UberがNY市のタクシーと提携、ドライバー不足と運賃高騰対策で

ディスラプトできないなら、仲間になる?かつてタクシーシステムをなくす勢いだったUber(ウーバー)は、ニューヨーク市の全タクシーをアプリに載せることで合意した。今春以降、ニューヨーク市の利用者はUberのアプリから直接タクシーを呼ぶことができるようになり、同社のドライバー不足と運賃の高騰に対処する一助となる。

Uberの広報担当者のConor Ferguson(コナー・ファーガソン)氏は、電子メールでTechCrunchに次のように語った。「タクシー業界との提携は世界中で異なっており、今後5年間に目を向けるとき、タクシーとUberが別々に存在する世界はないと強く信じています。両者にとって得るものが多すぎるのです。タクシーは、私たちが新しい市場を開拓するのに役立ちます。実際、香港やトルコといった場所では、今や当社の主要な商品になっています」。

この提携は、Uberのソフトウェアと、CMTやCurbといった会社の既存のタクシーソフトウェアを統合することで機能する。ウォールストリート・ジャーナル紙の報道によると、Uberを利用したタクシーの運賃は一般的なUber Xとほぼ同じになる。Uberの乗客を乗せたタクシードライバーは、通常のUberドライバーと同じ報酬が支払われる。その額は最低時間と距離のレートに応じて決定される。しかし、Uberはタクシーとは異なる指標で賃金を計算する。そのため、タクシー運転手はUberの乗客を受け入れる前に、予想される収入を確認することができる。これは、Uberが既存の運転手に対して行っていない丁重な措置だ。投資家向け報告書によると、Uberは運賃の約20%を徴収しているが、ニューヨーク市タクシー・リムジン委員会との契約の条件、例えばタクシーの乗車料金からどのような手数料が差し引かれるのかなどは公表していない。

世界中のタクシー運転手はUberのようなライドシェア事業の普及に抗議してきた。フランスでは、既存のインフラから顧客やドライバーを誘致するため、Uberは赤字で営業していたこともある。乗車料金を低く抑えるために負債を発生させるこの全体的なモデルは、依然として24億ドル(約2935億円)の損失を出していたにもかかわらず、同社が2021年第3四半期にわずかな利益をなんとか確保するまで続いた。タクシー運転手と協力するという決断は、米国外では成功したことが証明されている。Uberはスペイン、コロンビア、オーストリア、ドイツ、韓国などの国でタクシー事業者と提携している。よって同社が最大の米国市場の1つでこれを試みるのは不思議ではない。

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Nariko Mizoguchi

米Uber Eatsで会計を割り勘にできるように

パンデミックが(このままうまくいけば)収束し、人々が再び社交的になった今、Uber(ウーバー)はレストランデリバリーアプリの最も一般的な問題の1つである、友人間での会計の割り勘に取り組んでいる。Uber Eats(ウーバー・イーツ)は、米国のデリバリーアプリでは初めてのことだとUberが主張する新しい割り勘機能でグループ注文を再開する。グループ注文を作成したら、すべてを支払うか、ゲストに自分の分を負担してもらうかを選択するだけでいい。一部の人だけが支払う状況では役に立たないが、事後にお金を要求する手間を省くことはできるかもしれない。

また、これからはグループ注文を管理するのも簡単だ。全員が注文を提出する期限を設定し、期限内に自動チェックアウトするか、手動で購入するか、どちらかを選択できる。自動リマインダーを設定すれば、まだリクエストしていない人を促すこともできるので、優柔不断な友人も問題ない。

2013年にライドシェアの顧客が運賃を割り勘することができるようになっていたUberにとって、割り勘という概念は新しいものではない。しかし、今回の追加は歓迎すべきことであり、友人同士の夜遊びだけでなく、自宅でのカップルの利用にも役立つかもしれない。また、グループ注文がない、あるいは会社の口座からの支払いに限定しているライバル会社にもプレッシャーを与えるかもしれない。

編集部注:本記事の初出はEngadget。執筆者のJon Fingas(ジョン・フィンガス)氏はEngadgetの寄稿ライター。

画像クレジット:Uber

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(文:Jon Fingas、翻訳:Yuta Kaminishi)

世界が再び動き出す中、Uberが第1四半期の利益見通しを上方修正

米国の配車サービス大手Uber(ウーバー)は、第1四半期の調整後収益見通しを引き上げ、需要急増により予想以上に楽観的な見通しを示した。

米国時間3月7日朝に提出されたばかりの8-K報告資料には、調整後EBITDA(株式報酬を含む多くのコストを控除した、大幅に修正された利益指標)は第1四半期に1億3000万〜1億5000万ドル(約150億〜173億円)になると予想しているとある。これは、2月の2021年第4四半期決算説明会で発表された1億ドル〜1億3000万ドル(約115億〜150億円)という以前の見通しから大幅に引き上げられている。

つまるところ、配車やフードデリバリーの需要が高まり、パンデミック以前の水準にほぼ戻っている。

配車面では、Uberは乗車の指標が2019年2月実績の90%まで回復し、利用総額は2019年2月実績比95%という強さに戻ったと同社は述べている。UberのCEOであるDara Khosrowshahi(ダラ・コスロシャヒ)氏は報告資料の中で「2月の空港利用総額は前月比で50%以上増加し、Uberは次の旅行シーズンが過去最高の1つとなるよう準備している」と付け加えた。

重要なのは、コスロシャヒ氏によると、配車の需要があらゆるユースケースに及んでいることで、乗車の増加には旅行、通勤、夜の外出のための移動が含まれていると同氏は指摘している。

同社はまた「モビリティとデリバリー部門の調整後EBITDAの両方が引き続き改善されている」と指摘している。総数が更新されたのに、なぜニュアンスを共有するのか? 同社は、配車事業(モビリティ)が回復している一方で、その業績向上がフードデリバリー事業(デリバリー)の犠牲になっていないことを強調したいのだ。

Uberのフードデリバリー事業は、パンデミックで人々が家から出なくなって配車事業が大混乱に陥った時、利用総額で大きなヘッジとなった。

配車とデリバリーは表裏一体で、2つが同時に表に出ることはないというのが市場の懸念だったが、Uberの最新の数字はそれが実際に可能であることを示唆している。米証券取引委員会への報告資料は、同社が予想以上に営業レバレッジを効かせていることを暗示している。

好調なスタートを切ったにもかかわらず、3月7日、Uberの株価は約1.8%下落した。世界的な市場低迷の中で、ハイテク株は全般的に苦戦している。

Lyft(リフト)は、第1四半期の業績について新たな見通しを発表していない。UberのライバルであるLyftの前回の決算報告では、乗車が回復していることが示されている。問題は、Lyftが2022年の最初の2カ月間を通じて、同じように乗車が増加しているかどうかだ。

注目すべきは、LyftがUberのようなフードデリバリー事業を展開していないことだろう。多角化特化の考え方にもよるが、Lyftの配車事業への一点集中は強みでもあり弱みでもある。

Uberが利益見通しを上方修正し、それでも日中の取引で評価額の減少をみたのはかなり2022年的だ。同社はここ数カ月でそのパンデミックゲインのすべてを戻した。実際、3月7日のUberの評価額は、パンデミックを乗り切り、デリバリー事業を拡大し、調整ベースとはいえ連続黒字を達成するずっと前の2019年半ばの評価額よりも低くなっている。

世の中はなかなか厳しい。

画像クレジット:JOSH EDELSON/AFP / Getty Images

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(文:Alex Wilhelm、Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi

Uber、2021年の売上高を力強く伸ばし調整後の収益性も改善

Uber(ウーバー)は米国2月9日、取引開始直後に2021年第4四半期決算を発表した。プラットフォーム総支出は259億ドル(約2兆9915億円)で、前年同期比51%増だった。売上高は57億8000万ドル(約6676億円)で同83%増となった。また、GAAPベースの純利益は1株当たり0.44ドル(約50円)だったが、この数字には投資に関する営業外項目が含まれている。

Yahoo Financeに掲載された予想によると、アナリストは売上高53億4000万ドル(約6167億円)に対して1株当たり0.35ドル(約40円)の損失を計上すると予想していた。Uberの株価は、決算発表直後から6%弱上昇している。

Uberの主要事業の売上高を部門ごとに見ると、以下のようになる。

上記の数字には、Uberの多様性が存分に表れており、配車事業はUberの主要部門の業績の中で最も成長率が低く、配達事業に収益の王座を奪われてさえいる。しかし、かなり調整されたEBITDAに目を向けると、状況は一変する。

Uberの配車事業は、同社のコーポレート部門が請求できるマージンを生み出すという点では、依然としてトップであることがわかる。一方、配達事業と貨物輸送事業は同四半期に事実上、相殺している。しかし、Uberにとって調整後EBITDAがプラスになったことは、配達事業の黒字化が少なからず寄与してかつてのような赤字体質から脱却したことを示す有用な指標だ。

UberのライバルであるLyft(リフト)は2月8日、調整後黒字を計上し、売上高が予想を上回った第4四半期決算を発表した。UberとLyftの株価は通常取引で上昇した。

