Twitterがトランプ大統領のツイートに「要事実確認」の警告を表示

米国のニュース専門放送局であるMSNBCのホスト、Joe Scarborough(ジョー・スカーボロ)氏を殺人者だと非難するツイートをめぐる騒ぎを受けて、Twitter(ツイッター)は密かにトランプ大統領のファクトチェックを始めていた。

Twitterユーザーに「郵送投票に関する事実を確認して」と促す新たな警告マークを大統領の一連のツイートに表示されていた。ツイートの中で大統領は、郵送による投票は「不正だ」と根拠なく主張している。

TechCrunchへの声明でTwitterの広報担当は、大統領の2つのツイートは「選挙プロセスに関する情報をミスリードする可能性があり、郵送投票について追加の情報を提供するために警告マークが表示された」と述べた。

誤情報ポリシーに関する同社の最近のブログ投稿を指しながら「今回の措置は2020年5月初めに発表したアプローチに沿うものだ」と説明した。

警告をクリックすると、ユーザーはファクトチェックページに案内される。そこでは、「トランプは、郵送投票が選挙詐欺につながると根拠のない主張をしている」というヘッダーで大統領の偽の主張を暴いている。また、そのページでは要約としてミスリードするツイートの文言を箇条書きにし、CNNやHill、Washington Post、その他のメディアの記事へのリンクを貼っている。それでも警告そのものはツイートの主張を間違い、あるいはミースリードと呼ぶまでには至っておらず、その代わり中立的な表現を使っている。

郵送による投票は安全なプロセスだと専門家による一致した見方があるにもかかわらず、トランプ大統領はこの数週間、郵送投票を認める動きを罵倒してきた。郵送投票はすでに不在投票に広く使われているほど安全なものであり、5つの州が投票方法として選んでいる。

Twitterが2つのツイートに警告マークを表示したことに対し、トランプ大統領は米国時間5月26日夜に、Twitterを攻撃した。ツイートの中でトランプ大統領は「2020年大統領選挙への干渉だ」とTwitterを非難し、郵送投票は詐欺が横行すると根拠のない主張を繰り返し、はっきりしない報復でTwitterを脅している。

画像クレジット: Photo by MANDEL NGAN / AFP via Getty Images / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

Twitterがツイートに返信できる人を制限できる新機能をテスト中

Twitter(ツイッター)は5月20日、ツイートに返信できる人をユーザーが制限できる機能のテストを開始したと明らかにした。この機能は今年初めに言及されていた。 Facebookの投稿ビュー設定と似ていて、現在はコーナーにアイコンが表示されるようになっている。アイコンをタップすると「Who Can Reply(誰が返信できる)?」のウィンドウが出てくる。

そのウィンドウでユーザーは3つのオプションから選べる。誰でも、あなたがフォローしている人、あなたが意図する人だけだ。2つ目か3つ目のオプションを選ぶと、この選択の対象外となる人の返信機能はグレーになる。閲覧したり、Like表示したり、リツイートしたりすることはできるが、ツイートした人に直接返信はできない。スレッドでも返信が限定されている旨が示される。

現在「かなり限定された人」だけがこのテスト機能を使うことができるが、Twitterアカウントを持っている人は会話の閲覧はできる。テストモードのため、この機能が世界中で使えるようになるか保証はない。しかしTwitterは『「議論に加わる機会をさらに提供する一方で、ユーザーが開始した会話を自分でコントロールできるようにする』ことを意図して展開される」と話している。

プロダクトマネジメントのディレクターを務めるSuzanne Xie(スーザン・シィエ)氏は、この機能を発表した投稿の中で「Reply Guys」(頻繁にツイートに返信する人)の存在に言及している。ツイッターの最大の長所と短所は、Facebookと同じくプラットフォームのオープンさだ。誰でもツイートに返信できる。これはツイートした人にとって必ずしも理想的なものではない。話題に関係なく、返信は口汚い反応の応酬を招きかねない。そうした事態を防ぐには、これまではアカウントをロックするのが唯一の策だった。

今回の取り組みは、反応のスレッド化を含め、返信機能に手を加えようという最近の動きに続くものだ。近年、返信機能の改造が最優先事項になっているのは明らかだ。これに対する反応はというと、これまでのところまちまちだ。少なくとも、今回の新機能発表のツイートへの返信から判断するとそうだ。

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(翻訳:Mizoguchi

人気C向けアプリはいかにして初期ユーザー1000人を獲得したのか?

【編集部注】本稿は米国スタートアップやテクノロジー、ビジネスに関する話題を解説するポッドキャスト「Off Topic」が投稿したnote記事の転載だ。

こんにちは、宮武(@tmiyatake1)です。これまで日本のVCで米国を拠点にキャピタリストとして働いてきて、現在は、LAにあるスタートアップでCOOをしています。Off Topicでは、D2C企業の話や最新テックニュースの解説をしているポッドキャストもやってます。まだ購読されてない方はチェックしてみてください!

はじめに

元Airbnbのグロース担当のLenny Rachitskyさ(レニー・ラチツキー)さん「How the biggest consumer apps got their first 1,000 users」の記事を直接許可を頂き翻訳しました。レニーさんのコンテンツをもっと読みたい方はぜひ彼のメルマガにご登録ください!Lennyさんの「マーケットプレイスの作り方」の翻訳もしていますので、そちらも気になった方はご一読ください!

C向けサービスがいかにして最初の1000人を獲得するかしっかりまとまってる記事は意外とありませんでした。レニーさんの記事は、実際に創業者のヒアリングを行い、過去インタビューを遡り、Twitterで質問したりした事実に基づく濃密なレポートです。UberやTikTok、Tinder、最近話題のSuperhumanなどの著名スタートアップの学びをシェアしたいと思います。

サマリー

  1. C向けの初期グロースは7つの戦略に分けられる
  2. Product HuntやPinterestは複数使ったが、ほとんどのスタートアップは1つの戦略で成長する。3つ以上使って成功した事例は今のところ見てない
  3. 一番人気な戦略はオンラインでもオフラインでも直接ユーザーに行くこと。スケールしないことをやろう
  4. 戦略を実行するために、ターゲット層を狭く定義づけることが大事
  5. 最初の1000人の獲得と1万人までの獲得方法は変わる

初期ユーザー獲得戦略は以下の7つの戦略となる。

  1. オフラインで直接ユーザーと会う
  2. オンラインで直接ユーザーと会う
  3. 友達を招待する
  4. 取り残されることへの恐れ(FOMO)を作ること
  5. インフルエンサーを活用
  6. PR・メディアを活用
  7. コミュニティを作る

1. オフラインで直接ユーザーと会う

Key Question
初期ターゲットユーザーは誰で、どのオフラインの場所で集まっている?

■大学キャンパス
Tinder:創業メンバーのWhitney WolfeとJustin Mateenは南カリフォルニア大学で走り回ってフラタニティとソロリティでTinderを紹介してた。ほかの独身の人とつながれる、そして自分に興味があるかを知りたいニーズに合わせられたのでバイラルになった(Jeff Morris Jr.氏)。

DoorDash:初期バージョンはpaloaltodelivery.comと言うサイトでパロアルトのレストランメニューにPDFが載っていただけ。社長のTonyとDoorDashチームはチラシを印刷してスタンフォード大学でバラまいた。6ドルのデリバリーフィーで需要があるかを知りたかった。単純にPDFメニューのサイトとチラシで始まっただけ(Micah Moreau氏)。

■スタートアップのオフィス、駅や交通ハブ
Lyft:周りのスタートアップの各社にドアノックをして、無料でカップケーキやドーナッツと一緒にLyftの無料クーポンを渡していた(Emily Castor氏とBenjamin Lauzier氏)。
Uber:Streetチームをかなり使った。SF内の各Caltrain(カルトレイン、郊外向けの通勤列車)駅に行ってリファラルコードをばらまいていた。元CEOのTravisさん自身がTwitter本社に行ってリファラルコードを従業員にばらまいていたと。これが後ほどUberのグローバルアンバサダープログラムとなった(Andrew Chen氏)。

■ショッピングモール
Snapchat:CEOのEvanは一人ひとりに見せ始めて、使い方を教えたり、なぜ面白いかを説明した。アプリのダウンロードまで彼が代わりにやってあげていた。ユーザー獲得のために何でもやった。ショッピングモールに行ってSnapchatのチラシもばらまいてた。ショッピングモールで「消える写真を送ってみたいか?」と聞いて、よく断られてた(Billy Gallagher氏、How to Turn Down a Billion Dollars, The Snapchat Storyより)。

■近所のHOA(Home Owner Association、管理組合)
Nextdoor:当時は創業チームは近所のSNSのコンセプトを受けれて検証してくれる場所を探さないと意味がないとわかっていた。どの場所を選ぶかが重要だった。その場所はLorelei(ローレライ)だった。小さく親密なコミュニティであり、カリフォルニア州で最も古い管理組合がある場所だった。すでにコミュニティ内でコミュニケーションの取り合いをする方法があったのでNextdoorに合うと思った。管理組合の上層部に連絡したら話を聞いてくれた(Sarah Leary氏)。

■クラフトフェア
Etsy:米国中に開催されているクラフトフェアに行くことにした。そこで売り手を探しに行った。売り手は買い手をどうやってサイトに誘導させるのをわかっていたので、売り手を囲い込むのが大事だった(Thales Teixeria氏)。

■アップルストア
Pinterest:正直、かなりヤケクソなことをやってた。家の帰り道のアップルストアに入って置いてあったパソコンをPinterestページを表示するようにした。そしてその後にちょっと後ろのほうに行って「へーこのPinterestと言うサイトはバズっているんだなー」と他の人が聞こえるように言ってました(Ben Silbermann氏)。

2. オンラインで直接ユーザーと会う

Key Question
初期ターゲットユーザーは誰で、オンラインのどこで集まっている?

■Hacker News
Dropbox:CEOのDrewは簡単なプロダクトのデモ動画を2007年4月にHacker Newsに投稿した。そのタイトルは「My YC app: Dropbox – Throw away your USB drive」(僕のYCアプリDropbox:USBドライブを捨てよう)。その動画で初期ユーザーを集めた(John Popel氏)。

■アプリストア
TikTok(Musical.ly):当時はアプリストアに秘策があった。アプリ名をすごく長くできた。そしてアプリストアの検索エンジンはキーワードよりアプリ名にウェイトをかけるのを知ってた。なので、アプリ名を「make awesome music videos with all kinds of effects for Instagram, Facebook, Messenger」にしたら検索からの流入が入ってきた(Alex Zhu氏)。

ProductHunt:初期3000人はProductHunt初日とその1日、2日後で獲得できた。3000人から2万人ユーザーは初期ユーザーが入っている組織のエヴァンジェリストを探し、1対1の関係性を作った。そして2万人以降はPMのシステム(同僚を紹介するたびに5ドルのクレジット、50ドルぶんまで)で獲得(Shahed Khan氏)。

■既存のオンラインコミュニティ
Netflix:ユーザーとつながるためにCorey Bridgesをユーザー獲得するために採用した。彼はライターとしての才能があった。Coreyが気づいたのはDVDオーナーはネットのウェブフォーラムなどで集まっていたこと。そのコミュニティに入り込もうとした。CoreyはNetflix従業員とは名乗らず、映画好きな人として会話に参加したり、友達を作った。そこで、徐々にコミュニティ内のモデレーターや一番リスペクトされてたユーザーにNetflixと言う素晴らしいサイトを宣伝し始めた。ローンチ前から大きく種まきをしてくれてた(Marc Randolph氏、That Will Never Workより)。

Buffer:最初の9カ月はゲストブログ(自社ではないブログ)に書き続けただけで10万人を獲得できた。徐々に上がった感じだった。9カ月間で約150件投稿した。まったく流入しなかったものもあったし、徐々にしか改善されなかった。最適な投稿頻度を見つけるまで時間がかかった(Leo Widrich氏)。

3. 友達を招待する

Key Question
自分の友達は初期ターゲット層に当てはまるか?当てはまっていれば、サービスに招待したか?

