ついに高性能パソコンそのものがクラウドから提供、仮想化コンピューティングを大衆化したPaperspace

【抄訳】

これからは、パソコンをアップグレードしてスピードもストレージも増やしたいとき、それを高価な新しいハードウェアを買わずにできる。Y Combinatorから巣立ったPaperspaceが、一台の完全なパーソナルコンピュータをクラウド上に作ってくれる。ユーザはそれに、Webブラウザからアクセスする。それはある意味では、VMWareやCitrix、Amazon Workspacesなどエンタプライズ向けのソリューションにも似ているが、Paperspaceがねらうのは一般消費者や、在宅の仕事人だ。

ローカル機(自機)はWebがふつうに閲覧できる程度のものでよいが、クラウド上の高性能リモートパーソナルコンピュータには、同社の専用通信デバイス(上図左下)を自機に接続してアクセスする。

この専用デバイスは文鎮に似ているので Paperweightと呼ばれ、Paperspaceのサーバ上にあるユーザのリモートマシンと対話する。そのリモートマシンは、必要とするコンピューティングパワーに応じて”basic”または”pro”を選ぶ。このデバイスは中に小さなマイクロプロセッサがあるだけで、計算処理はすべてクラウド上で行われるから、“ゼロクライアント”であると見なされる。

Amazon Web Services(AWS)などを初めとして、今日ではクラウド上のコンピューティングパワーを利用するソリューションはたくさんある。でもそれらのサービスはすべて、プロフェッショナルの技術者向けだ。しかしPaperspaceは、同じくリモートのクラウドコンピュータにアクセスするサービスでありながら、一般消費者が画面上のボタンなどをクリックするだけで簡単に使えるようになっている。しかもそのリモートマシンは、机上の自機よりずっと強力な高性能機なのだ。

協同ファウンダのDillon Thompson ErbとDan Kobranによると、彼らがPaperspaceを発想したのはミシガン大学在学中に、建築業界向けの技術的なアプリケーションを作ったときだ。

建築関連のシミュレーションなどを動かすためには、高価なハイエンド機を買う必要があるが、それでもシミュレーションのアプリケーションを数日間ぶっ続けで動かさなければならない。“でも、科学計算の分野ではクラウドコンピューティングが利用され始めていることに、ぼくたちは気づいていた”、とErbは説明する。“そこで、“クラウドコンピューティングのパワーをコンピュータが苦手な建築士などが簡単に使えるためには、どうしたらいいか、と考えるようになった。クラウドコンピューティングは今でも、コンピュータの専門技術者でないと扱えない”。

彼自身もKobranも、二人ともコンピュータの技術者だから、今のソリューションでも十分に使える。ときどきコマンドラインからアプリケーションを動かすこともある。でも、それは一般の人びとには無理だ。

【中略】

Paperspaceは最初のうちAWSを使ってその仮想化機能などを実現していたが、今では自前のサーバの上でクラウドオーケストレーションソフトのXenやNvidia GRIDなどを使っている。サーバを置くスペースとしては、某コロケーションサービスを利用しているが、いずれ自前でデータセンターを持ちたい、と考えている。

VNCや、MicrosoftのリモートデスクトッププロトコルRDPなど従来のリモートアクセスと違ってPaperspaceは、WebsocketやWebGL、asm.jsなど最新のWeb技術をクライアントサイドで利用することによって、クライアント上で完全なHDのコンテンツを動かせる。

Netflixの映画をストリーミングできる程度のローカル機であれば、Paperspaceを十分に利用できる、という。

このサービスの利用料金は月額10ドルが下限だが、完全な料金体系はまだ決まっていない。今はWindows 7と8、およびUbuntuに対応しているが、Mac OS Xなどそのほかのオペレーティングシステムも近くサポートする予定だ。いずれ料金体系が確定して、リモートマシンをより“高性能機”にアップグレードしたいとき、ユーザがすることは何もない。設定も構成もそのまま完全に引き継がれるから、すぐに使い始められる。そこが、Paperspace、クラウド上にある高性能パーソナルコンピュータの、大きなアドバンテージの一つだ。

Paperweightデバイスは当分のあいだ予約価格50ドルで売られるが、本誌の読者250名には5ドルの割引がある。コードTECHCRUNCHを入力すること。デバイスの発売は、今年の後半を予定している。

Paperspaceは現在、Y Combinatorからの支援を除いては自己資本のみ。7名のチームが各地に分散している。

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GoogleがDockerのプライベートなリポジトリとしてGoogle Container Registryを提供開始

Googleの今日(米国時間1/23)の発表によると、同社のCloud PlatformのためにGoogle Container Registryをベータでローンチした。このサービスによりデベロッパは自分たちのDockerコンテナのプライベートなリポジトリをホストし共有し管理できる。

Dockerにはデフォルトでパブリックなイメージレジストリがあり、デベロッパはそれらのイメージから、ベーシックで簡素なUbuntuマシンや、すでにWordPress、mongoDB、Hadoopなどさまざまなサービスがセットアップされているサーバなど、何でも素早くインストールできる。しかし企業の多くは、自分のコンテナをパブリックなレポジトリへパブリッシュすることに関心がなく、自分でプライベートなリポジトリを設けるか、クラウドサービスのQuay.ioなどを利用したりする。そこで今回のGoogle Container Registryは、Googleのクラウドコンピューティングプラットホームを使っている企業のためにプライベートリポジトリの場を提供するものだ。

それはGoogleのCloud Platformのプロジェクトだから、例によってベータのときには無料ですべてのデベロッパが利用できる。

Googleは、次のようなアドバンテージを挙げている:

  • アクセス制御(セキュリティ): このレジストリサービスは、ユーザのプライベートイメージを、ユーザのGoogle Cloud Platformプロジェクトの一環であるGoogle Cloud Storageからホストする。したがってデフォルトでは、そのプロジェクトのメンバーだけがそのプライベートイメージにアクセスできる。それは、Google Cloud SDKのコマンドラインからセキュアにイメージをプッシュしプルすることになる。そしてコンテナのホストVMは、特段の努力不要で、セキュアなイメージにアクセスできる。
  • サーバサイド暗号化: ユーザのプライベートイメージは自動的に暗号化されてからディスクに書き込まれる。
  • 高速で信頼性の高い展開: ユーザのプライベートイメージはGoogleのCloud Storageに保存され、弊社のデータセンターでキャッシュされて、Google Container EngineのクラスタやGoogle Compute Engineのコンテナ向けに最適化されたVMsへ、Google Cloud PlatformのAndromedaベースのネットワークファブリックにより展開されていく。

Googleは早くからDockerに賭けている。もともとGoogleは、自分のインフラの中核としてつねにコンテナを使ってきたからだ。同社はまたKubernetesのようなオープンソースのプロジェクトに重点投資し、昨年11月にはコンテナ専用のContainer Engineサービスをローンチした。

その昨年11月には、AmazonがEC2のContainer Serviceをローンチした。しかしAmazon自身は今のところレジストリサービスを提供していない。ユーザは、サードパーティのDockerレジストリを、どこのものでも利用できる。

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痩身・軽量・快速の”Snappy” UbuntuがGoogleのCompute Engineでも使える

一週間前にCanonicalは、コンテナファーム向けに最適化された”Snappyな”(軽量快速な)Ubuntu Coreの最初のアルファバージョンをリリースした。そして意外にも、SnappyのローンチパートナーはMicrosoftのクラウドコンピューティングプラットホームAzureだった。しかし今日からは、このバージョンのUbuntuをGoogleのCompute Engineでも利用できる。

Googleはこれまでも、そのクラウドコンピューティング事業の中でコンテナのサポートをとりわけ重視してきた。そのサポートぶりは、競合他社に比べても抜きん出ていたから、今日の発表もそれほど意外ではない。

SnappyとUbuntu Coreの基本的な考え方は、デベロッパに必要最小限のライブラリだけを備えた最小限のサーバイメージへのアクセスを提供し、そこへデベロッパがアプリケーションをインストールする、というものだ。それは、必要あるもの・ないものすべて完備したフル装備のOSイメージの対極にあるものだ。アプリケーションはそれ用に独自にサンドボックス化された”AppArmor“環境で動くため、セキュリティが強固だ。元々AppArmorは、Canonicalがモバイル用に作ったシステムである。Snappyのそのほかの目立つ特長としては、トランザクションアップデート(transactional updates)がある。一気にだぁっとアップデートしてしまうのではなく、節目のあるオンラインのトランザクションをしながらアップデートするので、Ubuntu本体やアプリケーションの、アップデート失敗後のロールバックが安全確実に行われる。

CanonicalのそのほかのLinuxディストリビューションとSnappyとの違いについて、詳しく知りたい方は、この記事を読んでみよう。

Canonicalのクラウドエンジニアリング担当VP Robbie Williamsonは、今日の発表声明の中でこう述べている: “Ubuntu Coreはもっとも痩身でもっとも効率的なUbuntuであり、とりわけ、Dockerなどのコンテナを重用しているクラウドの展開に向いている。そのUbuntu Coreの、さらに軽量快速な(snappyな)パッケージを、Google Cloud Platformにご提供できることは、まことに喜ばしい。このクラウドプラットホームは、高いパフォーマンスと、コンテナ技術の重視で、一般的に評価も高いからである”。

Ubuntuによると、今月内にSnappyを“もうひとつのメジャーなパブリッククラウドに導入する”そうだ。たぶんそれはAmazon Web Servicesだろう。

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Amazonがこれまでで最速のEC2インスタンスをローンチ、IntelがAmazon専用に作ったプロセッサを使用

Amazonが今日、計算処理速度がこれまでで最速のEC2インスタンスを発表した。そのc4と呼ばれるインスタンスは2.9GHzのHaswellプロセッサを使用し(Turboブーストで最大3.5GHz)、最大36の仮想CPUと最大60GBのRAMをサポートする。

IntelはHaswellプロセッサをAmazon専用として作った。そのためEC2に関するAmazonの要求を完全に満たすように、チューニングされている。さらにまた最大のc4インスタンスでは、デベロッパがプロセッサのパフォーマンスとパワーマネージメントP-stateとC-stateの制御により微調整できる。

Amazonは、この高速プロセッサがSSDによるElastic Block Storage(EBS)によく合っている、と特記している。EBSも今日、ややアップデートされ、たとえば最大データ容量16TBまでの汎用ボリュームを作れることになった(最大ベースラインIOPSが1万)。これまでの最大は1TBで3000IOPSだった。もっとIOPSを必要とするアプリケーションのためにAmazonは、スループットレベルをユーザが指定できるプロビジョンドIOPSでは最大2万までを提供する(従来は4000IOPS)。これによりデータ伝送レートは最大で汎用ボリュームでは160MBps、プロビジョンドIOPSでは320MBpsとなる。

 

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クラスタ管理を抽象化して簡易にするMesosphereがGoogleのクラウドプラットホームにも対応、DockerツールKubernetesを統合