上記のニュースは概してポジティブなものだが、より伝統的な指標ではUberは依然として採算が取れていない。例えば、2021年第4四半期の同社の営業損益は5億5000万ドル(約635億円)の赤字になった。しかし、14億7000万ドル(約1697億円)の「その他」収入がその赤字を補って余りある。その他収入とは何なのか。同社によると、この項目は「主にUberのGrab(グラブ)とAurora(オーロラ)の株式投資の再評価に関連する含み益の合計によるもので、UberのDidi(ディディ)の株式投資の再評価に関連する含み損で一部相殺された」ものだという。

歓迎すべきことではあるが、これらの利益は四半期単位で持続することはなく、Uberの事業はすべての経費を営業成績に織り込むと依然として採算が合わないことを暗に示している。以前ほどではないが。この状況を見る良い方法は、1年当たりの営業現金燃焼だ。2020年のUberの事業は27億5000万ドル(約3176億円)を使い、2021年の営業キャッシュフローははるかに少ないマイナス4億4500万ドル(約513億円)だった。

業績予想

Uberは2022年第1四半期に「250億〜260億ドル(約2兆8875億〜3兆30億円)」の総プラットフォーム支出を「1億〜1億3000万ドル(約115〜150億円)」の調整後EBITDAを見込んでいる。総プラットフォーム支出は2021年第4四半期実績と比較して横ばいか若干のマイナス、調整後EBITDAの数値は8600万ドル(約99億円)だった第4四半期実績から若干の改善となる。

もちろん、業績発表後にさらに詳細が明らかになるが、これが最初の概要だ。

画像クレジット:NurPhoto / Getty Images

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Nariko Mizoguchi

韓国でJoby Aviationがエアタクシーサービス開始へ

米国カリフォルニア州を拠点とする電動垂直離着陸機のスタートアップ企業であるJoby Aviation(ジョビー・アビエーション)が、韓国最大の通信会社であるSK Telecom(SKT、SKテレコム)と提携し、韓国でエアタクシーサービスを提供することを計画している。両者は米国時間2月6日に、カリフォルニア州マリーナにあるJobyの製造工場で、戦略的提携契約を締結した。

地上と空の旅のより良い統合を提供するために、このエアタクシーサービスは、T Map Mobility platform (レンタカー、駐車場、配車サービス、その他の交通関連サービスからなるサブスクリプションベースのモビリティ・アズ・ア・サービスを提供するSKテレコムのスピンオフ企業) と、TマップとUber(ウーバー)が2021年共同で創業したジョイントベンチャーの配車サービスUTを活用する。シリコンバレー発のUberにとっては創業後8年目にして韓国市場への初めての進出だ

JobyとUberの歴史は、両社が2019年に、Uberの都市部での航空タクシーサービス立ち上げの計画を後押しするために始まった。2020年、UberはJobyのシリーズCに5000万ドル(約57億7000万円)を投資し、さらに7500万ドル(約86億5000万円)を投じて、JobyによるUberの空中ライドシェア部門であるUber Elevate(ウーバー・エレベート)の買収を支え、両社のパートナーシップを拡大した。これらの提携により、米国市場でのサービス開始時には、Jobyのライドシェアサービスは、JobyまたはUberのいずれかのアプリを通じて乗客に提供されることになる。よって、韓国のユーザーにもUTとの同様のアプリ統合が行われる可能性がある。

SKテレコムもJobyも、いつ、どこでエアタクシーサービスを開始するかについては明らかにしていないが、両社が発表した声明の中では、主要都市の交通渋滞を解消するために、韓国国土交通省が提唱する、2025年までに限定的なUAM(都市空中移動)サービスを商業化することを目標とするK-UAM(Korean Urban Air Mobility)ロードマップへの支持が表明されている。この計画では、まずソウル首都圏に1〜2路線を設置し、10年後までに10カ所のエアタクシーターミナルを設置して、すべてのターミナルが路線バスや地下鉄、その他の移動手段に接続されるようにする予定だ。

SKテレコムは、韓国国内UAMの早期安定化を推進する政府主導のコンソーシアムの「UAM Team Korea」(UAMチームコリア)のメンバーである。同コンソーシアムのメンバーは民間業者で構成されており、他に現代自動車、大韓航空、仁川国際空港公団などが参加している。

JobyのJoeBen Bevirt(ジョーベン・ベバート)CEOは「4200万人以上の人々が都市部で生活している韓国は、Jobyにとって、空中移動を日常生活の一部にし、人々が時間を節約しながら二酸化炭素排出量を削減するためのすばらしい機会を提供するでしょう」と述べている。

韓国での活動の一方で、Jobyは米国内での活動にも力を入れている。先週もTechCrunchが、Jobyが最大航続距離150マイル(約241km)、最高速度時速200マイル(約320km)の第2世代の試作機「S4」をテストするために、サンフランシスコ湾上でのエアタクシーの連続飛行の許可を求めていると報じたばかりだ。また、低騒音であることから、市街地へのアクセスが可能だとも主張している。

関連記事:サンフランシスコ湾上での「空飛ぶタクシー」飛行テストをJoby Aviationが計画

画像クレジット:Joby Aviation

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:sako)

Uberの無謀な勃興を描くドラマ「Super Pumped」予告編第1弾、ユマ・サーマンもハフポスト創設者役で出演

Uber(ウーバー)の台頭は、時とともに程度を増して問題視されてきた行き過ぎ行為が事あるごとに報告されていなければ、フィクションとしても信じがたいものだったかもしれない。準法的タクシービジネス(今でも膨大な数のドライバーを誤って分類している可能性が高い)である同社は、警察を積極的に欺くことを含め、成功するためにはあらゆる手段を講じることが当たり前であるという、攻撃的な男尊女卑の職場カルチャーを隠そうとしてきた。このような状況は、今では変わったと我々は信じさせられている。

初代CEOのTravis Kalanick(トラビス・カラニック)氏が率いていた会社について何か言えるとすれば、悪行のエピソードには事欠かないということだろう。序でに、そうした話はおもしろいドラマになりやすい。

「Super Pumped(ウーバー戦記:いかにして台頭し席巻し社会から憎まれたか)」は、ニューヨーク・タイムズの記者、Mike Isaac(マイク・アイザック)氏の同名の著書を基に、Joseph Gordon-Levitt(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)がカラニック元CEOを演じ、配車アプリが大成功を収め(これはネタバレではないだろう)、世間からの激しい反発を受け、最終的に解任されるまでの軌跡を描いている。Kyle Chandler(カイル・チャンドラー)がベンチャーキャピタリストのBill Gurley(ビル・ガーリー)役を演じるようだが、このトレイラーでは、Arianna Huffington(アリアナ・ハフィントン)役のUma Thurman(ユマ・サーマン)の異例の登場もチラ出し予告されている(彼女のテレビ出演は例が少ない)。

このアンソロジーシリーズはシーズンごとに異なるビジネスリーダーを取り上げることになっており、今年2月27日に米Showtimeで初放送が予定されている。今のところ、今回のUberのドラマ化の後にどの企業が登場するかは明らかになっていないが、世の中には残忍で冷酷非情なCEOが後を絶たないことは確かだ。

編集部注:本稿の初出はEngadget。著者Bryan Menegus(ブライアン・メネガス)氏は、Engadgetのシニア・ニュースエディター。

画像クレジット:Showtime

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(文:Bryan Menegus、翻訳:Aya Nakazato)

Serve Roboticsの新しい自律型歩道配達ロボットは遠隔オペレーターの助けも必要としない

Uber(ウーバー)からのスピンアウト企業で、歩道を走行する配達ロボットを製造しているServe Robotics(サーブロボティクス)は、一部の商業配達を人間が介入することなく完了できる次世代ロボットを配備すると発表した。特定の運用領域(ジオフェンスで囲まれた地域)において、Serveはロボットを遠隔操作するオペレーターや、安全のためにロボットの後をついていくスタッフに頼ることはない。

Coco(ココ)、Starship Technologies(スターシップ・テクノロジーズ)、Kiwibot(キウィボット)など、この業界のほとんどの企業は、自律走行による配達を監視し、ロボットが停止したり助けが必要な場合に走行を引き継ぐのに遠隔オペレーターに頼っている。なので、Serveのマイルストーンは、まさにロボット配達の進歩への一歩だ。

同社の共同創業者でCEOのAli Kashani(アリ・カシャニ)氏はTechCrunchに「我々が解決した問題は、安全のために遠隔操作に頼るということは、100%信頼できるLTEネットワークと100%ミスのないオペレーターに頼らなければならないということであり、どちらも絶対の確保は不可能です」と語った。「安全のために人間の注意が必要なのに、映像が遅れたり、接続が切れたりする場合を考えてみてください。レベル4ロボットがあれば、安全を確保するために人間がループに入る必要はありません」。

Serveは2021年12月に次世代ロボットの展開を開始し、最近、レベル4の自律性で最初の配達を完了したという。レベル4について自動車技術協会(SAE)は、一定の条件を満たす限り自律的に走行でき、人間が運転を引き継ぐ必要がないシステムと定義している。現在、Serveが2018年から事業展開しているハリウッドなど、ロサンゼルスの一部の地域で使われているロボットがレベル4機能を備えていると、カシャニ氏はいう。