Yelp:初期ユーザーは自分たちのネットワーク(ほぼ元PayPal同僚)を招待して獲得した。自分たちのネットワークに周りの友達を招待するようにお願いした。スタートアップを経験したメンバーが多かったので、お互い助け合うことに慣れてたのでいろいろ招待してくれた。そこだけで1000人ぐらいまで行った。一人のリファラルネットワークを侮らないことが大事で、招待させるインセンティブや方法を考えるのが大事(Russel Simmons氏)。

Lyft:ウェイトリスト制度を始める前には友達へメールにて招待状を送っていた(Emily Castor Warren氏)。

Facebook:Thefacebook.comは2004年2月4日にローンチした。普通の寮で過ごす夜だった。Mark Zuckerbergがサイトを完成させた時に数名の友達に共有した。その友達が学生寮「Kirkland House」に住んでいる300人が入っているオンラインメールリストに送ることをお勧めした。十数名が入って、その時にはすでにほかの寮にサイトの話が回ってた。夜の終わりには部屋にいた人たち全員が登録したユーザー数をひたすら見ていた。24時間以内で1200〜1500人が登録してくれた(Dustin Moskovitz氏、New Yorkerより)

Quora:Quoraは2010年1月にローンチした時のユーザーは主にAdam D’AngeloとCharlie Cheeverの高校・大学時代の友達が集まっていた。そのおかげで初期Quoraの情報を見ると、Cheeverが育ったペンシルベニア州のピッツバーグでのおいしいレストランなどの情報が多かった。サイトに他の人を招待できる機能を入れてユーザーを増やした(Wiredより)。

LinkedIn:LinkedInのCEOであるReid Hoffmanはプロダクトの初期は成功した友達やつながりに入ってもらった。憧れられるブランドを作るには初期ユーザーの質が重要だと理解してた。成功している会社や人ほど常に次の採用する人材を探しているので、成功した人たちを初期から入れてなければ会社は成功しなかった(Keith Rabois氏)。

Slack:ほかの会社で働いている友達に頼み込んで試してもらってフィードバックをもらった。最初の6社から10社はこう言うかたちで獲得した(Stewart Butterfield氏)。

Pinterest:アプリをローンチした時に友達全員にメールした。最初は誰もサービスの良さを理解しなかったが、ある小さいグループだけ使い続けてくれた。それはアーリーアダプターっぽくなく、一緒に育った友達や知り合いだった。彼らは人生の一環として使ってくれて、家や食べ物写真を上げてくれた(Ben Silbermann氏)。

4. 取り残されることへの恐れ(FOMO)を作ること</h2.

Key Question
・ユーザー生成コンテンツ「UGC」に頼るプロダクト?初期コミュニティはキュレーション型にすることを検討するべき
・強い企業価値があるか?その場合はウェイトリストを検討するべき
・ソーシャルなプロダクトか?その場合は既存ユーザーに新規ユーザーの招待させるように検討するべき

■初期コミュニティを制限、キュレーション
Clubhouse:プライベートテストフライトを見てると面白い(Todd Goldberg氏)。

  • キュレーション(クオリティー担保)
  • 制限・招待制(FOMO: Fear of Missing Out)
  • 早い改善とアップデート(アプリストアのレビュープロセスが必要ない)
  • 初期ユーザーは信頼できるネットワークからのリファラル

Instagram:プロトタイプと検証をしてたときにTwitterフォロワーが多い人に渡したのがよかった。しかもそれはある一定のコミュニティでのフォロワー数が重要だった。そのコミュニティはデザイナー、オンラインウェブデザインのコミュニティだった。我々がフォーカスしている写真やビジュアル要素がこのコミュニティに最もアピールすると思った。彼らがTwitterで共有してくれたおかげで、ほかの人たちは「これはいつローンチして、いつ使えるのか?」と聞き始めて、そのタイミングでローンチした(Kevin Systrom氏)。

Pinterest:最初は招待制のコミュニティだった。初期ユーザーはSilbermannが呼びかけたデザインブロガーだった。呼びかけた人たちにはユニークなアイデアとクリエイティブな人たちにしか招待するなと教えた。そうやって2012年まで招待ベースで伸び続けた(Entrepreneurより)。

■事前登録、ウェイトリスト
Mailbox:iPhone用のメール管理アプリのMailboxがリリースされた時にすでに70万人のユーザーがウェイトリストに登録していた。これはMailboxのサーバーに異常なる負担を与えないためと、需要をより増やすマーケティング戦略だ(Darrell Etherington氏)。

Superhuman:初年度は開発している最中にLP(ランディングページ)を公開した。Squarespaceで作った最小限のダメなLPを2時間だけかけて作り上げた。LPにはメールアドレスしか入れられないようにした。そしてメールアドレスを入れた際には2つの質問が自動送信された(Rahul Vohra氏)。

  1. どのメールブラウザーを使っている?
  2. メールの不満は何?

Robinhood:リリースした際には初期サイトがバズるとはまったく思ってなかった。そのためシンプルなコピーを入れて、登録するためのボタンを押して、メールアドレスを入力してもらってウェイトリストにジョインできるようにした。そしてウェイトリストの何人中、何番目かを表示するようにした。プレスを出すその前の金曜日の夜にウェイトリストの準備をしていた。その次の日の土曜日にGoogle Analyticsを開くと600人ぐらいの同時アクセスユーザー数を見かけた。何が起こったかを見たらほとんどのユーザーはHacker Newsから来ていた。Hacker Newsを見たら3番目にRobinhoodについて投稿されてた(Business Insiderより)。

■既存ユーザーからの招待制
Spotify:2008年にSpotifyがベータ版をローンチ。正式ローンチまでは招待制オンリーで進めていた。Spotifyの初期成長はこの招待制度が鍵だった。Spotifyのグロースをコントロールできたのと、よりバイラルな要素をサービスに与えた。ユーザーは最初に5人の友達に招待できるようにしてた(TNWより)。

5. インフルエンサーの活用

Key Question
ターケット層のインフルエンサーは誰で、どうやって自分のプロダクトについて話してもらえるか?

Twitter:以下図が初期ローンチのグラフだ。最初にインターネットでTwitterについてメンションがあったのは7月13日のEvan Williamのブログだったが、その前日に登録が結構入ってたのがわかる。そしてOm Malikの投稿で次の日には250人が登録。まだ600人ぐらいしかいなかったときだった。Evanの人気度とOmの推薦をもとに最初にバズるような状況を作れた(Pete Warden氏)。

Product Hunt:インフルエンサーを見つけた時に私かNathanが個人的にメールを送って、プレスでProduct Huntに言及していたPandoDailyやFast Companyの記事にリンクして我々のストーリーを説明した。マニュアルなプロセスだったが、いい寄稿者を採用するのにいい方法でよりフィードバックをもらえやすい状況を作っていた(Ryan Hoover氏)。

Instagram:創業者は初期ユーザーを慎重に選んでいた。良い写真家、特に高いTwitterフォロワー数のデザイナーを選んでた。その初期ユーザーが最初のトーン、良質なコンテンツを出した最初のInstagramをプロモーションするインフルエンサーキャンペーンと言えるだろう。Jack DorseyはInstagramの一番の営業マンだった。最初は彼の投資が(Instagramの前身のサービスである)Burbnではないアプリに行くことに対してショックだったが、すぐにInstagramをBurbn以上に好きになった。そしてInstagramが2010年10月6日にローンチした時に、Jack Dorseyが共有してくれたおかげですぐにバズった。アップルのアプリストアのカメラアプリの中でいちばんになった(Sarah Frier氏、No Filter: The Inside Story of Instagramより)。

6. PR・メディアの活用

Key Question
プレスやメディアにピッチできる新しく、面白く、そしてユニークなストーリーとは?

Superhuman:プレスをうまく使うのは時代精神的な瞬間に入り込むこと。我々の場合はMailboxがシャットダウンする時だった。私はかなり読まれたM&Aの生き残り方についての記事を書いたが、それはMailboxのシャットダウンと合わせて書いたもの。投稿はMediumで出したが、qz.comにも転載された。時代精神的な瞬間に入り込めた。その記事を書くのに3日間それだけに集中したのと、あと1日記事をいろんな人に共有するのに時間をかけたので、合計4日間フルフルかかった。でもその4日間で5000人の登録が入ってきた(Rahul Vohra氏)。

Product Hunt:FastCompany記事のようにゲスト投稿をテックメディアで書いて認知を得た。初期はプレス・メディアで登録を伸ばすのに効果的だった。TechCrunchを読む人はProduct Huntを見る人と同一だった。さらにProduct Huntでローンチしたいいプロダクトを知り合いの記者に情報を流すようにした。記者の興味に合わせてプロダクトを送り、それについて記事を書いてもらってProduct Huntにリンクしてもらった。しかもそれによってよりクリエイターやアーリーステージの会社に認知を与えてた(Ryan Hoover氏)。

Airbnb:ターニングポイントはコロラド州デンバーで行われた2008年の民主党全国委員会(DNC)だった。Airbnb創業メンバーはイベントのキャパの4倍以上の人が参加すると知っていて、その影響で部屋のレンタルの需要が高まると知ってた。部屋を譲ってもらうのは簡単だったが、知名度がなかったのでその部屋に宿泊してもらうことが難しかった。

それを解決するためにまずは小さいオーディエンスを持っているブロガーに当たった。直感に反するかもしれないが、小さいブロガーがAirbnbについて投稿することによって大きめのメディアが取り上げる必要があると感じた。それがどんどん加速して、最終的には全米に放映するNBCやCBSがAirbnbの創業者をインタビューしていた。

DNCはAirbnbにとってよかったが、結局1週間しか続かなかった。創業者がイベントからのインパクトを最大限に広げられないかとキッチンで座ってたときに、シリアルを売って黒字化するアイデアを思いついた。2人ともデザイナーで名門ロードアイランド・スクール・オブ・デザインの卒業生だった。嘘のシリアルの「Obama O’s, the Cereal of Change」と「Cap’n McCain’s, a Maverick in Every Box」を考えた。箱のアートは彼ら自身で考え、カリフォルニア大学バークレー校の生徒にお願いして安く箱を印刷してもらった。箱はフラットな長方形で印刷されたので、1つひとつ形を切り取って手作りした。
創業メンバーはいろんなテックブロガーに箱を送り、それについて記事を書いてもらった。その後に一箱40ドルで売った。Obama O’sが売れすぎて、Cap’n McCainを無償でつけるようになった(Pandoより)。

Slack:ベータ版をベータ版と呼ばなかったのは、そうするとサービスがあまりよくないと思われるからだった。チームの過去の経験を活用してプレス戦略を行った。それでSlackを使うリクエストが遅れるようにした。初日に8000人、2週間後に1万5000人まで上がった。ローンチ時のメディアの力は強い(Stewart Butterfield氏)。

Instagram:PR会社を使わずに直接プレスにコンタクトした。これは正しい戦略だったとKevin Systromが語る。いいプロダクトと熱い創業者からピッチするといい記事となる。プロダクトを好きになりそうな人に関しては躊躇なく連絡した。それがうまくいった。New York Timesとかに連絡する意味がないといろんな人から言われたが、NYTは話すだけではなく、直接会いにきてくれた。そして2010年10月にローンチした同日にプレスが出て、サーバーへの負担がハンパなかった(TNWより)。

7. ローンチ前にコミュニティを作る

Key Question
あとあと活用できるコミュニティを今作れるか?

Product Hunt:Linkydinkと言うメルマガツールを使ってメルマガとしてスタートした。Product Huntを開発している間にMVP版に貢献してくれる人たちやプロダクト関連の人にモックを共有してフィードバックをもらってた。これは顧客開発のためだけではなく、共有してた人たちにプロダクトに貢献してプロダクトの一部として感じてもらうようにしていた(実際に貢献してくれてた)。その5日後、MVPが完成した。Product HuntのURLをサポーターたちにメールして、周りに共有しないようにお願いした。サポーターたちは自分たちが開発に貢献した感情を抱いてたので、プロダクトにすぐに愛着が生まれた。それで最初の30人を獲得した。週の終わりには100人集まったので、公開できると思った(Ryan Hoover氏)。

Stack Overflow:創業メンバーのJoel SpolskyとJeff Atwoodは過去の経歴のおかげで大きなフォロワーコミュニティを持っていた。お互いのコミュニティに対してプライベートベータ版に招待した。コンテンツが最初からないと微妙に見えるので、招待する前に創業メンバー自らコンテンツを作っていた(Jon氏)。

おさらい

最初の1000人を獲得するには、以下7つの戦略が使われた。

  1. オフラインで直接ユーザーと会う
  2. オンラインで直接ユーザーと会う
  3. 友達を招待する
  4. 取り残されることへの恐れ(FOMO)を作ること
  5. インフルエンサーの活用
  6. PR・メディアの活用
  7. コミュニティを作る

どの戦略にフォーカスするべきか決めるために自分に聞くべき質問は以下のとおり。

  1. 初期ターゲットユーザーは誰で、どのオフラインの場所で集まっている?
  2. 初期ターゲットユーザーは誰で、オンラインのどこで集まっている?
  3. 自分の友達は初期ターゲット層に当てはまるか?当てはまっていれば、サービスに招待したか?
  4. ユーザー生成コンテンツ「UGC」に頼るプロダクト?初期コミュニティはキュレーション型にすることを検討するべき
  5. 強い企業価値があるか?その場合はウェイトリストを検討するべき
  6. ソーシャルなプロダクトか?その場合は既存ユーザーに新規ユーザーの招待させるように検討するべき
  7. ターケット層のインフルエンサーは誰で、どうやって自分のプロダクトについて話してもらえるか?
  8. プレスや¥メディアにピッチできる新しく、面白く、ユニークなストーリーとは?
  9. あとあと活用できるコミュニティを今作れるか?