GoogleとMesosphereが今日(米国時間8/18)、両社のパートナーシップにより、GoogleのCompute EngineプラットホームにMesosクラスタのサポートを導入する、と発表したMesosプロジェクトとMesosphereはまだよく見かける名前ではないが、アプリケーションのスケーリング(ニーズに応じての規模拡大)で余計な苦労をしたくないと考える企業にとって、このところ急速に、重要なツールになりつつある。それらのアプリケーションの所在は、完全に自社のみのデータセンターの場合もあれば、パブリックなクラウドサービスの場合、あるいはパブリック/プライベートのハイブリッドの場合など、さまざまである。〔*: Mesosphere関連日本語訳記事(1)(2)。Mesosの’os’はOS(オペレーティングシステム)の意味…クラスタ群を一台のコンピュータへと抽象化する。〕

今度の提携によりGoogleのCloud Platformのユーザは、MesosphereのクラスタをGoogleのサーバ上に10分足らずでセットアップできるようになる。その基本的なインストールには二つの形があり、デベロッパはそのどちらかを選ぶ: 1)4インスタンスの開発用クラスタでアプリケーションのプロトタイピング用に8つの仮想CPUと30GBのメモリを提供、2)プロダクション用インストールで18インスタンス36仮想CPUメモリ136GB。この二つのオプションで不満な場合は独自のカスタムクラスタを作れる。

これらのクラスタにはデフォルトでMesosカーネル、Zookeeper、Marathon、およびOpenVPNが含まれる。クラスタの使用を開始するとMesosphereは、クラスタを管理するためのWeb上のわかりやすいダッシュボードを管理者に提供し、それにはGoogleのダッシュボードからアクセスできる。

MesosphereのCEO Florian Leibertによると、Mesosphereの中心的なねらいは、デベロッパがデータセンターをつねに一台のコンピュータのように扱えることだ。そのためにMesosなどのソフトウェアパッケージがDevOpsの主な仕事のほとんどを抽象化する。Leibertは以前TwitterやAirbnbの社員で今やそのTwitterもAirbnbもMesosのユーザだが、両社にオープンソースプロジェクトMesosを紹介したのはLeibert自身だ。

ユーザのハードウェアは実際には複数のハードウェアや仮想マシンやクラウドのインスタンスなどから成るが、Mesosphereという一枚の層がその上にかぶさるとアプリケーションは、多くのCPUやメモリをかかえた単一のリソースプールを使っている、という外見になる。デフォルトではMesosphereのサービスは、ユーザが使っているオペレーティングシステムやクラウドが何であるかを、まったく関知しない(どうでもよい)。ただし今回のGoogleとの提携にあたっては、Googleのクラウドに対しての最適化を図った。Mesosphereの詳細なドキュメンテーションは、ここにある。

Googleとのパートナーシップの中には、Dockerのコンテナを管理するGoogleのオープンソースのサービスKubernetesをMesopshereに統合することも含まれる。同社によるとこれによって、Dockerのワークロードの展開管理がより容易になる。ただしMesopshereのKubernetes統合は、対象がGoogleのCloud Platformに限定されない。Leibertは今日の発表声明の中で、“われわれが織り上げたコンピューティングの織物は、GoogleのCloud Platformだけでなく、そのほか、ユーザ自身のデータセンターやそのほかのクラウドプロバイダでも使用できる”、と言っている。〔Kubernetes関連日本語訳記事(1)(2)。〕

GoogleでKubernetesなどの次世代クラウドコンピューティングプロダクトを担当しているリードプロダクトマネージャCraig McLuckieによると、GoogleがKubernetesでやりたいことは、Googleが自社のデータセンターを管理するために開発してきた重要なコンセプトの多くを、同社の外部でも利用できるようにすることだ。彼は今回のMesosphereとGoogleの協働関係を、“きわめて相補的である”*と呼び、それら重要コンセプトの一部はMesosにも持ち込まれるだろう、と考えている。〔*: complementary, お互いの足りないところに互いにピッタリとはまり込んで補う、完璧な結婚。〕

MesosphereのシニアVP Matt Trifiro(元HerokuのCMO)によると、KubernetesやMesosのようなプロジェクトは、これらの技術の背後にある非常に高尚な思想を、万人が共有するものにする。現状では、“Webをスケールしなければならないというニーズを抱える企業にとって、ツールが十分にアクセス可能でなかった”。しかし今では、GoogleやMesosの高度なコンセプトとツールを企業も利用できるようになり、デベロッパやDevOps たちは一段高い抽象性のレベルで仕事ができるようになり、アプリケーションを動かしているインフラの具体的な細部を、直接いじらなくてもよくなっている。

Leibertは今日、こう書いている: “Googleと協働することによってGoogleのCloud Platformを、従来からのMesosphereのワークロード、たとえばMarathonChronosHadoopSpark、そして新たにKubernetesなどを使用するための最良の場所にしていきたい”。

この協働プロジェクトでは両社の関係がきわめて密だから、いずれGoogleがMesosphereを買収することもありえるかもしれない。現状ではそれは、あくまでも憶測だが、でも実際にそうなったら、その起源がこれだったことを、思い出そう。

 

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GoogleのApp EngineもDockerをサポート、オープンソースのコンテナ管理ツールを提供

Dockerは今や明らかにデベロッパコミュニティの大スターであり、Googleも当然、真剣に対応している。 今年はCompute EngineにDockerの基本的なサポートを加えたが、さらに今日(米国時間6/10)は、App EngineもDockerに対応する、と発表した。そしてそのためには、最近ローンチしたユーザ管理型仮想マシン(Managed VMs)を活用する。

