをおすすめする機能はリリースしているけれど、今後はユーザーごとに適した生命保険や自動車・住宅ローンなどを「人力」ではなく「アルゴリズム」で提案する機能を開発していく。

2013年11月末には、個人事業主や法人向けのクラウド会計サービス「マネーフォワード(青色申告・法人決算)」をリリースする。金融機関のデータを取得して仕訳を自動で行うため、「手作業はほとんどなく、会計・経理の知識がない人でも簡単に使える」(辻社長)。レシートだけでなく領収書を撮影するだけで、データを取り込める「日本初」のアプリも開発している。

個人事業主や法人を対象とする会計ソフトといえば、弥生の「弥生会計」や「青空申告」が多くのシェアを占めている。マネーフォワード(青色申告・法人決算)と同様のクラウド会計サービスとしては、2012年の「TechCrunch Tokyo」でデビューを果たした「freee」が順調に成長している。

マネーフォワード(青色申告・法人決算)は、月額課金で提供する予定。料金は検討中だが、「業界最低水準の価格」を予定しているといい、個人向けサービスで対応している1322社の金融機関から自動で明細を取得したり、アプリで領収書を読み取れるなどの優位点を打ち出して、既存の会計ソフトに不満があるユーザーなどを取り込んでいきたいという。


Google VenturesはVCなのにスタートアップのデザイン教育を強力に展開

デザインとVC企業は、ふつうなら頭の中で結びつかない。でも最近のVCがますます、いろんな付加価値サービスを提供し始めている中で、Google Venturesは、GoogleやMozillaなどから集めたデザイナーたちのオールスターチームにより、同社が投資しているスタートアップのデザインの向上を助けている。その‘教育活動’は、Design Sprint(デザインスプリント, デザインの短距離走)と呼ばれる事業を通じて行われる。それは、傘下スタートアップたちのデザインの問題を解決するための特訓キャンプだ。

今回本誌が取材のために参加したのは、CircleUpというスタートアップのために行われた特訓クラスだ。同社は、ベンチャー資金が得られないような小規模の消費者対象企業(小売など)に投資家を結びつけるサービスを提供している。ふつうなら半年ぐらいかかりそうな学習過程を、この特訓では5日間で行い(まさに短距離走!)、まず初日は、スタートアップの製品および技術担当者たちに問題と課題を理解させる。


〔ここにスライドが表示されない場合は、原文を見てください。〕

2日目はたくさんのラフスケッチを描き、3日目にはユーザにとってどれがベストかを決定する。そして4日目はプロトタイプを作る。最後の5日目には、ユーザテストを行って問題点や改良すべき箇所を同定する。GVにはすでに‘デザインパートナー’という役職があり、その彼Jake Knappの説明によると、このやり方はデザインコンサルタント企業IDEOと、スタンフォード大学のd.school(デザインスクール)で開発されたものだ。

学習過程は完全に対話的および視覚的で、とても効果的だ。最後には実物プロトタイプを作ってユーザテストも行う。会場は大学の演習室といった雰囲気の部屋で、壁にたくさんの画像やポストイット、ステッカーなどが貼ってある。大きなタイマー時計もある。

Knappはこれまでに大量のGoogleプロダクトをデザインしている(Google Search, Chrome, Ads, Gmail, Apps, Google+, Security, Commerce, 2011年のGoogle全域デザイン刷新)。もう一人の‘先生’Braden Kowitzは、GVの最初のデザイナー正社員で、Google Buzz、Gmail、Apps for Businessなどのデザインを過去に担当した。

CircleUpのファウンダRyan Caldbeckの感想: おかげでデザインに対する考え方が変わった。ふつうなら数か月もかかるような課程を数日で終了し、結論にまで達することができた。ここで作ったデザインを、実際のサイトに採用した。“今のデザインの90%は、GVで学んだことがベースだ。デザインスプリントのおかげでデザインを完全に一新することができた。これで投資家たちも、CircleUpの上のプライベート企業を評価しやすくなるだろう”。

今年、Google VenturesのDesign Studioは27回のデザインスプリントを行い、またユーザ調査スプリントは28回行った。昨年はデザインスプリントを30回ぐらい行った。投資先のスタートアップが途中でへたらないために、こんな育成サービスを提供しているのは、今のところGVだけだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


OnlabデモデーFall 2013 – 第7期はEdTech、クラウドソーシング、学内SNSなどを採択

デジタルガレージ、カカクコム、ネットプライスが手がけるシードアクセラレータープログラムOpen Network Lab第7期に参加したスタートアップ5社が本日デモデーに登場した。すでにTechCrunch Japanではおなじみかもしれないが、今回もデモデーでプレゼンテーションを行った全5社を紹介しよう。

今期はEdTech、サブスクリプション型EC、SNS、クラウドソーシングといったトレンディなスタートアップ達が採択されている。

Shakring — シェイカー株式会社

Shakringは世界中の人々が色々な”モノ”をレビューし、情報交換するためのアプリだ。「今さらレビューアプリか」と思われたかもしれないが、Shakringは既存のレビューサイトとは少し違ったアプローチをしている。

このアプリではレビューされたモノは「国籍」、「友達」、「宗教」とタブが分けて表示される。なぜこのような形にしているのかというと、シェイカー代表の金亨喆氏の体験が元になっているそうだ。

彼が数年前に都内のドラッグストアで買物をしている時に咳をしながら、風邪薬選びに困っているインド人の青年を見かけた。最初は日本語が話せない、読めないために薬が選べないのだと思い日本でポピュラーな薬(パブロン)を教えてあげたのだが、それでもこの薬を「どのような薬かわからなくて怖い」と言い、買うのを躊躇したという。

つまりは、異国で1人で薬なんかを選ぶ時には情報が少なくて困っている人が多いということだ。たしかに言われてみれば、旅行時に風邪を引いて薬を買おうとしても何を買っていいのか不安かもしれない。だから、自分の友達や同じ国籍、宗教(イスラム教徒は豚肉が食べれないなどがあるため)といったセグメントで分けた商品レビューが必要なのだと金氏は語る。

2012年の世界の旅行者は10億人も居るから、こういった悩みを抱えている人は多いとのこと。すでに提供予定のiPhoneアプリには日本語の商品が約20万件、英語では5万件が用意されている。

Locarise — Locarise株式会社

Eコマース市場は年々急成長している。この背景にはインターネット接続デバイスの普及、流通の効率化、ストア運営コストの低価格化などの要因が挙げられるだろう。この他にも、その要因の1つとして「ビジターの解析の高度化」もある、とLocarise CEOのFabian Dubois氏はいう。

今ではアクセス解析ツールは色々とあるし、無料でGoogle Analyticsのように豊富な機能が備えられているものも存在する。このおかげでビジターがどのような行動をしているかを分析し、最適化することで売上を伸ばすことができる。

それでも小売市場全体のうち未だに約90%をオフラインの実店舗の売上が占める。しかしながら、オフライン側で来店客の行動を分析するツールはまだあまり活用されていない。そこで、Locariseは実店舗向けのGoogle Analyticsを提供する。

来店客や店のウィンドウを見ている顧客の行動を分析し、ウィンドウを見ていた人が店に入るコンバージョン率はどのくらいか、彼らが店内に滞在時間した時間や購入までのプロセスはどうなっているのかといった情報をダッシュボードで確認できる。

