Vinod Khosla:「今後10年、データサイエンスの進化は全生命科学分野が成し遂げてきた以上の成果をもたらす」

他の記事に登場しているが、Khosla VenturesのファウンダーであるVinod Khoslaの話をもうひとつ取り上げておこう。ここしばらくで「最もホットである」とする分野について話をしているのだ。その分野とはメディカル分野だ。食品分野にも興味を感じているが、メディカル分野こそ、最も熱い分野だと感じているのだとのこと。「これからの十年で、メディカル分野におけるデータサイエンスおよびソフトウェアの進化に注目すべきだと思っています。これまでに生物科学が成し遂げてきたことを上回る成果をおさめるだろうと考えているのです」とのこと。

かなり大きなことを言っていて、おそらくは賛否両論のあるところだろう。しかしKhoslaはモバイル関連技術の進化と、ハードウェアの低価格化により、数年のうちにヘルスケア分野は大きな変革期を迎えると考えているのだ。但し、とKhoslaは注意を促す。「変革を担っていくのに、スタンフォードを1年で中退してスタートアップを立ち上げる、と短絡するのはどうかと思います。博士レベルの知識が必要になってくるでしょうし、またロボット工学系の学位も必要となってくるでしょう。さらに機械学習分野などについての知識も必要となってくるはずです」とのこと。

さらに続けてKhoslaは言う。「センサー技術およびウェアラブルデバイスの進化が相まって、ヘルスケアの実践方法にもいろいろと変化をもたらすことになるでしょう」。こうした時代に対処するためにKhoslaは、ビッグデータ分析やモバイル技術を用いて、精神医学面も含めたヘルスケアサービスを展開するGinger.ioなどにも出資しているわけだ。

他にもiPhoneを利用した診断用デバイスの開発を行うCellScopeにも出資しており、こちらはまずデジタルオトスコープ(訳注:耳鏡。耳管と鼓膜などの調査を行うための器具)を世に出している。「自分でiPhone上のCellScope技術を用いて安全な診断ができれば、わざわざ医者に行く手間をとる必要もありません」とKhoslaは言う。

「医者の行うことの80%は、その何分の一かのコストで、テック(技術)に代替させることができます。とくに医療後進地域ではそうでしょう」と続ける。もちろん、研究病院におけるような先端分野までもが、直ちにテックにより置き換わっていくだろうと言っているわけではない。


バックステージ・インタビュー

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(翻訳:Maeda, H)


投稿者:

TechCrunch Japan

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