またデベロッパによるDockerの利用を支援するために、Googleは今日、コンテナ管理ツールKubernetesをローンチする。さらにGoogleがDockerのコミュニティに本格的に参加するために、同社のインフラ担当VP Eric BrewerをDocker Governance Committeeにノミネートし、 “コミュニティと協力してコンテナのさらに良いオープンスタンダード構築に貢献していきたい”、との意思表示をした。

コンテナはGoogleにとって新しいものではない。同社はこれまで長年にわたって、大規模なデータセンターを管理するために内製のコンテナを使ってきた。今や同社は毎週、同社のデータセンター全体で20億あまりのコンテナをローンチしている。

GoogleのクラウドサービスプロダクトにおけるDockerの導入を推進してきた、プロダクトマネージャのCraig McLuckieは、Dockerのサポートは同社にとって当然なことだ、と言う。従来型のホスティングでは、新しいボックスを加えることが毎回、大仕事だった。しかし最近のアプリケーションは多くの小さなサービスの集合体であることが多いので、コンテナがうってつけの世界だ。だからMcLuckieは、“コンテナはうちにものすごく大量の価値をもたらす”、と言う。“多くのデベロッパにとってDockerは、大きな便宜を提供してくれるのだ”。

デベロッパがDockerをApp Engineで使うと、既存のDockerイメージの大きなライブラリにアクセスでき、またGoogleのストレージサービスを利用して自分のものを持ち込むこともできる。DockerイメージはManaged VMsに展開でき、するとデベロッパはGoogleのPaaSにない各種のサービスをApp Engineで動かせるので、多大な柔軟性 (自由度)が得られる。

またデベロッパが自分のApp Engineアプリケーションをパッケージして、それらからDockerイメージを作る作業を、ものすごく楽にしていきたい、と McLuckieは言っている。

App EngineにおけるDockerのサポートはまだベータだが、デベロッパはここでユーザ登録をして利用できる。

Dockerを使う場合、コンテナの管理やスケジューリングはユーザの責任だが、今ではそれらを支援するKubernetesのようなサードパーティツールがいろいろある。Kubernetesはギリシア語で“船の操舵手”という意味で、マシンの“艦隊”へのコンテナの展開を助けるオープンソースのコンテナマネージャだ。マシンを互いに連携させる機能のほかに、健康管理やレプリケーションの機能もある。なお、このコンテナマネージャはGoogleのサービスに縛られることなく、いろんなプラットホーム上のコンテナを一元管理できる。

Google自身はコンテナシステムとしてOmegaを使っており、Kubernetesも同社のデータセンターの運用にために作ったツールだが、今回はそれをDocker用にまったく新たに書き起こした。Googleが社内で使っているものよりもずっと、デベロッパフレンドリになっているそうだ。スタートアップ企業には、GoogleにあるようなDevOpsのチームがない場合が多いから、その点にも配慮している。

McLuckieによると、Kubernetesには多数のデベロッパが使えるという利点があり、ということは管理するコンテナ群が広範なデベロッパ集合にまたがっていてもよい、という意味だ。そのコードは、GitHubで入手できる。

関連記事(日本語訳)〕

 

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AmazonがEC2の報告ツールをローンチ…使用状況, 料金などを視覚化

Amazon Web Servicesのユーザは今日から、クラウドコンピューティングプラットホームEC2の報告ツールを使える。EC2の通常インスタンスや予約インスタンスが今どのように使われているのか、料金はどれぐらいになっているか、などが、簡単に分かる。

Amazonはこれまで、そのクラウドコンピューティングプラットホームのパワーを、New Relicみたいに美麗なグラフや使用状況リポートの背後に隠すことを、あまりしてこなかった。しかし最近では、徐々にユーザの要望に応えるようになってきた。今月初めにはBilling Console(課金情報コンソール)をローンチして、ユーザが利用しているAmazonのサービス全域にわたるクラウドコンピューティングの費用を、ユーザ専用のダッシュボード上で、AWSらしくないきれいなグラフなどで見せるようにした。

今日のアップデートは、サービス全域ではなくEC2だけが対象だ。Amazonによると、今度ローンチした使用状況報告機能は、“インスタンスの使われ方や利用パターンに関する情報をユーザに提示して、EC2の使い方の最適化を図っていただく”、というものだ。

この新たなツールで使用状況が分かるのは、EC2の通常のインスタンス(レギュラーインスタンス)と予約インスタンス(リザーブドインスタンス)の両方だ。報告内容は、タイムフレームや可利用性ゾーン、インスタンスタイプ、購入オプション、タグ、プラットホームなどで分類できる。予約インスタンスに関しては、使用状況と累積料金、オンデマンドのインスタンスを使った場合との費用比較、などが表示される。

費用(料金)や使用状況に関する現状データをユーザに親切に見せる、という点では、最近のAWSはCloudabilityや、RightScaleのCloud Analyticsなどに近くなった。これらの専門ツールは、AWSだけでなく利用しているすべてのクラウドについて現状を見せてくれるが、とにかくAWSがこういう報告ツールを提供して、ユーザの声に耳を傾けるようになったのは、とても良いことだ。

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Dell、HDMI端子付テレビにつながる129ドルのAndroidスティックを発売