Locariseは店舗にセンサーを設置して、ユーザーが持っている端末のWiFi信号を定期的に受信する。この信号を処理して、彼らの行動をウォッチするのだそうだ。だから、ユーザー側にアプリをインストールする必要はない。このサービスはすでに約15店舗がしているようだ。

Style with — 株式会社スタンドアローン

Style withはメンズ向け定期販売型のファッションECサービスだ。ユーザーが登録時に好みの服やブランドなどを指定すると、毎月、5つほどコーディネートを提案してくれる。このコーディネートは気に入ったらそのまま買うこともできるし、シャツだけ単品で購入することもできる。もちろん、全て買わないという選択もアリだ。

Style withと似たようなサービスでは昨年の500 Startupsのプログラムに参加していた「BOMBFELL」や、昨年後半にmixiが「Petite jete」(こちらは半年で終了)がある。Style withが特徴的なのは月額費をユーザーから取らない点だろう。

毎月のコーディネートの提案は無料で、実際に買物をする時に収益を得ることがこのサービスのビジネスモデルとなっている。スタンドアローンの黒濱達也氏によると、メンズファッションのEC市場は2015年に2,000億円規模になり、このうち日本でStyel withのモデルにあてはまる「テイストグラフ型」の市場規模は150億円になる見通しだそうだ。

Ednity — 株式会社Ednity

National Training Laboratoriesが提唱する学習定着率の「ラーニング・ピラミッド」によれば、一番記憶に残る学習方法は順に「人に教える」、「自ら体験する」、「グループディスカッションをする」のだそうだ。このような学習を可能にするのがチーム学習であるとEdnity CEOの佐藤見竜氏はいう。

Ednityはチームで学習できるように学校のクラス用SNSを提供している。FacebookやLINEでもグループ機能は使えるが、よりクローズドで安全な場を提供するためにこのサービスはあるという。

まず先生がクラスを作成するとパスワードが発行されるので、それを生徒や保護者に教える。クラスには先生からのクイズ、アンケートなどが投稿されたり、Q&Aフォーラムで生徒同士でやり取りもできる。先生の画面にはクイズの成績表なんかも用意されているから、宿題の提出・採点にも使えるそうだ。この他にも手書きのホワイトボードも用意されているから、複雑な数式もリアルタイムに共有することができる。

Onlabに以前採択されて、本誌でも紹介したLanguage Cloudは英会話教室と大学の語学講義向けに提供されていたが、Ednityはこれを全てのカテゴリに応用したようなイメージだ。

Viibar — 株式会社viibar

Viibarは映像制作に特化したクラウドソーシングサービスだ。元々映像の制作をしていたという同社代表取締役の上坂優太氏によれば、この業界はどこに発注すればよいのかもわかりにくいし、多くの行程があるが、どの行程でいくら費用がかかっているのかもわかりにくいのだという。

映像制作には編集、制作、サウンド、Web加工、配信測定、シナリオ制作…などの行程が存在するが、Viibarではこれらの行程ごとに各クリエイターが担当して1つの映像を完成させる。すでに約500名弱のクリエイターのネットワークを構築しており、高品質でスピーディーな納品ができているそうだ。

クラウドソーシングは比較的1対1のやり取りが多い気がするが、発注側に対して複数人のクリエイターがタスクを分けて担当するという点が映像制作では重要なようだ。

世界的にビデオ制作の市場は伸びており、オンラインだけでも3年後には日本で2,000億円になると予想されているという。今後はクリエイターを独自の審査基準でクオリティー、コミュニティの質を担保しながらサービスを拡大予定だ。

以上がOnlab第7期採択チームだ。Onlabはこれまでに35社を輩出し、その中にはY Combinatorに参加したAnypark、500 Startupsに参加したLanguage Cloud、AppSocially、WHILLなどが含まれる。このうち18社がファイナンスを実施しており、今年3月には映画オンデマンドの「ドリパス」を運営するブルームがヤフーに買収されるなど、徐々にイグジットするスタートアップもでてきている。

今後はよりグローバルに展開するために来月にはデジタルガレージのサンフランシスコセンターが完成する予定らしく、着々と準備を進めているようだ。なお、Onlab第8期プログラムはすでに募集が開始されており、11月8日までとなっている。


Vinod Khosla:「今後10年、データサイエンスの進化は全生命科学分野が成し遂げてきた以上の成果をもたらす」

他の記事に登場しているが、Khosla VenturesのファウンダーであるVinod Khoslaの話をもうひとつ取り上げておこう。ここしばらくで「最もホットである」とする分野について話をしているのだ。その分野とはメディカル分野だ。食品分野にも興味を感じているが、メディカル分野こそ、最も熱い分野だと感じているのだとのこと。「これからの十年で、メディカル分野におけるデータサイエンスおよびソフトウェアの進化に注目すべきだと思っています。これまでに生物科学が成し遂げてきたことを上回る成果をおさめるだろうと考えているのです」とのこと。

かなり大きなことを言っていて、おそらくは賛否両論のあるところだろう。しかしKhoslaはモバイル関連技術の進化と、ハードウェアの低価格化により、数年のうちにヘルスケア分野は大きな変革期を迎えると考えているのだ。但し、とKhoslaは注意を促す。「変革を担っていくのに、スタンフォードを1年で中退してスタートアップを立ち上げる、と短絡するのはどうかと思います。博士レベルの知識が必要になってくるでしょうし、またロボット工学系の学位も必要となってくるでしょう。さらに機械学習分野などについての知識も必要となってくるはずです」とのこと。

さらに続けてKhoslaは言う。「センサー技術およびウェアラブルデバイスの進化が相まって、ヘルスケアの実践方法にもいろいろと変化をもたらすことになるでしょう」。こうした時代に対処するためにKhoslaは、ビッグデータ分析やモバイル技術を用いて、精神医学面も含めたヘルスケアサービスを展開するGinger.ioなどにも出資しているわけだ。

他にもiPhoneを利用した診断用デバイスの開発を行うCellScopeにも出資しており、こちらはまずデジタルオトスコープ(訳注:耳鏡。耳管と鼓膜などの調査を行うための器具)を世に出している。「自分でiPhone上のCellScope技術を用いて安全な診断ができれば、わざわざ医者に行く手間をとる必要もありません」とKhoslaは言う。

「医者の行うことの80%は、その何分の一かのコストで、テック(技術)に代替させることができます。とくに医療後進地域ではそうでしょう」と続ける。もちろん、研究病院におけるような先端分野までもが、直ちにテックにより置き換わっていくだろうと言っているわけではない。


バックステージ・インタビュー

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(翻訳:Maeda, H)


TC Disrupt:Sun Microのファウンダー、Vinod Khosla、「ほとんどのベンチャーキャピタリスト取締役はスタートアップに害をしている」

Sun Microsystemsの共同ファウンダーでその後ベンチャーキャピタリストに転じKhosla Venturesを作ったVinod KhoslaがわれわれのTC Disrupカンファレンスに登場して忌憚のない意見を述べた。Khoslaによれば「大半のVC(ベンチャーキャピタリスト)にはスタートアップに適切なアドバイスをする能力がない」という。

実のところ、VCはスタートアップの害になっていることの方が多いとKhoslaはいう。

ステージ上の対談でTechCrunchのファウンダー、Michael Arringtonは「取締役としてダメなVCの例を上げてくれ」と水を向けた。

「誰が取締役としていちばんクソなVCかね?」とArringtonは尋ねた。

「いちいち例を挙げていたらえらく大勢の敵を作ってしまうだろう。95%以上のVCは取締役としてスタートアップに加える価値はゼロだ。70-80%のVCの取締役としての助言はスタートアップの価値を下げている」とKhoslaは答えた。