Twtterが社員の在宅勤務を期限なしに認める措置を発表

Twitter(ツイッター)のJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏は5月12日、在宅勤務がうまくいっていると従業員が感じている限りそのまま続けられるようにするとの電子メールを従業員に送った。ドーシー氏は、同社が在宅勤務モデルをいち早く取り入れたと記したが、他の企業と同様、そうした取り組みは新型コロナウイルス(COVID-19)による外出禁止によって加速した。

同社はTechCrunchへのメールで在宅勤務措置を無期限とする決定を認め、次のように述べた。

「労働力の分散と、どこからでも働ける労力配分のサポートに力点を置いてきたため、当社は在宅勤務に素早く対応できた。在宅勤務が機能することはこの数カ月で証明された。よって、従業員が在宅勤務が可能なポジションにあり、この先ずっと在宅勤務を続けたいと思っているなら、それを認める。もし在宅勤務を希望しない場合、以前の状態に戻っても安全だと感じるようになった時に、追加のコロナ対策を取った上でオフィスで歓迎する」。

加えて同社は、出社を希望する人のために直接顔を合わせての勤務やミーティングを再開する計画の概要も示した。サンフランシスコのLondon Breed(ロンドン・ブリード)市長は4月27日に、同市が外出禁止令を5月末まで延長すると発表した。その一方でGavin Newsom(ギャビン・ニューサム)州知事はすでに規制の一部を緩和する方針を示している。

たとえそうにしても、Twitterは当然のことながら出社再開に向けて注意深いアプローチを取っているようだ。HR責任者のJennifer Christie(ジェニファー・クリスティー)氏はTwitterの計画を以下のように示した。

  • オフィスの再開は社が決める。オフィスに戻るかどうか、戻る場合のその時期は従業員が決める
  • ごく少数の例外はあるが、オフィスは9月まで閉鎖する。オフィスを再開する場合、以前の状態に速やかに戻すことはない。注意深く、意図的に、少しずつ戻す。
  • ごくわずかな例外を除き、9月まで出張はない。直接顔を合わせる社内イベントは年内は行わない。2021年のイベントに関しては今年後半に判断する。

もちろん状況によって物事は変わるが、Twitterの言葉からするに、計画にある措置を継続することは大いにあり得るようだ。Faceboo(フェイスブック)やGoogle(グーグル)を含む他のテック大企業は在宅勤務措置を年末まで延長した。Twitterのアプローチは同社のサイズに合っているようだ。しかしサンフランシスコの本社や他のロケーションのオフィスが将来どうなるかははっきりしていない。

“新型コロナウイルス

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi

Twitterが誤解を招く新型コロナ関連投稿に警告やラベルを表示へ

Twitter(ツイッター)は5月11日、議論や誤解を招くような新型コロナウイルス(COVID-19)に関するツイートに警告メッセージやラベルを付けると発表した。ラベルでは、そうしたツイートを読んだユーザーをTwitterのポリシーのページや、ツイートの主張に関する追加情報を提供する外部リソースへと誘導する。一方、警告メッセージはツイートそのものを覆い、コンテンツを閲覧するにはさらにクリックしなければならない。

Twitterが公開したスクリーンショットを見ると、有害でミスリードしそうな情報を含むツイートには「Get the facts about COVID-19(COVID-19に関する事実をチェックする)」とあるリンク付きのラベルが表示される。このリンクにはユーザーの注意を引きつけるためにエクスクラメーション記号(!)が表示される。

ツイートの「有害の程度」と誤解を招く情報のタイプによっては、ラベルではなく警告メッセージが表示されるツイートもある、とTwitterは説明する。たとえば、公衆衛生専門家のガイダンスに反するアドバイスをツイートする人は、自身のツイートに情報リンクだけでなく警告が表示されることになる。

こうしたケースでは、ツイートそのものが「このツイートで共有されたコンテンツの一部あるいはすべてが、新型コロナウイルスに関する公衆衛生専門家のガイダンスと矛盾しています。さらに情報を見る」と書かれた警告で覆われる。

ただし、警告の隣にある「View」(閲覧する)ボタンをクリックすることでユーザーはそうしたツイートを読むことができる。

ツイートにラベルを貼るシステムは、Twitterが「ディープフェイク」ビデオのような偽の操作されたメディアを含むツイートにラベルを貼るためにすでに開発されていたものだ。一方で同社は3月、健康情報を発出しているグローバル・ローカル当局のガイダンスに直接反するコンテンツを有害なものに分類すべく、有害の定義を拡大していた。

この定義拡大により、人々の健康や福祉にリスクを与えると考えられるコンテンツの削除が可能になり、新型コロナウイルスガイドラインに違反する可能性のある世界的リーダーによるツイートに「Public Interest Notice(公的関心の通知)を添付できるようになった。

ただ、Twitterの新型コロナウイルス誤情報に関するラベルと警告の使用は、新型コロナウイルスに関する新たな陰謀ビデオの拡散を受け、急いで展開されてきた。陰謀ビデオは、信用されていない科学者で、研究職を解かれ執筆に向かっているよく知られたワクチン陰謀論者によるものだ。声高な主張でいとも簡単に正当さを人々に確信させ、ソーシャルメディア上であっという間に拡散する事態となった。

Twitterは5月8日、そうしたビデオがルールに違反していないかどうかを判断するために、各ビデオクリップを調査すると述べた。ビデオ閲覧に向かわせるリンクを含むツイートに警告を表示する、とも話した。同社はまた、多くの人がツイッターでこのコンテンツを論じているために、リンクを含むツイートを検証していないことも明らかにした。

警告やラベルを表示するという今回のニュースは、Twitterがバイラル動画に新型コロナウイルス誤情報を含めようとしていることを示している。

どのようにツイートをキャッチしてラベル表示を決定するか、Twitterは詳細を明らかにしていない。しかし、どの程度のツイートがラベルや警告を表示されたり、あるいは何もアクションが起こされないのかを示すチャートを公開した。

「我々のチームは新型コロナウイルスに関するコンテンツを積極的にモニターする内部システムを向上させながら活用している」と同社は声明文で説明した。「このシステムは、警告あるいはラベルを伴うツイートを拡大させないようにし、多くの人が目にしているコンテンツを素早く感知するのに役立っている。加えて、オフラインの危害につながりそうなコンテンツを特定するために信頼できるパートナーに今後も協力してもらう。変動的な状況のため、ウイルスとの接触や感染につながり得るコンテンツのレビューとラベリングを引き続き優先する」とTwitterは述べた。

「このシステムでは今後、新たなラベルが追加されるかもしれない」とも付け加えた。

“新型コロナウイルス

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi

【Twitter、Snapchat編】米国SNSの最新事情とZ世代が新しい場所を求める理由(その1)

【編集部注】本稿は米国スタートアップやテクノロジー、ビジネスに関する話題を解説するポッドキャスト「Off Topic」が投稿したnote記事の転載だ。

こんにちは、宮武(@tmiyatake1)です。これまで日本のVCで米国を拠点にキャピタリストとして働いてきて、現在は、LAにあるスタートアップでCOOをしています。Off Topicというポッドキャストでは、D2C企業の話や最新テックニュースを解説しています。まだ購読されてない方はチェックしてみてください!

はじめに

Facebook、Twitter、Instagram、Snapchat、TikTokなど、さまざなSNSが日々使われている中、米国では「次のSNSプラットフォーム」をVCたちが探している。もうすでにSNS市場は成熟していると思う読者もいると思うが、実際は違う。今新しいSNSを立ち上げるには絶好のタイミングなのだ

SNS第1世代と言われるFacebookやTwitterは、2004年~2006年にサービスを開始。第2世代は、2010年~2011年にかけて写真をメインとしたInstagramやSnapchatが誕生した。そしてMusica.ly(現TikTok)が2014年にローンチ。過去の傾向からみると、3~5年の間で新しいSNSが誕生している。その理由は、新しい行動変化や既存のトップSNSへの不満を感じ始めるからだ。その不満については記事の後半で説明する。

まずはFacebookを除いて、今米国でのSNSを見てみよう。各SNSをどう使うべきなのか、どう言う戦略を考えているのかなどをまとめた。この記事では、TwitterとSnapchatの最新事情について紹介する。InstagramとTikTokの最新事情についてはこちらの記事、注目の次世代SNSについてはこちらの記事を参照してほしい。

知識やニュース共有の場「Twitter」

Twitterはエンターテインメントというよりは、知識やニュースの共有場として成り立っている。企業としては今のステータスの共有が出来るし、個人はInstagramやTikTokでは集められない層にリーチして、エンゲージが出来る。ほかのSNSの中でも最も有名人や業界のリーダーとフランクに話し合える場とも言える。いまだと大学の単位よりもTwitterアカウントのほうが価値があると言う人も出てきている。

事例1:スレッド機能で小出しにプロモーション
有名な事例では、Disney+はローンチ時に素晴らしいTwitterのスレッドを展開した。まさにTwitterに合わせたコンテンツで、スレッドで700以上の返信、ローンチ時でリリースする作品を1つずつ紹介。自社のIP(知的財産)の強さと深さをうまく表現するプロモーション方法だ。

公開を少しずつ小出しにしていき、常にタイムラインにDisney+の情報が載るように時間をかけて投稿し続けた。

作品を別々のツイートにすることによって作品のファンがリツイートしやすいようにしている。こちらがそのスレッドをツイートした数日後のエンゲージメントの数字。やはりかなり高いことがわかる。

引用:Convivaデータより

Netflixも似たようなキャンペーンを行った。2020年に公開する映画をツイートスレッドで発表したが、ちょっと物足りなかった。

比較すると違いがわかる。コンセプトアートを含めているDisney+のほうが圧倒的にシェアされる気がする。

NBAの方法にも注目だ。NBAはスポーツ業界の中でSNSを一番うまく活用していることは、去年末に投稿されたツイートを見ればわかる。過去10年のトップ20のダンク集を1つずつ出すスレッドを投稿しで各動画に出たプレイヤーやチームのファンがリツイートできるようにしたのだ。

さらに、YouTubeではトップ100のダンクまとめ動画を公式で公開。YouTubeだともっと長いコンテンツが見られるし、それでより広告収入も得られる。

事例2:著名人への質問を飛ばすQuora的な使われ方
最近TwitterがQuora化している風に見える。Q&AやAMA(Ask Me Anythin、なんでも私に聞いてね)を実施している人が増えている。

事例3:メッセージ性のあるプロフィール名の変更
プロフィール名を変えるだけで、一番伝えたいメッセージを多くのユーザーに伝えられる。過去にWendy’s(ウェンディーズ)、Slack、Airbnb、Chipotle(チポトレ・メキシカン・グリル)など行っている。ウェンディーズでは、人気メニューの復活キャンペーンでプロフィール名を「WENDY’S SPICY NUGGETS ARE BACK!!!」(ウェンディーズのスパイシーナゲットが帰ってきた!!!)と告知した。

Slackではダークモードのリリース時に「Slack *does* have dark mode now, yes indeed.」(Slackにはダークモードが「あり」ます、本当に)と変更。

Airbnbは300以上の新しい動物に関しての体験を提供開始したことを合評した。

直近での面白い事例は、メキシカンチェーン店のChipotleがプロフィール名にSMS(ショートメッセージサービス)の番号を公開。この戦略を使って、ワカモレ(メキシコ料理のサルサの1種)を無料で提供。しかもこれはCTA(行動喚起)が明確で「SMSしたらどうなる?」ときになる人も多いだろう。