「レベル4が有効な所定エリアにロボットがいるとき、遠隔ビデオフィードはオフになり、ロボットはループ内の人間を必要とすることなく自律的にナビゲートし続けます」と同氏は説明する。「ロボットは、何か予期せぬことに遭遇した場合など、いつでも支援を要請することができます。また、交差点を横断する際には、ビデオをオンにすることもできます。しかし、大半の時間は自律的に動作しています」。

自律走行車両がレベル5に到達し、あらゆる状況で人間がいなくても操作できるようになるまでは、ロボットが不慣れな特殊ケースが常につきまとう。そのような場合に人間に頼ることは、安全面でも商業化の面でも理に適っている、とカシャニ氏はいう。

Serveの新型ロボットには、 Ouster(オースター)の超音波センサーやライダーセンサーなどのアクティブセンサーと、交通量の多い歩道を誘導するためのカメラなどのパッシブセンサーが搭載されている。Serveは自動衝突防止、車両衝突回避、フェイルセーフ緊急ブレーキなど、ボットのために特別な機能を開発したという。これらの機能をリアルタイムで実現するために必要な計算には、チップメーカーNVIDIAのJetsonプラットフォームが使用されている。同プラットフォームはロボットやその他の自律型機械向けに特別に設計されているものだ。

Serveは12月に1300万ドル(約14億円)の拡張シードラウンドを実施し、調達した資金は新しい顧客層や地域への拡大計画の加速に充てられるという。そうした目標に沿って、同社の次のステップは、次世代ロボットをより多くの地域に配備することで、まずはロサンゼルスでの拡大を目指すとカシャニ氏は述べた。

画像クレジット:Serve Robotics

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nariko Mizoguchi

Uberからスピンアウトした歩道走行ロボットServe Roboticsが約15億円獲得

Uber(ウーバー)傘下のPostmates(ポストメイツ)から3月にスピンアウトした自動運転によるサイドウォークデリバリー(宅配)会社のServe Robotics(サーブ・ロボティクス)が、拡張シードラウンドを1300万ドル(約15億円)で完了した。得た資金で、成長に向け歩道走行ロボットを増産し、新たな顧客層や地域への拡大計画を加速する。

関連記事:Uberが配達ロボット事業を独立会社Serve Roboticsとしてスピンアウト

「当社の目標は、今後2~3年のうちに、米国の主要都市すべてにロボットを配備することです」と、Serveの共同創業者でCEOのAli Kashani(アリ・カシャニ)氏はTechCrunchに語った。

今回のラウンドには、Uberが戦略的投資家として参加した。また、Delivery Heroが出資するDX Ventures、セブン-イレブンのコーポレートベンチャー部門である7-Ventures、Wavemaker Partners傘下で、フードオートメーションのベンチャースタジオであるWavemaker Labsも参加した。本ラウンドは、Serveが3月に実施したシードラウンドを拡大したもので、ベンチャーキャピタルのNeoやWestern Technology Investmentなどの既存投資家に加え、起業家や、エンジェル投資家のScott Banister(スコット・バニスター)氏も参加した。

Serveは2018年から、ロサンゼルスの複数の地域でPostmatesの顧客に配達を行ってきた。その頃同社は、まだ「Postmates X」という社名で、配達プラットフォームPostmatesのロボット部門だった。2020年に商用サービスを開始した。同社のロボットは、ロサンゼルスとサンフランシスコの100以上の加盟店から、非接触型の配達を数万件実施したという。同社は11月の発表で、2022年初めからLAでUber Eats(ウーバーイーツ)の顧客に対し、オンデマンドのロボット配達サービスを提供すると明らかにした。

カシャニ氏は、シリーズAラウンドの前に新たな戦略的投資家を迎えることは意味のあることで、参加した投資家の顔ぶれに同社の2022年の動きに関するヒントが隠されていると述べた。

「Uber Eatsの顧客やPostmatesの顧客以外にも浸透しつつあります。2022年はLAで営業地域を拡大するとともに、新たな都市にも進出する予定です」とカシャニ氏は話す。「セブン-イレブンとDelivery Heroが出資しました。彼らとのコラボレーションについて今後ご紹介できると思います。他にも数多くのパートナーと協議中であり、準備が整い次第お伝えします」。

コンビニ大手のセブン-イレブンは、自動運転による配送に馴染みがある。同社は最近、Nuroと共同で、Nuroの自動運転車を使った商業配送の小規模試験を開始した。また、韓国のセブン-イレブンの運営会社が、同国のスタートアップNeubilityが開発した歩道走行ロボットの実験を開始した。2016年には、セブン-イレブンはネバダ州リノで、ドローン企業Flirteyと共同で自動運転配送の実験を行った。Delivery Heroも過去に歩道走行ロボットの実験を行った。2018年にはStarship Technologiesを起用して、デリバリー会社Foodoraの顧客にサービスを提供した

関連記事:セブン-イレブンとNuroがカリフォルニアで自律走行による配送サービスを試験的に開始

「Serve Roboticsは、米国の主要都市に自動運転による配送をもたらし、最先端の自動技術でロボット分野をリードしています」と、DX VenturesのパートナーBrendon Blacker(ブレンドン・ブラッカー)氏は声明で述べた。「この革命的な技術は、配送の未来を再構築する可能性を秘めています。私たちはアリ氏のビジョンと彼が集めたワールドクラスのチームに投資します」。

カシャリ氏によると、シードラウンドの完了以外にも、Serveは自主性の向上についてのニュースをいくつか予定しているが、具体的な内容には触れないという。Segwayのロボットプラットフォームを自社の将来の車両に採用する契約を締結したばかりのCocoのように、自動運転のためには人間の関与が重要だと主張する競合他社もある。一方Serveは、可能な限りリモートパイロットを方程式から排除することを目指している。

「私たちのロボットは、ほとんどの場合、自動運転モードで独立して動くことができます」とカシャニ氏はいう。「このことは、安全性と経済性に非常に重要な意味を持ち、当社の車両を商業運用できる理由の1つでもあります」。

人間が関与すると、海外のリモートオペレーターを使ったとしても、経済的にはうまくいかないとカシャニ氏はいう。ただし同氏は、人間に頼ることが合理的ではないケースは、1対1の関係、つまり1人の人間が1台のロボットをモニターするということを1つ1つ行う場合だけだと認めた。CoCoと同様、Serveの問題は、街中に配置した複数のロボットを、1人の人間がモニターするというところまで自律性を高めるにはどうすればよいかということだ。

「ロボットには、ネットワークが切断されたときや誰かがミスをしそうになったときに、自分自身を安全に保つためのオンボード機能が必要です」とカシャニ氏は話す。「ロボットが道路を横断するときなどは、ロボットを見守っていただきたいのです。それは単に、安全の観点から、そういう時に人間とクルマが関わるからです。ロボットが理解できない場合、人間にバトンタッチすることもあれば、そうでないこともあります。通常は、ロボットが自分で状況を把握しようと試み、それができなければ人間が介入します。そうするのは、1つには時間がかかるからです。時間に追われていると、待ちたくないですからね」。

歩道走行ロボットによる配達は、業界としての盛り上がりと、最も洗練された技術と最良の市場戦略を持つ企業間の競争が始まったばかりだ。今回の資金調達と、それにともなうパートナー企業の登場により、Serveはすでに規模拡大に向けて準備を整えつつある。

「セブン-イレブンは私たちと協業できるコンビニエンスストアの代表であり、Delivery Heroは私たちが協業できる配送プラットフォームだといえます」と、Serveの広報部長であるAduke Thelwell(アデューク・テルウェル)氏はTechCrunchに話した。「私たちは、レストランチェーンとの提携、将来的には医療品の配送、薬、アルコール、大麻なども視野に入れています。このように、私たちはさまざまな分野でパートナーシップを築いています」。

画像クレジット:Serve Robotics

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nariko Mizoguchi

乗客とドライバーが安心感が得られるようにUberが乗車中の音声録音などの安全機能を米国で導入

Uber(ウーバー)は、アプリにいくつかの新しい安全機能を追加する。乗客にシートベルト着用を促す音声リマインダー、乗客またはドライバーが乗車中に音声を録音できる機能、予期せぬルート変更や最終目的地前での停車を検知する機能などだ。今回のアップデートは、乗客とドライバーの双方がより安心感を得られるようにするためのものとのことだ。

Uberの道路安全公共政策マネージャーであるKristin Smith(クリスティン・スミス)氏は、TechCrunchに次のように話した。「多くの人が、特に短い乗車では後部座席でいつもシートベルトを締めていないことを認めており、それはドライバーにとって不快な状況を作り出す可能性があります。音声による注意喚起を行うことで、すべての座席で毎回シートベルトを着用する必要があるというメッセージを強化できると考えています。この機能は、過去数年にわたって実施してきたシートベルト着用啓発キャンペーンに基づいています。当社は、GHSA(州知事高速道路安全協会)と提携して 『Make It Click』キャンペーンを実施し、乗客やドライバーにシートベルト着用の重要性を啓発してきました」。

同社の広報担当によると、シートベルト機能は12月末から一部のユーザーに提供され、2022年初めには全国拡大される予定だ。また、この音声による警告のきっかけは、違反切符の支払い責任を負うドライバーからのフィードバックだという。運転開始時にドライバーの携帯電話からシートベルト着用を促す音声が流れるとともに、乗客の携帯電話にはプッシュ通知が送られる。