KhoslaによればほとんどのVCはスタートアップが難局を切り抜けるための有効な助言ができない。

「難局にあったことがないスタートアップの例など知らない。スタートアップのファウンダーはVCの言うことには礼儀正しく耳を傾け、それから自分の思いどおりに断固やることだ」とKhoslaは言う。

「私もスタートアップに助言する。しかし、これこれの点については確信がないとはっきり言う。たぶん私はこの会場にいる誰よりも多数の失敗をしてきたと思う。同じ轍を踏まないよう私の失敗を起業家が教訓にしてくれることを期待している。しかし新しく大胆な企てをするときには確実なことなど何一つないのだ」とKhoslaはアドバイスした。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook


ポケットコンシェルジュを運営するポケットメニューが総額6,000万円の資金調達を実施

会食や接待向けのレストラン予約サービス「ポケットコンシェルジュ」を運営するポケットメニューがフジ・スタートアップ・ベンチャーズ、日本ベンチャーキャピタル、個人投資家から第三者割当増資で約6,000万円を調達した。今回調達した資金は主にサービスの展開地域をパリ、京都、大阪に広げていくために充てられる。

ポケットコンシェルジュは、会食や接待などに使える厳選されたレストランを予約できるサービスである。現在は東京の60店舗ほどのレストランが登録されており、レストランの客単価は1万円から2万円程度で、高所得者層を中心に約1万人が利用しているそうだ。

このサービスは食べログやRettyのようなユーザーの評価を中心としたものではなく、サービス側が選んだレストランだけが掲載されている。ユーザーは目的(接待、デート等)、日程、料理のジャンルからレストランを探し、サービス上で予約できる。

この予約フォームは今時のサービスに比べるとやや入力項目が多い。会食の趣旨や過去の来店回数、店への要望、連れの情報(アレルギーや好き嫌い)といったものがある。また、登録時にも年齢や性別などの情報も入力を求められる。

だが、これにはもちろん訳があるようだ。板前として6年間働いた経験を持つポケットメニュー代表取締役の戸門慶氏曰く、普段レストランが電話で予約を受け付ける際には声のトーンから年齢と性別を判断し、それを踏まえた上で席の配置はもちろん(若い人で騒ぎそうならカウンターの端っこなど)、高齢の方の場合には味を薄めたり、量を減らすなどの工夫をしているという。その他、来店回数によってコース料理でも同じメニューを出さないようにもできる。

ポケットコンシェルジュでは会食や接待で利用されることが多いから、このような細かな気配りも重要になってくる。入力は確かに面倒だが、結果として一番大事なレストランでの体験が向上することになる。こういった点は板前の経験がある戸門氏ならではの視点と言えるだろう。

このようにポケットコンシェルジュは戸門氏の経験を活かしている点が多いように感じるのだが、今後のパリでの展開方法も同様だ。パリでの事業では地元の企業と組み、新たに新会社を立ち上げて展開していくのだが、これがレストランの海外展開と似ているという。

IT企業はGoogleやFacebookのように自社で海外展開していくことも多々あるが、ポケットコンシェルジュの場合はレストランと組むため、そのネットワークが非常に重要だという。というのも、レストランはシェフ同士の繋がりも多いようで、実際にサービスに掲載するレストランをシェフから紹介してもらうこともあるからだ。良いシェフが紹介するレストランは良い確率高いそうで、そのようなコネがあるのと無いのでは良いレストランをサービスに取り込めるか否かに差が出てくる。

戸門氏によると、レストランの海外展開では、しばしばこのように地元レストランや企業と組んで展開することがあるそうで、ポケットコンシェルジュもこれと似たような展開をしていくという。

すでにパリでの事業は話が進んでおり、数名がパリに移動し本格的に展開していくという。今後は上記の地域での展開はもちろん、スマートフォン向けのアプリの開発やクレジットでの事前決済機能などサービス内容の充実も進めていく。


ドコモのイノベーションビレッジが初のデモデイを26日に開催、第2期生も募集開始

NTTドコモが今年2月に発表した新しいベンチャー支援の取り組みであるインキュベーション事業、ドコモ・イノベーションビレッジのプログラムに採択された第1期生のデモデイが今月26日に開催される。

ドコモ・イノベーションビレッジのプログラムは他のインキュベータと同様に社内・社外のメンターによるメンタリングや、オフィスの無償提供、サーバーやデバイスといった開発環境の提供が含まれている。社外メンターにはgumi代表取締役社長の国光宏尚氏、リブレンス取締役の桂大介氏らが参加している。500 Startupsと提携しており、George Kellerman氏が今期はメンタリングに来たようだ。

この他、このプログラムが特徴的な点はドコモの一部API(音声認識、アプリ検索、翻訳など)が利用できることや、開発助成金としてコンバーチブルノートで200万円の資金提供を受けられることがあげられる。

このようなプログラムを5カ月間実施した後、デモデイでプロダクトのプレゼンテーションを行うことになる。今期の採択チームはすでにホームページ上に公開されており、写真共有サービスや食品ECサービスなど6社が選ばれている。

本日からはこのプログラムの第2期生の募集も開始している。募集概要の詳細はこちらから確認できる。第2期では新たに「パートナーブースト枠」が設けられており、NTT西日本、NTTぷらら、NTTデータの3社が指定したテーマと合致したサービスを採択し、ドコモからの支援に加えてパートナー企業からの支援も受けられるそうだ。

テーマは
・スマートテレビを中心とした新しい視聴スタイルや生活スタイルを実現するサービス
・銀行・証券・保険をはじめとした金融サービスを担うソリューションおよび行政、ヘルスケア、農業、観光分野におけるソリューション
となっている。

第2期の応募はこちら、第1期のデモデイの参加はこちらから。なお、デモデイにはSkype、ベンチャーキャピタルAtomico創業者のニクラス・ゼンストローム氏が来日し登壇する予定だそうだ。

 


イラスト制作クラウドソーシングのMUGENUPが1億3000万円を調達、3Dデータ制作効率化も

ゲームアセット等のクラウドソーシングサービスを運営しているMUGENUPが1億3,000万円の資金調達を実施した。MUGENUPにとってシリーズBとなるこのラウンドにはIGPI(経営共創基盤)、SMBCベンチャーキャピタルの2社が参加した。

MUGENUPは主にゲーム内のキャラクターのイラストを取り扱っているサービスでゲーム制作会社とクリエイターを仲介する役割を担っている。現在このサービスに登録しているクリエイターは約1万人となっている。

MUGENUPが特徴的なのは発注者とクリエイターの間に入り、必ず仲介している点だ。クリエイターが自身のポートフォリオを提示するとMUGENUPがスキルのレベルをチェックし、彼らのスキルに応じてタグを登録しておく。そして、発注(コンペ)の際にイラストにも必要なスキルなどのタグが設定されており、クリエイターとイラストのタグをマッチングさせることで受注者を決定させているという。

また、クリエイターとMUGENUPの担当者がコミュニケーションを取るためのグループチャットも用意されており、このチャット上でイラストに赤入れできる機能などを備えている。このように2つシステム–クラウドソーシング、制作プラットフォーム(グループチャット)–を展開している。