Dellの自社ラインアップにAndroidを導入する挑戦は続いている。この新しい129ドルのデバイスは、GoogleのモバイルOSをHDMI入力付のテレビやモニターに持ち込む。Dell Wyse Cloud Connectは、Android Jelly Beanを塔載し、MHL(モバイル・ハイデフィニション・リンク)接続をサポートしている他、Bluetoothおよびmini USB経由でマウス、キーボード等も接続できる。

内蔵Bluetoothに加え、Dell Wyse Cloud Connectは、802.11n デュアルバンドWi-FiとGoogle Playストアを標準塔載している。これはエンタープライズおよびビジネスをターゲットにした商品だが、標準でインストールされているDellのWyse PocketCloudトソフトウェアによって、リモートコンピューターのバーチャル端末としても使える。

これは、事実上、長らく待望されてきた持ち歩き自由で自宅のファイルやソフトウェアやコミュニケーションも利用できるシン・クライアントPCだ。もちろん、出張者がエンターテイメントに利用できないという意味ではない。フルHDの出力を備えNetflixのAndroidアプリも容易に走るはずだからだ。

その「マルチコア」のCortest-A9 ARM SoCは、世界一強力なモバイルプロセッサーではないかもしれないが、Dellは、そのHDおよび3Dグラフィック能力を、特にスペックシートで謳っている。8GBのストレージ、RAM 1GBを内蔵し、micro SDスロットを使えば72GBの追加ストレージを得られる。

あくまでも表面的な印象からだが、出張の多いビジネスマンのつらい旅先には断然おすすめする。果たしDellがこの方向に進んでOuyaやGamestickなどの市場に参入し、ビジネス色に塗りかえることができるのかどうか、今後が楽しみだ。

妙な気分だが、過去少なくとも5年間で初めて、私はDellコンピューターを欲しいと思っている。信じられない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


GoogleのCompute Engineが一般公開へ: インスタンス料金下げ, 16コアインスタンス登場, Dockerをサポート

Googleが今日(米国時間12/2)、2012年の夏にローンチしたクラウドコンピューティングプラットホームGoogle Compute Engineの一般公開を発表した。今日の一般公開とあわせて、1)新しいオペレーティングシステムのサポートと、2)標準インスタンスの10%値下げ、3)大量の計算力を必要とするアプリケーションのための16コアインスタンス、そして4)新しいロゴも発表された。

Googleには、検索エンジンをはじめとする各種自社サービスを動かすための巨大なインフラがあり、Compute Engineはその力を外部にも利用させるためのクラウドプラットホームである。これには同社の24/7のサポートが提供され、そのSLAでは99.95%のアップタイムが約束されている。

標準インスタンスの10%値下げに加えて、パーシステントディスクストレージの料金は60%値下げされ、それらのI/O課金も“あなたのブロックストレージデバイスが予定の範囲内の低料金に収まるように”値下げされる。同社の最大のパーシステントディスクボリュームは、そのI/Oの能力がこれまでの700%に向上した。

これまでCompute Engineは、DebianCentOSを、Googleが独自にカスタマイズしビルドしたカーネルによりサポートしていたが、今日からデベロッパは、SELinuxCoreOSをはじめ、任意のLinuxディストリビューションを使える。CoreOSはY Combinator出身のスタートアップが作った、Googleのクラウドインフラストラクチャの構造や振る舞いを真似るOSである。そのほか、SUSE、FreeBSD、Red Hat Enterprise Linuxなどの公式サポートも発表されている(Red Hat ELのサポートの現状は制限つきプレビューの段階だ)。

今回のアップデートの一貫として、好評な仮想アプリケーションコンテナDockerのサポートが提供される〔関連記事〕。Dockerがあると、デベロッパはアプリケーションのビルドやテストを自分のラップトップで行って、本格展開のためにはこのコンテナをサーバに載せるだけでよい。Dockerは先月より、オープンソースのプロジェクトとして提供されている。

Dockerは、CoreOSとの相性も良い。これは、Cloudkickを作ってその後Rackspaceに売ったAlex Polviが始めたプロジェクトで、CoreOSはDockerと一体的にパッケージされているから、アプリケーションをいろんなサービス間で移動するのも簡単だ。クラウドサービスを利用するデベロッパも、単一のベンダにロックインされずにすむのである。

Compute Engineが提供する最大のインスタンスタイプは、これまで8コアだったが、これからは三種類の16コアインスタンスタイプが提供される。Googleは、“大規模高密度LSIのシミュレーションや、大規模なNoSQLデータベースの運用などに利用していただきたい”、と言っている。

インスタンスタイプの多様性ではまだAmazonにはかなわないが、今日のローンチにより最大コアタイプでは並んだことになるので、そのほかの条件次第ではAmazonのEC2プラットホームからの移行も期待できるかもしれない。ただし、グラフィクス集約的なアプリケーションのためにAmazonがごく最近導入したGPUインスタンスは、まだGoogle Compute Engineにはない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


苦闘するIBM―もはやクラウドのキングではない

先週発表された第3四半期の決算報告によれば、IBMはレガシー・ハードウェア事業の不振とクラウド・サービス戦略の迷走に苦しめられているようだ。

ハードウェア事業の売上は17%ダウンし、売上は10億ドル減少した。2013年に入ってから9ヶ月の売上は721億ドルと2012年同期の752億ドルから4%のダウンだ。ソフトウェア事業も絶好調とはいえない。今期、ソフトウェア事業の売上高は1%アップしただけだった。株価も2年ぶりの安値を付けた。

ハードウェアを売りながら同時にクラウド・コンピューティング事業を続けようとするところにIBMの抱える問題がある。この戦略を取る限り、IBMはオンデマンドでセルフサービスのソリューションを提供することはできない。Amazon Web Servces (AWS)はハードウェアを売らないことによって成功を収めている。もちろんオンプレミスのインフラにはまだ莫大な需要があり、IBM、Cisco、Dell、HPその他の企業を潤している。