音声録音機能は中南米で約2年前から展開されているもので、米国では来週からカンザスシティ、ルイビル、ローリー・ダーラムで試験的に導入される。ドライバーと乗客は、地図画面上の盾のアイコンをタップし「Record Audio」を選んで音声録音を選択することができる。ドライバーがこの機能を選択した場合、乗客は移動開始前にアプリ内で通知を受け取る。

同社によると、音声ファイルは暗号化されて乗客またはドライバーのデバイスに保存され、Uberを含め、誰も録音を聞くことはできない。ユーザーがUberに安全報告書を提出する際には、その報告書に音声ファイルを添付することができ、訓練を受けたUberの安全担当者が、何が起こったのか、次に何をすべきかを判断するための証拠として、録音を復号して確認する。

最後に、Uberは12月2日からRideCheckを全米で強化する。RideCheckは、同社が2019年に追加した機能で、ドライバーのスマートフォンのGPSデータとセンサーを使って、旅行中に起こりうる衝突や異常に長い停車を検知するものだ。現在、RideCheckは、最終目的地に着く前に移動が予期せず終了した場合や、ドライバーがコースを外れた場合を検知するようにもなっている。

システムが問題の可能性を検出すると、乗客とドライバーの両方にRideCheckの通知が届き、アプリを通じて問題がないことをUberに知らせたり、緊急ボタンを押したり、問題を報告するなどの対応を促す。

この夏、カリフォルニア州のいくつかの法律事務所が数十人の原告女性に代わって、米国の複数の州でドライバーによる性的暴行を受けたとしてUberを提訴した。Bloomberg Lawによると、UberLyft(リフト)の両社は、長年にわたりドライバーによる乗客への暴行の訴えに直面してきたが、両社は一貫して責任を否定してきたため、これらの訴訟は任意解雇または和解に終わっている。

関連記事:Uberが昨年の性的暴力事例2936件を公表

前述のカリフォルニア州で訴訟を起こした法律事務所によると、Uberに対する新たな訴えの多くは過失に基づくもので、Uberがドライバーによる性的暴行の危険性を認識していたにもかかわらず、合理的な防止策を講じていなかったと主張している。一部の法律事務所は、Uberはカリフォルニア州の法律で輸送会社として分類されているため、乗客に対しなおさら注意義務を負っているとして「一般運輸事業者」の過失を主張している。また、Uberの製品である乗客とドライバーをつなぐアプリベースのプラットフォームが乗客の安全を確保できていないとして、製造物責任を主張しているケースもある。

今回の新しい安全機能、特に音声記録とRideCheckの更新は、訴訟の真っ只中にある配車サービス大手のUberが、自らの基盤を守るために行ったものかもしれない。Uberは、自社に対するクレームについてはコメントせず、代わりに、音声録音機能は2019年から中南米の14カ国に存在しており、リオデジャネイロで調査した乗客とドライバーの70%が、この機能のおかげでUberを利用する際に安全だと感じたと回答したことを指摘している。

また、2019年には、Uberは安全透明性に関する報告書を発表し、その中で2017年と2018年に同社のプラットフォーム上で約6000件の性的暴行の報告を受けていたことを明らかにし、炎上した。この報告書は、カリフォルニア公益事業委員会(CPUC)の調査につながり、後にCPUCは、ドライバーや性的暴行を受けた乗客に関するデータの引き渡しを拒否したとして、Uberに15万ドル(約1700万円)の罰金を科した(Uberはまた、カリフォルニア州における身体的・性的暴力への対応に使われる900万ドル=約10億円=をCPUCに支払うことにも合意した)。CPUCが特に求めていたのは、暴行の日時と場所を含む事件の詳細で、これはUberのGPS機能や、乗車時間の短縮に関する報告といったこれらの新しい安全機能が提供できる可能性のある情報だ。

Uberの広報担当者はTechCrunchに対し、RideCheckの機能強化を促したものは特にないと述べている。

「技術的な準備が整い、乗客が戻ってきているため、機能を追加する状況になっただけです」と話した。

画像クレジット:Uber

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nariko Mizoguchi

Uberの乗車「待ち時間」料金を課す行為が障がい者差別と米司法省が同社を提訴

米司法省は、配車大手のUber(ウーバー)が障がいを持つ乗客を差別しており、障がいを持つアメリカ人法(ADA)違反だと主張し、Uberを提訴した。

この訴訟は、カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所に11月10日に提出された。Uberが障がいのある乗客に「待ち時間」料金を課す行為が、差別にあたると主張する。障がいのために乗車に通常より多くの時間を要する可能性があるからだ。Uberは2016年4月に待ち時間ポリシーを開始した。ポリシーでは、Uberの車が指定のピックアップ場所に到着した2分後から料金を請求する。

待ち時間料金はアプリで自動的に計算されるが、Uberは、待ち時間料金を免除する裁量をドライバーに与えていない。

司法省は、Uberが障がいのある乗客に十分な乗車時間を与えず、公平な運賃を提示していないため、ADAに違反していると指摘する。訴状によると、車いすや歩行器のように分解する必要がある移動補助器具や、その他の無数の理由により、障がいのある乗客が車に乗り込むのに2分以上を必要とする可能性がある。

訴状には「乗客A」「乗客B」2人の体験が載っている。乗客Aは、四肢麻痺で手動式の車いすを使用する52歳の女性で、Uberで予約した車に乗るのに、平均して5分以上かかっていた。乗車するたびに待ち時間料金が発生していたが、他の交通手段が限られていたため、毎日Uberを使い続けた。彼女は返金を要求しようとしたが拒否された。

脳性麻痺をもつ34歳の男性である乗客Bも、手動式の車いすを使用しており、アプリを通じてほぼすべての乗車について待ち時間料金を請求された。Uberは当初、料金を返金していたが、その後「返金額の上限に達した」と本人に伝えた。

訴状によると「乗客Aや乗客Bと同様、米国中の他の障がい者が、障がいを理由にUberから待ち時間料金を請求されるという差別を受けている」。

ADAは、1990年に議会で制定された画期的な法律だ。Uberは民間企業だが、司法省は、ADAには民間企業が提供する交通サービスにおける差別に対処する権限があるとしている。

訴状は「Uberやその他の類似業者が、従来のタクシーサービスに代わってオンデマンド輸送の主要な選択肢として人気を博している。そのような状況で、Uberは、同社のサービスに頼って移動することを選択した、あるいは単純に頼らなければならない無数の障がい者の自立を確保する上で重要な役割を果たしている」としている。

TechCrunchはUberにコメントを求めており、同社から回答があれば記事を更新する。

訴訟番号は3:21-cv-08735。

画像クレジット:Matthew Horwood/Getty Images / Getty Images

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Nariko Mizoguchi

MovesはギグワーカーにUber、Lyft、DoorDash、Grubhubの株式を提供しようと取り組む

トロントを拠点とするギグエコノミーフィンテックのスタートアップMovesは、ギグワーカーらが所属する企業の株式を、ギグワーカーへの報酬として提供できるようにしたいと考えている。Moves Collectiveと名付けられた同サービス。第一弾として木曜日にはUberの株式を提供し、その後すぐにLyft、DoorDash、Grubhubの株式を提供する予定だとMovesのCEOであるMatt Spoke(マット・スポーク)氏は話している。

ギグワーカーたちが株主になれば、彼らが働くプラットフォームと彼ら自身の経済的なつながりをより強く感じてもらうことができるかもしれない、というのがMovesの考えである。さらにMoves Collectiveを通じて十分な数の労働者がこれら企業の株式を保有すれば、将来的には議決権を持つ集団を形成して企業の意思決定に実際に影響を与えることができるかもしれないと考えているのである。Movesによると、Moves Collectiveはすでにこれらの企業の「かなりの株式」を保有しており、そのすべてが議決権付きの普通株式だという。

この1年間、ギグエコノミーワーカーの劣悪な労働条件が労働者の抗議行動を引き起こし、カリフォルニア州、イリノイ州、マサチューセッツ州、ニュージャージー州、ニューヨーク州ではギグワーカーを従業員として見直し、ヘルスケアや休暇手当、有給病気休暇などの基本的な権利を与えようとする試みが行われてきた。Uber、Lyft、DoorDash、Instacartなどの企業は、カリフォルニア州で進行中の「Proposition(プロポジション) 22」をめぐる騒動に反撃し、マサチューセッツ州ではギグワーカーを独立した契約者として分類する提案を2022年11月の投票にかけるための連合体を結成している。

「ギグワーカーはギグエコノミーに膨大な価値をもたらしていますが、貢献した結果としての経済的リターンはまったく得られていません。私たちが解決しようとしているのは、ギグワーカーのみなさんが働いている企業の成功には、彼らが経済的に関与しているのだと感じられるようにすることです」とスポーク氏はTechCrunchに話している。

すでに同社のプラットフォームを利用しているギグワーカーは、Collectiveに登録して株式という形で報酬を受け取ることが可能だ(ギグワーカーはさまざまな企業からの金を追跡および管理し、毎月の支出口座や最大1000ドル(約11万4000円)までの即時ビジネスキャッシングを利用できる)。「3人の友人を紹介する」や「ユーザーアンケートに参加する」など一連のタスクをこなすことで、ギグワーカーは無料の株式や株式の一部を受け取ることができ、その株式はMovesが開設したユーザー自身の証券口座に入るという仕組みになっている。