事例4:「あえて」ハッシュタグを使わない
マーケティングがうまいApple(アップル)とDisney(ディズニー)の広告を見ると、ハッシュタグを入れてない。意外とハッシュタグを入れたほうが悪い結果になるときちんと理解しているのだ。

入れない理由はいくつかある。まず、多くのブランドがハッシュタグを入れてきたせいでみんな見なくなり、スパム扱いとなっていること。そしてブランド側としては広告を出して自分のランディングページに行かせるのが目的なのに、ハッシュタグを入れると違う場所にユーザーが行ってしまうチャンスを与えるのは意味のないこと。

毎日のコミュケーションのひとつ「Snapchat」

Snapchat CEOのEvan Spiegel(エヴァン・スピーゲル)氏は面白い視点でSNSについて思っている。ミュンヘンで開催された「Digital Life Design 2020」イベントで同氏は、Snapchat、Instagram、TikTokを1つのピラミッドでポジショニングの違いを説明した。

引用:Evan Spiegelの2020年登壇内容を基に作成

このピラミッドの下層、一番キモとなるのは日々起きる友達同士の「コミュニケーション・自己表現」。スピーゲル氏はここにSnapchatが入っていると主張している。Snapchatは、友達間での心地よいやり取りを可能としているプラットフォームだ。

そしてピラミッドを上がるにあたり、「ステータス」のレイヤーに入る。初期のSNSはほとんどここに入っていると説明している。「いいね」やコメントを求めて自分の価値を表すプラットフォーム。ただ「コミュニケーション」レイヤーよりはアピールがなく、よりハードルが高い。それはなぜかというと、ステータスに見合うコンテンツ作成(いわゆるインスタ映え写真)を常に投稿するのは難しい。そうすると頻度が落ちるのとともに、全ユーザーが共感するコンテンツを制作できない。

そして一番上が「タレント」領域。数時間かけてダンスを学ぶ、もしくは数時間かけて面白いネタやストーリーを考えるコンテンツクリエイターがそろっている。そうするとクリエイター側はより狭まる。難しいダンスをわざわざ学びたい人はインスタ映えを撮れる人より少ない。ただ、コンテンツを見ると時間をかけているぶん、「ステータス」レイヤーよりも面白い。そのためTikTokがInstagramを超える可能性があるとスピーゲル氏は話している。ただ、Snapchatに入るには圧倒的に機能の変更とユーザーの行動変化(TikTok上で会話)が必要なため、恐らくスピーゲル氏はTikTokを恐れてない。

同氏の説明を聞きたい読者は以下動画を参照してほしい。

Snapchatはこの「コミュニケーション」レイヤーをまず固めている。1990年代後半~2000年生まれのZ世代の中では使う頻度が多少下がっているかもしれないが、実際には圧倒的にSnapchatは使われている。日常のコミュニケーションツールとして使われている中、Snapchatは去年あたりから本格的に次のステップ、いわゆるFacebookやInstagramを対抗するための秘策を売っている。

その戦略はSnapchatをほかのプラットフォームに広げること。対等にSnapchatはFacebookやInstagramと戦って、かなり苦しんだ。元々Storiesと言う非常にニーズにあったコンテンツフォーマットを持っていたのが、Instagramにコピーされてしまった。そこでスピーゲル氏は別の作戦を採った。過去にFacebookログインのように、Snapchatはここ数年行ったこととは、自社機能をどうSNS以外の成長しているプラットフォームに乗れるか。アイデンティティー、コンテンツフォーマット、そして開発キットをリリースしたのがこの戦略を明確にしている。

Bitmojiからのアイデンティティー共有

過去のNote記事にも記載したが、Snapchatは過去に買収したBitmojiをうまく活用している。Snapchat上で作ったアバターがほかのプラットフォームで見るようになると、Snapchatで作り上げたものが自分のライフスタイルの中心となってくる。その気持ちをうまくキープできるかがSnapchatの今後の見どころ。Snapchatは明らかに通常のSNSからエンタメ(ゲーム・番組制作・AR)にシフトしている。SnapchatはFortnite(フォートナイト)やゲームが次世代SNSになり得ると感づいてこの取り込みをしている気がする。

Facebookもそれに気付き、直近でFacebook Avatarsをローンチした。

関連記事:Facebook Avatars, a Bitmoji competitor, launches in Europe

Snapchat Stories機能の広め方

SnapchatはStories(ストーリーズ)機能を出したときは大ヒットし、そのあとInstagramにコピーされた。その次にFacebookとWhatsappにも同じ機能が出た。そしてStoriesと似た機能がYouTube、Twitter、LinkedIn、SoundCloudなどで開発されている中、スピーゲル氏は去年Snapchat Storiesをほかのプラットフォームで投稿できるように発表、そして2020年3月末にリリースした。

Facebookファミリー(Facebook、Instagram、Whatsapp)が圧倒的な強さを見せる中、ほかのプラットフォームと一緒に組むことで勝ち筋を作りに行っているのはほかのプラットフォームには過去なかった戦略。ただ、Bitmojiをはじめ、Snapchatとしては自然な展開となっている。Snapchatを起点にコンテンツ制作・アバター制作をすると、自然とほかのアプリ・プラットフォームでも同じアバターとコンテンツが出てくる。他社プラットフォームとしてはエンジニアのリソースをStoriesコピーに使わなくてよく、Snapchatのオーディエンスからの送客としても使える。

そしてSnapchatはこれによってどういうアプリにコンテンツやアバターが存在するのかがわかり、よりユーザーのデータを取得。そのデータと、よりコンテンツがさまざまプラットフォームに出ているのでマネタイズ(広告)がしやすくなる。Snapchatは10代から二10代前半のリーチができていて、メッセンジャーを起点とした戦い方を示している。それを加速させるために第三者の開発ネットワークを作った。

Snapchat Kitのすごさ

このStoriesとBitmojiの裏側にはSnapchat Kitと言う開発キットがある。さまざまなパートナーがSnapchatの各種機能と連携して、お互いベネフィットを生み出せる仕組みを作っている。過去には、Netflix、GoFundMe、VSCO、AnchorなどがSnapchatのステッカーを使えるようにしたり、Washington Post(ワシントン・ポスト)の記事をSnapchat上で共有できるようにしたり、Zynga(ジンガ)やZeptoLab(ゼプトラボ)がチャット内でゲームをプレーできるようにもしている。さらにSnapchat Kitの中にはFacebookログインと同じLogin Kitが存在する。

過去1年で最もダウンロード数が上がったアプリを見ると、多くのアプリがSnapchat Kitをベースに作られている、YOLO、Hoop、LMKなど、もしくはSnapchat Kitと連携している、TikTok、Triller、Yubo、Venmo、Audiomackなどがリストに載っていた。

引用:Damir Becirovic氏のTwitterから

買収したスタートアップを機能に落とし込む能力

Snapchat Kitを含め、Snapchatのプロダクトを見ると多くの機能は買収したスタートアップからきた事がわかる。

  • 2億1300万ドルで買収したZenly→Snapchat Map
  • 1億6600万ドルで買収したAI Factory→Cameos
  • 1億5000万ドルで買収したLooksery→Lenses
  • 6500万ドルで買収したBitstrips→Bitmoji
  • 5000万ドルで買収したScanMe→Snapchat Code
  • 3000万ドルで買収したAddlive→Video Chat

今後もSnapchatの買収戦略、そしてプロダクトの広め方、Facebookとの優位性の付け方に注目するべきだろう。

引用記事
Snapchat will launch Bitmoji TV, a personalized cartoon show(TechCrunch)
What’s trending: Experts decode Gen Z(DIGDAY)
NO. 330: GEN Z ARBITRAGE(2PM)
The Era of Participatory Social(Medium)
The Sound of Silence(Posthaven)
Snapchat launches privacy-safe Snap Kit, the un-Facebook platform(TechCrunch)
Snapchat preempts clones, syndicates Stories to other apps(TechCrunch)
To stop copycats, Snapchat shares itself(TechCrunch)
Clubhouse voice chat leads a wave of spontaneous social apps(TechCrunch)

Twitterが「有害な」リプライの送信前に修正を促すプロンプトをテスト中

氾濫するハラスメント行為に対処すべく、Twitter(ツイッター)はユーザーがツイートする前に再確認する機会を与えようとしている。現在テスト中の新機能では、「有害」な言葉を使うユーザーに対して、リプライを投稿する前に自分で修正するよう薦めるプロンプトを表示する。

[人間は熱くなると本心ではない言葉を発することがあります。リプライする前に考え直す機会を与えるために、害を与える可能性のある言葉を用いたリプライには、投稿する前に修正する機会を与えるプロンプトを出すテストをiOSで行っています]

この言い方は少々素直さに欠ける。Twitter上のハラスメント行為は、ふだんは善意ある個人が「ものの弾み」で起こすものばかりではない。しかし、何であれTwitterから害毒を減らせるなら、おそらく今よりは良くなるだろう。

昨年のF8カンファレンスでInstagram(インスタグラム)は、有害なコメントを投稿する前に警告を与えて「説得」する同様のテストを導入した。昨年12月にはこの取組みの成果を発表した。「実験結果は有望であり、こうしたチャンスを与えることで人々に自分の言葉を考えなおさせられることがわかった」と同社はブログに書いた。

この種の取組みは、巨大プラットフォームを比較的少人数のスタッフで監視しなければならない会社にとって、ますます重要になってくる。パンデミックで社員がオフィスにこられない今、主要ソーシャルネットワークはAIによる検査への依存度を高めている。Facebookは、最初に復帰させたい社員はコンテンツ管理者だと言っている。

本誌はTwitterに対して、どんな言葉が検査の対象になるのか、リプライだけでなく通常のツイートにもプロンプトを出すのかを質問している。追加情報を入手し次第続報する予定。

関連記事:新型コロナによるカオスの中でテック企業の誤情報対応は

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

隔離生活で求められる自然発生的なコミュニケーションを生むソーシャルアプリたち

次世代版ソーシャルネットワーク、Clubhouse(クラブハウス)

カレンダーからの招待はもういらない。気軽に会話に飛び入りで参加しよう。これが新型コロナウイルス(COVID-19)による隔離で空白になってしまった我々のスケジュールを、商売の種にできないかと考えている新しいソーシャルスタートアップ企業に推進力を与えているコンセプトだ。しかし、こうしたソーシャルアプリはオンラインによる集いやオープンオフィスプランなど流動性あるアドホック、その場に応じた臨時的なコミュニケーションを実現することよって、新型コロナウイルス収束後の我々の働き方や人付き合いのあり方を変える可能性もある。「Live」は高性能ストリーミングの代名詞となっているが、これらの新しいアプリがスポットライトを当てているのは、目前のタスク、ゲーム、ディスカッションに加え、複数のユーザーである。

Clubhouse(クラブハウス)の「部屋」

Clubhouseの「room」

これらのスタートアップ企業の中で最も注目されているのが、ユーザーがいつでもチャットルームに参加できるオーディオベースのソーシャルネットワークであるClubhouseだ。ユーザーは自らがフォローするすべての人の部屋を確認し、ラベルの付いていない部屋を見つけたら、興味の赴くまま、会話に参加したり、ただ話に耳を傾けたり、といったことが可能である。活気のある部屋は多くのユーザーが集まるし、活気がなければユーザーは他のチャットサークルへ移っていく。

Clubhouseは先週末、人々が限定招待を求めて争奪戦を繰り広げたり、メンバーシップについて謙虚を装いながら自慢したり、人々のFOMOをからかったりするなど、VCのTwitterで大騒動を引き起こした。現在のところ、公開アプリやアクセスはない。Clubhouseという名は、人々が限定的な集団に属していたいと願う気持ちを完璧にとらえている。

Clubhouseは、Paul Davison(ポール・デイヴィスン)氏によって開発された。彼は過去にオフラインでの出会いを目的とした位置情報アプリHighlightおよびカメラロールすべてを公開するアプリShortsを開発した(2016年にPinterestが彼の開発チームを買収)。2020年に彼は、Alpha Exploration Coスタートアップスタジオを発表し、またラジオ形式の視聴者参加型番組を即座に放送可能なTalkshowを立ち上げた。新しい友だちを作る、生活をシェアする、考えを伝える、議論する。デイヴィスン氏の取り組みに通底するのが「スポンテニアス(自然発生的)」という概念だ。