だが、ここまでクラウドソーシングサービスを運営するスタートアップだとご紹介してきたが、MUGENUP代表取締役の一岡亮大氏は「クラウドソーシングの会社でも、イラスト制作の会社でもなく、デザインデータを効率よく大量に作ることをテーマにしている会社」だという。

このテーマの入り口の1つとしてクラウドソーシングサービスを提供してきたそうだ。現在MUGENUPでは2Dのイラストが主であるが、最近では3Dのデータも扱っておりグループチャット上で2Dと同様に3Dデータも確認、赤入れできるシステムの構築も完了したところだ。

すでにフィギュア作成も進んでいるようで、今後はこのような需要が増すと予想している。このような3Dデータも含めデザインデータを解析し、市場を効率化していくことが目標だと一岡氏は語る。

というのも、例えばフィギュアを3Dプリンタで出力する際に、キャラクターの羽と体の素材が違う場合などは収縮率も調整しなければならず、その微妙な調整は各社の職人だけが知っている状態であり、非常に効率が悪いそうだ。そのためMUGENUPでは、このようなデータを蓄積/分析し、共有することで効率化を図りたいという。

今後も現状のサービスはもちろん継続するが、今回調達した資金はこうしたデータ解析や3Dデータを扱えるクリエイター確保のためのマーケティングに投下していくとのこと。


スタートアップの生死を決めるのは「今やる」決断と勇気…Menlo VenturesのMark Siegelが語る

今週の「VCに聞く」(Ask A VC)にご登場いただくのは、Menlo Venturesの専務取締役Mark Siegelだ。

Siegelは主にエンタプライズや広告方面の投資を扱っているが、最近、モバイルとソーシャルとクラウドコンピューティングとデータ分析、この四つの分野に存在する商機について書いた本、“The Right Now Economy.”〔仮訳: “今でしょ!の経済”〕を出版した。UberやNetflixをはじめ、「今」の波にうまく乗って伸びている企業は多いが、Siegelはこのインタビューで、その波のうしろに来ている次の「今」の波は、保険医療、教育、そして金融サービスだという。今日~明日生まれるスタートアップは、自分のための今でしょ!の波に、うまく乗らないといけない。

Siegelは、VCとして、シード資金やシリーズAの投下を決めるときの対象企業の評価基準についても、語った。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


グロースハッカーごとサービスで提供――、日本発の新A/Bテストの「Kaizen Platform」

コンバージョンレートを上げるためにA/Bテストをしたほうが良いとは分かっていても、コストや運用を考えると難しいというサービス運用担当者は多いだろう。だからここ数年はJavaScriptのスニペットの埋め込みや、モバイル開発向けSDK提供によるビーコンの埋め込み方式などで、クラウドベースのA/Bテストをサービスとして提供するところが増えてきた。

中でもオバマ大統領のキャンペーンにおいて複数のテキストとビジュアル要素の組み合わせ全24パターンをA/Bテストすることで成果を上げたことで知られるDan Siroker氏が共同創業者であるY Combinator出身のOptimizely伸びが顕著なようだ。この市場の動向としては老舗のAdobe(Omuniture)のTest&Targetが市場をリードしていたが、Optimizelyが使い勝手の良さと低価格攻勢で実績を伸ばしているといったところ。Optimizedlyは2009年創業で社員数70人。合計3000万ドル(30億円)以上の資金を調達しているなど「本命感」がある。

Kaizenが80万ドルの資金調達をして9月にも本格始動へ

Optimizelyのデモ動画を見れば分かるが、既存サイトをブラウザで閲覧しつつ、ブラウザ上でボタン位置やテキスト要素を変更してA案、B案、C案……と作っていくインターフェイスは、「これ以上どうやれば簡単にできるのか」というほどよく出来ている。

ところが、そのOptimizedlyでも結局はコストは下がらないとして、新たなアイデアと実行力をもってA/Bテスト・サービスに参入しようとしているのが、日本発のスタートアップのKaizen Platformだ。2013年6月末にリクルートを退社した須藤憲司氏らが立ち上げた野心的なこのスタートアップは、3月にアメリカで法人登記を済ませ、グローバル展開を視野に入れて9月にも一般サービス提供の開始を予定している。Kaizen Platformは今日、グリーベンチャーズ、GMOベンチャーパートナーズ、サイバーエージェント・ベンチャーズの3社から合計80万ドルのシードファンディングの資金調達を発表した

Kaizen Platformが「planBCD」と名付けた新サービスで解決しようとしている問題は何か? 現在までに3カ月、計10社ほどのクローズドβを経て新サービスに確かな手応えを感じ始めている共同創業者の1人でKaizen Platform須藤CEOに話を聞いた。

本当のコストはコミュニケーションとオペレーション

Kaizen Platformが提供するA/Bテスト・サービス「planBCD」の提供形態は2種類ある。

1つはOptimizedlyと同様のもの。まず既存ページに対して、ブラウザ上で動的にHTMLやCSSを書き換えたり、画像を追加したりしてB案、C案……、と作る。これはKaizen側のサーバに蓄積される。続いて、このページに対してKaizenが生成したJavaScriptを外部から読み込むよう既存ページのヘッダに1行だけHTMLコードを書き加える。ページ来訪者のブラウザは、Kaizenが提供するJavaScriptコードをAWSのCDN(CloudFont)から読み込むことになる。これによって、A案、B案、C案……と、異なるページが一定の割合でページ訪問者に表示されるようになる。ログ集計もKaizen側で行い、十分なトラフィックがあるページであれば、リアルタイムに各バリエーションの表出確率を変動させることもやってくれる。つまり、「ボタンを大きくして上の方に配置したほうがコンバージョンレートが高い」というB案が実際にデータからも確認されれば、1週間程度でB案の表出確率を上げてくれる。

コンバージョンレートというのは、いわゆるランディングページから会員登録ページへ遷移することだったり、資料請求ボタンをクリックすることだったり、ECサイト上なら商品をカートに入れることだったりする。ページ来訪者がビジネスに直結する成果につながるアクションを起こしてくれる率のことだ。

ここまでは、Optimizedlyと同じだ。Kaizen Platformが提供するサービスがユニークなのは、B案、C案の作成と提案を、Kaizenが抱える200人ほどのUI/UXデザイナーに対してクラウドソーシングできてしまうマッチングサービスも提供しているところだ。

「結局、お客さん側でページをいじるハードルが高いのが問題なんです」と須藤氏。たいていの企業では、Webサイト運営はシステム部門の管理下にある。システム部門というところは長らく、社内ITシステムの運用をやってきたために、短いサイクルでA/Bテストを回すといったアジャイル的な開発・運用フローと相性が悪い。せっかくB案を作って比較テストをしようと思っても「デプロイは2カ月後です」という冗談のような事態が発生しがちだ。

OptimizedlyやplanBCDは、ここをゴソッと外出しにする仕組みを作った。デプロイ作業の社内調整や実作業をなくして、JavaScriptによるページ埋め込みを動的に行う。