「Moves Collective」という名の通り、長期的には莫大な数のギグワーカーを結集させて企業のガバナンス決定に反映させられるだけの声を生み出すことを目的としている同社。ギグワーカーの利益を確実に反映させるために、これら大手プラットフォームの年次株主総会で委任状資料の提出を提案する予定だとスポーク氏は話している。

ギグワーカーがMovesカードを使って買い物をするたびに蓄積されるインターチェンジレートがMovesの主な収益源となっており、またその収益がMovesからワーカーに還元される株式の原資となっている。

「新規顧客を獲得し、その顧客を維持するために、収益を効率的にトレードしていると言えるでしょう。ギグワーカーの当座預金の利用で我々が得た収益を商品に還元し、株式建ての報酬の資金を調達しているのです」とスポーク氏は説明する。

現時点では同プログラムは招待制になっており、株式報酬プログラムであるBumped Financialとの提携により株が蓄積されている。スポーク氏によるとMovesはInstacartの株購入を見据えて同社のIPOにも注目しているという。またFlexの配達員にはAmazonの株を、Shiptの作業員にはTargetの株をサポートすることも検討しているという。

アプリを使ったギグエコノミー企業はどこも「同じ問題」を抱えているとスポーク氏はいう。「ドライバーや作業員の離職率が非常に高く、作業をしてくれる人が定着しないのです。彼らは他のギグアプリに移るか、ギグエコノミーから完全に離れてしまうため、これらの企業は何千万ドル、何億ドルもの費用をかけて常に労働者を入れ替えているのです」。

参考:Uberがドライバーを取り戻すためにインセンティブとして2億5千万ドル(約285億円)を費やした結果、第2四半期に大規模な損失が発生

UberとLyftは株式公開前、ドライバーの定着率を高めて、労働者のロイヤルティを生み出す仕組みとしてドライバーに株式を発行することを検討したものの、規制上の問題が両社の真摯な取り組みを阻んだ。最終的に両社は一部のより活動的なドライバーに対して一度限りの現金を支給し、株式を購入するオプションを与えることにした。Uberはドライバーに向けて全体の3%にあたる普通株540万株を用意したが、ドライバーによって買い占められなかった場合は一般に提供すると伝えている。

参考までに書くが、株式公開時に8.6%の株式を保有していたUberの創業者兼CEOのTravis Kalanick(トラビス・カラニック)氏は、その持ち株で約50億ドル(約5691億円)を得ている。また5.2%の株式を保有していたAlphabetは約32億ドル(約3643億円)を獲得。当時、米国を拠点とするドライバーは、最大1万ドル(約114万円)相当の自社株を購入できる現金ボーナスを利用することができたのである。

ギグエコノミーに依存している企業が労働者にストックオプションを提供する際の規制は、非常に厳しいものとなっている。SEC Rule 701は、企業が従業員、コンサルタント、アドバイザーに報酬としての株式を発行する際に、詳細な財務記録を提出する必要がないことを認めているが、ギグカンパニーにはこの適用除外がうまく当てはまらない。2018年、SECは働き方の変化に適応するためにルールを拡張するとした場合の、可能な方法についてコメントを要求した。Uberは締め切り日を過ぎたものの回答を提出し「パートナーに会社の成長を共有することで、パートナーとその先の世代の収入と貯蓄の機会を強化」できようにするためにSECがルールを改定するよう要求している。

現在の法律では、UberやLyftがドライバーに株式でインセンティブを与えようとすれば、雇用者のテリトリーを侵害することになりかねない。しかし、UberやLyftのこれまでの姿勢を見ると、このようなサービスは将来的に外部に委託することになるのではないだろうか。

「Uber、Lyft、DoorDash、Instacartの4社がProp 22のような課題で一致団結し、新たな規制に反対するロビー活動を行っていることもあり、彼らはこれが業界にとって全般的にプラスになるとは考えていないでしょう」とスポーク氏。「最終的に我々は彼らと経済効果を共有する方法を模索することになると思います。1年後、2年後には、弊社が提供できる具体的な利益についてUberと話し合い、『Uber株を発行されたドライバーは、より長く働く可能性がX%高いためこの資金調達に一部参加すべきだ』などと提案することになるでしょう」。

Movesによると、現在全米50州で約1万人のユーザーが同社のプラットフォームを利用しているという。ライドヘイリング業界がパンデミックで大打撃を受ける直前の2020年2月に設立され、2021年4月から市場に進出した同社。来年前半には再び資金調達を開始する予定だが、スポーク氏によるとMovesは事業のシナリオにおけるユニットエコノミクスを洗練させ、Moves Collectiveのユースケースが出来上がるまでは、資金調達を行いたくないと考えている。

「Uberがドライバーを大切にしていないわけではないのですが、ドライバーは彼らの主要なステークホルダーではありません」とスポーク氏。「Uberの主なステークホルダーは消費者です。彼らは消費者側の市場価値を革新するために全力を尽くしており、労働者は後回しにされていることが多いのです」。

画像クレジット:Moves

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Dragonfly)

Uberの第3四半期は純損失2722億円ながら、わずかながら調整後利益を確保

米国時間11月4日の取引終了後、米国ライドシェアリングの巨人、Uber(ウーバー)が第3四半期の決算を報告した。注目すべきは、長年利益を上げていなかった同社が、純損失は未だに20億ドル(約2268億円)を超えているにも関わらず、調整後EBITDA(大きく修正された利益指標)800万ドル(約9億円)の利益をひねり出したことだ。

調整後利益のニュースは、Uberの国内ライバルであるLyft(リフト)が、最近やはりなんとか利益を上げたことを報告した数日後のことだった。

第3四半期、Uberの総取扱高(同社プラットフォーム上を流れたすべての商品、サービスの総額)は231億ドル(約2兆6199億円)で対前年比57%増だった。そこから生まれた売上48億ドル(約5444億円)は対前年比72%増だった。そしてその売上はUberに純損失24億ドル(約2722億円)をもたらした。この数字は、同社が保有する他社株式の再評価による「20億ドルの純損失」を含んでいる。

同社の1株当たり調整前純損失1.28ドルは、前年同期の0.62ドルの2倍強だった。

アナリストらは、1株あたり損失0.33ドル、売上442億ドル(約5兆129億円)と予測していた。同社の株価は時間外取引で5%前後下落した。

部門ごとの実績に入る前にいっておくと、Uberは次の第4四半期の総取扱高を250億~260億ドル(約2兆8353億〜2兆9488億円)、その結果の調整後EBITDA利益を2500万~7500万ドル(約28億〜85億円)と予測している。Uberほどの規模と歴史をもつ会社が、GAAP純利益のような成熟企業の数値ではなく、いまだに調整後EBITDAのような子どもだましの指標を使っていることは、普通なら嘲笑の対象だ。しかし、Uberは投資家に対し、2021年修正後利益の境界値を越えるべく必死に努力すると長年言ってきただけに、このガイダンスは注目に値する。

部門別実績

全体を見渡すと、ここ数年Uberのフードデリバリー事業の総取引高は、同社のライドシェアリング事業よりもはるかに大きい。実際、そろそろUberをタクシーアプリよりもフードデリバリー会社と考えるべき時かもしれない。

それはともかく、同社の部門別成績を総取扱高から見てみよう。

画像クレジット:Uber

最近同社のライドシェアリング事業がフードデリバリー事業よりも早く成長していることは注目すべきだが、これにはわけがある。Uber Eats(ウーバーイーツ)がパンデミックの最中に雑草のように伸びたのに対し、人間の移動は人々がステイホーム期間中激減した。COVID(新型コロナウイルス感染症)の勢いが一部の地域で弱まり始めている今、状態は戻りつつある。

Uberが乗車よりも食べ物で多く収益を上げていることを踏まえ、上記の総取扱高から下記の売上が生まれていることに注目して欲しい。

画像クレジット:Uber

タクシーサービスとオンデマンド食品配達の収益がほぼ同じであること、貨物輸送事業が同社の事業全体の中で意味のある位置を占めるだけの収益を上げていることはいずれも注目に値する。

次に、各グループの利益を、実際には調整後EBITDAだが、見てみよう。

画像クレジット:Uber

表からわかるように、Uberはフード事業をほぼ採算水準に持ち込むことに成功した。これは、1年前の同サービスの位置づけと比べて大きな前進だ。そしてUberのライドシェアリング事業の利益は、同社の調整後事業経費をほぼ相殺している。全体では、Uberは調整後の黒字につま先を届かせ、上述のように調整後EIBTDA、800万ドルを達成した。

しかし、正直なところ「本当に」印象的なのは、Uberが調整後EBITDAの数値をわずか1年でここまで改善したことだ。

しかし、すべての費用、諸経費を含めると、UberのGAAP経常損益はマイナス5億7200万ドル(約649億円)になる。そこに利息費用その他の経費を算入すると、四半期の損失は24億4000万ドル(約2767億円)、毎月8億ドル(約907億円)に上る。Uberの経常損失とGAAP損失の相違を生んでいるのはなにか? 投資の価値下落だ。会社は次のように述べている。

2021年9月30日までの3カ月および9カ月の債券および株式の未実現損失については、Didi(ディディ)への投資によるそれぞれ32億ドル(約3629億円)および17億ドル(約1928億円)の主な未実現純損失を、2021年第3四半期中に実現したZomato(ゾマト)への投資の未実現利益9億4000万ドル(約1066億円)、Aurora(オーロラ)への投資によるそれぞれ1億200万ドル(約116億円)および5億7300万ドル(約650億円)の未実現利益、および公正価値オプションの下で計上されたその他の証券投資によるそれぞれ7300万ドル(約83億円)および5600万ドル(約64億円)の未実現純利益が一部相殺しています。

まあ簡単に言えば、中国政府のDidiへの介入によって、Uberの純利益は悪い方へ行き着いたということだ。

要約すると、Uberは今も不採算だが、パンデミックから立ち直りつつあり、少なくとも調整後利益はなんとか達成した。次は真の損益分岐点に達するかどうかに注目だ。

画像クレジット:NurPhoto / Getty Images

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Nob Takahashi / facebook

UberがテスラのEVを一挙に5万台レンタルしてドライバーに貸与、企業イメージアップを狙う

レンタカー大手Hertz(ハーツ)が大量のテスラ車を購入した理由は明らかだ。同社は最大5万台のテスラの電気自動車を、11月1日より米国のUberライドシェアのドライバーに貸与する。ロサンゼルスとサンディエゴ、サンフランシスコ、ワシントンD.C.の労働者は毎週334ドル(約3万7900円、今後299ドル[約3万3900円]以下になる)を支払うと、Model 3と保険、メンテナンスで構成されるパッケージを利用できるようになる。

格付けの星の数が4.7以上、これまで走行回数150以上が利用資格になる。この事業は、数週間後には全米に拡張される。


Uberは、Hertzとのこの1件により、環境とドライバーの収入に貢献できると考えている。排気ガスを減らすと同時に、EVの初体験者が増えると同社は述べている。車両の維持費も下がるだろう。なによりドライバーは燃料費を払わなくてよくなり、UberにはUber Greenというインセンティブ事業があるため、EVドライバーは1回の走行あたり最大1ドル50セント(約170円)の奨励金を受け取ることになる。

UberにはEVを採用すべき強力な理由がある。まず、2040年までに二酸化炭素排出ゼロという同社の目標を達成し、ライドシェアはCO2排出の元凶という悪評と戦う。エコフレンドリーな車両が路上を走り回ることにより、企業イメージを変えることができる。それにしても5万台は、クルマからの排出抑制とEVの採用という両面において大きな取り組みとなる。また、5万台はテスラの生産量としても大きく、1社の顧客としては最大となるだろう。

編集部注:本稿の初出はEngadget。執筆者であるJon FingasはEngadgetの寄稿ライター。

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(文:Jon Fingas、翻訳:Hiroshi Iwatani)

Uberがアフリカで相乗りサービスをテスト、世界的には新型コロナで類似サービス停止中

Uber(ウーバー)は、同じ方向に向かう乗客が乗車料金をシェアできる機能「Pool Chance」をケニアでテスト中で、ガーナとナイジェリアでもこの低価格サービスを展開する予定だ。ケニアのナイロビで車を予約する際にこのオプションがあるのをTechCrunchが発見した。Uberの広報担当者によると、このサービスはパイロット版(ベータ版)の一部であり、小規模なテストの結果を踏まえてより広範囲に展開する予定とのことだ。

アフリカで初めて導入されるこの新サービスは、2014年にサンフランシスコのベイエリアで開始され、その後、世界の複数の都市で導入されたUberPoolに似ている。この低価格で人気のサービスは、米国やカナダを含む多くの地域で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)規制のために一時停止したままだが、Uberは一部の市場で徐々に復活させていて、これまで展開していなかった場所にも導入しつつあるようだ。同社は、この2つのプロダクトのコンセプトは似ているものの同じではないとし、さらなる詳細は明らかにしなかった。

しかし、Uberのドライバー向けフォーラムのこちらのスレッドでは、その違いを次のように説明している。Pool Chanceは、ドライバーが他の乗客を拾えば割引料金で乗車できるチャンスがあり、そうでなければ個別に乗車した場合に支払う通常料金が課される。UberPoolは、他に誰か乗車するかどうかにかかわらず特定の相乗り料金が適用される。

Pool Chanceオプションは、ナイロビでは格安サービスのChap Chapで利用でき、ナイジェリアの人口の多い都市ラゴスとガーナの首都アクラでは、UberXカテゴリーで利用できるようになる。

Uberの東・西アフリカ地域のコミュニケーション責任者であるLorraine Ondoru(ロレーヌ・オンドル)氏は「当社は現在、新しいUberライドであるPool Chanceを試行しています。これはナイロビ(ケニア)の乗客が同じ方向に向かう他の客と乗車を共有する場合、料金を抑えることができるというものです」とTechCrunchに語った。

「新しいサービスを導入する際には、このような方法を用いて、市場が健全でバランスのとれた状態を維持するようにしています。このサービスが正式に展開される際に詳細をお伝えします」と付け加えた。

Uberは、2020年10月にウクライナのキエフでPool Chanceを導入し、そして4月にはニュージーランドのオークランドでも展開を始めた。また、2021年初めにはオーストラリアのシドニーとパースでも低価格のライドシェアサービスを導入し、その後アデレードでも開始した。

Uberはアプリ上で、Pool Chanceにより乗車料金を最大30%抑えられ、客はさらにお得に移動できるようになる、と話している。

同社はこの新サービスについて、アフリカ3カ国のドライバーに向けたメッセージの中で「手頃な価格のシェアライドは、アプリを利用する乗客が増えることを意味し、より多くの移動、ダウンタイムの減少、そしてドライバーの全体的な収益につながります」と述べた。

Uberはアフリカで、エジプト、南アフリカ、ウガンダ、タンザニア、モロッコなど8つの市場でサービスを提供している。

エストニアを拠点とする配車サービスBoltのようなライバルとの競争が激化する中、Uberは顧客の維持と新規顧客の獲得を目的とした新戦略のもと、ここ数カ月の間にアフリカ大陸全体でサービスを拡大し、新プロダクトを導入してきた。

今月初め、Uberはナイジェリアのイバダンとポートハーコートの2都市に進出し、すでにサービスを展開していた他の3都市に加えた。

また南アフリカでは、2021年9都市に事業を拡大し、UberX、UberBlack、格安サービスのUberGoとともにプレミアムサービスのUber Comfortを導入した。また、8月には、世界の他の市場ではすでに提供されていた、1カ月前から乗車予約ができる機能を追加した。

Uberがアフリカの市場で乗車料金を割り勘にするサービスを導入する計画は、同社が最近のレポートで「ライドシェアは今後3~5年の間に公共交通機関の中でますます重要な役割を果たすようになるだろう」と述べたことを受けてのものだ。

バスや鉄道は大勢の人を運ぶことができるため、今後も公共交通の中核となるが、マイクロトランジットやライドシェア、マイクロモビリティなどの手段によって補完されていくだろうと同社は付け加えた。

「ライドシェアのようにコストが変動する新しい交通手段が加わり、オンデマンドサービスが普及することで、公共交通機関の効率化と低コスト化に新たな一石が投じられることになる」と述べた。

これにより「公共交通機関のネットワークの公平性、アクセス性、回復力、柔軟性」を確保し、改善することができる、としている。

公共交通機関にサービスを提供する部門であるUber Transitと、2020年買収した交通機関向けソフトウェアを提供する会社Routematchを通じて、交通機関がより効率的に運営できるような新しいツールを提供し、ライダーもサポートするとレポートで述べている。

2015年にUber Transitを設立して以来、同社は世界各地で公共交通機関をシームレスにすることを目指したサービスを展開してきた。

2019年初めには、デンバーの乗客が旅の計画やチケット購入ができるUberアプリ内サービスを開始し、カリフォルニア州のMarin Transitとの提携では公共交通機関を動かすソフトウェアを提供した。

2020年9月には、一部の市場で「Uber and Transit」を開始し、乗客が電車やバスといった他の公共交通手段と組み合わせて配車サービスを利用できるアプリ内機能を立ち上げた。

画像クレジット:Getty Images

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(文:Annie Njanja、翻訳:Nariko Mizoguchi

ライドシェアサービスは運転手や地域社会にコストを負担させていることが調査結果から明らかに

Uber(ウーバー)やLyft(リフト)をはじめとする「ライドシェア」サービスの平均乗車料金は年々上昇しているが、これらの企業のビジネスモデルは、完全に明らかになっているわけではないことがわかった。今回発表された2つの調査結果は、投資家の出資額だけがすべてを物語っているわけではなく、ドライバーや地域社会もコストを負担させられていることを示している。

1つはカーネギーメロン大学の研究で、交通ネットワーク企業(TNC、公的・学術的文書で使われる用語)のあまり目立たないコストと利益を分析したものだ。

例えば、TNCの車両と利用者の活動に関するさまざまなデータを収集した結果、ライドシェア車両は1回の乗車で大気汚染に与える影響が少ない傾向にあることがわかった。これは、筆頭著者のJeremy Michalek(ジェレミー・ミシャレック)氏が大学のニュースリリースで説明しているように「自動車は最初にエンジンを始動させた時、排出ガス浄化システムが効果を発揮する温度に十分温まるまで、高レベルの有害な大気汚染を発生させる」からだ。