IBMはこの5年ほど、大企業向けに「プライベート・クラウド」を提唱してきた。このシステムにはオンプレミスで垂直統合タイプのソフトウェアが搭載される。こうしたプライベート・クラウドはマルチテナントで経済性、柔軟性が高く、クラウドサービスのあらゆる利点を享受できるというのがセールストークだ。しかし実態はというと、ユーザーはこのシステムを購入し、データセンターにインストールし、IT部門がメンテナンスしなければならない。要するに今までの社内データセンターを模様替えするに過ぎない。

Charles FitzgeraldのIBM評が的確な描写だ。

IBMの根本的な問題は、ディスラプト〔現状を破壊〕するテクノロジーではなく、ディスラプトされたテクノロジーばかり提供しているところにある。IBMへの依存は致命的な危険を招きかねない。

分散インフラストラクチャーの場合、ユーザーは自前で、多くの場合IT部門の助けなしでクラウド・コンピューティング上でビジネス・システムを稼働させることができる。しかしIBMのテクノロジーでそういうことができそうには思えない。ユーザーは自分でマシンを購入するか、どこかのホスティング・サービスと契約する必要がある。それからIBMからソフトウェアを購入しなければならない。そして運用のためにIT部門が必要だ。

一部の超巨大企業を除いて、クラウドサービスの方が安くつくのは明白だ。ユーザーは毎月従量制の料金を支払うだけでよい。インフラへの投資はクラウドサービスのプロバイダが負担する。この方式は以前から存在するが、価格の低下は破壊的なペースだ。スタートアップやデベロッパーはAWSのようなサービスをベースに次々に新たなサービスを生み出している。それに反してIBMが惹きつけているのはデベロッパーではなく企業内IT部門だ。

ただしIBMはある分野では依然としてリーダーだ。 調査会社のIDCによれば、IBMはクラウド・ソリューションの専門的インテグレーション・サービスとしてはナンバーワンだという(下図)。

IBMのある広報担当者は「この分野ではAWSはIDCのランキングに入ってさえいません!」と勢いこんでメールしてきた。それはそのとおりだが、AWSはインテグレーション・サービスのリストに入らないように全力を尽くしてきたからだ。そもそもオンデマンドのセルフサービスをモットーとするのだから当然のことだ。AWSはシステム・インテグレーションはユーザー自身、あるいはユーザーのコンサルタントに任せている。

IDCの図とは対照的に、Gartnerの図ではAWSが突出した市場リーダーであり、IBMはその対極にいる。

もっとも来年はIBMの位置は上の図より改善されているだろう。この夏、SoftLayerを20億ドルで買収したからだ。SoftLayerはIBM Smart Cloudに統合されるはずだ。第3四半期にIBMはクラウドサービスで4億6000万ドルの売上を記録している。このうちSoftLayeの分がどれほどになるかは分からないが、.現在すでに相当の寄与をしていると思われる。

IBMは来年もSoftLayerに独自に事業を実施させる方針だというが、451 Researchの調査ディレクター、 Michael Cotéは「これは賢明だ」としている。SoftLayerはHadoopやVMwareのみを作動させるサーバーなどを提供しており、人気がある。しかし問題はIBM自身が新しい、長期的に有効なクラウドサービス戦略を立てられるかどうかだ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


NSAのスパイ疑惑は、米国クラウドビジネスの信用を失墜させる。EC副委員長が警告

NSAのスパイ疑惑は、アメリカのクラウドコンピューティング・ビジネスを支える信用を失墜させる、とNielie Kroes欧州委員会副委員長が今日(米国時間7/4)のスピーチで警告した。さらにKroesは、クラウドビジネスへの波及効果を避けるために、ヨーロッパに住み事業を展開している個人や企業のデータへの監視とアクセスの範囲と実態を「明瞭かつ透明」にするよう再度アメリカに要求した。

ヨーロッパ人の信用を失うことは、アメリカのクラウド事業に「数十億ユーロ規模」の影響を与えるだろう、と彼女は付け加えた。

Koresが話したのはエストニアで行われた記者会見中で、クラウド購買のEU共通仕様合意のために開かれた欧州クラウドパートナーシップ運営委員会の後に行われた。

スピーチの一部を下に引用した。この中で彼女は、クラウドコンピューティング・ビジネスは広範囲に影響を与える米国政府監視プログラムの中でも特にリスクが大きく、それはこのビジネスが顧客の〈預けているデータが安全に保管されているという〉信用の上に成り立っているからだと語った。

Kroesは次のように語った。

もし企業や政府が自分はスパイにあっていると考えるなら、彼らがクラウドを信用する理由は減り、その結果機会を逃がすのはクラウド事業者である。

もし、データが自分の意志に反して共有されていることを疑いあるいは知っているなら、誰が企業秘密や他の重要データを金を払って他人に預けるたろうか。表玄関であれ裏口からであれ、賢明な人間はそもそも情報が公開されることなど望まない。顧客は合理的に行動するので、事業者は膨大な機会を失うことになるだろう。

ここで機会を失うのは主としてアメリカの事業者だ。なぜなら主として彼らがクラウドサービスのリーダーだからだ。ここから最近の疑惑に関する新たな関心事が想起される。具体的には、米国政府によるヨーロッパのパートナー、同盟国の監視に関わる疑惑だ。