Clubhouseはまだ始まったばかりの段階だ。ウェブサイトさえない。よく似た名前のClubhouse.ioと混同しないようにしよう。Clubhouseがどのようなものになるのかについての説明や、正式にリリースされるのか、またそれがいつになるのかは一切発表されておらず、またデイヴィスン氏も共同創業者のRohan Seth(ロハン・セス)氏もコメントを拒否している。しかし、肯定的な評価は、Twitterがテキストで行ったことを進化させるような、より即時的でマルチメディア的なアプローチに対する欲求があることを示している。

サプライズのない隔離生活

この隔離生活でわかったのは、皆と離れて1人になると、自然発生的な交流の機会を失うということだ。オフィスにいるなら、給湯室で偶然顔を合わせた同僚と軽い会話を交わしたり、インターネットで見つけたおもしろおかしいことを声に出してコメントしたりできる。パーティーではぶらぶら歩いて、1人でも知り合いがいるグループがあればそこに混じってみたり、興味をひく話が耳に飛び込んできたら、会話に参加したりできる。家にこもっているとこうした機会が失われる。相手の邪魔にならないテキストと違い、緊急性がないにもかかわらず手当り次第に友達に電話をしたりすることを我々は非難してきた。

Clubhouse(クラブハウス)の創業者ポール・ダビソン氏

Clubhouseの創業者ポール・デイヴィスン氏  画像クレジット:JD Lasica

日時の決まったZoomによる通話、実用的なSlackのスレッド、際限のないEメールのやり取りでは、意外性や、人々が互いのアイディアを交換し合う中で生まれる会話による喜びを捉えることができない。しかし、スマートアプリ開発者たちは、自然発生的というコンセプトがユーザーの生活やワークフローを絶えず妨害するものではないと考えている。ユーザーは会話に参加するかしないかについて決定権を持ち、また構わないで欲しい場合にはそれを表示することで、望む場合にのみ社会的つながりを持つことができる。

AppAnnieによるHousepartyのランクを示すチャート

AppAnnieによるHousepartyのランクを示すチャート

Housepartyはこの自然発生的というコンセプトを体現している。このアプリは新型コロナウイルスによる隔離が続く中、ユーザーがアプリを開いた瞬間に気分の赴くままに友だちとグループのビデオチャットルームに参加できるようにすることで、大ヒットしている。毎月5000万回のダウンロードがあり、一部の地域では新型コロナ以前の70倍を超える数に増加している。これは、米国を含む82カ国でソーシャルアプリ部門の第1位になり、16カ国でアプリ全体で第1位となった。

Discord本来はゲーム用に開発されたアプリだが、ユーザーはいつでも開いているビデオ、音声、およびチャットルームを通じて自然発生的に他のユーザーと交流を持つことができる。カリフォルニア州、ニューヨーク州、ニュージャージー州、ワシントン州など、早期に外出を禁止した州での使用の急増もあり、米国において日常的にDiscordの音声機能を使用するユーザーの数は50%増加した。モバイルゲームにオーバーレイされたビデオチャットアプリのBunchもまたランクを上げ主流になってきている。主なユーザー層は1日の総会話時間が150万分にのぼる女性にシフトしてきている。これらのアプリを使用することで、友達と合流し一緒に選んでプレイするのが簡単になる。

モバイルゲームにオーバーレイされたビデオチャットアプリ、Bunch

Bunch

即席オフィス

企業のビデオチャットツールは、強引でかつ事前準備のいるZoom通話に代わり、自然発生的コンセプトを取り入れたものになっている。これはZoomに対する反動で、終日ビデオチャット続きで何も成し遂げられないことに人々が気づいたためだ。

Loomを使用すると、ビデオクリップを簡単に録画して同僚に送信でき、同僚は時間のある時にそれを見ることができる。ビデオは撮影と同時にアップロードされるため、会話のスピードがアップする。

Loomを使用すると、ビデオクリップを簡単に録画して同僚に送信できる

Loom

Aroundでは、画面の上部に小さな円形のビデオウインドウが表示されるので、デスクトップの大部分を実際の作業のために使用しつつ、同僚と即座にコミュニケーションを取ることが可能だ。

Aroundでは、画面の上部に小さな円形のビデオウィンドウが表示される

Around

Screenは画面共有を起動できる小さなウィジェットである。全員が共有ウィンドウをコントロールできるカーソルを持ち、その場でコーディング、設計、書き込み、注釈を付けることができる。

Screenは、画面共有を起動できる小さなウィジェット

Screen

Pragliはアバターベースの仮想オフィスで、ユーザーは誰がカレンダーミーティングに参加しているか、その場にいないか、時間があるかを確認できるので、全員の空き時間をわざわざ探す必要なく、ボイスチャットやビデオチャットチャンネルを同時に開くタイミングを把握することができる。しかし、Slackのように自宅にまで追いかけて来ることなく、Pragliでは仮想オフィスにサインインまたはサインアウトして、1日を開始、終了することが可能だ。

Pragliはアバターベースの仮想オフィス

Pragli

声を届ける

ビジュアルコミュニケーションは、我々がいる場所が示せる携帯電話の画期的な機能だったが、外出できない現在、我々に表示するものはあまりない。これが、手数をかけずに自然発生的なコミュニケーションが取れるツールが流行するチャンス拡大のきっかけとなっている。リモートパーティー、迅速な問題解決など用途を問わず、Clubhouse以外の新しいアプリには、ビデオだけでなく音声機能が組み込まれている。音声を使えば迅速な情報交換が可能で、その場に居合わせているような臨場感もある上、仕事中にディスプレイが占拠されたり注意を全部持っていかれることもないし、見栄えを気にする必要もない。

High Fidelityは、Second Lifeの共同創業者であるPhilip Rosedale(フィリップ・ローズデール)氏が現在携わっている、資本金7200万ドル(約77億4000万円)のスタートアップ企業だ。High Fidelityは最近、バーチャルリアリティのコワーキングツールの構築から離れ、音声とヘッドフォンベースのオンラインイベントプラットフォームおよび人々が集うためのギャザリングスペースのテストを開始した。初期のベータ版ではユーザーは地図上で自身を示すドットを動かし、空間オーディオで彼らの近くにいる人物の声を聞くことができる。相手に近づけばその声は大きくなり、通り過ぎると消えていく。ユーザーは気分の赴くまま、小さなドットの集まりに近づいたり離れたりしながら、声の届く範囲で様々な会話を聞くことができる。

High Fidelityによる初期テストからの非公式な原寸模型

High Fidelityによる初期テストからの非公式な原寸模型 画像クレジット:DigitalGlobe / Getty Images

High Fidelityは現在テストマップとしてバーニングマンの衛星写真を使用している。実際のオフラインイベントと同じように思い思いの場所にDJが陣取り、リスナーはDJの間を行き来したり、友達と歩きながら会話したりする。バーニングマンは2020年の開催がキャンセルとなったため、High Fidelityはバーニングマンのオーガナイザーが約束したバーチャルバージョンを開催する候補者となる可能性がある。

Housepartyの元CEOであるBen Rubin(ベン・ルビン)氏と、Skypeエンジニアリング部門の統括部長であるBrian Meek(ブライアン・ミーク)氏は Slashtalkと呼ばれる自然発生的なチームワークツールを開発中だ。ルビン氏が去り、Housepartyは2019年中頃にFortnite-maker Epicに売却されたが、このゲーム業界の巨人は最近の隔離生活で成功の波に乗るまで、このアプリを放置していた。

Slashtalkは、迅速で分散型の会話を旨とする会議不要のツール

彼の新しいスタートアップ企業のウェブサイトには「Slashtalkは、迅速で分散型の会話を旨とする会議不要のツールです。我々は、適切な人員が適切な時に適切なトピックについて必要十分なだけ話し合えれば、ほとんどの会議は不要だと確信している」と書かれている。このツールを使えば、瞬時にボイスチャットまたはビデオチャットを始めることができ、日時の決まった共同セッションを待たずして、物事の段取りをつけることができる。

TechCrunch Disrupt NY 2015に出席したSlashtalk共同創設者ベン・ルビン氏

TechCrunch Disrupt NY 2015に出席したSlashtalk共同創設者ベン・ルビン氏

仕事にせよ遊びにせよ、これらの自然発生的な集いの場を提供するアプリは我々に縛りの少なかった若かかりし時代を思い起こさせる。カフェテリアや校庭をぶらぶらする、ショッピングモールに誰かいないかチェックする、部屋のドアが開け放たれた大学の学生寮の廊下を歩く、学生会館や広場でおしゃべりする。大人になる一歩手前の時代には、偶発的な交流の機会がたくさんある。

年を重ねてそれぞれが自宅を持つようになると、我々は文字通り壁を作って偶発的なコミュニケーションができるというシグナルを受ける能力を自ら制限してしまう。Down To LunchやSnapchatが買収したZenlyといったアプリや、Facebookが準備中のMessengerのステータス機能は、こうしたバリアを打ち破り、オフラインで誘うときの気まずさを感じないように設計されている

関連記事:隔離中だからこそ、メディアが真に「ソーシャル」な存在に

実世界での交流や共同作業には、通常、交通手段や計画が必要になってくるが、ここで取り上げた新しいソーシャルアプリはたちどころに我々に集まる場所与えてくれる。前もってスケジュールする必要はない。妥当な距離圏内にいる人以外とつながることを阻んでいた地理的な制限もやはり消え去った。デジタルでなら、自らのネットワーク内から相手をよりどりみどりで選択可能だ。隔離生活で我々のカレンダーの一部は空白になってしまったが、これにより我々の選択肢が広がった。

様々な制限が取り除かれた今、必要なのは我々の意思だけだ。我々は繋がりを持ちたい相手と繋がり、望みを達成することができるのである。スポンテニアス(自然発生的)なアプリによって、瞬発力ある人間本来の性質は輝く。

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Dragonfly)

Tags: ビデオチャット チャットアプリ ソーシャル 新型コロナウイルス COVID-19

Twitterのジャック・ドーシーCEOが1000億円超の新型コロナ救済基金を設立

Jack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏は米国時間4月7日、一連のツイートで自身が所有するSquare(スクウェア)株10億ドル(約1090億円)を使って新型コロナウイルス救済に特化した基金を設立することを発表した。TwitterとSquare両社のCEOである同氏は、新ファンドをStart Small(スタート・スモール、小さく始めろ)と名付け、支払額と受取人の記録を公開スプレッドシートに掲載している。

ドーシー氏は発表の中で、Start Smallは将来、新型コロナに打ち勝った後は目標を転換し、少女の健康と教育とuniversal basic income(ユニバーサル・ベーシックインカム)に向けるつもりだと語った。

Start Small最初の寄付として、10万ドル(約1090万円)がAmerica’s Food Fundに贈られる。Leonardo DiCaprio(レオナルド・デカプリオ)氏とLaurene Powell Jobs(ローレン・バウエル・ジョブズ)氏が率いる新型コロナ・パンデミックで困難な生活を送っている人たちに食料を提供する取組みだ。

America’s Food FundのGoFundMeページによると、同ファンドの高額寄付者には他に100万ドル(約1億900万円)のOprah Winfrey(オプラ・ウィンフリー)氏、500万ドル(約5億4000万円)のAppleらがいる。

1社ならず2社の上場企業を率いる米国のテック起業家が米国時間4月7日の午後に発信したツイートからわかったことは、とりあえず上記の通りだ。

Start Smallの資金にTwitterではなくSquare株を使った理由については「私はSquare株をずっとたくさん持っている。そして少し時間をかけて売る必要がある」とドーシー氏は後にツイートで説明している。

ドーシー氏の新たなプロジェクトについて、知るべきことがまだたくさんある。どう運営していくのか、(寄付の他に)投資もするのか、基金に興味のある人がどうやって申し込むのかなどだ。TechCrunchはSquareに詳細を質問しているので、情報が入り次第本稿を更新する予定だ。

画像クレジット:Drew Angerer / Getty Images

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

新型コロナの自発的感染による免疫獲得の勧めをTwitterが削除

保守系のオンライン雑誌であるThe Federalistが「人々は意図的に新型コロナウイルスに自分を感染させるべきである」とツイートで勧めていた。Twitterはそのツイートを、Twitterのルール違反であるとして削除した。

その違反ツイートは米国時間3月25日の朝に投稿された。内容は「既存の枠から外れた考え方をすべき時だ。新型コロナウイルスに対する、常識を超えたやり方をすべきだ。それは、慎重にコントロールされた自発的な感染だ」というもの。