ライドシェア車両は通常、1回の乗車ごとにコールドスタートを行う必要がない。また、もともと排出ガス量の少ない新型車が使われていることが多いため、TNCによる移動で発生する汚染物質は、平均すると、自家用車で同じ移動をする場合の約半分と推定される。研究者の試算によれば、それによって地域社会が削減できる大気汚染関連の健康コストは、移動1回につき平均約11セント(約12.3円)の価値があるという。

これは確かに良いニュースだろう。しかし問題は、ライドシェア車両には「デッドヒーディング」(仕事の合間に無目的に運転したり、アイドリングしたりすること)の習慣や、乗客をヒックアップする場所まで移動する必要があるために、せっかくの利益が帳消しになってしまうことだ。さらに、厳密に言えば「使われていない」車が道路を走っていることによる交通量の増加や、それに伴い発生する事故の確率、騒音などを考慮すると、1回の移動につき45セント(約50.5円)のコストが地域社会全体にかかることになる。つまり、1回の乗車につき約34セント(約38.2円)のコスト増となり、そのコストは税金や福祉の低下によって賄われることになるのだ。

画像クレジット:カーネギーメロン大学

研究者たちが提案しているのは、可能な限り乗り合いタクシーや公共交通機関を利用することだが、新型コロナウイルス感染流行時には、それはそれで短所がある。ライドシェア車両の電動化は有効だが、それには多大な費用と時間がかかる。

ライドシェアの運転手たち自身も、この「分散型」業界の重みを背負っている。ワシントン大学のMarissa Baker(マリッサ・ベーカー)氏が、シアトルで組合に加入している運転手を対象に行った調査では、多くの人が勤務先の会社からほとんど何のサポートも受けていないと感じていることが明らかになった。

調査に応じた運転手は、ほぼ全員が新型コロナウイルスの感染を心配しており、約30%が自分はすでに感染していると思っていた。予想通り、ほとんどの運転手が収入は減っているのに、自費でPPE(個人防護具)を購入していた。会社からマスクや除菌剤が支給されたと答えた人は3分の1以下だった。また、ウイルス感染流行中の時期に運転手を辞めた人は、失業手当の受給に苦労したと報告している。特にシアトルでは、運転手は圧倒的に黒人男性が多く、また移民も少なくないため、それぞれが複合的な問題を抱えている。

「ウイルス感染流行時にこのような仕事をしている労働者は、運転手として所属している会社からほとんどサポートを受けられず、自分たちが直面しうる潜在的な危険性について多くのことを認識していました」と、ベーカー氏はこの調査報告に付随したリリースで述べている。シアトルの運転手は、他の多くの都市にはない追加的な保護対策に恵まれているが、他の地域の人々はもっとひどい状況に置かれているかもしれない(2020年、宅配便のドライバーも同じような問題に直面していることが判明した)。

これらの調査は「ギグエコノミー」の隠されたコストやソフトエコノミクスの一端を表すものにすぎない。消費者が企業から耳にする言葉は、このような仕事をバラ色の眼鏡で見たバージョンであることがほとんどなので、独立機関による調査は、たとえそれが単なる聞き取り調査や、立証されていないコストや行動の概算であっても、非常に価値があると言えるだろう。

画像クレジット:Al Seib / Los Angeles Times / Getty Images

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Uber Eatsが最寄りのピックアップ飲食店を探せる新マップ機能を導入

Uber Eats(ウーバーイーツ)は、ユーザーが周辺のレストランや店を検索できるようにするピックアップマップ機能をアプリに新たに追加する。マップはユーザー向けにローカライズされ、これによりユーザーは言葉や絵文字を入力してどんな店が近くにあるのか、現在地から店舗までの正確な距離などを確認できる。

この新機能は、Uberが黒字化の目標を達成するのに助けとなると信じている部門であるEatsを強化しようという試みの最新例だ。今週初めに同社は予想よりも早い第3四半期に黒字化を達成できるかもしれないと明らかにした。同四半期のグロスブッキング(総取扱高)が最後の投資家説明会で株主に示した予想よりも増加し、また調整後EBITDAも力強いものになりそうだと述べた。

新機能は、近くの飲食店を探すのに他のマップアプリに切り替えていたユーザー10人中8人からのフィードバックに刺激を受けている、とEatsは話す。同社の広報担当によると、マップは世界中で展開されていて、ほとんどのユーザーがすでに使えるようになっているはずだ、とのことだ。

Uber EatsアプリとUberアプリどちらでも、アプリを立ち上げるとトップ部分にデリバリーかピックアップのオプションがくる。ピックアップを選ぶとマップが起動する。バーガーとタイプしたりピザの絵文字を入力したりすると、近くのバーガーショップやピザ屋が案内される。時間を節約でき、そして地域の店を探索するのを楽しめる機能性の向上だと同社は話す。

ピックアップのマップには70万ものレストランや店がある、としている。同社は世界中でピックアップ注文の増加を見込んでいて、顧客のために検索結果をすばやくビジュアル化するのを簡単にしたい、と話した。

関連記事:Uberが第3四半期に黒字化達成か、デリバリーと配車事業が回復

画像クレジット:Uber Eats

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nariko Mizoguchi

Uberが第3四半期に黒字化達成か、デリバリーと配車事業が回復

デリバリー事業とモビリティ事業が回復していることを受け、Uber(ウーバー)は米国時間9月21日、予想よりも早い第3四半期に黒字化を達成するかもしれない、と明らかにした。配車サービスのUberは米証券取引員会に同日提出した書類で、第三四半期のグロスブッキング(総取扱高)が最後の投資家説明会で株主に示した予想よりも増加し、また調整後​​EBITDAも力強いものになりそうだと伝えた。

同社は偏在、第3四半期のグロスブッキングのレンジが228億〜232億ドル(約2兆4905億〜2兆5350億円)で、当初約束していた220億〜240億(約2兆4030億〜2兆6220億円)というレンジを上回ると予想している。収益性を測るのに使われる調整​​後EBITDAの予想もまた、赤字2500万〜2500万ドル(赤字27億〜27億円)に引き上げられた。以前は赤字1億ドル(約110億円)よりまし」な数字を予想していた。

「ピンチはチャンスを生む、と言いますが、Uberにとって過去18カ月は確かにそうでした」とCEOのDara Khosrowshahi(ダラ・コスロシャヒ)氏は声明で述べた。

Uberはいま、第3四半期の調整後​​EBITDAでの損得ゼロに向けて着々と進んでいます、とCFOのNelson Chai(ネルソン・チャイ)氏は述べた。非常に危険な不採算性が特徴とされる配車サービスにの経済性にあまり馴染みのない人にとっては奇異に映るかもしれない業績だ。

TechCrunchのAlex Wilhelm記者がExtra Crunchで説明しているように「調整後​​EBITDA」は利子、税金、減価償却費およびその他の費用を差し引く前の収益を計算している。例えばUberは2020年に67億7000万ドル(約7400億円)の赤字だった(前年の85億1000万ドル=約9300億円の赤字より改善していることは認める)。しかし調整後​​EBITDAでは、そうした数字は2020年は27億3000万ドル(約3000億円)の赤字に、2019年は25億3000万ドル(約2760億円)の赤字になった。

Uberはこのほど提出したフォーム8-Kで第3四半期の財務の全体像を見せておらず、明らかになるのは同四半期後に決算を発表するときだ。しかし、同社は投資家に長らく約束してきた調整後​​EBITDAの黒字を第4四半期までに達成できそうだ。

同社は、第4四半期の調整​​後EBITDAは0〜1億ドル(0〜約110億円)を予想していて、より一般的には「調整後​​EBITDAの黒字」を見込んでいると書いている。

それでも、同社にとって調整後EBITDAの黒字を目指してきた長い道のりの先が見えてきた。ここに至るまで、グローバルパンデミック、解雇、そしてそれ以上に高い代償が伴った。

画像クレジット:JOSH EDELSON/AFP / Getty Images

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Nariko Mizoguchi

オランダ裁判所がUberドライバーは従業員と判断、Uberは控訴の意向

Uber(ウーバー)がドライバーの雇用ステータスをめぐる欧州での裁判でまたも敗訴した。オランダのアムステルダム裁判所は、Uberドライバーは自営の請負業者ではなく従業員であるとの判断を示した。

アムステルダム裁判所はまた、ドライバーにはオランダの既存の労働協約が適用されるとの見解も示した。この労働協約はタクシードライバーに関係するもので、賃金要件を定め、傷病手当などの福利厚生をカバーしていて、この協約を満たすためにUberがコストの増大に直面することを意味している(一部のケースでは過去にさかのぼってドライバーに給与を払う責任が生じるかもしれない)。

裁判所はUberに費用の5万ユーロ(約650万円)の支払いも命じた。

配車サービス大手のUberは、アムステルダムで4000人のドライバーを同社プラットフォームに抱える。

乗客とタクシーサービス提供者を結びつけるテクノロジープラットフォームにすぎず、ドライバーは「書面上」自営業者だというUberの慣習的な主張をアムステルダム裁判所は却下した。

裁判官は、ドライバーによって提供されるサービスの性質と、ドライバーがどのように働き、稼ぐのかについてUberがアプリとアルゴリズムを通じてコントロールしている点を強調した。