もしヨーロッパのクラウド利用者が米国政府やその保証を信じられなければ、米国クラウド事業者を信じることもないだろう。それが私の予測だ。そしてもし私が正しければ、米国企業への影響は数十億ドル規模になる。

もし私が米国のクラウド事業者なら、たった今自国政府に対して強く不満を感じているだろう。私には何の思惑もない。私は、開かれた市場、自由の価値、そして新しいデジタル革新の機会に全力を注いでいる。

彼女は、国家安全保障局(NSA)が行っているとされる大規模監視プログラムで、米国企業がデータ採取の手先として利用されていることを挙げ、プライバシーの保障能力は競争上の強みであり、クラウドを提供する米国以外のスタートアップや企業にとって心の糧になると示唆した。

「プライバシーに力を入れている企業は今すぐ名乗り出て実践すべきだ。それが賢い企業というものだ。2013年こそがその年だ。これには優れたプライバシー保護を提供するサービスへの関心を活用すべきヨーロッパ企業も含まれている。

Kroesは、「場合によって」権力が「オンラインに保管されているデータをある程度アクセスする」ことには正当性があるとを認め、子供の保護とテロリズムを「好例」として挙げた。ただしそのようなアクセスは「法律の透明な規則」に基づくべきであり、それは「規則の例外」であることを強調した。政府によるデジタルデータの定期的監視は、スパイ行為をルール化することで、これを根本から覆えそうとしている。そして、日々定期的にスパイを強要される米国企業を傷つける危険をはらんでいる。

「クラウドセキュリティーへの懸念は、市場のオープン化よりもセキュリティの保証を優先させるよう、欧州の為政者たちを容易に動かす ― そして影響は米国企業に及ぶ」と彼女は付け加えた。

「クラウドには大きな可能性がある。しかし可能性は不信な空気の中では意味を持たない。ヨーロッパのクラウド利用者とアメリカのクラウド事業者や為政者たちは慎重に考える必要がある」

しかし、Kroesの発言と同じ日に、フランスにも独自のPRISM風データ収集プログラムがあるというニュースが浮上した。一方英国は以前諜報機関GCHQを通じて同様の組織的データ収集に熱中していると指摘さている。このため、NSAに後押しされた米国企業への反発も、その恩恵を受けるヨーロッパのクラウド企業はKroesが言うほど多くはないかもしれない。

[画像提供:DJ-Dwayne via Flickr

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(翻訳:Nob Takahashi)


Windows Azureにもやっとオートスケール機能–‘エラスティック’になれるかな

Microsoftは今日(米国時間6/27)、同社のデベロッパカンファレンスBuildで、クラウドコンピューティングプラットホームAzureにオートスケーリングを導入する、と発表した。これは、Azure上のサーバの容量を、必要に応じて自動的にスケールする機能だ。ただしユーザはあらかじめ、サーバの最少数と最大数を決めておく。

この機能を有効にするには、Azureの管理コンソールで数か所クリックし、またサーバに関しては台数のほかに、各サーバのCPUの負荷を指定できる。すると、アプリケーションが大きなCPUパワーを必要とするようになったり、ストレージのキューがとても長くなった場合には、新たなサーバが立ち上がる。

オートスケーリングはアプリケーションの応答性を良くするだけでなく、費用節減効果もある。つまり、最初から多めのサーバ容量を契約しなくてもすむのだ。この機能を有効にすると、その場合のおおまかな節約額をAzureは教えてくれる。

このAutoscale for Windows Azure機能は目下プレビュー段階で、一定期間無料で利用できる。

ただし忘れてならないのは、Amazon Web ServicesのコンピューティングプラットホームEC2(エラスティックコンピュートクラウド)*には相当前からオートスケール機能があることだ。だからクラウドコンピューティングに遅れて参入したMicrosoftにとってこれは、追いつくための努力の一環である。〔* Amazon Elastic Compute Cloud…最後に’C'が“2つ”ある。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


日本のSDNスタートアップMidokuraがシリーズAで$17.3Mを調達;クラウド事業主体の増に備える

日本のMidokuraはオフィスがサンフランシスコと東京とローザンヌとバルセロナにある。同社は今日(米国時間4/1)、1730万ドルのシリーズA資金調達ラウンドを発表した。このラウンドの幹事会社は日本の産業革新機構、これにNTT GroupのDOCOMO Innovations, Inc.とNEC Groupの投資部門Innovative Ventures Fund Investmentが参加した。資金は陣容拡大により同社のネットワーク仮想化サービスMidoNetの将来的展開と拡張を準備することに充てられる。

Midokuraはそのサービスを、自分でクラウドを展開したいと考える企業、すなわちクラウドのユーザでなくクラウドの事業主体に提供する。それはモバイルネットワークの事業者やそのほかの大企業だ。同社は一般的によく使われているクラウドプラットホーム上で使える仮想化技術を提供し、クラウドコンピューティングの展開に伴う費用や要求を単純化する。MidoNetはIaaS(infrastructure-as-a-service)の一種であり、2012年の10月にベータで立ち上がったときから、大きな関心を集めてきた。

MidokuraのChief Strategy Officer、Ben Cherianの説明によると、“MidoNetは弊社のSDN(software-defined networking, ソフトウェアが定義するネットワーク)製品であり、クラウドを構築したいと考えている企業のためのソリューションだ。彼らはクラウドサービスのプロバイダであったり、ホスティングのプロバイダであったり、あるいは大きな企業であったりする。小さな会社でも、クラウドを構築したいと望むなら弊社の顧客でありえる。それを完全に自力でやろうとすると、スケーラビリティ、オートメーション、アイソレーションといった面倒な問題にぶつかるからだ。弊社のプロダクトであるMidoNetは、クラウドネットワーキングに伴うこれらの問題を解決する”。