Twitterのスポークスパーソンは、そのツイートが同社の新型コロナウイルス関連の新しい規則に違反していることを確認した。

The Federalistが主張する自発的な感染とは、いわゆるPox Partyのことだ。Pox Partyとは、親が子供たちを1カ所に集めて、子供のころによくかかる病気に自分の子供にわざと感染させること。理屈としては、それによって子どもは免疫を獲得し、その後の人生で病気に苦しまない。大人になってかかったら重症になることが多いという。ツイートはそれを、すでに2万人あまりが死んでいる新型コロナウイルスでやろうと言っているわけだ。

国と州の政府はどちらも、在宅と自己隔離を命じている。それによってウイルスの拡散を抑え、保健医療体制の能力を超えた感染や発病の規模になることを防ごうとしている。

Vice誌の記事は、そのツイートを書いたDoug Perednia(ダグ・ペレドニア)氏はオレゴン州に住む無免許の皮膚科医だ、と言っている。

専門家たちはただちに、ペレドニア氏のツイートを批判した。オンラインの禁煙推進団体Cool Quitの医師でCEOのEugene Gu(ユージーン・グー)氏は、そのツイートを「危険かつ無責任だ」と非難した。しかも、人種差別的な言葉も使っている点をグー氏は「危険で嘘の医学的アドバイスを人種差別のチェリーで飾ったケーキだ」と表現している。

あるTwitterユーザーによると、今ではThe Federalist誌の記事へのリンクも有害としてブロックされているそうだ。The Federalist誌のスポークスパーソンからは、いまのところコメントは届いていない。

Twitterは新型コロナウイルス関連の全ツイートを1つひとつ専門家に諮ってチェックし、正確な情報だけが流布するよう努めている。また、ツイートに関するポリシーもアップデートして、新型コロナウイルスに感染するリスクを高めるようなツイートを禁じている。

関連記事:Twitterが新型コロナ感染拡大につながるツイート削除を強化

画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

[原文へ]
(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Twitterが新型コロナ感染拡大につながるツイート削除を強化

経済や日々の暮らしを麻痺させている世界的な新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大の深刻さを軽視している人がネット上にいる。そうした状況を踏まえ、Twitter(ツイッター)は大衆に新型コロナ感染のリスクを与えるようなツイートを削除するというさらに踏み込んだ対策を取る。新型コロナは世界中で急速に広まっている。

Twitterは18日、「かなりの新型コロナウイルスのリスクを人々に与え得る」ツイートを禁止するためにセーフティ・ポリシーを更新した。新ポリシーではウイルスに関する専門家のガイドラインを否定するツイート、「フェイクまたは効果のない治療や予防、診断方法」を促進するツイート、衛生当局や専門家を装って人々をミスリードするツイートを禁止する。

ブログ投稿の中でTwitterは、こうしたケースでは人々にツイートを削除させる必要があるとしている。TechCrunchはTwitterにこの措置がどういうものなのかより明確にするようTwitterに尋ねている。

アップデート:強制措置を取る中でアカウント履歴のような要素を考慮するとTwitterは明らかにした。これは従来どおりだ。同社の既存のガイダンスによれば、「ツイートがTwitterのルールに抵触したと判断した場合、ルールを破ったユーザーがそのツイートを削除しなければ再びツイートはできないようになっている。これはユーザーに攻撃的なツイートを削除させるためだ。ユーザーにはメールで通知され、ツイートを削除するか抗議するチャンスが与えられる。こうしたプロセスの間、問題のツイートは非表示となる。

Twitterが示した新しいガイドラインでは、そうした手続きを省略する。このルールに基づけば、「ソーシャルディスタンス(他人と距離を取ること)は効果はない」といったツイートは削除対象となる。Twitterはまた、漂白剤を飲む、など効果がなく危険な情報をフォロワーに流すツイートをしたユーザーに削除を求める。たとえ、そのツイートが「冗談」でもだ。というのも、そうしたコンテンツが前後の文脈なしで一人歩きしたとき有害なものになるからだ。

Twitterはまた、衛生当局が推奨するものとは逆の行動を取るよう他のユーザーに呼びかけるツイートも禁止した。たとえば、「コロナウイルスは嘘で、現実のものではない。だからバーに出かけて経営に貢献しよう」といったものだ。つい最近、一部の政治家が似たような発言をし、非難を浴びた。この中には、Fox Businessの視聴者に「出かけよう。地元のパブに行こう」と呼びかけたカリフォルニア州選出共和党議員Devin Nunes(デビン・ヌネス)氏が含まれる。

新しいルールではまた、偽医者を演じたり、「湿った咳ならコロナウイルスではない。乾いた咳はコロナウイルス」といった主張をする人のツイートも禁止する。加えて、中華料理店に行くのを控えるように呼びかけるなど、人種や国籍に基づいて特定のグループをコロナウイルスと関連づけることも許されない。そして、「黒人はコロナウイルスに感染しない」というJohn McAfee(ジョン・マカフィー)のツイートのような人種に基づく主張も禁止される。

コロナウイルスに関連する誤情報のルールを適用するのは難しいことが予想される。健康に関する誤った情報がTwitter上で広がることを阻止するために強化されたポリシーを、かなり多くのツイートがすり抜けることになるかもしれない。

パンデミックで提起された難題に向き合うため、Twitterは有害である可能性の高いツイートが特定され、そして削除されるよう「コンテンツ・シビアリティ・トリアージ・システム」を適用すると話した。同社は以前、プラットフォームルールに反するコンテンツをとらえるのにオートメーションと機械学習に大部分を頼る、とした。一部では間違った対応になるかもしれないことを同社は認めている。

事態を落ち着かせるための取り組みとして、Twitterのポリシーは積極的で流動的なアプローチとなっている。ソーシャルネットワークでは珍しいものだ。今後数日で取り組みがどのように展開されるのか、 COVID-19が全世界にとって脅威となる中でTwitterが致命的な誤情報の拡散を制御できるのか、TechCrunchは今後もフォローする。

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi

ツイートの編集や自動削除を可能にするTwitterクライアント「Brizzly+」

Brizzly」という名前のTwitterクライアントかつてあり、この名前はSNS中毒対策のジョークにも使われた(詳しくは後述)。このBrizzlyが帰ってくる。しかも今度は、Twitterのパワーユーザーのニーズに応える機能が搭載される。それは、Twitterに実装されていない「編集」ボタンやツイートの自動削除オプションなどだ。

こうした機能は、Twitter API上で構成された堅牢なツールセットを提供するBrizzly+のサブスクリプションサービスに含まれる。

Brizzly+はシンプルなTwitterクライアントで、タイムラインが表示され「いいね」やツイートの投稿ができる。

しかしBrizzly+の最も注目すべき機能は、ツイートの「編集」ボタンだ。

ツイートの誤字を修正したいというのはTwitterユーザーの多くが望んでいることだが、Twitterは複雑になる、混乱するあるいはTwitter自身が関心を持っていないなどさまざまな理由から、一貫して「編集」ボタンを実装していない。ユーザーのニーズを満たそうとしたサードパーティのTwitterアプリケーションもある。例えばTwitterificアプリは、ツイートを新しいツイートで置き換えることによって結果として修正する「ツイートを削除して編集」のアクションで、この問題を解決しようとした。

Brizzly+のツイート編集機能は、Twitterificとは少し異なる。Brizzlyの創業者で以前はSlackのプロダクト責任者だったJason Shellen(ジェイソン・シェレン)氏によれば、Brizzly+の「取り消し」機能はツイートを投稿する前にクライアントに短時間保管しておくものだという。これにより、ツイートが実際に投稿される前に修正することができる。保管しておく時間は10秒から10分の間で設定できる。

もうひとつの機能は「ツイートのやり直し」で、これは投稿された後でツイートの誤字を修正するのに役立つものだ。この機能の動作はTwitterificと似ていて、前のツイートを削除して新しいツイートで置き換える。ただしBrizzly+では投稿されたツイートの文言が新しいツイートのフィールドにコピーされるので、すぐに編集できる。

ツイートの自動削除は、近年、Twitterユーザーの間で増えてきた要望だ。ひとつにはソーシャルネットワークがもっと小規模だった頃の投稿は、個人的すぎたり、共有しすぎていたり、あるいは今となっては恥ずかしいものだったりするというためだ。しかも注目されているTwitterユーザーは、古いツイートを掘り起こされ攻撃されたりする。2018年にTwitterユーザーが映画監督のJames Gunn(ジェームズ・ガン)氏の過去の不適切なツイートをやり玉に挙げ、その結果「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズの監督を降ろされたのが、その最も顕著な例だ。ガン氏は後に同シリーズの監督に復帰したが、この騒動は古いツイートが問題になりうることを世間に知らしめた。

現在、ツイートの一括削除や自動削除を主眼にしたサービスはたくさん存在している。2019年のNew York Timesの記事によれば、サービスによっては数百万人規模のユーザーがいるという。

Brizzly+では、ツイートを24時間後などに自動で消去する設定にすることができる。この機能を有効にすると、その後はツイートはずっと残るのではなく一時的なコンテンツになる。これはTwitter自身がテストしているストーリー風機能の「フリート」に似ている。しかしフリートは別のプロダクトの一部であり、ツイートしたコンテンツに関するユーザーの懸念を真の意味で解決するものではない。

Brizzly+には自動削除に関してもうひとつ「Fave to Save(お気に入りをとっておく)」という便利な機能がある。ツイートに対する「いいね」の数を設定しておくと、その数を超えたツイートは自動削除されることがない。ツイートの内容をそれほど心配しているわけではないけれど「いいね」を集めたコンテンツだけを残しておくことでTwitter上で人気があるように見せたいユーザーには有効かもしれない。

そしてちょっとしたことだが、Brizzly+ではツイートの入力フィールドに書かれている「What’s happening?(いまどうしてる?)」を任意のフレーズに書き換えることができる。

Brizzlyを創業したシェレン氏はこれまで数々の人気ソーシャルアプリやコミュニケーションアプリ、直近ではSlackに携わってきた。キャリアの初期にはBloggerを開発したPyra Labsで働いていた。Pyra Labsは2003年にGoogleに買収された。Googleでも引き続きBloggerを手がけ、Google Readerを作り、FeedburnerやPicasa、Measure Mapなどの買収にも関わった。Googleの後、Brizzlyを作った自身のスタートアップのThing Labsを2010年にAOLに売却し、AOLでAIMとメッセージングの業務にあたった。同氏が次に立ち上げたスタートアップのHike Labsは、Pinterestに買収された。

シェレン氏はBrizzlyをAOL/Oathから買い戻した(Oathは後にVerizon Mediaとなった。TechCrunchの親会社である)。Brizzly+を開発する前の2018年、同氏は入力した内容がどこにも投稿されずに消えるSNS中毒対策のジョークプロジェクトとしてBrizzlyの名を復活させた。これは今でも「Brizzly Zero」という名前で残っている。

新しいBrizzly+のサブスクリプションの価格は1カ月6ドル(約643円)で、年間契約だと1カ月5ドル(約535円)に割引される。2週間の無料試用期間もある。

現時点ではBrizzly+はウェブクライアントのみだが、今後はiOSアプリのネイティブアプリを開発する計画だ。画像のアップロード、ダークモード、ツイートの履歴の削除なども盛り込まれる予定となっている。

Twitterにはサードパーティのクライアントを敵視してきた経緯があり、つぶしにかかったこともある。しかし興味深いことに、TwitterはBrizzly+に対して応援の意を表している。

Twitterのデベロッパープラットフォーム責任者のIan Cairns(イアン・ケアンズ)氏はTechCrunchに対する文書の中で「我々は、ツイートの作成などTwitterの重要な部分を向上させるものをデベロッパーが開発することをとてもうれしく思っている。デベロッパーは、人々ができなかったことをできるようにする手助けをしている」と述べた。さらに「これは初期のTwitter APIの優れた部分のひとつだったが、実現が簡単とは限らない。我々はこれを変えようとし始めたところだ」とも付け加えた。

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(翻訳:Kaori Koyama)

米政府はハイテク企業と協議し新型コロナとの戦いに位置情報を活す作戦を練る

Washington Postの最新報道によると、米国政府関係者は現在、携帯電話からのデータを新型コロナウイルスのパンデミック対策に活かす方法はないか、Facebook(フェイスブック)やGoogle(グーグル)を含む複数のハイテク企業と検討しているという。この会談では、医療の専門家によるパンデミックと伝播を監視する可能性も話し合われている。携帯電話のデータを有効活用する有望な方法として集約し匿名化した位置情報の利用があると、その記事の情報筋は伝えている。