欧州の最高裁判所は2017年に、Uberは輸送サービス事業者であり、地域の運送法を遵守しなければならない、と裁定した。なので、あなたが今回デジャブ感に陥るのはもっともだろう。

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オランダでの訴訟は2020年に全国労働組合センターFNVがおこし、6月末に審問が始まった。

9月13日の声明文で、FNVのバイスプレジデント、Zakaria Boufangacha(ザカリア・ボウファンガチャ)氏は次のように述べた。「判決には我々が何年もの間主張してきたことが書かれています。Uberは雇用主であり、ドライバーは従業員です。ですので、Uberはタクシー業界の労働協約に従わなければなりません。また、こうした種の事業運営は不法であり、ゆえに法律が強制されなければならないという国際司法裁判所へのメッセージでもあります」。

Uberには今回の判決に対するコメントを求めている。記事執筆時点で返事はなかったが、ロイターによると、Uberは控訴する意向であり「オランダでドライバーを雇用する計画はない」と述べた。

【更新】Uberは控訴することを認め、広報担当は「控訴によってアプリを使うドライバーへの影響はありません」としている。

Uberの欧州北部事業を担当するゼネラルマネジャーであるMaurits Schönfeld(マウリッツ・ショーンフェルド)氏は次のように述べた。「ドライバーの圧倒的多数が独立事業者であることを望んでいて、今回の判決に失望しています。ドライバーは、働くかどうか、いつ、どこで働くかを選ぶ自由を手放したくはありません。ドライバーの利益のために当社は控訴し、その間、引き続きオランダでのプラットフォーム労働を改善させます」。

Uberは英国で、何年にもわたる雇用分類をめぐる一連の裁判で敗訴してきた。そして2021年2月、最高裁判所で同社の敗訴が確定した。

判決を受け、英国ではドライバーを労働者として待遇するとUberは述べたが、論争は続いている(労働時間の定義などをめぐって)。5月に同社は、英国の労働組合を認めると初めて述べた。

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しかしながら欧州のあちこちでUberは雇用訴訟を続けていて、プラットフォーム労働の規制緩和を求めて欧州連合の議員らにロビー活動を行っている

プラットフォーム労働を改善する方法を見つけたい、とEUは述べている。ただ、汎EU「改革」がどのようなものになるかはまだ判然としていない。

欧州委員会はプラットフォーム労働の代表者に質問してきた。

「ロビー活動に巨額を投じていること、EUレベルでさらに多くのリソースを投入していることは明白で、デジタル労働プラットフォームは明らかに懸念されるものです。Uberももちろん含まれますが、こうした企業はプラットフォーム労働に関する政策への影響を及ぼすためにロビー活動しているグループへの新たな基金の設置で協力しています」とアムステルダム大学でデータ権を研究しているJill Toh(ジル・トー)氏は判決後にTechCrunchに語った。

「Uberはカリフォルニア州でのProp 22キャンペーンで巧みに法律を修正し、欧州では他の企業とともに同じことをしようと企てています。プラットフォーム労働者規則に関係する2つの協議で委員会はテック企業とだけ話していて、労働組合や他のプラットフォーム労働の代表者と会合を持っていません」。

「こうしたことは非常に問題があり、ECの協議がプラットフォーム労働について方向を示す結果になれば特に懸念されるものです。全体としては、勝訴は労働者にとって重要ですが、欧州委員会に及ぼす企業パワーや影響力、こうした判決への公的執行の欠如の問題は残っています」とトー氏は付け加えた。

【更新】欧州委員会の広報担当はTechCrunchに対し、デジタル労働プラットフォームを通じて働いている人のための労働条件をどのように改善するかについての第2ステージの協議はまだ継続中(9月15日まで)だと述べた。

「協議の結果次第で委員会は2021年末までに提案を進める意向です」と広報担当は付け加えた。

「協議第2ステージの目的は、欧州でのデジタル労働プラットフォームの持続可能な成長をサポートしつつ、プラットフォームを通じて働いている人々がどのようにしてまともな労働条件を確保するか、ソーシャルパートナーの意見を集めることです。こうした意味で、ソーシャルパートナーは、雇用ステータス分類の促進や、労働と社会保護の権利へのアクセスといった分野で、EUレベルのイニシアチブとなる可能性のある内容について意見を求められます」。

広報担当者はまた、欧州委員会が加盟国での動きを注視しており、加盟国の分析作業を考慮している、とも付け加えた。画像クレジット:JOSH EDELSON/AFP / Getty Images

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Nariko Mizoguchi

NASAが「空飛ぶタクシー」目指すJoby製eVTOLの飛行試験、新たな空の交通基準策定に向け性能・騒音など情報収集

NASAが「空飛ぶタクシー」目指すJoby製eVTOLの飛行試験開始、新たな空の交通基準策定に向け性能・騒音など情報収集

Bradley Wentzel / Joby Aviation

NASAがJoby Aviation(ジョビー・アビエーション)が開発する電動垂直離着陸機(eVTOL)の飛行試験を開始しました。この試験は8月30日から9月10日にかけて行われこの試験機が安全に安定した飛行を行うかを確認し、各種データを収集します。

Jobyは2009年創業のeVTOL企業で、NASAのAdvanced Air Mobility(AAM) と称するキャンペーンに参加する企業のひとつ。AAMキャンペーンは都市近郊や地方の地域環境における新たな旅客および貨物輸送の市場を開拓することをことを目的とし、農村部または都市部での半径約50マイル(約80.5km)のローカル輸送、または最大数百マイルの地域内輸送をそのミッションに含みます。

NASAがeVTOL機の試験を行うのは今回が初めて。この試験飛行では、機体の性能や騒音に関するデータを収集、シミュレーションを通じて現在の航空規制および政策とのギャップを特定し、将来の空域利用のコンセプトを形成することを目標とします。わかりやすくいえば、ヘリコプターやその他の化石燃料を利用する輸送手段に比べてどの程度優れているかを計ろうということです。

NASA AAMキャンペーンの指揮をとるDavis Hackenberg氏は「キャンペーンの開発テストは、AAM産業のタイムラインを加速させるというNASAの目標において、重要な戦略的ステップ」だとし「テストシナリオは、現在の標準のギャップを知るために役立ち、いつかAAM機を空域利用に統合して業界に進歩と利益をもたらす」と述べています。

なお、NASAはJoby以外のeVTOL企業とも同様のテストを実施することを計画しています。またNASAはこのキャンペーンで得た情報をもって連邦航空局(FAA)に助言を提供することを考えています。

ちなみおにNASAは以前Uberが行っていたエアタクシー事業計画についてデータ共有契約を締結していました。しかしUberは収益改善のためこの計画を手放すことになり、2020年12月にJobyへとこの事業を売却しました。

Jobyやその他のeVTOL企業は、最終的にFAA認定を取得し、商業運航を目指していますが、それには様々な法規制や安全性、信頼性の面で越えなければならない問題がまだたくさんあり、早くても数年の時間がかかると見積もられています。Jobyは、2024年にエアタクシーサービスが開始できることを望んでいます。それが実現できるかはまだわかりませんが、今回のAAMキャンペーンによる試験飛行は、今後に向けた重要な一歩になるかもしれません。

(Source:NASAEngadget日本版より転載)

マサチューセッツ州司法長官がUber、Lyftらが支持するギグワーカー法案にゴーサイン

マサチューセッツ州のMaura Healey(マウラ・ヒーリー)司法長官は、Uber(ウーバー)、Lyft(リフト)らが率いるアプリ利用サービス提供者の連合が、ドライバーを従業員ではなく個人事業主として分類する投票法案を提出するために必要な署名活動を開始することを了承した。

マサチューセッツ州版Proposition 22ともいうべき法案の支持者らは、2022年11月の投票に法案を提出するために万単位の署名を集める必要がある。ヒーリー氏は2020年、ドライバーは個人事業主であり、病気休暇や時間外手当、最低賃金などの対象にならないとするUberとLyftの主張に異を唱える訴訟を提起したにもかかわらず、米国時間9月1日、司法長官として同法案が憲法の要求を満たしていることを認定した。

このニュースの2週間ほど前、最高裁判所は2020年に採択されたカリフォルニア州のProposion 22を違憲とする裁定を下した。労働組合が支持しているCoalition to Protect Workers’ Rights(労働者の権利保護連盟)は、同じ理由で同法案に反対する訴訟を検討しているとReuters(ロイター)に伝えた。

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Uber、Lyft,DoorDash(ドアダッシュ)、Instacart(インスタカート)らが所属する団体、Massachusetts Coalition for Independent Work(マサチューセッツ州独立労働連合)は、2021年8月この住民投票を申請した。Uber CEOのDara Khosrowshahi(ダラ・コスロシャヒ)氏はこれを「正しい行動」であると主張している。この提案では、2023年にドライバーの最低時給を18ドル(チップを含まない)とし、週15時間以上働いた人には健康保険を提供する。さらにドライバーは車両の維持と燃料のために1マイル当たり26セント(約29円)以上の経費が保証される。

連合は12月1日までに有権者から8万239名分の署名を集める必要がある。期日に間に合わなかった場合は、2022年7月6日までにさらに1万3374名の署名を集めることができる。

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画像クレジット:Al Seib / Los Angeles Times / Getty Images

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nob Takahashi / facebook