今回は相当巨額な資金調達ラウンドであるが、Cherianによると、同社に今寄せられている関心を十分満たすだけのペースで成長するためには、それぐらいの額が必要である。協同ファウンダのTatsuya Katoは、今回の増資発表の一環としてCEOから取締役会の会長職となるが、以前は日本におけるAmazon Web Services的なサービスの構築に、同じく協同ファウンダで元CTO/新CEOのDan Mihai Dumitriuと共に取り組んだ。彼はその際に、サービスの設計構築以前にまず最初に解決すべき大きな問題があることに気づき、それがMidokuraの創業につながった。今チームは、その目標を達成するために迅速に成長したいと考えている。

“資金の大半は製品開発と技術者の増員に充てられる”、とCherianは述べる。“目標は、技術面でもっと深いところに到達することだ。今は、機能の増強とマネージメントの改善、ほかの技術や企業の統合、といった側面を重視している。いずれもさらなる人材が必要な課題であり、したがって資金の多くは技術陣の増員に充てられることになる”。

Midokuraは、この分野の市場が今後急速に進化していくと見ている。とくに今後はクラウドに乗り出す大企業が増えて、SDN関連製品への関心も高まるだろう。そのときの需要にタイミング良く応えるためには、今から、相当な額のシリーズAにより、技術的基盤を整備することが必要なのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Dropbox、モバイル・デベロッパー向けに同期APIを公開―クラウド上のファイルにローカル・ファイルのようにアクセスが可能に

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今日(米国時間2/6)、Dropboxはまったく新しいAPIをデベロッパー向けに発表した。モバイル・アプリの開発にあたって非常に強力なツールとなることが期待される。

Dropbox Sync APIはiOSとAndroidプラットフォーム向けで、ユーザーがDropboxのアカウントに保存したファイルをデバイスのローカルに保存したファイルと同じ手続で利用できるようにする。デベロッパーはこのAPIを利用して同期、キャッシュ、オフライン・アクセス、バージョン管理などのさまざまな機能を簡単に実装できる。デベロッパーはファイルへのアクセスや管理に神経を使う必要がなくなり、アプリの機能の開発にリソースを集中できるわけだ。

私はDropboxのプロダクト・マネージャー、Sean LynchにこのAPIについて取材した。Lynchは「一言でいえば、昨年11月に発表したDropbox Chooser同様、このAPIもデベロッパーの苦労を軽減しようというDropboxの努力の一環だ。このAPIはどんなプラットフォームでもアプリがシームレスにクラウド上に保管されたファイルを処理できるようにする」という。

Lynchはこう説明する。

Dropboxの使命はユーザーがどこにいようと自分のデータに自由にアクセスできるようにすることにある。これは地理的な場所のことだけでなく、利用しているデバイスやプラットフォームによってもアクセスが制限されないようにすることが含まれている。つまり自宅やオフィスでパソコンを使っていようと、出先でiOSやAndroidのスマートフォンやタブレットを使っていようとDropbxoに保存した自分のデータが利用できなくてはならないということだ。そのためアプリがDropboxに容易にアクセスできるようにするツールをデベロッパーに提供することは非常に重要だ。

あらゆるデベロッパーがDropboxサービスをアプリから簡単に利用できるようにするためにはどんなAPIを提供すべきか、われわれは長い間検討してきた。アプリからDropboxのファイルを呼び出したり共有したりする機能をもたせたChooserはこの方向への第一歩だった。われわれは木曜日にChooserをリリースしたところ、金曜から週末の間に多くのデベロッパーがソースコードに数行のJavaScriptをコピー&ペーストし、月曜には多数のDropboxと連携したアプリが登場していた。

新しいSync APIは要するにDropboxストレージをごく簡単にアプリに統合する役目を果たす。以前のAPIではデベロッパーはアプリでファイルを利用するためにまずファイルをローカルにダウンロードする必要があった。中途で障害が起きた場合はリトライし、それでもダメなら一旦ローカルに保存してその場所を記憶しておく。またアップロードでも同様の手間がかかった。ユーザーがオフラインでファイルに変更を加えた場合、変更された箇所を探し出し、オンラインになると同時にDropboxに再アップロードしなければならない。そうした処理をデベロッパーがすべてコーディングする必要があった。

新しいSync APIはこうしたファイル管理の負担をデベロッパーから取り除く 。ネットワーク接続の中断、オフライン・キャッシング、バージョン管理と自動アップロードなどをデベロッパーに代わって処理してくれる。Squarespace Noteのデベロッパー、Chris Coxはリリース・ノート中で「Sync APIのおかげでDropboxをアプリに統合するために必要なコードの行数がおよそ半分に減った」と証言している。

Lynchは「モバイル・デバイスでDropboxのファイルを呼び出し、編集を加えた結果が整合性をもってリアルタイムで他のデバイスやプラットフォームからも利用できるようにするのが目的だが、それ以外にもデベロッパーが創造性を発揮してこのSyncAPIを利用してくれるのではないかと期待している。 われわれのAPIは部分的には AppleのiCloudの同期APIに似た機能を持っている。しかしわれわれのAPIはユーザー自身のDropboxアカウントにアクセスするので、単にiOSやMacばかりでなく、事実上あらゆるコンピューティング・プラットフォームから利用できるところが強みだ」と述べた。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+