世界中から改善提案を受けて、A/Bテストを実施

残るのはデザイナやエンジニアの実働およびコミュニケーションのコストだ。どうすればビジネスの指標が改善するのかを考えてB案やC案を提案して、それを実際のページに落とし込むことを社内だけでやろうと思うと、たとえOptimizedlyのようなツールを使ったとしてもコストがかかるというのがKaizenの言い分だ。「実際オペレーションコストのほうが高いのです。ツールの利用料で10万円のテストをやろうと思うと、実際には人件費を入れると月に100万円ぐらいかかったりします。それなりに規模のあるサイトで継続的にA/Bテストを使った改善をやろうとするとエンジニア2人とデザイナ1人を貼り付けたりするので、すぐに月間50万円、100万円とコストがかかります」(須藤氏)。

planBCDでは、このエンジニア、デザイナをクラウドソーシングで外注にできる「Open Offer」をA/Bテストサービスのツールと合わせて提供する。

9月中旬以降に提供を予定しているサービスでは、サイトやページに対して改善案を提示するUI/UXデザイナは現在約200人。120人が国内で、北米が50人、アジアが30人程度が登録しているという。ビジネスの要点を理解して会員数やコンバージョンレート向上に寄与するデザイン上の提案ができる人材は最近「グロースハッカー」と呼ばれるが、こうした人々をクラウドソースできるというのが、planBCDの新しいところだ。問題は単純に人件費だけでなく、エンジニアリングとマーケティングの両面が分かる人材の確保ということもある。

「各デザイナごとに成績を取っています。誰がどれだけコンバージョンを上げたかをモニターし、その成績によってトップ10%のマエストロ、トップ50%のプロフェッショナル、残りをスタンダードとランク分けして、それぞれ月額50万円、20万円、10万円という料金設定にしています。デザイナの取り分は7割で、いまは各国のデザインファームとアライアンスを組み始めているところです。デザインというのは、ある程度は文化に紐付く面があるので、地域ごとにデザイナのネットワークを作っていこうと考えています」(須藤氏)。

グロースの部分を外注にする場合、その成果物や効果測定の結果は、事例としてオープンに共有していくよう推奨しているという。そうしないとデザイナが実績を示しづらいし、知見の共有も進まないからだ。効果的な良いデザインを顧客やデザイナたちが「互いにパクれる」という言い方をするとネガティブなニュアンスがあるかもしれないが、ビジネスの根本ではない非本質的な部分で広く組織の壁を超えて知見を共有するというのはオープンソース的とも言えそうだ。

planBCDの利用料はデザイナへの月額支払のほか、JavaScriptによるコンテンツの配信部分でかかる予定だ。

現在は、社内外でデザイナーやエンジニアの部隊を抱えるエンタープライズ向けのプラットフォームのレンタルから開始しており、月額50万円〜(1500万PVのコンテンツ配信料まで込み)で提供、既に数社の顧客を抱えている。須藤氏は前職のリクルートでアドオプティマイゼーション推進室の室長を務めていて、特に大手の企業ユーザーが抱える問題点やコスト感を良く理解している。「A/Bテストはツール提供のビジネスのように見えるかもしれません。でもわれわれが取り組んでいるのは“試すコストを下げる”ということ。ツールはその一部なんです」(須藤氏)。現状で200〜300万円のオペレーションコストをかけてA/Bテストを回しているエンタープライズ市場の顧客からすれば、planBCDの価格設定は十分に魅力的だという。すでに年内の黒字化は見えていて、年明けにも次の大型の資金調達を考えているという。

今のところWebページだけがA/Bテストの対象だが、ネイティブアプリについてもSDKを提供予定という。例えば最近ネイティブアプリで問題となっているのがアクティベート率。ダウンロードやインストールはしても、その後のアカウント作成まで進まないケースが一般に5割程度。アクティベート率の高いアプリでも8割ほどという。この数字をいかに上げていくかは、起動時のサービス説明画面のデキに依存する面があり、A/Bテストが必要とされる場面だという。また、利用者の性別や年齢、初回訪問か2回目、3回目かなどによってA/B/C案を出し分けるようなサービスも考えているという。例えば通販サイトでは、商品を陳列する1画面内の列数によって購買率が変わったりするが、性別によってウケるUIも異なるからという。

現在、Kaizen Platformはパートタイマーも入れて社員は14人。うち11人がエンジニアという。クローズドβ中の顧客は日本企業だが、法人登記は最初から米国だ。須藤CEOもビザが降り次第、年内にも米国に渡るという。開発は東京中心で行い、顧客開拓も外資系の日本法人をターゲットにするなど足元からのスタートだが、今後はヨーロッパ、アジア、南米に拠点設置を検討しているなどグローバル展開を狙っているという。


KDDI子会社のmediba、アドテクベンチャーのスケールアウトを買収――買収額は10億円程度

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つい先日、Dennnoが110万ドルを調達したとお伝えしたばかりだが、日本発のアドテク関連ベンチャーでまた大きな動きがあった。KDDIの子会社でauスマートパスを中心に広告事業を展開するmedibaが、広告配信システムを開発・提供しているスケールアウトの既存株式を取得して子会社した。株式の取得数や保有割合は明かされていないが、関係者の話によると買収額は10億円程度と推測される。

medibaは2011年8月にノボットを子会社化してアドネットワークという「面」を手に入れているが、今回の買収により、スケールアウトが持つ配信プラットフォーム「ScaleOut DSP」で技術面を強化していくことになる。もともと過去1年半ほどにわたってスケールアウトはこの配信プラットフォームをmedibaにOEM提供をしていたというから、たとえは下品だが同棲期間を経て婚約という感じかもしれない。スケールアウトは九段下にあるオフィスを、mediba本社のある渋谷近辺に移す予定だという。

広告配信プラットフォームは広告主側か媒体側か、そのどちらに最適化してインターフェイスなどを作り込んでいるかで、DSP(Demand Side Platform)とSSP(Supply Side Platform)に分類される。SSPは媒体社が利用するもので、サイトやオーディエンスごとに収益性の高い最適な広告を配信する。一方、スケールアウトは代理店や広告主側が利用するDSP側のプラットフォームを主に構築してきた。mediba広告事業本部プロダクト企画部部長の宮本裕樹氏によれば、今後、medibaではDSPからSSPまで一貫した配信プラットフォームを作っていくことになる。具体的には、属性データや広告配信データ、広告反応データを一元管理して蓄積できるDMP(Data Management Platform)事業へ参入する。アドテク業界は媒体社や代理店といったビジネス構造に最適化した形でDSPやSSP、アドネットワークといったプラットフォームが立ち上がり、それらが絡み合って林立する状態となっている。スケールアウトの創業社長の山崎大輔氏に見立てでは、今後はDSPとSSPの統合、アド関連企業とキャリアの連携が深まっていくことになりそうで、今回の買収もそうした流れの中にある。DSPとSSPの連携でマッチング精度が上がれば、現在、利用率が30%程度といわれるリアルタイム入札の市場拡大も期待できるという。

KDDIはモバイルキャリアとしてユーザーの属性情報を多く持っている。プライバシーの問題があるため粒度は粗めだが、性別・年齢層、サービス加入の有無や広告閲覧履歴などを利用したターゲティングを行う広告配信を2012年12月に始めている。一方、スケールアウトが取り組んできたDSPは「代理店が手でやってきたことの自動化」(山崎氏)なので技術進化の余地や伸びしろが大きいが、行動履歴から属性情報を類推するアプローチのために精度向上に限界がある。だから、今風にいえばKDDIが持つビッグデータと、存在感を増すDSPという2つを融合してマッチング精度を高めた広告配信プラットフォームを作っていく、というのが今回の買収の狙いということになりそうだ。スケールアウトから見ると、KDDIのグループ会社となることで属性情報というセンシティブなデータを扱いやすくなるということもあるし、営業力や資本力の点でも独立してやっていくよりも自然な選択だった、と山崎氏は話す。

medibaでは今後、PCやスマフォだけでなく、タブレットやスマートTVまで含めたマルチデバイスの広告配信を目指すという。medibaの宮本氏によれば、国内ではマルチデバイスで広告配信ができるプレイヤーはまだいないという。