米国人の携帯電話から回収した位置情報は、公衆衛生の専門家が大まかな感染の広がり具合を監視しマッピングするときの役に立つ。専門家グループはすでにそれを理論化しているものの、当然のことながらあらゆる位置情報が追跡されると考えると、人々の反感は避けられない。特にそれが大規模に実施され、政府と業務提携をしている民間企業のみならず、政府の人間も含まれるとなればなおさらだ。

だがこれらの試みは、米疾病予防管理センター(CDC)による感染パターンの概要把握という目的のみに厳格に用途を絞ったもので、個々の携帯電話利用者は対象にしていない。Washington Postの情報筋は、いかなるかたちであれ、そこから政府のデータベースが構築されることはないと強調している。あくまで匿名化され集約されたデータからCOVID-19の伝播と拡散のモデルを知るためだけに限定される。

すでに、新型コロナウイルスのパンデミックに関連する問題で、世界の最大手級のハイテク企業が前例のない共同研究を開始している。情報を広めるための製品を扱う事実上すべての大手ハイテク企業は、3月16日に会合を開き、ウイルスに関するデマや誤情報の拡散に対処するため緊密に連携するとの声明を発表した。

ホワイトハウスも、ウイルスと米国の対応についてハイテク企業に助言をもらってきた。先週、Amazon(アマゾン)、Apple(アップル)、Facebook、Google、Microsoft(マイクロソフト)、Twitter(ツイッター)が参加した会合もそのひとつだ。AmazonのJeff Bezos(ジェフ・ベゾス)CEOは、現政権と定期的に接触している。Amazonは隔離、社会的距離の確保、収容さらには自宅待機命令に関する実質的な国際的指針に人々が対処する上で中心的な役割を果たし、ますます重要性が高まっているからだ。

今週初めに疫学者、企業幹部、医師、学会関係者が数多く署名した公開書簡が発表されたが、そこでもハイテク企業が貢献できるCOVID-19のパンデミック対策の概要が示された。そのひとつに(特にモバイル用OSを提供するAppleとGoogleに向けられているが)、ウイルス感染者と接触した可能性のある個人のために「本人の了承を得た上で、プライバシーを保護するOSの機能を接触者追跡に役立てる」といった提案がある。

もちろん、乱用を否定する保証があるなしに関わらず、広範に個人情報を収集しようという試みに警戒心を抱くのは自然なことだ。個人の自由か保護かの究極の選択を迫られ、その駆け引きが結果的に暴走するという歴史的な事例を見れば、なおさらそう感じる。New York Timesも今週伝えているが、これまで秘密にされてきたが実在していたイスラエルの携帯電話事業者とその利用者の携帯電話の自撮り写真などの個人情報データベースを使って、ウイルス感染者の位置情報を追跡しようという動きすらある。

それでも、プライバシーを保護しながらハイテク企業が持つ情報を活用する方法を探ろうという考えを、今すぐ止めさせるべきではない相応な理由はある。特に現在実施されている社会的距離を保つ措置による影響を知る上でも、そこには大きな恩恵が得られる可能性があるように思えるからだ。

画像クレジットAmin Yusifov / Getty Images

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(翻訳:金井哲夫)

ロシアの情報工作組織が米国の人種的緊張を高めるためアフリカにアウトソーシング

2016年の選挙でロシアの悪名高いトロールファーム(情報工作組織)が偽情報をばらまいた際に使った多くの戦術に関して、ハイテク企業側も知見を蓄積しているため、トロールファームの活動はより創造的になっている。

FacebookTwitterからの2つのレポートによると、ロシアのInternet Research Agency(IRA)と関連がある個人による偽情報活動が再び米国を狙っているが、今回はアフリカで活動しているという。

「このネットワークは偽情報に反応する層を構築する初期段階にあり、ロシアの個人に代わってガーナとナイジェリアのスタッフが(一部は意識的に、一部は無意識に)運営していた」とFacebookはブログ投稿で説明している。

CNNはガーナとナイジェリアでの活動について独自に詳細な調査を行ったようだ。活動拠点の家にも行った。そこではガーナ人のグループが米国の社会問題をターゲットにした投稿を作成していた。

驚いたことに、偽情報に特化したソーシャル分析会社であるGraphika(グラフィカ)が発見したのは、活動が米国の選挙や大統領候補に焦点を当てていたわけではないことだった。候補者をコンテンツに登場させるときには人権、寛容、人種差別といったレンズを通した内容にしていた。

GraphikaのチーフイノベーションオフィサーであるCamille Francois(カミーユ・フランソワ)氏は、ロシアを拠点とする活動はガーナ拠点のNGOを一種の代理人として使っており、少なくとも関与したスタッフの一部は仕事の本来の目的に気づいていない可能性が高いと指摘している。

「この運営体制が示すのは、外国の活動主体が代理のグループを独創的な方法で使おうと考えているということだ。また、情報操作の拠点に場所は問わないことを示している」とフランソワ氏はTechCrunchに語る。

ほとんどのアカウントは2019年後半に開設された。作成されたコンテンツは人種に関する問題、特に米国の黒人と白人間の緊張に関連するものだ。Facebookによると、活動は黒人の歴史や優秀さなどのトピックに集中していたが「警察の残虐行為などの弾圧や不正に関する内容」にも焦点を当てられていた。

Facebookは活動に関与した49のアカウント、69のページ、85のInstagramアカウントを発見した。Facebookでは、比較的初期のアカウントには約1万3500人のフォロワーがついていた。Instagramのアカウントには約26万5000人がフォローしていた。

Twitterでは、ロシアの活動に関連するガーナとナイジェリアの71のアカウントが「人種や公民権などの社会問題に関する話題を利用して社会的不和を広げる」ために、同様のメッセージを拡散していた。

米国に今も存在する社会的分断を、ロシアがさらに広げようと続けられている試みは驚くべきことではないが、警戒すべきだ。Twitterは、国​​内のほとんどの偽情報が国外からではなく国内から発信されているという有用な注意喚起情報を発信している。

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(翻訳:Mizoguchi

新型コロナ対策でTwitterは全世界の全従業員に在宅勤務を義務化へ

今月はじめに、在宅勤務を「強く奨励する」という声明を出したTwitterは、米国時間3月11日に「新型コロナウイルス(COVID-19)の懸念のため世界中の全社員に在宅を必須とする」と発表した。発表の中で同社は「これが前例のない措置であることは承知しているが、今は前例のないときである」と説明している。

米国時間3月11日、世界保健機構は公式に新型コロナウイルスをパンデミックと宣言した。現在の報告されている患者数は114か国に約11万8000人である。世界の死者数は4000人を超えている。

Twitterは「時間給労働者や契約社員も含めて全社員のホームオフィスセットアップ費用を負担する」ことも明らかにしている。在宅勤務ができない契約社員や業者、および時間給労働者は、在宅勤務のポリシーが有効である間、標準の労働時間に対して今後も賃金が支払われる。また新型コロナウイルスのために通常のデイケアが閉まった場合、親のデイケア費用が増えるぶんをTwitterが負担する。

同社のInclusion and Diversityチームは、社員サポートプログラム「#FlockTalk」により、新型コロナウイルスに関するニュースのさまざまな影響について議論している。話題は学校やオフィスの閉鎖、健康に関する深刻な心配、コミュニティに対する人種差別などさまざまだ。

3月2日に同社は在宅勤務を強く奨励すると発表し、特に香港と日本と韓国では政府の規制もあり在宅を必須とした。そして本日の発表ではその方針を全世界に適用し「最上位のプライオリティはツイープ(Twitterユーザー)の健康である。コミュニティと弱者と、このパンデミックの最前線にいる保健医療関係者を支援する責任もある」と述べた。

AmazonやBox、Lyftなどのテクノロジー大手は、新型コロナウイルスに対応して在宅勤務を勧奨したりポリシーにしたりしている。MWCやE3などのビッグイベントは、中止または部分的にオンライン化された。

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(翻訳:iwatan、a.k.a. hiwa

Twitterはヘイト禁止規則に年齢、障害、疾患にもとづく人間性を否定する言動を追加

昨年、Twitterはヘイトスピーチに関する規定の禁止項目を拡大し、宗教団体に対する人間性を否定する言動を加えた。米国時間3月5日、Twitterはその規定を拡大し、年齢、障害、または疾患を理由に人間性を否定する言動も禁止すると発表した。最後のひとつは、もちろん、感染が広がりつつある新型コロナウイルス(COVID-19)に関連させたTwitter上での憎悪に満ちた、または人種差別的発言に即応するためのものだ。

Twitterは、本日以前にこのルールを破った投稿は削除する必要があるが、投稿された時点ではまだこのルールが適用されていないため、このことで投稿者のアカウントが停止されることはないと話している。ただし、今から投稿されるものに関しては、Twitterの改訂版「暴言や脅迫、差別的言動に対するTwitterのポリシー」のルールに従うこととなる。この包括的なポリシーには、ヘイト行為(暴力行為や脅迫行為を助長する投稿)や、ヘイト表現を伴う画像やユーザー名の公表に関するルールが記されている。

Twitter Safety:私たちはTwitterをより安全にするためのルールを常に刷新しています。昨年、私たちは 『ヘイト行為に対するTwitterポリシー』 を改訂し、非人間的な言葉に対応しました。この度、年齢、障がいや病気にもとづいて人間性を否定する言葉もポリシーの対象に含めます。

そのポリシーはすでに、人種、民族、出身地、社会的地位、性的指向、性別、性同一性など、人間性を否定する言動を広範な分野にわたり禁止している。Twitterは、そのプラットフォームで禁止したいヘイトスピーチやヘイト行為の対象となる分野をより広くカバーできるよう、時と共に禁止対象を拡大してきた。

ヘイト行為を禁止するTwitterのポリシーが抱える問題には、投稿されるツイートの量が多すぎて、処分が追いつかない点がある。さらに、投稿を審査対象とするか否かの判断をユーザーに委ねているため、ヘイトスピーチの排除は積極的に行えず、後手の処理となる。Twitterは、そのポリシーを適切に施行せず、ネット上の嫌がらせを野放しにしているとして激しく非難されている。

本日の発表でTwitterは、上記のものも含めいくつか問題があることを率直に認めている。そこで、より徹底したトレーニングを行い、テスト期間を延長して、いつ、どのように行動するか、さらに、非主流派の人たちの発言をいかにして守るかを審査担当者に理解させることにしたと話している。加えてTwitterは、人種、民族、出身地といった複雑な話題でのニュアンスや文脈をより正しく理解するためのTrust & Safety(信頼と安全)協議会を設立した。

[年齢層]はみな寄生虫だ。我々から支援を受ける資格はない
[疾患]にかかった人間は周囲の人たちに病気をうつすドブネズミだ
[障害]者は人間以下なので公共の場に出るべきではない
[宗教団体]は処罰すべきだ。その汚らわしい動物どもの排除対策が手ぬるい

 

残念なことにTwitterの最大の問題は、長年にわたって公共の広場として運用され、利用者は本名を隠して比較的自由に自己表現ができ、その発言や行動の責任を負わないという点にある。匿名でのネット利用には、たとえば、抑圧的な政権下であっても人々が自由に意見交換できるなど、それなりの正当性がある。しかしその反面、実名では言えないような発言を助長してしまう。そこに社会の監視の目は働かない。それが今、現実の世界で起きていることだ。

しかも、Twitterがヘイトスピーチやヘイト行為を取り締まろうとすれば、いつだって言論の自由を阻害すると批判されてしまう。あたかもそのソーシャルメディアのプラットフォームが、アメリカ合衆国憲法修正第1条(言論の自由)に守られた場であるかのように言われるのだ。アメリカの裁判所はそれを否定している。実際、最近になって裁判所は、YouTubeは公共の広場ではないと判断した。従って、利用者の言論の自由を保証する義務はない。これが前例となり、他のソーシャル・プラットフォームも同様の扱いとなった。Twitterもこれに含まれる。

Twitterは、もっと多くの人に登録してもらい、参加してもらえるよう奮闘してきた。だが同時に、そのプラットフォームの悪用は感知しないという方針が、その目標の達成を阻んでいる。そのためTwitterは、より多くのエンゲージメントを促すことが期待される、たとえば時間が経つと消える「ストーリー」など、新機能のテストを行っている。実際には、ポリシーを適切に施行しさえすれば実現することなのだが。投稿入力欄で教育的な助言を表示する機能(その投稿が通報されたり削除される恐れがあると利用者に警告するInstagramの仕組みと似たようなもの)の追加も遅すぎた。