エンジニアが起業してエグジットした成功例

スケールアウトは、ヤフーで広告システム技術を担当していた山崎大輔氏が2006年に独立して創業した広告配信システムの会社だ。今も社員11人のうち9人がエンジニアというから技術志向が強く、エンジニアが起業してエグジットまで持っていった成功例としても注目を集めそうだ。山崎氏によれば、エンジニアでありながら成功できた理由として大きいのは、2年前にB DASH VENTURESからの投資を受けて、ベンチャーキャピタリストの渡辺洋行氏にビジネス面でのアドバイスを受けることができたことだという。渡辺氏の紹介でスケールアウトに加わった菅原健一氏らのおかげでスケールアウトはビジネス面で加速できたのだという。

山崎氏は渡辺氏に出会うまで、ほそぼそと黒字を出し、忙しくなく続ける数人の会社というポジショニングでスケールアウトを経営していた。ひと口に「広告配信システムの提供」といっても、顧客先に出向いてシステムのインストールから運用、カスタマイズまでこなす形態もあれば、現在のスケールアウトのようにASP型のOEM提供を主体とする形態もある。スケールアウトは当初は前者で、エンジニアが顧客先に出向くビジネスを行なっていたため規模でスケールするのが難しかったという。技術革新も競争も加速するアドテク業界にあって、こうしたモデルはいずれ立ち行かなくなる。そう感じていた山崎氏は、渡辺氏や菅原氏らのアドバイスを得ながら1年をかけてASP型を開発。より多くの顧客に少ない手数で提供できるシステムと販売体制を整えた。「ぼくはビジネスの才能があるわけではないので、菅原というビジネスが分かる人間を雇うことができたのは幸運だった」(山崎氏)。もともとB2Bであるため技術1本で勝負というスタイルになりがちだったところに、ビジネスの才覚がある2人が加わったことが、スケールアウトが業績を伸ばせた理由という。「エンジニアリングが世界を変えるというのは確か。だけど、成功しているのはビジネスとエンジニアリングの両方ができたところ。グリーなら田中社長とCTOの藤本さん、mixiなら笠原社長とバタラさんというように、ビジネスとエンジニアリングは両輪です」。

ビジネス面の大切さを語る山崎氏だが、「そうはいってもモノが作れないとダメ。技術の下支えが絶対に必要」とエンジニアリングでエッジが利いてることも成功の条件と話す。

スケールアウトの創業当時、ネット広告業界では高価なヘビー級サーバを購入して案件管理だけでなく配信までRDB経由で行う「贅沢な」広告配信システムが多かった。大量のトラフィックをさばくシステムの配信部分でRDBを使うのは効率が悪い。そんな中、山崎氏はC言語で書いたApacheモジュールをサーバ群に分散配置することで競合より配信コストを1桁も2桁も抑え、「1日数十億インプレッションをカジュアルに捌くシステム」を当初は1人で作り上げた。案件管理やログ処理、分散の仕組みはRuby/Railsで書いた。Ruby on Railsという選択が二重の意味で奏功した、と山崎氏はいう。1つは、もともとバックエンドが得意なエンジニアだった山崎氏にとって、業務アプリの画面を大量に作るのにRailsの効率が高かったこと。もう1つは、2006年ごろから現在にいたるまでRuby周辺には優秀なエンジニアが多くいて、スケールアウトのシステムは、こうしたエンジニア達に支えられて成長できたからだ。

ずいぶん前から私は山崎氏のことを知っている。Ruby技術者が集まるコミュニティのAsakusa.rbで時々話す機会があったからだ。そんな私には、2年ほど前のある夜のミートアップで耳にした会話が忘れられない。その日はRubyの生みの親として知られるまつもとゆきひろ氏が、ふらりとAsakusa.rbにやってきていた。数十億という単位の途方もない数の文字列オブジェクトをメモリ上で効率的にコピーする良い方法はないものか、そう熱心にまつもと氏に聞いている人物、それが山崎氏だった。結局、それはRubyのオブジェクトの生成コスト自体の問題からRubyレベルでは解決不能だと分かり、独自実装のC拡張を作ることとなった。そのモジュールを作ったのは、現在グーグルで活躍するRubyistとして知られる園田裕貴(yugui)氏だ。20分の処理が1分になった。

「経理も経営も全部やらなきゃいけないので、創業以来、常に勉強、勉強でした。苦労だらけだった中で、唯一苦労しなかったのは、最初に設計した配信エンジンのアーキテクチャとエンジニアの採用ですね」と山崎氏は笑う。腕の立つエンジニア達と仕事ができたのは東京の活発なエンジニアコミュニティの存在のおかげで、「Rubyのコミュニティに助けてもらった。お返ししたいという思いがある」という。一方で、エンジニアとして成功した自身の経験から、エンジニアたちに次のようなメッセージを発してもいる。

「例えばSIer業界にも、まだまだエッジな人材がいると思いますが、そういう人たちにも、もっとビジネス側の人とあってほしい。海外のスタートアップを見て感心してる場合じゃなくて、そういうプレイヤーになれると自覚してほしい。資本規模を抜きにすると、われわれもアメリカにも負けない感じになってきている。アプリ開発のフレームワークやミドルウェアが進化していて、1人とか2人で世界で戦えるプロダクトがいきなり作れる時代なんです。エンジニアにやれることはいっぱいある。だからもっとビジネス側に目を向けて、自分たちが変えるんだという気概をもってやってほしい」

「かつての我々と同様に、高い技術力があるのに伸び悩んでいる会社がある。メンタリングとか大げさな話ではなく、今後はそうした会社を引き上げるようなことができればということも思っています。自分はエンジニア側の人間と見られているので、エンジニアリングとビジネスの架け橋になりたいですね」。


アメリカのベンチャーキャピタル投資額、第2四半期中に倍増―依然としてシリコンバレーのシェアが圧倒的

われわれのCrunchBaseの集計によれば、アメリカにおけるテクノロジー産業へのベンチャー投資額は4月の 19億ドルから6月の38億ドルへと第2四半期中に倍増した。このデータはさらに投資ラウンドの種類別、地域別、その他の基準によって詳しく分類されている。

2013年第2四半期のベンチャー投資総額は92億ドルで、1347件のラウンドが実施された。内訳はエンジェル・ラウンドが500件、シリーズAが306件、シリーズBが109件、シリーズC以降が102件、分類不明が330件となっている。

このラウンドにはプライベート・エクイティの投資や上場後の増資などは含まれていない。したがって実際の投資総額はこれより大きい。

依然としてサンフランシスコのベイエリアにおける投資が最大のシェアを占めている。ボストン、ニューヨーク、ロサンゼルスにおける投資額の合計よりベイエリアの投資額の方が大きい。

ベイエリアでの投資額は32億ドル、316件のラウンドが実施された。ボストンは10億ドル、84件、ニューヨークは8億ドル、142件、ロサンゼルスは5億ドル、81件だった。

バイオ関連企業への投資額がトップで、ソフトウェア関連がそれに次いだ。バイオ企業のシェアが月平均で30%、ソフトウェアが19%となっている。

ベンチャー投資家ではTechStarsAndreessen Horowitz500 StartupsSV AngelAngelPadGoogle Venturesの投資件数が多い。

これらのデータはすべてTechCrunchが運営する無料のデータベース、CrunchBaseから得たものだ。CrunchBaseから毎月レポートを受け取ることもできるし、データそのものをダウンロードすることもできる。第2四半期のデータはこちら

注意:資金を調達した企業すべてについて業種分類や地域が記入されているわけではない。ほとんどの企業は記入されているが100%ではない。若干の漏れがある。

この記事のためのデータ分析とグラフの作成はCrunchBaseのEddy Kimによる。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


久々の大型開発プラットホームか, Leap MotionにHighland Capitalがデベロッパ育成ファンド$25Mを用意

新しい開発プラットホームが登場するたびに、新しい資金が必要になる。デベロッパたちをその気にさせて、それ用のすばらしいアプリケーションを作ってもらうためだ。過去には、あらゆる「i」プラットホームのためのiFundがあり、「F***b***」巨大プラットホームのためのfbFundがあり、そして Twilio FundGlasshole Fundがあった。そして今回は、あるベンチャー企業が、ジェスチャーを使用するコントローラLeap Motionのアプリケーションを開発するデベロッパのために、特別な資金枠を確保しようとしている。

そのVC、Highland Capital Partnersは、すでにLeap Motionに投資しているが、このたびさらに2500万ドルを、この若いスタートアップのために取り置こうとしている。ファンドの名前も文字どおりLeap Fund、そのお金は、この3Dジェスチャーコントロールを使って斬新なアプリケーションを作るスタートアップに与えられる。

では、Leap Motionがグレートなソリューションとなるようなプロブレムは、一体何だろう? Highlandのプレスリリースによると、同社が求めているのは、教育やセキュリティや保健医療IT、ビッグデータ、生産性(OA)などの分野における“人間サイズの問題を解決する”デベロッパ、起業家、そして一般企業だ。

投資金額は当然、内容によりさまざまだが、しかしいずれの場合にも、Highlandはお金だけでなく起業のための指導、補助輪のような初期指導スタッフ、成長のために必要なリソース、などを提供する。

この発表が行われた今から1か月後には、Leap Motionの予約ぶんの出荷が始まり、次いでBest Buyでも買えるようになる。また二大PCメーカーHPとAsusは、今後の新製品をLeap Motion対応型にするつもりでいる。LMにとっては、この契約がでかい。

Leap MotionのアプリストアAirspaceには、すでに65000のデベロッパがアクセスして、この製品への関心を表明している。デベロッパに無料配布した製品は10000を超え、ここから第一世代のアプリケーションが生まれてくることが、期待されている。また一台79ドルで予約購入をした人は、数十万名に達する。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


VCのAccelがビッグデータブームの”第二波”に備えて1億ドルのファンドを確保

テク業界が“ビッグデータ”で騒ぎ始めてから数年経つが、VCのAccel Partnersによると、このブームはそう簡単に収まるものではなく、むしろ今後は、新しい段階に入っていくだろう、という。

そう主張するAccelは今夜(米国時間6/17)、Big Data Fund 2と名付けた総額1億ドルのファンド構築を完了した。額は同社の最初のビッグデータファンドと同額で、それは2011年の11月にやはり1億ドルで発足した

この新ファンド構築を機にQlikViewのCTO Anthony DeightonImpervaのCEO Shlomo KramerがBig Data Fund Advisory Council(顧問団)に加わる。Accelによれば両人は、ビッグデータ関連の投資先の発見調査など、このファンドにとっての“導きの灯火(ともしび)”になることが、期待されている。

ただし、同じくBig Dataという名前がついていても、今回のBig Data Fund 2は投資先のタイプが最初のビッグデータファンドとは異なる。AccelのパートナーJake Flomenbergによると、“これまでの数年間うちはもっぱら、ビッグデータの‘三つのV’…variety, volume, velocity(種類・量・速度)…に焦点を当ててきた。しかし、これから重要なのは第四のV、すなわちuser value(ユーザ価値)だ。そして、ここはまだ、VCにとっても未開拓の方向性なのだ”。というわけでBig Data Fund 2は、ビッグデータのエンドユーザアプリケーション分野に、どうやら注入されていくらしい。

Accelは、“ビッグデータの最後の1マイルを走るのは、データ駆動型ソフトウェア(data-driven software, DDS)を手がけるスタートアップたちだ”、と信じている。Flomenbergによれば、これらのスタートアップが可能となるのは、ビッグデータの第一波の連中が築いたインフラストラクチャ的技術とイノベーションがあるおかげだ。Accelの発表声明の中でFacebookのエンジニアリング担当VP Jay Parikh(彼もBig Data Fund Advisory Councilのメンバー)は、次のように説明している:

“ビッグデータの最後の総仕上げをするのは、作られるデータからユーザが何かの価値を得られるようにする、新しい種類のソフトウェアアプリケーションだ。今日の起業家たちは、過去数年間にわたってますます強力になってきた技術集積を利用してイノベーションを起こすことができる。そして、これまでになく個人化された価値の高いプロダクトとデータ分析体験を作りだしていく。”

Flombenbergが“第四のV”、DDSの例として挙げるのはRelateIQだ。ここは“次世代型関係マネージャ”と呼ばれるソフトウェアスタートアップで、Accelなどからのおよそ2900万ドルを獲得して先週、ステルスでローンチした

Accelのこれまでのビッグデータ投資ポートフォリオには、Cloudera、Couchbase、Lookout、Nimble Storage、Opower、Prismatic、QlikView、Sumo Logic、Trifactaなどがいる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


CrunchBase(テック系企業データベース)の更新情報を、毎日メールで通知するサービスを開始

TechCrunch読者の皆さんなら、CrunchBaseのチェックを日課にしているという方もいらっしゃるに違いない。競合の資金調達状況などをチェックにも利用できる。そのような形で利用している人に向けて、新たにCrunchBase Dailyを立ち上げた。CrunchBaseに登録された最新投資情報をお知らせするものだ。こちらでメーリングリストに登録できるようになっており、また要約をお伝えするTwitterアカウントも用意している。

(本稿の執筆は、CrunchBaseプレジデントのMatt Kaufman)

このCrunchBase Daily、まずは投資情報のみをお伝えすることとなる。ちなみに情報量は本年初頭と比べて倍以上に増えている。情報量が増えたのはCrunchBase Venture Programを立ち上げたおかげもある。6週間前にDisrupt NYでアナウンスしたもので、今では200以上の投資ファームが参加してくれている。CrunchBaseに今月登録された情報の件数は30ヵ国から417ラウンドにもおよぶ件数となっている。資金総額で見ると34億ドルにものぼる。

CrunchBase Dailyには、買収情報、人材の移動(異動)情報なども加えていく予定だ。

ところでCrunchBaseというのはテック系企業や人材、および投資家などを登録しているフリーのデータベースで、誰でも編集できるようになっている。多くの読者からの情報により、投資情報、人物情報、企業のマイルストン達成情報などが更新されている。

関係者による情報更新やマイルストン達成情報などは、多くの場面で活用されている。たとえばTechCrunchでも記事にCrunchBaseの情報を張っているケースが多いし、他のサイトでもCrunchBaseを活用しているところがある。また投資関連企業やビジネス開発チームなどでも活用してもらっているようだ。TechCrunchでは、CrunchBaseの情報を使った記事なども適宜掲載している。

もちろん、さまざまに活用していただくために、CrunchBaseの情報が正確なものであることが大前提だ。もしCrunchBaseの情報に問題がある際には、feedback@crunchbase.com宛にメールを送って頂きたい。

原文へ

(翻訳:Maeda, H)


ポール・グレアム、「Y Combinatorの37社の買収額、評価額は4000万ドル以上」とツイート―全511社の総額は115億ドル

Y Combinatorの共同ファウンダー、ポール・グレアムはそのスタートアップの評価額について興味ある数字をツイートした。グレアムによれば、Y Combinatorはこれまでに511のスタートアップに投資してきたが、そのうち37社は4000万ドル以上ですでに買収されたか、あるいは4000万ドル以上の評価額を受けているという。「511社の買収額ないし評価額の合計は115億ドルに上る」とグレアムは自身の Hacker Newsに書いている。

このツイートを読んでまず気になったのはその37社とはどれとどれだろうということだった。グレアムによればRap Geniusはリストに含まれているそうだ。また買収金額や資金調達ラウンドでの評価額が公表されているYCの卒業生もたくさんある。

FacebookはParseを最近8500万ドルで買収したし、Dropboxの評価額は40億ドルと報じられている。HerokuはSalesforceに2億ドル以上で買収された。Airbnbの評価額は25億ドル、Looptの買収額は4300万ドル、 ZyngaのOMGPOPの買収額は1億8000万ドルなどと伝えられる。Cloudkickの買収額は5000万ドル、 AutoDeskのSocialCamの買収額は6000万ドルだったという。

この他に4000万ドル以上のリストに乗っている可能性が高いのは、Stripe、Weebly、Optimizely、Justin.TV、Xobni、Scribd、Hipmunk、Disqusなどだ。

2011年にGrahamは 「YC出身スタートアップのうち25社が買収され、そのうちの5社の買収額が1000万ドル以上だった」と書いた。しかしその記事によると、残りのすべてのスタートアップの価値の合計はトップ5社の買収額の合計より大きいということだった。昨年、YCは380社目のスタートアップをローンチした。YC出身スタートアップが調達したベンチャー資金の総額は10億ドル、平均すると270万ドルとなる。その後、資金調達総額は15億ドルに更新された。New York Timesは最近の記事でY Combinatorのスタートアップの平均価値は2240万ドルだと報じている。

今日のグレアムの発表は興味深い。 単なる評価額にとどまらず、ここ数年以内にY Combinator出身スタートアップからは1社ないし2社の株式上場がありそうだ。読者が4000万ドル以上の価値があると知っているYCスタートアップがあったらコメント欄で知らせていただきたい。

〔日本版〕 Yコンビネーター シリコンバレー最強のスタートアップ養成スクール(滑川海彦・高橋信夫共訳)が日経BPから出版されている。 『プラネット・グーグル』などで知られるベテラン・ジャーナリストのランダル・ストロスがY Combinatorに半年常駐し、内部からYCを詳細にレポートしたノンフィクションだ。スタートアップ側だけでなく、ポール・グレアム、妻のジェシカ・リビングストン、「モリス・ワーム」で有名なロバート・モリスらパートナー側の人間像も詳しく書き込まれており、「スタートアップを成功させるシリコンバレー文化」がバーチャル体験できる。機会があれば手に取ってご覧いただきたい。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


最近投資家のハートをいちばんワクワクさせた起業家は誰?–SV Angelの面々がその実名を挙げる


  
シリコンバレーのもっとも高名な投資企業の一つであるSV Angelの投資家だから当然とはいえ、Ron ConwayDavid Lee、それにBrian Pokornyらは毎日のように新しいスタートアップのファウンダたちに会っている。彼らは今週行われたDisrupt NYC 2013のステージに登場して、本誌ファウンダのMichael Arringtonとお話をしたが、私は楽屋に引っ込んだ彼らをつかまえて、最近会ったファウンダの中で誰にいちばん感銘を受けたか、と聞いてみた。今はまだほとんど無名でも、彼らの中に次の大物がきっといるはずだ。

すごいと思ったのは、上記三名のパートナーにそれぞれお気に入りの新人起業家がちゃんといて、実際にその名を挙げてくれたことだ。だから上のビデオはじっくりと聞く価値がある。Conwayが名指ししたのはFiftyThreeのGeorg Petschnigg、今大人気のiPadアプリPaperを作った企業だ。Pokornyが挙名したのはMessageMeArjun Sethi。David Leeは、Science Exchangeの協同ファウンダたち…Dan KnoxRyan Abbott、そしてElizabeth Iornsにとても心打たれた、と言う。

楽屋裏の雑談は、これだけではなかった。なぜSVは、テクノロジ産業の絶頂期はまだまだこれからだと楽観しているのか? カリフォルニアから久しぶりで東部に来たSVは、ニューヨークでどんな企業と話をしたのか? Conwayは最近ますます政治づいているけど、それがビジネスにどう影響しているか? などなどを私は聞きまくった。それでは、そんな中身の濃いビデオを、ご覧いただこう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


日本版SquareのCoineyの経営にサイバーエージェントの西條晋一氏が参画

Coineyは日本版Squareとして注目を集めるスタートアップである。昨年秋には試験的にサービスをスタートさせていて、一部店舗がCoineyのサービスを利用して決済をしているという。そして、この2月にはイーストベンチャーズ、サイバーエージェント・ベンチャーズ、エンジェル投資家となったアトランティスの木村新司氏から1億円の資金調達をしている。

このCoineyにサイバーエージェントの元専務取締役でまもなく同社を去る西條晋一氏が取締役として経営に参画する。

確かにこれまでもスタートアップ企業に、大手企業の経営者や経営に携わってきた人物が取締役として就任するケースはたくさんあったが、それは、非常勤の経営を監視するための取締役としてである。今回、西條氏は自身の起業がスタートする以前に、Coineyのビジネスを加速させる役割として加わっている。Coineyには若い世代が集まっているので、事業経験が豊富な西條氏は大手企業との提携などがメインの仕事となるようだ。

西條氏は大学卒業後、伊藤忠に入社し、その後2000年にサイバーエージェントに入社。ベンチャーキャピタル事業のシーエー・キャピタル(現サイバーエージェント・ベンチャーズ)やゲーム事業のジークレスト、FX事業のサイバーエージェントFXといった事業の立ち上げを行い、それぞれの企業の代表取締役として活躍している。サイバーエージェントの収益面で大きな功績を残している。同社の専務取締役就任後も、米国事業を立ち上げて責任者としてサンフランシスコでその時間の多くを過ごしていた。

専務取締役退任時には、サイバーエージェントのFX事業をおよそ200億円でヤフーに売却して大きなキャッシュをもたらしている。

Coineyの目下の課題は提携先の拡充だろう。現在は複数のクレジットカード会社と組んでビザとマスターのクレジットカードに対応しているが、今後は他のクレジットカードサービスや電子マネーなどにも対応していきたいと考えている。そしてサービスが正式にスタートした際には加盟店の拡充が成功の鍵となる。西條氏がCoineyの事業に集中して関われる時間は限られているだろうが、そこまでにある程度の結果が出てくるものと予想される。