Twitterがポリシーで規制する対象の幅を広げたのはいいことだ。しかし、行動を伴って初めて言葉は意味を持つ。

Twitterは、この新しい規定は本日付けで発効されると話している。

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(翻訳:金井哲夫)

物言う株主はTwitterの収益力強化のために経営刷新を要求

ニューヨークのアクティビスト投資企業Elliott Management(EM)がある企業に目をつけるときは、通常、その企業が期待以下の業績で、ポテンシャルのほとんどが眠ったままであることを意味している。米国時間2月28日のロイターの記事は、同社がTwitterの株を大量に買って取締役会の椅子を狙っている、と報じている。

複数の情報筋がこの情報を確認し、購入した株式は総株数の4〜5%の範囲だ、としている。同社は3名ないし4名の取締役の座を得て、すでに報道されているJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏に代わるCEOの任命をはじめ、大きな変化を要求するものと見られる。

その情報筋の説では、まずドーシー氏はSquareをはじめとして副業が多すぎるし、他にも暗号通貨やアフリカへの関心が大きくなっているため、Twitterには彼に代わってフルタイムで専門職の最高経営責任者が必要であるという。ただしドーシー氏を完全に下ろすというのではなく、もし彼が他のプロジェクトを捨てるなら、EMは喜んで彼をつなぎとめるとのことだ。

また同社は、プロダクトマネージャーのような重要なポジションの役員交代がコンスタントに行われていることを懸念しており、安定させたいと考えている言われている。Elliotのターゲットがどれもそうであるように、Twitterの業績もずっと低空飛行だが、現在よりも大きな収益を得るポテンシャルは十分にある。

過去にもそうであったように、ある時点でElliotは、同社が見出した問題の概要を記した公開書簡を株主たちと共有し、その中でより安定高収益な未来への道筋を示すだろう。同様の書簡を同社は2019年にはeBayに送り、計画の実行を近く開始すると発表した。Twitterの場合も同じパターンになると見てよいだろう。

この動きを、Elliotの創業者で代表でもあるPaul Singer(ポール・シンガー)氏の政治姿勢との関連で見ないわけにはいかない。しかし彼は共和党の有力なスポンサーだが、今回は金が目的であり政治は関係ないと情報筋は言う。

情報筋の説によると、このファンドは年金基金や慈善団体の基金など、多数の投資家を管理している。そういう団体には受託者責任というものがあり、したがって投資の意思決定に政治が入り込むことは、ある情報筋の言葉では「ばかばかしい」ことだという。しかしTwitter上では先週末から、シンガー氏の政治的な動きだという声が多い。

いずれにせよTwitterには大きな変化が訪れて、その波はユーザー体験や新製品、そして広告の増加にも反映されるだろう。ドーシー氏に代わる新しいボスは、このプラットホームが持つ財務的ポテンシャルを解き放つだろう。

本記事を書いている米国時間3月2日の時点でTwitterの株価は、このニュースの影響で8%あまりも上がった。

関連記事: Elliott Management letter puts eBay on notice to improve stock performance, sell StubHub…Elliott Managementの書簡はeBayの株のパフォーマンス向上とStubHubの売却を示唆(未訳)

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Twitterが「返信を非表示」APIをデベロッパーに公開

昨年11月、Twitterは「返信を非表示」にする機能を全世界に公開した。この機能はオンライントロール(荒らし)が会話を妨害することを防ぐのが主な目的で、ユーザーは自分のツイートに対するどの返信を表示するかを選べるようになる。米国時間2月26日、Twitterは返信を非表示にする機能をデベロッパーコミュニティーにも公開し、ユーザーがツイートへの返信を迅速かつ効率よく非表示にできるツールを開発できるようにした。

この種のツールは、Twitterを活用している企業やブランドが、自分のアカウントへの返信が多すぎて個別には対応が難しい場合などにとりわけ有効だ。新たに返信の非表示APIが公開されたことで、デベロッパーは顧客にとって重要な要因に基づいて自動的に迷惑なツイートを隠すツールをつくることができる。たとえば特定の禁止キーワードを含むツイートや有害なスコアの高いツイートなどだ。

今日の公開に先立ち、Twitterは少数のデベロッパーの協力を得て、新機能を利用したツールをすでに公開している。

Alphabet傘下の会社でウェブの悪と戦っているJigsawは、自社のPerspective APIにTwitterの新機能を統合し、AIを利用してツイートに有害スコアをつける。有害スコアが一定値(.94)を超えた返信は自動的に非表示になり、ユーザーはそれまで手動で選り分けていた時間を有効利用できる。

ビジネスワークフローのためのスクリプティング・プラットフォーム、reshuffleは、新機能を使ってキーワードユーザーに基づいて返信を検出し非表示するスクリプトを開発した。

人気アプリのQuotedRepliesの開発者であるDara Oladosu氏もこのAPIを使ってHide Unwanted Repliesというアプリをつくった。現在同アプリはキーワードまたはTwitterハンドルに基づいて自動的に返信を非表示にする。近々、トロールやボットの可能性の高いアカウントによる返信を非表示にする機能も追加する予定だ。作られたばかりのアカウントのツイートやフォロワーの少なすぎるアカウントなどだ。

返信の非表示はこれまでで最も賛否の分かれるTwitter機能だ。ユーザーが批判を抹殺したり、権利が与えられるべき反対意見を抑止する可能性があるためで、誤情報やプロパガンダに対する異議を非表示にすることなどが考えられる。この機能にオンライン悪行を防ぐ効果はないと指摘する人たちもいる。表向きはなくなっても陰で悪事は行われる。最近ある組織は、返信の非表示をうまく利用してドメスティックバイオレンスが表面化しない理由についてのオンラインキャンペーンを行い、問題点をさらに表面化した。
それでも、返信の非表示の利用は増えており、CIAさえも一部のツイートで利用している。

返信を非表示にする新しいTwitter APIは、今日から全デベロッパーに向けてすぐに使える形で提供が開始される。当初はTwitter Developer Labsを通じて公開される。Developer Labsは昨年スタートしたプログラムで、デベロッパーがTwitterの最新APIを一般公開前に使ってフィードバックを返すものだ。Twitter Developer Labsは無料だが、利用するには認証済デベロッパーアカウントを使ってサインアップする必要がある。Twitterはコミュニティーフォーラムでも、新APIを使って同社に協力するデベロッパーを募っている。

Twitterは初期テスターのフィードバックに基づき、すでにいくつかAPIに変更を加えたと言っている。返信の再表示や大量ツイートの制限増加、返信が非表示にされているかどうかを示すリストを取得する機能などだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Twitterが既存ツイートにワンクリックで投稿を追加してスレッド化する機能を実験中

朝シャワー浴びている最中に「おっと、もうひとつ思いついたぞ。これもツイートしておこう」というような経験は誰にもあるだろう。

Twitterは、こうした「シャワーでの思いつき」を投稿するのに便利なボタンをモバイルアプリに追加した。思いつきをあちこちに散らばらせず、最初の投稿に追加していくくとが簡単になる。ジョブズが有名にしたフレーズではないが「最後にもうひとつ」というあれだ。

9to5Macの記事によれば、Twitterが米国時間2月19日にツイートした新機能はまずiOSアプリに公開が始まったところだという(執筆時点ではヨーロッパで利用可能だと確認されている)。

ツイートを書いてから画面を上から下にスワイプすると自分のツイートの一覧が表示される。このとき新スレッドを作るか、既存のスレッドを維持して追加するか選ぶことができる。3点(…)アイコンをタップ、好きなツイートを選んで追加すればいい。親ツイートに自動的にリンクが張られる(既存のスレッドをワンタッチで削除することも可能)。

この機能はおそらくツイートの文字数上限を緩和する効果を狙っているのだろう。Twitterは当初140文字制限だったが、日本語などマルチバイト文字を考慮して英数については280文字に拡大された。さらにツイートストームなら事実上無限となっている。

また「スレッド切れ」という問題に対処することも目的だろう。ソーシャルメディア上では現在もこれは厄介な問題で、ことに議論が込み入っていたり、微妙なニュアンスが問題になっているような場合は特にそうだ。Twtter自身が、健全な会話環境を維持しようと勧めている。

新機能により、ユーザーは簡単に新しいスレッドが作れるし、適切な親ツイートに後からツイートを追加してい正しいスレッドを維持することができる。なお、+ボタンを使うとツイートストームになる。

以前投稿したツイートに関連して何か思いついた場合、いちいち検索モードに移り、ツイートを探し出してリプライする必要がなくなる。

もちろんこれは既存ツイートの編集ボタンではない。しかし正直なところ、公開したツイートを後から編集できることになったらそもそも公開をためらうケースが増えるだろう。

なお「既存のスレッドを維持する」がデフォールトだ。つまり既存ツイートに新ツイートが付加される。

新機能がTwitterの期待どおりの役目を果たすかどうかは今後を見なければならないが、Twitterではスレッド機能の利用を増やし、スレッド切れや間違いスレッドを減らし、新しいユーザーにもわかりやすい環境を作ろうとしているのだろうと思う。

Twitterが誤った利用法の1つを追放したことは喜ばしい。TechCrunchでは一連のツイートストームの中間に新しいツイートを挿入できるのではないかと懸念した。これは非常に厄介な問題を引き起こす可能性があった。しかし実際に試してみると、新しい投稿は既存スレッドの中間ではなく末尾に追加された。もちろんユーザーは最後のツイートから別のスレッドをスタートさせることができる。

TwitterのJack Dorsey(ジャック・ドーシー)CEOには「グッドジョブ!」と言っておこう。

【編集部注】この記事の執筆にはTechCrunchのRomain Dillet記者が協力した。

画像: Kurt Bauschardt / Flickr CC BY-SA 2.0

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

イーロン・マスクの辛辣なツイートのせいで、ビル・ゲイツはテスラを絶対買わないだろう

Elon Musk(イーロン・マスク)氏は歯に衣着せぬタイプだが、その辛辣なツイートのせいで客を1人失ったかもしれない。

その客とは、超有名人のBill Gates(ビル・ゲイツ)氏で、彼は最近、ビューワーが1000万以上いる人気ユーチューバーMarques Brownlee(マーケス・ブラウンリー)氏の動画に登場した。ゲイツ氏とブラウンリー氏は以前にも会ったことがあり、今回の動画の話題はBill & Melinda Gates Foundation(ビル&メリンダ・ゲイツ財団)の今年の計画だった。今年でこの財団は、創立20周年を迎える。

当然ながら会話は気候変動について触れ、その中で持続可能な輸送機関がちょっと話題になった。ブラウンリー氏はTesla(テスラ)を持ち出し「高級電気自動車がもっと安くなったら、いたるところで見かけるようになるだろうか」と質問した。

Teslaの悪口を言ったわけではないが、ゲイツ氏は「現在、高級車であっても10年後には同じスタイルと仕様で走行距離がちょっとだけ短いやつが、大衆車として出回るだろう」と答えた。 そして気候変動との関連では「自動車は気候変動対策に大きく貢献できる。1社だけ具体的に名前を挙げるなら、最も貢献する自動車メーカーがTeslaだろう」と述べた。

しかし、ゲイツ氏の発言は、マスク氏にとってうれしいものではないだろう。彼は初めて所有した電気自動車への興奮について語ったが、その電気自動車はTeslaではなかった。

「今やすべての自動車メーカーが、新しい企業も含めて電気自動車に殺到している。しかし最大の心配は、消費者の走行距離に対する不安を解消できるのか、という点だ。私はPorsche Taycanを持っているが、それは電動自動車だ。高級車と言うべきものだが、すごくクールだ。私にとって初めての電気自動車であり、とても楽しんでいる」とゲイツ氏は語った。

この会話を知ったマスク氏は、どうしてもツイートで応えたくなった。

具体的には、非公式のTeslaニュースレターの担当者が、「たくさんの人がこのインタビューを見て、ゲイツ氏の言葉をそのまま信じるだろう。そしてEVを検討すらしなくなるね。ビル・ゲイルが本当に頭の良い男だからだよ」とツイートした。これに対してマスク氏は「率直に言って、ゲイツ氏との会話はつまらなかったね」と応じた。(下図)

このやりとりがおかしいのは、どちらも億万長者の天才でしかも予想外の展開になっているからだ。

しかもいやらしいことに、ゲイツ氏は車のコレクターなのにTeslaを購入するということはなく、近々同社についてポジティブに語ることもなさそうだ。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa